その巨腕は海鷲達を焼き尽くす恐怖の鉄槌と化す
概要
2014年9月12日のアップデートで実装された、(鬼・姫クラスを除けば)19番目の深海棲艦。
軽巡洋艦ながら、北方海域Extra Operation海域(3-5)のボスである。
第6海域「中部海域」ではeliteが登場、ノーマルと共に多数出現する。
能力的には他の軽巡より高めで、ノーマルの時点で他のflagship軽巡相当のステータスとなっており、eliteに至っては重巡リ級flagshipに匹敵するほどである。
艦船 | 耐久 | 火力(無/装) | 雷装(無/装) | 対空 | 装甲 | 射程 |
---|---|---|---|---|---|---|
ツ級elite | 66 | 64/68 | 92 | 96 | 68 | 中 |
リ級flagship | 76 | 68/79 | 48/58 | 40 | 70 | 中 |
特に対空値は非常に高く(無印で88、eliteで96)強固な防空能力を有する。
五十鈴改二の対空(84)を無印の時点で上回っている上、スロット数で勝り水上機も搭載可能である。高角砲「5inch連装両用莢砲」を2基装備しているため、実質的な対空値は100以上と思われる。3-5の上ルートでは空母娘有数の艦載機数を誇る一航戦コンビでも、道中での激しい航空戦をくぐりぬけてきたとはいえ、こいつ一隻に航空隊が壊滅して二人が棒立ちになる事態も珍しくない。
雷装もeliteの時点で92と、長良等の89を超え、神通改二の98に迫る高水準。装甲・耐久が高い為駆逐艦娘や軽巡洋艦娘で倒すのは難しく、雷撃戦で魚雷をもらって大破撤退に追い込まれやすい。
またソナーを装備しているため対潜も強く、単縦陣でもこちらの潜水艦をワンパンで中〜大破に追い込むことも珍しくない。
そして2014年11月14日、期間限定のイベント海域にてE-2ボス旗艦の最終形態の随伴艦として、また同海域のBマス艦隊の旗艦として登場。
この海域、上述の3-5の下ルートと同じく「軽巡1〜2隻と駆逐艦」による水雷戦隊でなければボスマスに到達不可というクセの強いMAPであり、そのせいもあってツ級がこの海域でかなりのクセモノと化した。
Bマスで出ると雷撃でワンパン大破、随伴として出れば駆逐棲姫を護る壁となって苦戦を強いられるなど、通常海域以上に猛威を振るった。
またその後の海域でも道中で、敵艦隊の旗艦や随伴艦として登場。連合艦隊に随伴する水雷戦隊を、やはり“鬼の如き雷撃”で大破に追い込み、道中での大破撤退要員の一人となった。ただ、こちらは水上打撃部隊(正規空母1隻以下or軽空母2隻以下)だと火力の高い水上部隊で蹴散らせる可能性が高いため、むしろ空母機動部隊でのE-4攻略で多くの被害をもたらした方が多い。
2015年夏のイベント、ツ級が真の意味で牙を剥いてきた。
今回のイベントから「艦載機熟練度」システムが採用され、その艦載機が戦闘を経験するほど艦載機の戦闘力が向上するようになった。ただしスロットの艦載機が全滅すると、艦載機の熟練度がリセットされてしまう。
……ここまで来ればおわかりだろうが、ツ級は本システム最大の天敵と化したのである。
制空権に関与する艦戦は対空砲火で撃墜されないため問題にならなかったのだが、問題は艦攻と艦爆。
E-3をはじめ機動部隊での出撃が多い今回のイベントでは要所で必ずと言っていいほどツ級が混ざっているせいで、友永隊や村田隊といった強力な精鋭部隊が壊滅させられる悪夢の光景が展開された。
ただしこれは航空拮抗などの悪条件が重なった上で起きるものであり、しっかり制空権を取っていれば20機スロットの艦載機が一回で全滅することは絶対にないことが検証で判明している。
と、ここまで恐ろし気に書いてきたが、所詮は軽巡。装甲はさほど高くないので重巡や戦艦などの攻撃が綺麗に入ればあっさり撃沈できる存在である。
かつては中部海域とEOにしか出現せず、対空砲火に警戒しなければならない海域は少なかったのだが、第2期アップデートにより南方海域にも出現するようになり出現場所が増加。ますます艦載機熟練度の管理に注意が必要になった。
アーケードでは第6回期間限定イベント、「発動!渾作戦」にて実装。
アーケードの仕様では上述した対空能力の再現ができないためかなんと本家では使ってこない対空カットインを使って艦載機を叩き落としてくる。幸い対空カットインの発動はランダムなので毎回対空カットインをしてくるわけではないが提督の中には「秋月型が敵に回るとこんなに厄介なのか」という感想を持つ者も出た(アーケード提督の中には本家をプレイしたことがない提督も少なくない)。
何もしてないときによくおじぎのようなモーションをするのだが砲撃を受けた後にもこのおじぎモーションをするためドM疑惑がかけられている。
そして2019年春イベント「発動!友軍救援「第二次ハワイ作戦」」では、かねてよりその登場を恐れられてきたflagship級がついに登場。しかもいきなりのE-1ボスである。
対空こそeliteの1割増しにとどまったものの、耐久と火力は倍近く、装甲でも1.5倍弱と大幅にパンプアップされ、一部戦艦のflagshipを優に上回るに至った。しかも夜戦火力ならネ級flagshipにも勝っている。お前のような軽巡がいるか。
ちなみに高ステータスではあるが随伴、道中で殆ど登場しないネ級flagshipとは異なり、ツ級flagshipの場合はE2からボス随伴で再登場する。おまけにボスが空母棲姫率いる空母群であるため高い対空値で基地航空隊の熟練度をボロボロにしていく。そして後段作戦が解放されると道中でも普通に出現するわ、当然のように敵連合艦隊の第二艦隊に混ざっている。上記のとおり高い火力や高い耐久で耐え切った場合は雷撃戦に参加してくので大破撤退に注意したい。
そして最終海域では戦艦レ級2隻を率いて道中で登場するわ、ゲージ破壊手前になると連合艦隊の第二艦隊に2隻配置されている。初実装のイベントでここまで使われるのはある意味で珍しい。
艦載機熟練度で牙を剥いてきたツ級だが今後は道中やボス戦での厄介な壁として牙を剥いてくるのだろうか…
容姿
異形の艦ばかりであった軽巡洋艦では初の、ほぼ完全な人型のスタイルを持つ深海棲艦。
あえて言うならばグローブに覆われた両手が、人間の標準よりはるかに大きい。
顔は深海棲艦特有の黒い組織でバイザーのように覆われている。
右腕には連装砲塔と魚雷発射管、左腕は連装砲塔が二基備わっている。
露出度はかなり高く、腰に至っては布のようなものをゆるく巻きつけただけである。
その他
北方棲姫と同時期に登場(向こうは厳密には再登場)したため、二次創作では北方棲姫の部下、または執事のようなお守役として登場する事もしばしば。
軽巡らしからぬ重装備であるためか、「夕張が深海棲艦化した姿では?」と一部で囁かれているようだ。
もっとも、夕張は「ほぼ駆逐艦並の小柄な船体に5500t級並の武装を積み込んだ」艦であるため、武装の数自体は他の軽巡とさほど変わらないのだが・・・
また腕の艤装に階段状に並んだ兵装から、米軍のアトランタ級軽巡洋艦がモデルではないかとする説もある。
史実のアトランタ級軽巡洋艦は防空巡洋艦としての性質が強く、これはツ級の性能とも合致する。
(ちなみにアトランタ級は、第三次ソロモン海戦でアトランタが大乱戦の末自沈処分、ジュノーが夕立の攻撃で大破し後退したところを伊26潜水艦に撃沈されている)
ただ、アメリ艦娘の存在から「撃沈されたアトランタとジュノーの亡霊」というわけではない様子。史実のアトランタ級が後期型になると魚雷を取っ払ったのに対し、ツ級は此方側の艦隊型駆逐艦に匹敵する雷装を持っているという点も異なる。
後日、アトランタも艦娘として実装されたが、こちらはイベントのラスボスとして防空巡棲姫が登場したため、「ツ級≒アトランタ級」の図式はほぼ崩れたことになる。
となれば、ツ級は「『防空巡洋艦』という概念の深海棲艦である」と考えるのが妥当かもしれない。
実際、魚雷発射管に拘泥したのは帝国海軍の方であり、摩耶や秋月型など防空に専念すべき艦艇に最後まで魚雷を搭載させ続けた。ツ級のやけに高い雷装値は帝国海軍に由来する可能性もある。