CV:金元寿子
コナイデ…ッテ…イッテル…ノ……
カエレ……ッ!
概要…ッテ…イッテル…ノ……
初出時に港湾棲姫の妹分と紹介された。
また、似通った容姿であることや同じ陸上基地モチーフであることから、二次ネタとして飛行場姫も姉妹扱いされることがある(→陸姫姉妹)。
飛行場姫や港湾棲姫同様、基地/飛行場の特性を持つ為雷撃の対象にならず、三式弾を装備した艦娘の攻撃がよく通る。
なお、名前の読み方には複数の説がある(後述)。
港湾棲姫同様、台詞から戦いにはあまり乗り気では無い事が窺える。
戦闘中、艦娘の零戦や烈風を『オイテケ』と言ってねだってくる。(元ネタについては下記の『アクタン・ゼロ』を参照)
幼く見えるが侮るなかれ、彼女もやはり「姫」。
たこ焼きに似た形の艦載機による強烈な空爆と戦艦ル級に匹敵する砲撃で応戦してくる。
また、あと1回の撃破でクリアというところまでゲージを削ると本気モードとなり、立ち絵の変化と共にステータスが増大。
HPは1.5倍の500、火力に至っては2倍近くにまで増加する。
飛行場姫より劣っているといえど、本気モードになると体力、火力共に新米提督を通すまじとするふざけた数値である事に変わりはない。
シズンデェ!
支援艦隊を出さないと雑魚が残ってしまい、ボスを倒すのは非常に難しい。
港湾棲姫と同じく昼戦からのスタートとなる為、最終形態に関しては支援艦隊に雑魚を片付けてもらおう。
ただし、道中は「低コストだが低装甲の駆逐艦娘必須コース」と、「重火力も可能だが夜戦付きコース」のいずれかの選択を迫られる上に、どちらを選んでも軽空母娘が二隻必須(注1)かつ高い索敵能力を求められる難所であり、必然的に三式弾を持ち込める数が限られる。
体感的な難易度で言えば港湾棲姫を大きく上回るだろう。
※1 夜戦コース(北ルート)の場合必須は空母系二隻であり正規空母の投入が可能。ただしここで投入した艦は後のMI作戦に参加できなくなるため、MI作戦用も含めて6隻の正規空母が育っていれば……の話だが。
チョウシニ…ノルナッ!
その後
2014年9月12日のアップデートで実装された北方海域戦闘哨戒【Extra Operation】(通称3-5)でまさかの再登場。元イベントボスの姫では南方棲戦姫も通常海域(5-3、5-5)に参戦しているが、ほっぽちゃんは新グラで、更に通常海域での敵艦船としては初のボイス付き。更にボス手前マスでの出現の大優遇での通常海域参戦である。
実は、この3-5とAL作戦E-2は、スタート位置や進行ルートが違うだけで完全に同じMAPである。と言うか、そもそもこの海域のボスである軽巡ツ級以下の部隊は、彼女が鎮座する北方海域に対する増援部隊だったりする。そのため登場する位置もまったく同じであり、戦艦や空母を組み込んだ編成で進むと彼女に出くわすことになる。
ただし、イベント時よりHP・火力が低下しており、索敵や編成の要件も緩和。更に水雷戦隊を中心とした編成の場合は彼女がいるマス自体を避けて進むことになるため、脅威度はAL作戦ほどではなかったりするのだが…戦力ゲージが25%を切るとAL作戦同様、グラフィックが変更されて本気モードになる。
なお、北方棲姫にS勝利すると明石やまるゆがドロップする可能性がある。
ドロップ目当てかはたまた北方棲姫自身が目当てか、高レベル提督が彼女の元へ日参する姿が目に浮かぶ。
その様はまさに魔性の幼女と呼べるだろう。
なお、ぽっぽちゃんにも「潜水艦デコイ」は有効で、正規(装甲)空母×3・潜水艦×3でやりすごしてボス艦隊を叩く戦法も見られる。
ところでその新規立ち絵なのだが…
ほっぽちゃんクリスマス仕様
2014年12月12日のアップデートにおいて、なんとクリスマス期間限定の新グラが実装された。もちろん深海棲艦側では初めての快挙である。
また、彼女を倒して勝利すると一定の確率でクリスマスプレゼントの箱を貰えるのだが、傍から見るとクリスマスを楽しんでいる幼女からプレゼントを強奪するという、どっちが悪役だかわからない外道極まりない構図になってしまう(無論、この海域以外でも箱は手に入る)。
しかし悲劇は終わりではなかった…
AL春の菱餅祭り
2015年2月23日のアップデートで、期間限定で、特定海域において「菱餅」がドロップするようになった。
この特定海域の中には、北方AL海域の、通称「ほっぽちゃんマス」も含まれていた。
しかもドロップ率が25%前後と、3-3など他海域より高く設定されているらしいことが統計により明らかとなってきた。
菱餅を複数個集めることでレア装備「熟練見張員」を手に入れられることもあって、多くの提督がガチ艦隊で殺到する結果となるのは明白である。
クリスマスに続き、ひな祭りまで襲撃されてしまうほっぽちゃんの明日はどっちだ。
ほっぽちゃんと梅雨
2015年5月18日のアップデートで梅雨シーズンのイラストが登場した。
イラストは最終形態の意匠変更なのだが、タコヤキ航空機の代わりにてるてる坊主を右手に握りしめ、左手で傘をさしたものとなり、元絵に比べて随分和やかな雰囲気が漂う。
てるてる坊主がところどころ厳つい感じだったり、傘が生体パーツっぽかったり、相変わらず裸足なのは御愛嬌。
随分とまた梅雨を堪能していらっしゃるようで…… え、AL海域に梅雨はない?
ほっぽちゃんと秋刀魚祭り
同年10月9日の更新で、プチイベント「鎮守府秋の秋刀魚祭り」が実施された。
その一週間前から「特定海域で秋刀魚がドロップする」と通知されていたため、多くの提督が「やっぱ3-5のほっぽちゃんマスでドロップ確定かな」と、もはや恒例になった“ほっぽちゃん搾取”に心を痛めつつ、実装の日を迎えた。
……ところが、なんと今回は北方棲姫マスでのドロップは無しで確定!!
しかもご丁寧にほっぽちゃんのグラフィックも、顔の前で右手を立てて左右に振りながら
「サンマ…ココニ…ナイ……カエレ!」と言いたげなものに変化した。
ちなみにBOSSの軽巡ツ級ではドロップする。
……まぁ冷静に考えれば、陸や沿岸で秋刀魚は釣れないのだから当然の反応である。
それでも、実は隠し持っていたという解釈のイラストがある辺り、
とばっちりを受けていると言えなくもない……
バレンタインmode
なんとチョコレートを持って出迎えてくれる。
頬もよく見ると微かに赤くなっていて、普段とは違い閉じられた口と併せ、チョコをこれから渡すため緊張しているように見える。
しかし、誰に対するチョコレートなのか?という疑問がどうしても浮かんでくる。
普通に考えれば、敵対する諸提督や艦娘に向けたものではないはずなのだが……。
お正月mode
2016年は鏡餅もって楽しみ、
2017年は晴着に港湾棲姫柄の羽子板もってお正月を堪能している。
なお、この時深海棲艦側で初めて中破グラフィック(彼女の場合は損害グラフィックだが)が実装されるという快挙を果たしている。
ハロウィン
久しく展開がなかった2022年10月14日のメンテでハロウィンmodeになった。
初登場のイラスト差分とはいえゲーム内でハロウィン姿なのはこれが初である。
黒いかぼちゃ型の容器に艦載機型・深海浮輪型のお菓子を詰め、かぼちゃ型ペロペロキャンディをなめている。
大破すると通常時の差分のハロウィン姿になる。
同メンテでは姉と同時にハロウィン姿が実装されたことになる。
ローソンでのキャンペーン
コンビニエンスストアの一つであるローソンとのタイアップで、2016年2月16日から艦隊これくしょんのキャンペーンが開始された。
深海棲艦側では満を持して彼女がデザートについてくるグラスのデザインとして登場することとなった。
艦載機の子たちと一緒にいるので乳製品等を入れて色を見ながら雰囲気を味わってみてはどうだろうか。
またコンビニでは他のお客さんや店員さんには迷惑をかけないようにしよう。
彼女が艦載機をとばして『カエレ……ッ!』と怒ってくるかもしれない。
「すき家」×「艦これ」コラボキャンペーン
牛丼チェーン店・すき家とのコラボにて、すき家限定オリジナル3Dカードの深海枠として抜擢された。
しかも今回は書き下ろしで、満面の笑顔で牛丼を片手にはしゃぐ姿を見せている。
背景がカウンター席なので、丁度カウンター席に座ってうきうきしているようにも見えるせいか、いつも以上になごみオーラ全開である。お供の黒タコヤキ艦載機も、よだれを垂らして牛丼を見ている。
ちなみに握り箸。手袋は外して食べましょうね。
このグラフィック単体はゲーム内でも使用されたので、満面の笑みで牛丼を食べているほっぽちゃんに艦娘たちは「カエレ!」と追い返されることとなる。そりゃ怒るわな…
これら特殊グラの数々は艦娘型録弐において4ページを使って掲載されている。
(なお、瑞穂の差分は1ページでまとめられた)
北方水姫
2017年春イベント、『出撃!北東方面第五艦隊』にて名前のよく似た「北方水姫」が登場した。
名前は北方棲姫の上位種のようだが、こちらは「水上艦型」であるため名前が似通っている事以外の関連性は無いと思われる。
アーケード
2018年10月11日にて艦これアーケードでAL/MI作戦が開始。ブラウザ版同様にAL作戦ラストに待ち構える。
艦娘に気づくまでは楽しそうにヒコーキゴッコをしていたり、被弾すると地団駄を踏んだり容姿通りのお子様ぶりを発揮した。
撃破時のムービーはかなり悲惨で涙を誘う・・・
なお、ブラウザ版では確認できなかった八重歯があることが判明。
ズイパラ
2019年の瑞雲祭りにも出現。
なんとアトラクション・氷の国で落とし物をして困っているとのこと。
楽しい八景島シーパラダイスへ遊びに来て落とし物とはつくづく不幸だが、
無事落とし物を見つける(アトラクションで重さが当りになる)とズイパラ公式シールをくれる。
提督でもちゃんと拾い主にお礼をしてくれるいい子。
会場には通常海域と三越コラボのイラスト立て看板が展示されている。
シーパラダイスのレストラン哉介では海鮮丼の北方棲姫丼も販売。一体何が食材なんだ!?
北方棲妹
2019年の夏イベ、発動!友軍救援「第二次ハワイ作戦」にて、なんと妹がいることが判明した。
お姉ちゃんと同じAL海域のラストで、艦娘たち(+提督)を追い返そうと待ち構えている。
ゼロ戦を欲しがった姉とは異なり、こちらは命を要求してくる。
が、被弾すると「アネキに怒られる」と言ったり、姉には頭が上がらない様子。
詳細は北方棲妹を参照されたし!
容姿ナノ?
月刊コンプティークにて姿が初出している。
深海棲艦初の幼女体形の「姫」であり、アリューシャン列島にある軍港のダッチハーバーがモデルとされている。
飛行場姫をそのまま幼くしたような見た目で、頭の左右に黒い角、白いワンピースにミトン状の手袋。しかも何気に黒の紐パン着用。
また、深海棲艦の中では初めて裸足ということが分かる種類であり、左のふとももに黒いリング、両足首にも黒いリングがある。
艦装は、周りに猫耳のようなものが生えたたこ焼きがいくつかあり、右側には離島棲鬼の艦装と似たようなものが配置され(最初のグラフィックでは右手でその艦装の取っ手を握っている)、左側の艦装の口からはクレーンが出ている。
アーケードのグラフィックでは左右の艦装は背中から下に伸びているようだ。
手にしているのは、アリューシャン方面の戦いにてほぼ無傷の形で鹵獲された零式艦上戦闘機「アクタン・ゼロ」。
被弾時に『ゼロ……オイテケ……』と発するのもこれを指すものと思われる。(第二形態では烈風を所望するように……)『レップウ…オイテケ……』
ちなみにねだる理由は公式四コマで明らかになっており、本人曰く ヒコーキゴッコ に使うためらしい……
なお、吹雪、がんばります!では龍驤に丸め込まれてパチモンを掴まされ、鎮守府にクレームを入れるがラムネと羊羹で引き下がった模様。
この時、その愛らしさで那智を虜にした。
またクリスマスの件については、自分から艦娘たちを招いてサンタさん役としてプレゼントを配りたかったようである。
雛祭りでは伊勢が落とした菱餅を取り戻すべく現れた龍驤と再対決。拾った菱餅を凶器(?)にして見事龍驤を大破させて撃退した。
梅雨にはまさかの北方鼠輸送に行った遠征艦隊と遭遇。天龍曰く『アメカエレ』と因縁を付けてきたらしい(この遠征艦隊には白露型が4人いた)
秋刀魚祭りの際には龍驤に「北方棲姫が持ってるんとちゃう?」と押し掛けられたのだが、『ナイ。ホネ オオイカラ スキジャナイ』と語る。その様子からは、既にお互い敵対意識は無く親戚の子供とお姉さんのような雰囲気である。
上記の経緯を見てわかるように、公式4コマの北方棲姫はプレゼント箱や菱餅を艦娘に強奪されていない(プレゼント箱は上記の通りサンタとして艦娘にプレゼント。菱餅は伊勢が落としたのをたまたま拾っただけで龍驤達と遭遇して驚いた拍子にブン投げている)。
貫禄と余裕たっぷりだった今までの深海棲艦ボスクラスのお姉さま方と比べると、
ボイスがかなり人間じみたものになっており「必死になって戦っている」という印象を受ける。
その幼い容姿と相まって、攻撃するのに心が痛む提督も・・・?
サントラのイラストでは水着を着用。
水中メガネとシュノーケルも身に着けている。
今まで謎だった手袋の下の手も明らかになっており、ごつめの爪が生えている。
艦装がないので着脱式なのだろうか。
うれしそうにスイカ塗装のたこ焼きさんを持っている。
どういうシチュエーションなのだろうか?
呼称・愛称
その可愛らしい容姿から、一部ファンからは「ほっぽちゃん(北方→ほっぽ)」「ほっぽっぽ(ほっぽの派生)」、「あくたん(後述のアクタン・ゼロ由来)」などという、これまた可愛らしい愛称が付けられていたりする。
ニコニコ大百科由来の、よりストレートな「幼塞」とも呼ばれているようだ。
上述の被弾時ボイスから「妖怪ゼロおいてけ」とも。
ただし、実は「北方海域」の読み方が「ほくほうかいいき」である(公式の用語集で確認できる)ため、「北方棲姫」も本来「ほくほうせいき」と読む可能性が高いと思われる。
しかし一方で、「ほっぽうかいいき」と読む艦娘もおり、ゲームの画面上ではルビや読み仮名が用意されておらず、公式設定も曖昧なままなので、実際の所はよく分からない状態である。
ちなみに、各種メディア等ではどうなっているか、というと……
コンプティーク6月号では「ほくほう」の記述を確認できるらしい。
公式監修の艦これRPGプレイヤーズブックでは「ほっぽう」となっている。
グッズではねんどろいどの商品名フリ仮名が「ほくほう」である。
ミディッチュ・ねんどろいどぷらすでは以前は「ほっぽう」だったが、現在は「ほくほう」となっている。
小説『鶴翼の絆』に至っては、誤字なのか「ほくほう」「ほっぽう」の両方が混在しているという状態。
……結局、どちらでもいい(合ってる)という話なのかもしれない。
創作においての扱い
(ただし、飛行場姫との関係は二次ネタなため、港湾棲姫とのセットの方が多い)
また、北方棲姫とほぼ同時期に登場した新型艦として軽巡ツ級が部下として出る事もある。
実際の見た目に反したバ火力ぶりに面食らった提督も多い模様。
その可愛さに理性を狂わされ、彼女を鹵獲したいと意気込む提督が多く、実行犯の筆頭は例によって小さい子大好きのビッグセブンさんである。
憲兵さ……いや、戦艦棲姫さんこっちで……、大和さんこっちで…………。
また、烈風が欲しいあまり、なんとわざわざ烈風の設計・開発担当の航空技師のところに足を運んだという、ある意味夢の競演なイラストも存在している。
ロr……もとい幼く、いたいけな容姿が人気のほっぽちゃんだが、あえて「成長後(?)」の姿を想像(妄想)したイラストもあったり。
うん、これはこれで!
史実
元ネタとなったとされる「ダッチハーバー」は、アリューシャン列島の東側の中ほどにある『ウラナスカ島』に存在する。
小規模ながらベーリング海への中継基地として重宝されており、太平洋戦争時には北方作戦の拠点として基地が施設されていた。
ダッチハーバー空襲の意義
アリューシャン作戦(AL作戦)の主眼として敢行された、アリューシャン列島ウラナスカ島・ダッチハーバーへの空襲だったが、これについては結果的に“失敗”だったと評されている。
そもそも本作戦は、米軍の意識をアリューシャン列島に向けさせ、ミッドウェー諸島への戦力を削ぐことを目的とした陽動のはずだった。ところが作戦開始から二日目には、ミッドウェー作戦の暗号が米軍に解析されてしまい、アリューシャン列島にはほとんど戦力が振られることはなく、他の戦力は対ミッドウェー作戦のために進軍してしまう。
結果、米軍ではなく日本軍の方がアリューシャンからミッドウェーへ戦力を向かわせる憂き目に遭い、キスカ島・アッツ島の占領も「作戦の失敗をごまかす大義名分」となり果ててしまう。それどころか、一時的かつ短期の占領で終わらせるはずの二島が、日本の厳しい船舶事情と兵站の配慮を更に圧迫する悪因となってしまう。
(アッツ島に取り残されることとなった陸軍部隊は1943年5月に激しい戦闘の末玉砕、キスカ島は2カ月後の7月に木村少将指揮下の撤退作戦で脱出している)
そして、本作戦最大の失態とされるのが「アクタン・ゼロ」の存在である。
アクタン・ゼロ
アリューシャン列島のアクタン島に不時着・鹵獲された零式艦上戦闘機二一型。
「アリューシャン・ゼロ」「古賀のゼロ(Koga's Zero)」とも言われる。
ほとんど無傷のままアメリカ軍に回収され、対零戦戦術研究に利用された事から、「日本にとってミッドウェー海戦の敗北に劣らないほど深刻であり、日本の降伏を早める大きな原因となった」とも言われている。(注)
なお、アクタン・ゼロの落とし主は龍驤である。
鹵獲の経緯
1942年6月、AL作戦において龍驤麾下の航空隊がダッチハーバーへの爆撃を敢行。この際、古賀忠義(こがただだよし)一飛曹が駆る零戦が敵からの銃撃を受けて損傷。ウラナスカ島の北東にあった「アクタン島」に不時着した。
着地点が湿地帯だったことから、機体の損壊は軽微でほぼ無傷の状態だったという。しかし着地時に車輪がぬかるみにはまって裏返ってしまい、その状態のまま滑走して不時着した。この衝撃で古賀一飛曹は殉職。
本来、上層部の厳命により「敵地に不時着時には速やかに破壊せよ」とされていたのだが、古賀一飛曹に同伴していた鹿田二男(しかたつぐお)二飛曹たちは古賀一飛曹の生死の判別に迷い、万一に生きていた古賀一飛曹を零戦ごと葬ることをためらって放置。救助のために哨戒していた潜水艦も、米駆逐艦「ウィリアムソン」に発見され、撤退を余儀なくされる。
結果、古賀一飛曹の零戦は放置されてしまう。
それから一ヵ月後、偶然にアクタン島上空を通過していた哨戒任務帰りのPBY-5Aが古賀一飛曹の零戦を発見。
米軍は三日かけて湿地から零戦を引き出し、操縦席にいた古賀一飛曹を葬ったあと、機体を洗浄して本国へ輸送、慎重に修復され、二ヶ月半をかけて再飛行可能にまで復活させる。
そしてテストパイロットによる試運転を重ね、零戦の徹底分析を実行した。
これにより、零戦の弱点であった“ローリングの鈍さ”が露見。
「対零戦戦術」への大きな足掛かりとなった。
アクタン・ゼロ以前にも、米軍による零戦研究は進められており、中国大陸で鹵獲された機体があったが、そちらは損傷が激しく復元に手間取ってしまい、研究対象となったのはアクタン・ゼロよりも後だったという。
なお、アクタン・ゼロ本機は1945年2月に事故により破壊されてしまい、現在は数基ばかりの計器がアメリカ海軍博物館に寄贈され、その面影を残している。
(注)
実際のところ、大戦後期の日本軍機の劣勢は、それまでの戦闘経験に基づくアメリカ側の対抗策の確立(急降下速度が遅いなどの弱点は、アクタン・ゼロ以前に露見していた)、F6Fなど新型機の登場、熟練搭乗員の消耗・払底など多くの要素が絡んでいるので、アクタン・ゼロがどの程度貢献したかは判断が難しい。
F6Fの開発にアクタン・ゼロで得られた知見が生かされたとの説もあるが、開発時期が一致せず、俗説の域を出ない。
イツカ…タノシイウミデ……イツカ……
関連イラスト
関連タグ
北方棲妹:妹?!
北欧棲姫:似てる……けどなんか違うキャラ