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三式弾

さんしきだん

大日本帝国海軍が開発した砲弾。ここでは、ブラウザゲーム『艦隊これくしょん』とアニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』における三式弾についても解説する。
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概要編集

旧日本海軍が開発した砲弾の一種。正式名称は三式通常弾で三式焼霰弾とも呼ばれる。戦艦巡洋艦が搭載できる対空砲弾。

焼夷弾榴散弾を合わせたもの。

仕組み編集

内部にはマグネシウムや可燃性のゴムが入った焼夷弾子と非焼夷弾子が詰まっており、時限信管によって爆発を起こし、内蔵された焼夷弾子を爆発箇所を頂点とした前方へ円錐状に撒き散らす。そうすることで敵機を効率的に撃墜しようとした。でもぶっちゃけた話、水圧式の機動が遅く対空照準装置もない主砲でぶち込まれてもね…むしろ脅し的な意味では効果的だったかもしれないが。

戦艦主砲で対空射撃するなら、零式通常弾(零秒から55秒までの設定が可能な時限信管を備えた榴弾で、上下前後左右くまなく危害を及ぼせる)を使ったほうが命中率も良く、三式弾の開発は不要とする意見も当時から存在した。

後述の『艦隊これくしょん』にも反映されているが、飛行場などの地上構造物破壊にも用いられた。

こちらの用途での戦果は非常に優秀で、特に戦艦金剛榛名によるヘンダーソン飛行場の破壊が有名なエピソードであろう。あと、霧島が三式弾で米戦艦を砲撃している。この砲撃はかなりの至近距離で行われたため、艦内で三式弾が爆発し、敵は艦内を滅茶苦茶にされたという。霧島ネキパネェ...

装甲貫徹力は少ないものの戦艦などの大口径砲で撃つ大型の弾頭である為に、実際には中小の艦艇や輸送船相手にはそのまま叩き込んでも敵艦船を浮かぶ松明か浮かぶ廃墟にする程度の力はある。

ちなみに本来の用途での活躍はなかったのかというと一応あり、レイテ沖海戦において長門大和アメリカ軍B-25爆撃機を(資料により数の食い違いはあるが)撃墜した記録が残っている。

ちなみにレイテ沖海戦の輸送船攻撃には、小説で描かれがちな三式弾ではなく零式通常弾を用いる予定だったという。


なお、同様の動作原理を持つ航空爆弾に「三号爆弾」という物が存在したが、こちらはもともと飛行場攻撃用に開発された物が空対空爆撃に転用されたという、逆の来歴を持っていた。

岩本徹三などはこれを使いこなして戦果を挙げたという。

他、敵爆撃機の群れを撃墜できずとも分解させて、思うように弾幕を張れなくさせる効果はあったので防空戦闘では意外と役立ったという。



『艦隊これくしょん』における三式弾編集

重巡洋艦、航空巡洋艦航空戦艦、戦艦が搭載できる装備アイテム。表向きな数値は対空値を+5にするだけだが、実際は艦隊全体の対空値を+3する効果があり、装備している艦は実質対空値が+8される。


そしてもう一つ大きな効果として、基地型深海棲艦に対し特効が発動する点が挙げられる。

2013年11月に開催された期間限定イベント決戦!鉄底海峡を抜けて!』の第4海域のボスである飛行場姫、2014年4月より開催の1周年記念イベント「索敵機、発艦始め!」でも第3海域のボス港湾棲姫および第5海域のボス離島棲鬼の第2段階は飛行場等の地上構造物がモチーフのため、魚雷による攻撃が効かず、ダメージ計算が艦の火力によるもののみとなる(通常、夜戦では雷装の値も計算されるが、魚雷が効かないので雷装による補正は0)。しかし三式弾を装備すると火力が2.5倍になるため、雷装がない代わりに火力が高い戦艦の砲撃が大幅に強化される。

余談だが、2013秋季イベントでは「大和砲(46cm三連装砲)やロケラン(12cm30連装噴進砲)とかで防空は事足りるんじゃね?」と考え、三式弾を廃棄した提督諸兄が上記の仕様を知り、イベント期間中でありながら廃棄分を取り戻すべく資源を溶かしまくり、阿鼻叫喚の地獄絵図になったとか……

これについては公式4コマ『吹雪、がんばります!』でもネタにされ、急遽三式弾が必要になったことで金剛型姉妹が開発を担当し、上から金剛・比叡・霧島の順で三重肩車のトーテムポールを作りながら開発レシピを回すという迷走ぶりを見せた。


以降のイベントでも基地タイプの姫が登場しており、特に北方棲姫は2014年夏季イベント後に実装された通常海域3-5でレギュラー化。その後のイベント・通常海域・EOでも基地タイプの鬼姫はほぼ確実に登場するため、三式弾は艦隊の必須装備となった。


翌年2014年の『発動!渾作戦』には「対空カットイン射撃」が実装され、戦艦と航空戦艦専用に「大口径主砲&三式弾&高射装置(&対空電探)」の組み合わせでカットイン射撃が発動するようになった。主砲か偵察機を諦めなければならないため、弾着観測射撃での昼間での特殊射撃が出来ず、電探まで固定すると夜間連撃にも支障をきたすため、相対的な火力は落とさざるを得なくなる。しかし固定ボーナス(敵機の確実な撃墜数)が“6”と、対空の鬼である秋月型摩耶改二の固有パターンの固定ボーナスに匹敵するため、戦術次第では選択肢に入れる価値はあるだろう。


宇宙戦艦ヤマト2199における三式弾編集

正式名称は三式融合弾ヤマトの一番、二番主砲及び一番副砲が、ショックカノンの代わりに発射することが可能な実体砲弾である。製造は南部火工株式会社。


極大のエネルギーそのものを弾丸として使用するショックカノンと異なり、装薬発射式の実体弾であるのでエネルギーを殆ど必要とせず、波動エンジンが停止中でエネルギー供給が出来ない状況などでも発射できる。ただし実弾であるため当然ながら巨大な弾薬庫と砲弾の装填機構が必要となり、直下に波動エンジンや格納庫がひしめいている後部の三番主砲・二番副砲はスペースが足りないため三式弾の発射機能が無い。

また、ビーム兵器が使えない空間や重力下での弾道射撃でも威力を発揮するが、射程はショックカノンよりも劣る。ただし、これは重力圏における砲撃においての話であり、重力の無い宇宙空間であれば事実上の射程無限であることが窺える。こういった重力圏における曲線運動は、後述する冥王星基地攻略戦では大いに役立つこととなった


日本海軍が開発した三式弾は対空用の収束焼夷榴散弾であったが、本作では敵を貫通してから時限信管による時間差で内部で炸薬が爆発する徹甲榴弾として描かれている。※内部に炸薬が充填され、起爆用に信管を持つ徹甲弾で、実際の戦艦主砲の徹甲弾もそうである。

そして三式融合弾の名の通り、おそらくこの炸薬にあたる部分が何かしらの「融合」反応で爆発すると考えられ、砲弾の巨大さもあいまって劇中では凄まじい破壊力を披露している。

対艦・対地攻撃用の徹甲弾と、かつての三式弾と同様の対空攻撃の両方をこなせる汎用弾である。映画小説版ではそれぞれ「対空用」と「対艦・対地用」の二種類が存在するという設定だが、原作(アニメ)では、そのような場面は見られなかった。

対空戦闘においては七色星団で使用されたものの、明確な描写が無かった。しかし、後の星巡る方舟では対空攻撃が実際に確認でき、火球と共に無数の破片をばら撒き多数の甲殻攻撃機デスバテーターを撃墜することに成功するなど、その対空攻撃能力の高さを見せつけている。


使用例編集

ポルメリア級強襲航宙母艦迎撃編集

波動エンジン始動前のヤマトを襲ったポルメリア級に対して大和の残骸に偽装した状態で砲撃。発射した3発全てが命中し、これを撃沈せしめるという、最初の戦果を挙げた。

浮遊大陸基地攻防編集

木星の浮遊大陸基地に駐留していた4隻のガミラス艦隊(デストリア級航宙重巡洋艦1、クリピテラ級航宙駆逐艦3)と交戦。その際、修理中のため機関部からエネルギー供給が間に合わない都合で第1副砲のみ三式融合弾を使用。20㎝口径であるとはいえ、160mのクリピテラ級航宙駆逐艦を轟沈させる威力を有していた。

冥王星基地砲撃編集

自艦を囮にわざと反射衛星砲を撃たせることで現地付近上空のコスモゼロに同砲台の場所を特定させ、水平線のはるか彼方からの弾着観測射撃によってこれを爆破。これは、直進しかできないビーム兵器ではなく、重力の影響を受ける実体弾であるからこそ、地平線より先の目標を砲撃で来たのである。漫画版では、この砲撃に対して冥王星基地司令のシュルツ大佐砲弾と言う廃れた筈の原始的兵器による攻撃にひどく動揺していた。

この後、反射衛星砲が使用不能になった冥王星基地に対して砲撃を敢行。それはまさに、金剛榛名がやったヘンダーソン飛行場砲撃のスケールを倍増させたようなものであった。何せ金剛型の35.6㎝どころか、大和型の46cmを超える48㎝砲弾なのだから、ご先祖さまたる大和もビックリな破壊力である。

砲撃やミサイル攻撃によって基地が破壊されていく中、脱出しようとしていたガミラス艦にも三式弾が命中して撃沈していく。更にはその爆風に煽られて吹き飛ばされた艦艇が惑星間弾道弾に直撃して轟沈、そのまま弾道弾の連鎖誘爆が発生して基地は壊滅。冥王星基地に駐留していたガミラス艦隊も何とか脱出できた4隻(旗艦であるガイデロール級「シュバリエル」の他は、デストリア級が1とクリピテラ級が2)以外は全滅し、脱出できた艦もシュバリエル以外は追撃するヤマトの餌食となり、ここにガミラス冥王星基地は壊滅した。

七色星団海戦編集

物質転送機によって奇襲してきた、フォムト・バーガー少佐率いるドメル機動部隊の急降下爆撃機スヌーカ)隊に対して使用。しかし、明確な炸裂・撃破描写は無く、逆に発砲前に第一主砲に直撃弾を受けて使用不能となったり、発砲後も第一副砲が直撃弾を受けて撃破されている。

デウスーラⅡ世編集

亜空間で仕掛けてきたデウスーラⅡ世を撃沈した、最後の実弾使用の戦いである。亜空間はビーム兵器を無効化する空間である為に三式弾を使用した。デスラー曰く「野蛮人め!」。(前述したように、ガミラスでは砲弾など廃れており、ビーム砲でもミサイルでもない原始的な攻撃手段を宇宙艦に載せるなど考えもつかなかった。例えるならイージス艦が投石器にやられるようなものである)

星巡る方舟編集

攻撃を仕掛ける甲殻攻撃機デスバテーターの迎撃に使用、初めてその爆破描写が描かれ、デバステーターを全機撃墜する成果を上げている。さらには殲滅型重戦艦メガルーダを、真正面からの零距離射撃で撃沈する成果を上げた。

第11番惑星救出作戦編集

ククルカン級襲撃型駆逐艦に対して使用。先んじて煙突ミサイル8発をお見舞いしたが沈まず、3発の三式弾による追撃で止めを刺した。


以後、リメイクシリーズにおいて3式弾は確認されていない。


宇宙戦艦ヤマトの三式弾編集

リメイク版の2199だけに登場するかと言うと、イエスであり、ノーでもある。

完結編では登場こそしないものの、対空用の波動カートリッジ弾として、コスモ三式弾の存在が設定されている。

カートリッジ式のためおそらく連射ができたのであろう。46cmの速射砲だ・・・・

出番があった場合、紺碧の艦隊に出てくる新三式弾よりも鬼畜な兵器になったことであろう。


架空戦記における三式弾編集

対空射撃時の命中率や威力が過大になっている作品も多いが、横山信義作品などでは対艦戦闘時に三式弾で先制射撃を加え、弾片や弾子によってレーダーや測距儀などの「射撃上必要だが装甲を施せない」装備を破壊する目潰し用法が一時期よく用いられた。

夜戦で敵艦に火災を起こさせ、照準しやすくするといった用法も。

「征途」ではサマール沖海戦で米護衛空母群に使用、短時間で日本軍の被害を極限したうえでの撃滅に成功するが、護衛駆逐艦の抵抗とそれに伴う利根の誤射で大和昼戦艦橋にいた栗田艦隊司令部を全滅させ、レイテ湾突入を決定的にする。

紺碧の艦隊の「時雨弾」など、いくつかの作品では弾子を成形炸薬弾に変更した派生型が登場し、飛行場攻撃などに用いられた。


余談編集

類似した砲弾としてアメリカが運用した対空砲弾にVT信管を搭載したものがあり、電波信管が範囲内に目標をとらえると作動して破片をばらまく事で目標を破壊する。こちらは焼夷散弾ではなく、破片を浴びせるのみ。


スカイシールド対空機関砲が使用するAHEAD 35㎜弾はレーダーにより捉えた目標の20m手前で炸裂して砲弾一つ当たり152発のタングステン散弾をばらまくように砲弾にプログラミングが可能となっている。砲口で砲弾の初速を測り、同時に指定された距離で炸裂するようにデータを入力するため、連射による弾幕を張ることが出来る。


OVA機動戦士ガンダム MS IGLOO』に登場するジオン軍のモビルタンク・ヒルドルブが、ゲーム作品で使用する砲弾の中に、榴散弾(Type-3)というものがあり、時限信管により指定された時間(距離)飛翔した後に拡散し、円錐状に散弾をまき散らす効果がある。


また、アニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』には八式弾という対艦砲弾が登場しているが、焼夷散弾である三式弾とは違い成形炸薬弾の一種である自己鍛造弾となっている。

現実でも同様のものが開発されており、アメリカ空軍では対車両用クラスター爆弾の一種であるCBU-105 SFWを対艦用としても使用可能な派生型の研究を行っている。



関連タグ編集

砲弾 日本海軍 戦艦 巡洋艦

艦隊これくしょん 宇宙戦艦ヤマト2199

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