概要
当初は2014年8月8日から同年8月28日までの展開予定であったが、初日の8日にDMMサーバーが過剰アクセスの為に接続できない状態になったので、1日分延長して29日までの予定に変更された。
今回で6回目となる『艦これ』の期間限定イベントであり、ファンからは単純に「(2014年)夏イベント」と呼ばれる事が多い。
元となった史実での作戦は、AL作戦が龍驤が活躍したアリューシャン作戦、MI作戦が南雲機動部隊が最期を迎えたミッドウェー海戦である。
太平洋戦争の分岐点となった非常に有名な戦いが元ネタのためか、2015年夏イベント『反撃!第二次SN作戦』が開始されるまで、艦これ史上最大規模を誇るイベントであった。
仕様
このイベントは、「二正面二段階作戦」「そして最深部へ進攻する提督方は、不測の事態に備え、艦隊戦力を温存しておくことも重要です。」と予告された。
二段階作戦であった春季イベント『索敵機、発艦始め!』と同様にまず第1・第2海域からなる北方【AL作戦】の攻略に取り組む事になり、これらの海域の攻略に成功すると【MI作戦】への参加が可能となる。
しかし、春イベントと違い今イベントは二正面作戦(二つの戦線で同時に別々の敵と戦う作戦)でもあるため、AL作戦方面海域に出撃した艦娘は後のMI作戦方面海域及びMI支援艦隊には出撃させる事ができなくなる。
逆にMI作戦方面海域に出撃した艦娘はAL作戦海域及びAL支援艦隊には出撃出来ない。
更にALかMIの何方かの作戦に出撃した艦娘はFinal Stage:E-6にも出撃不可。
MI作戦およびE-6への参加を予定している提督は、艦隊戦力の配分と温存に気をつけねばならない。
つまりこのイベントを最後まで完遂するならば、最低でもAL作戦用に一艦隊・MI作戦用に二艦隊・Final用にも別に一艦隊用意しなければならないという事になる。
しかもMI作戦の分は艦隊編成に制約がついているので、AL作戦で主要の艦娘を使ったが為に人数が足りなくなり、主力艦娘だけでは編成できなくなる事もある。
よっぽどの歴戦、百戦錬磨の中でも最低でも24人の艦娘を相当なレベルまで鍛え上げた提督でなければ本イベントの完全制覇は不可能と言ってもいい。
恐らく大半の提督はAL作戦をゴリ押しでクリアできたとしてもMI作戦をクリアできずに詰んでしまっただろう。
ただし、同じ艦娘を2隻以上保有している場合は別の艦をそれぞれ運用可能。
(ex:榛名改二を2隻持っている場合、1隻をAL作戦に用いてもALに参加しなかったもう1隻の榛名改二をMI作戦に使う事が出来る)
また、装備に関しても共用が可能であるほか、支援艦隊のみの運用の艦娘は全ての戦場に出撃可能である。
MI作戦は、『艦これ』初の本格的な【機動部隊同士の戦い】でもあり、海域は通常の1個艦隊による出撃ではない。
すなわち、機動部隊本隊(第1艦隊)と随伴護衛艦隊(第2艦隊)からなる【連合艦隊】を編成。
これをもって作戦海域に出撃可能となる。
ステージ
AL作戦
ステージ | 海域 | 作戦名 |
---|---|---|
E-1 | 北方AL海域 | 北方AL海域へ進出せよ! |
E-2 | 北方AL海域 | 陽動作戦!北方港湾を叩け! |
序盤という事もあって、難易度は低い……というわけでもなく、大型作戦なだけあってそれなりの錬度の艦娘と、充実した装備が求められた。
MI作戦
ステージ | 海域 | 作戦名 |
---|---|---|
E-3 | 北太平洋海域 | 決戦!MI作戦発動 |
E-4 | 北太平洋海域 | MI島攻略作戦 |
E-5 | 北太平洋海域 | MI島確保作戦 |
連合艦隊を使用する作戦。
E-3は連合艦隊のチュートリアル的ステージで、さほど難易度は高くなかった。
E-4は相応の難易度だが、まさかの艦娘が活躍するという珍事も。
E-5はこのイベントにおける、表ラスボスとも言えるマップ。航空戦、潜水艦、開幕夜戦など特殊な戦闘が多く、羅針盤も安定しないマップであった。
Final Stage
ステージ | 海域 | 作戦名 |
---|---|---|
E-6 | 本土南西諸島近海 | 敵別働隊を迎撃、本土近海防衛! |
※運営の連絡で事前に言われていた「不測の事態」とは、この事らしい……
裏ボスとも言える本イベント最終マップ。AL/MI双方に出撃したことの無い艦娘でないと出撃できない。そのため、このステージの攻略込みで編成を組むのが熟練提督に求められた。
一部では13秋E-4に匹敵するとも言われるほどの高難易度。
ボス前には空母おば…空母棲姫か夜戦マスを通る必要があり、ボスにたどり着いてもダブルダイソンによって追い返される、無慈悲なマップであった。
「全力で迎撃されたAL」と「蛻の殻のような敵戦力のMI」ときて「最も強力な本隊が投入された別働隊」という構成だった為に「MIこそが此方の本隊を遠方に繋ぎ止める為の敵の陽動だった」と解釈したプレイヤーも。
運営からの忠告
艦や装備、レベルの足りない提督、『艦これ』を初めて間もない提督は、AL作戦の完遂だけを目標にするよう運営側から通達が出ている。
それだけ今回のイベントの難易度が今までに比べて桁違いに高い事が窺えるだろう。
熟練の提督にも言える事だが、クリア報酬に射幸心を煽られる事なく、艦隊の力量を弁えた上で無理せずイベントを楽しむ事を勧める。
新システム「連合艦隊」
本イベントで新たに実装された新システム。
連合艦隊の編成を前提としたイベント海域でのみ編成可能で、AL海域及び通常海域では使えない。
連合艦隊を編成可能な第一艦隊と第二艦隊を配備し、編成画面上部の第二艦隊アイコンを第一艦隊へドラッグ&ドロップする事で連合艦隊が編成される。
機動部隊本隊(第一艦隊)編成条件
空母を2隻以上4隻以下入れる必要があり、同艦隊には航戦や戦艦を最大2隻まで入れる事ができる。
随伴護衛艦隊(第二艦隊)編成条件
基本的に、軽巡1隻と多数の駆逐艦で構成される水雷戦隊で編成を行う。火力支援や索敵の目として、重巡や航巡を最大2隻入れる事ができる。
なお、編成の際に艦娘の配備を変更や解除し、編成条件を満たさなくなった場合は自動的に編成が解除される。
また、第一艦隊旗艦に「艦隊司令部施設」(大淀改の初期装備)を装備した連合艦隊で出撃し、その構成艦が大破した場合、随伴護衛艦隊の駆逐艦を1隻護衛に付けて戦場から退避させる「護衛退避」も実装された。
ただし、退避ができるのは1回につき1人なので、大破が2人以上出た場合は大人しく撤退しよう。
ちなみに本イベントでは正規空母・軽空母を中心とした空母機動部隊のみの編成だったが、同年の秋季イベント『発動!渾作戦』では軽巡・重巡・戦艦を中心とした水上打撃部隊が編成可能となり、連合艦隊編成時にいずれかを選択できるようになった。
連合艦隊大破表示バグ
MI作戦(E-3〜E-5)にイベント開始時から8/11まで発生していた。
直前の戦闘やそのリザルト画面には何の損害も見られなかった艦娘が、次の戦闘では何故か大破していた、という致命的なバグ。
誰でも最悪、捨て艦でもなければ大破進軍などはしないだろう。
しかし、このバグは大破したかどうか画面上では分からない上、表示的には全く当たっていない(miss判定含め)のに大破判定され、大破進撃したいわけでもないのにそういう仕様になってしまったという。
中には運悪くバグに当たり、艦娘を不可抗力で轟沈させてしまったという提督も存在したという……
ただし、運営側の調査では幸いにもこのバグによる犠牲者はいなかったようなので、デマの可能性もある。
その後、運営側が仕様ではなくバグであるとアナウンスした後、11日の23:00に修正した。
艦娘を不本意に轟沈させてしまった提督には、お問い合わせフォームに轟沈時の詳細を送ると、運営から可能な限りのサポートが受けられた(轟沈した娘をレベル・装備共に復活など)。
余談ながら、MIへの出撃を控えていた提督達が、修正直後に鎮守府へ一斉に突入した為、横須賀鎮守府を中心に猫の豪雨が再び降ったという…
新艦娘&イベント限定艦娘
ドロップ
※新規の艦娘には☆を付ける
報酬
この他にも大型建造や各海域でも入手困難な艦娘がドロップされる
…初めてドロップされる艦娘には★を付ける
新敵勢力
通常海域
ボスクラス
従来通り史実での海戦を参考にしているが、今回のボスには一定のキャラクターとの関連を連想させるものが多い。
新アイテム
- 試製41cm三連装砲(E-3、E-6クリア報酬)
- 13号対空電探改(E-3クリア報酬)
- 熟練艦載機整備員(E-3クリア報酬)
- 艦隊司令部施設(大淀改の初期装備)
新規BGM
「#」でYouTubeへ転送
- 『作戦発動』# ※海域MAP画面
- 『海原へ』# ※E-1/E-2 道中戦闘BGM
- 『強襲!空母機動部隊』# ※E-1/E-2 BOSS戦闘BGM
- 『MI作戦』# ※E-3~E-6 道中戦闘BGM
- 『シズメシズメ』# ※E-3~E-6 BOSS戦闘BGM
全5曲が追加されたが、タイトルは2015年になってOST『風』で公表された。
過去最大規模のイベントだけあって、その作曲の気合も半端ではなく、特にMI作戦海域の楽曲は多くのファンから「最高傑作」との呼び声が高い。
また今回は初となるコーラス入りであり、声の主は作曲者である大越香里氏と氏の友人であるとのこと。
なお、海域MAP画面のBGMが通常のものから変更されたのはこのイベントが初である。
追加ボイス
メディアミックスでは
ライトノベル『鶴翼の絆』では、3巻/4巻が本イベントを題材にした物語になっている。その規模の大きさから、現時点で唯一2巻に跨って描かれたエピソードである。
本作でのAL作戦/MI作戦は、深海棲艦の海上封鎖によりKA諸島(MI島の東方にあり、かつては有数のリゾート地だったという)で孤立した難民の救助のため提督が独断で実行した作戦という設定になっている。
艦これアーケード
第伍回期間限定海域として登場。2018年10月11日より作戦開始。
MI作戦は10月23日より、オンラインマッチングのEOは11月6日に開始された。
(11月20日で全作戦終了)
新規艦娘はAL作戦が浦風と浜風、MI作戦が伊401と大淀、EOが 朝雲と山雲を含めた全員である。
今イベント独自の仕様として索敵範囲が徐々に元に戻ること(水上電探の装備で遅らせることはできるが防ぐことは出来ない)と索敵状況によって先制航空攻撃を仕掛けることが可能(一見すると強力なように見えるが状況が赤いと逆にこちらが先制攻撃を喰らう)。
またVERSION B REVISION2にアップデートし戦爆連合が追加された。
関連イラスト
イベント展開中のイラスト
やはり、今回は南雲機動部隊との関連を想起させる提督も多かった。
今回、爆発的な人気を誇った北方棲姫。
手にしているのは恐らくアリューシャン列島アクタン島で捕獲された零戦「アクタン・ゼロ」と思われる。
今回のE-1,E-2にあたるAL作戦は、これまでのイベントのE-1,E-2よりも難易度が高かったが、一定値以下の司令部レベルだと春同様難易度の低下がある模様(例を挙げるとE-1初戦のElite潜水艦が無印に変更され、敵の開幕雷撃が無くなる)。
その後の影響
上記の通り大人気になった北方棲姫が通常海域の北方海域EOであり3-5に参戦。というよりほぼE-2と同じマップ(難易度もイベ時と同じくらい)。また、たこ焼き艦載機のフラヲも出てくるようになる。