CV:川澄綾子
ユウバクシテ……シズンデイケ……!
ノコノコト…マタ……キタノカ……フフ…フ…。
概要
『艦隊これくしょん』2014年夏イベント海域、AL作戦/MI作戦にて新たに登場した「姫」キャラクター。
AL作戦/MI作戦E-3の北太平洋海域「決戦!MI作戦発動」に中ボスとして登場。
この立場と名前から深海における中間管理職か何かだと捉える向きもあるが、おそらく北太平洋海域の要衝、ミッドウェー島に由来するものと考えるのが妥当だと思われる。
ミッドウェーは英語でmidway、すなわち太平洋を囲む北米とアジアの中間に位置する島という意味だからである。
バカメ…!
ナンドデモ…シズンデイケ……!
それまでのボスクラスを上回る高いHPと耐久を持ち、雷撃も出来ない陸上施設系の深海棲艦である。
浮遊要塞を率いてボス前に立ちはだかり、自軍の消耗を狙う。
中ボスとは言えここで艦載機が消耗しすぎれば後の戦いで制空権が確保できなくなる事態もあり得るので、油断は禁物。
他の陸上施設系深海棲艦同様、三式弾を弱点とする。
もっとも、ここでの目標はあくまで海域の最奥部に控える空母棲鬼を倒す事であり、中間棲姫の撃破は必須ではない事から、必然的に戦略における優先順位は低くなる。
そのため能力の割に地味な初陣となったのは否めない。
ソレコソ、マンシンネ……
トラエテ…イルワ……
続くE-4では彼女自身がボスとなり本領発揮する
・・・かに思われたが、本人はともかく随伴艦がとても弱く、その上こちらは連合艦隊を組めるとあってボスマスまでたどり着ければ勝利は難しくないという、あっけない結末に終わる。
以降の登場は無く、提督達の攻撃目標は強化を遂げて再戦を挑む空母棲鬼に絞られてゆく事となる・・・。
ちなみに彼女は敵味方を通して装備スロットが5つある初めてのキャラクターでもある。
ただし、その5番目のスロットには何も装備していない。いずれフル装備した状態で現れるつもりがあるのだろうか。同期の空母棲鬼は強化体も含め既にイベントの常連となっている。
他のボスクラスに目を向けても、これまでの間に同期の北方棲姫が通常海域へのレギュラー入りを果たしている事と2015年の春イベントで港湾棲姫が再登場した事により、特定の場所に由来するボスであっても移動が可能(あるいは同名の別人が存在)であると明らかになっている。
そのため中間棲姫との再戦にも期待(あるいは不安)が高まりつつあるが、登場一周年となる上に、過去のボスが多数参戦しさながらボスラッシュとなった2015年夏イベントに彼女の姿は無かった。
何かと不憫な最強候補の明日はどっちだ?
容姿
2013年秋イベントのボス「飛行場姫」を一回り大きくしたような、白色ベースの成人女性型をしている。彼女と比べると目付きが鋭くなり、角の白色部分の面積が増えている。
服装も姫袖に大きく波打ったロングドレスと大人びており、他の姫達に比べても優雅な出で立ちとなっている。
その印象から「深海の令嬢」の愛称も非公式に付けられた。
一方で顔の下半分を武骨な鉤爪状の艤装で覆っており、深海棲艦ならではの妖艶さも増大している。
足元は黒のパンプス。
大人びた深海棲艦には先に港湾棲姫が登場しているが、全体的に大柄で「ムチムチ」や「巨女」といった表現がなされがちなあちらとは異なり、こちらは基本的な骨格は細めなようである。
この違いのためか、深海棲艦の中では港湾棲姫に次ぐ胸部装甲を誇る上に、胸元も大きく開いて谷間まで見せているにもかかわらず、その方面のネタで注目される機会はさほど多くない。
一応、「中間ぱい」や「谷間棲姫」といった呼称が存在したり、胸の大きさで人を判別する北方棲姫に港湾棲姫と間違われたといったネタが存在したりはするが。
なお、首元から生えている突起物等は皮膚から直接生えている。
構造はマフラーやタートルネックのようなものになっておりきちんと首もあり口もある。
アニメ版にても直接生えている、しかも生え際にグロテスクな白い細胞のような物が根を張っているという、バケモノ然とした描写がなされていた。
武装は体を3本の滑走路で取り囲み、バックには大口を開けた艤装、さらに周囲には浮遊砲台を配置する。
他の深海棲艦より内に籠る印象を受ける戦闘態勢からは、令嬢らしさと耐久力の高さが醸し出される。
詳細は後述するが、3本の滑走路はミッドウェー島に実在した三角滑走路に由来している。
史実とキャラ性を両立させた中間棲姫のデザインは、正に見事の一言に尽きるだろう。
本気モードになると外装からドレスの裾を摘みながら外に出てくるが、このとき身体の各所やドレスに赤いひび割れのような線が走る。
そういうファッションとも考えられるが、彼女を構成する素材が普通でないとも取れる。
このひび割れは後に先行する深海棲艦にもフィードバックされて陸上基地型のボスに共通する本気度表現となり、港湾棲姫と飛行場姫も再登場を果たした際には、ゲージ破壊時の最終形態として同じようなひび割れが生じた状態で現れるようになっている。
セリフについて
「誘爆」「慢心」といったキーワードや、正気に戻ったともとれる最期の台詞から、その正体は史実のミッドウェー海戦で沈んだ旧日本海軍の正規空母赤城だとする説もある。
容姿も似ていなくもない。
しかし空母である赤城に対し中間棲姫は基地である事、担当声優も両者で異なっている事など相違点も多く、詳細は不明。
空母棲姫が一航戦の集合体であるとする説や二航戦がどちらにも似ていない事をどう説明するかという疑問も根強い。
余談としてアーケード版では壊状態への変化の際や轟沈時に瞳の色が赤~黄色に変化するという演出がなされた。
ただし声優に関しては、より共通点の多い春雨と駆逐棲姫も異なっており、むしろ同時期に実装される艦娘に揃えられる傾向にある点には留意が必要である。
空母から基地に関しても、一部姫の撃破時のセリフから推察できるドロップシステムの理論から、基地に艦艇の怨念が宿ったのではという説も取れなくはない。
特にこれに関しては、プロデューサーの田中謙介氏が雑誌(『Febri』.Vol19)のインタビューにて、「(ドロップには)敵と味方の関係が凝縮されている」とまで答えている。
色々と考えることはできるものの、公式ではっきりと確定していないため、現時点ではどれも推論の域を出ないのが現状である。
しかし確定情報が出るまでは、どの説も間違いであると完全に否定することはできないため、持論と異なる説を否定するのも禁物である。
ソンナ…ワタシガ…オチルト…いうの…?
アニメ版では
11話での飛行場姫の登場により、「ミッドウェー海戦がモチーフなのに出番ないのかよ!」とツッコんだ視聴者の予想の斜め上をゆく登場を果たした。
最終12話、劣勢を立て直した艦娘達の猛攻により、滑走路を破損し戦闘不能になった飛行場姫。
さらに撃ち込まれた三式弾であえなく焼死したかに思えた。
だが、その時。焼け爛れた衣装は変形し、どこからともなく貝殻状の装甲が現れ、ついでに身長アップとバストアップも果たし、満身創痍だったはずの飛行場姫はより凶悪な姿、中間棲姫へと進化を遂げたのである。
絶望感溢れるその登場は、どこぞのラスボスを彷彿とさせる。
飛行場姫を凌ぐ猫艦載機の猛攻と、砲撃を喰らっても即座に再生するというセル並の生命力でこれまた艦娘達を圧倒する
・・・が、隻眼ヲ級が吹雪に倒されたのと併せて急速に弱体化。
さきほどまでの再生力はどこへやら、一方的な蹂躙によって大量出血をした末に、最期は体内のあちこちが爆発を起こして膨れ上がり爆散するという、ひでぶさながらの極めて壮絶な最期を遂げた。
史実「ミッドウェー島」および「ヘンダーソン飛行場」
冒頭でも記述したように、中間棲姫のモチーフは「ミッドウェー島」であると考えられる。
島自体の解説は単独記事が存在するのでそちらに譲るが、本項目で注目すべきはそこの飛行場である。
先述の通り、中間棲姫を印象付ける三角滑走路は、ミッドウェー諸島にあるイースタン島に実在した物である。
所有者は米軍で、正式名を「ヘンダーソン飛行場」と言った(英語外部リンク)。
「ヘンダーソン飛行場」と言えば、飛行場姫のモチーフとされるガダルカナル島の物と同名である。
これは偶然の一致では無い。
両者は共に米海軍のロフトン・R・ヘンダーソン少佐(ミッドウェー海戦で戦死)にちなみ、同海戦後に意図的に命名(改名)された結果なのである(英語外部リンク)。
この事から、中間棲姫と飛行場姫は同じ父を持つ、正に姉妹であると言えるのかもしれない(ちなみに建設順序で言うと、イースタン島の物がガダルカナル島の物より古いため、中間棲姫は飛行場姫より年上=姉であると言える。)。
それを踏まえると、アニメ版のあの展開も実は計算されたものだったのでは…と思えなくもない。
もっとも、姉妹関係と成長や進化は当然の事ながら別物である上、公式からの発表も一切無いため、結局の所現時点では詳細不明と結論付けざるを得ない。
なお、米軍が「ヘンダーソン飛行場」と命名した飛行場はもう一ヶ所存在する。
ミッドウェー諸島サンド島の飛行場で、イースタン島の物が廃棄、ガダルカナル島の物がホニアラ国際空港と改名された現在、同飛行場のみがヘンダーソン飛行場(ヘンダーソン・フィールド)を名乗り続けている。