概要
ハワイから天皇海山列に属する元火山島である。それが沈降し、珊瑚礁が発達したものである。約2,800万年前にハワイのホットスポットで形成された火山島が沈降しつつ、プレートとともに現在位置に移動した。地理的にはポリネシアの最北部に位置する。現在はアメリカ領、一般住民の居住はなく島の施設を維持管理する担当者が数十人居住するのみ。
1940年初め頃、ハワイ防衛の拠点として、米軍による軍事基地化が進んだ。
第二次世界大戦中の1942年6月4日、ミッドウェー島近海を巡って日本軍と米軍との海戦が行われた。
太平洋戦争における日米のミリタリーバランスが大きく変動したミッドウェー海戦である。
日本がもし、この海戦に勝利した場合、ミッドウェー島を『水無月島』と改名して領土化することを予定しており、直ちに占領体制を敷けるよう郵便局長などの多数の文官を艦隊に帯同させていたが、海戦敗退によってその試みは潰えた。
なお、冷戦期も米海軍の基地が置かれていたが、冷戦終結後、ミッドウェー島は自然保護区となることが決定された。後のミッドウェー環礁国立自然保護区である。
これによってミッドウェー島の軍事基地は1996年に閉鎖され、以後はエコツーリズムの場として観光客の受け入れが行われていたものの、2002年には中止された。
鳥類の楽園
この島とその周辺の島や海域には、ハシナガイルカやモンクアザラシや数々の海鳥やウミガメなどが生息する。
クロアシアホウドリの世界最大の繁殖地であり、旗になっているコアホウドリも非常に多い。
特に、カモメ科の海鳥ではセグロアジサシ、クロアジサシ、ナンヨウマミジロアジサシ等のアジサシ類が多数生息している。
その他、レイサンガモやレイサンヨシキリ等の固有種も数々存在するが、外来種の侵入や狩猟によって、その多くが絶滅したり、または絶滅危惧種になっている。
2011年、2012年、2014年にはイースタン島でアホウドリの繁殖が確認されている。