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1958年生まれ。 長野県出身。東京工業大学卒。


概要編集

大学時代にSF研究会に所属。本田技術研究所に勤務の傍ら、1992年『鋼鉄のレヴァイアサン』で小説家デビュー。その後、会社勤めとの二足のわらじより独立、今までに多数の架空戦記を発表している。

架空戦記作家としては珍しく、刊行ペースとシリーズ完結をきちんと守る、読者と編集者に優しい作家である……というかむしろ文芸界においても屈指の速筆家として知られており、〆切数日前に編集者が様子を見に訪ねていったところ、自宅の玄関に「昨日出来上がりましたので校正をお願いします。私は数日温泉で羽根を伸ばしてきます」という書き置きと共に完成原稿が置かれていたという武勇伝まである。思考が秩序寄りなのである。

作風としては、いわば質実剛健型。手堅く重厚な物語を書くことでしられている。


作風編集

ひとことで言えばイライラする程勝たせてくれないで言い表せる。

大抵、敵はやたら滅多ら強く聯合艦隊がボコボコにされる事が多い。

自称「日本軍を勝たせない作家」と言っている位である。

……が、最近の作品では最終巻で劇的な大勝利を達成して終わらせる事が多く、途中の苦戦もその前振りとして理解できるようになっている。


また戦艦を前面に押し出した作品が多く、架空戦記作家きっての大艦巨砲主義者として知られており、自称も「文芸界の大艦巨砲主義者」。と同時に航空攻撃、水雷戦もいける方なので幅広く読むことが出来る。


迫力のある戦闘シーンを描く事に定評があり、今にも砲声が聞こえてきそうな戦艦の砲撃戦、敵の攻撃を掻い潜り一撃必殺の酸素魚雷を叩き込む駆逐艦・巡洋艦、猛烈な弾幕に高速で突っ込み爆弾と魚雷を発射する航空隊、など息継ぐ暇を与えさせない。戦術レベルの戦いをさせたら筆者の右に出る架空戦記作家はいないであろう。

その分、内政面や外交面の事は省かれやすく世界情勢や日本の状況などが見えにくく更に戦術レベルの話が高い分戦略レベルの話となるとお粗末になりやすい。


しかしこの作家の真骨頂は、将兵・兵器問わずその生き様である。

架空戦記に多い「こうすれば勝てた。」による旧軍批判ではなく「こうしたかった。しかし出来なかった」という旧軍の悔しさと無念、それを晴らす戦いぶりに血肉踊り、胸が高鳴る事必至である。

漢達戦う為に生まれた兵器達による、熱くドラマティックな物語こそ一番の醍醐味である。


なお、執筆当初は猛烈な左翼叩きをやっていたが最近は影をひそめている。また、初期作品群の陰鬱かつ虚無的な作風は一種トラウマ物に近いが、これも最近はだいぶマイルドになっている。


また、一時期までの作品では連合国が日本のみならずドイツともドローに終わる作品もあったが、政治的理由からか、最近の作品では結局ドイツは敗れる事が多くなっている。


なお、吉岡平氏とはSF同人時代からの友人であり、その影響か作品を良く読み込むとオタク的な要素が見られる。先生絶対ストパンみて艦これやってるでしょ。


氏の作品を多く読んでいると、同じ実在人物が登場することも多い架空戦記という作品の性質を生かし、新作の中に、「同じ人物の過去作でのあるシーンを思い出して、ニヤリとさせられる」ような仕掛けが仕込んであったりする。



作品(主に代表作)編集

  • 『鋼鉄のレヴァイアサン』

作者の処女作。後述の『八八艦隊物語』の後日談。

大艦主砲主義の極限とその終焉。


  • 『八八艦隊物語』シリーズ

前述した『鋼鉄のレヴァイアサン』の前日譚。本編全5巻、外伝全3巻、列伝全2巻。

戦うために生まれた戦艦達の美しく儚い生涯


  • 『修羅の波濤』シリーズ

真珠湾攻撃に失敗して大損害を被り、方針転換した日本軍と、慢心して史実の日本軍と同じ過ちを犯すアメリカ軍の戦い。本編全8巻、外伝全2巻。


  • 『修羅の戦野』シリーズ 

前述『修羅の波濤』の続編。本編全4巻。

満州に侵攻したソ連対日米の紛争。二巻は扶桑型二隻の為の胸熱物語


  • 『ビッグY 戦艦大和の戦後史』シリーズ

偶然の不運と妹の自己犠牲に助けられた戦艦大和の戦後の人生。全3巻。


  • 『海鳴り果つるとき』シリーズ

MI作戦(ミッドウエイ攻略作戦)ではなくFS作戦(米豪遮断作戦)を実行していたら?という物語。全7巻。


  • 『遠き曙光』『海の牙城』シリーズ

開戦初日に戦艦四隻を屠られたことによって、本格的に航空主兵主義と陸海共同に乗り出した日本軍による反撃の物語。合計全9巻。


  • 『巡洋戦艦「浅間」』シリーズ

ヒトラーが亡命し暗躍するアメリカ VS 全世界という構図での世界大戦。主役格の浅間型は日本がドイツからシャルンホルスト型を購入したもの。全7巻。


  • 『宇宙戦争』シリーズ

H・G・ウェルズのSF小説『宇宙戦争』の続編。第二次世界大戦真っ只中に火星人がリベンジをかけてきた、というシナリオの異色の作品。日米独英仏伊ソ、全世界の国家と軍隊が肩を並べて共闘する胸熱作品。最終巻は、とにかく燃えるの一言。あと仮想戦記なのにルーデルが出てくる。全3巻。


  • 『碧海の玉座』シリーズ

もし日本軍&英軍 VS 米軍だったらという世界観の物語。モンタナ級が兎に角強い。全10巻。


  • 『鋼鉄の海嘯』シリーズ

樺太での国境紛争をきっかけとして日ソ戦が勃発し、結果的に極東の戦力を対独戦に回せなかったソ連は崩壊。その事を口実として対日宣戦布告したアメリカとの戦いを描く。「連合国各国を各個撃破できていたら」という想定の物語。全9巻。


  • 『南海蒼空戦記』シリーズ

昭和の大地震により、建造中の1号艦(大和)が大破。やむなく1号艦を解体することにした海軍は、航空機を主力とする作戦方針に転換した。全6巻。


  • 『八八艦隊海戦譜』シリーズ

八八艦隊ものであるが、上述の「八八艦隊物語」シリーズとは全くの別作品。とはいえ類似したガジェットが各部で登場するなど、いわゆる「2周目」の世界線であるととれる描写もある。


  • 『旭日、遥かなり』

真珠湾奇襲が中止され、漸減要撃戦略で対米戦を戦っていたらという世界観の物語。さる貴人とその支持者が命脈を保ち、日本に味方している。全8巻。


  • 『群龍の海』

地殻変動でパナマに海峡が出現し、運河の制約を解かれた米海軍が続々送り出す超巨大戦艦に対し、航空主兵主義に転換した日本海軍が立ち向かう。全5巻。


  • 『擾乱の海』

真珠湾攻撃直前に発生した太陽の異変により、昼間はレーダーから無線まであらゆる電波機器が使えなくなった世界で戦われる太平洋戦争を描く。全5巻。


  • 『絶海戦線』

ミッドウェイ海戦に勝利し、同島を占領した日本軍が、反撃を挑む米軍と中部太平洋で死闘を展開する。全3巻。


  • 『不屈の海』

戦艦大和の存在を掴んだ米軍が開戦以前にこれを仕留めようと公試中に奇襲を加え、大破着底にに追い込む。艦隊決戦の切り札を欠いた日本と米軍の戦いを描く。全6巻。


  • 『蒼洋の城塞』

ドーリットル空襲をきっかけにミッドウェイ作戦が中止され、ポートモレスビー攻略を軸に米豪分断を狙う日本と連合軍の戦いを描く。連合軍の指揮官がとにかく死ぬ。全6巻。


  • 『荒海の槍騎兵』

防空巡洋艦として改造された古鷹型、青葉型重巡洋艦を主役兵器とし、艦隊防空を重視した戦術を駆使する日本海軍の戦いを描く。戦争の幕を意外な艦が引く事になり、その艦が故郷へ帰るラストの爽やかさは必見。全6巻。



  • 『蒼海の尖兵』

欧州を制覇したナチス・ドイツに対し、日米が連合して立ち向かう。最終巻の超展開っぷりに黒歴史扱いされる事も多い迷作の一つ。あと鯨取り最強。全10巻。




  • 『日本国際旅団』シリーズ

ソ連崩壊後、日本は自衛隊から新たなる組織「国際旅団」を発足。21世紀の日本人が世界の諸問題に挑む。初期作品なので、エンターテイメント性は少なく、また虚無的な傾向が強く読む人間は選ぶ。全2巻。


  • 『東京地獄変』上下巻

首都圏に中国系テロリストが戦略核兵器を投下したという想定の単発作品。ほとんど完全なまでに救いがない、虚無的・陰鬱な初期黒横山の真骨頂。


他にも追記があったらのせてください。


注意事項編集

有限会社らいとすたっふの二次利用についての項目を見ていただけるとお分かりいただけると思うが、田中芳樹氏の作品と同様の二次創作規制が行われているので二次創作を行う方は注意していただきたい。要は田中氏のファンの暴走の巻き添えである(まあ扱う作品の性質上、田中芳樹氏の時のような問題が起きる可能性は低いと思われるが…)。


関連タグ編集

架空戦記 小説家


太平洋戦争 宇宙戦争


佐藤大輔同業者だった(故人)。思考のベクトルは反対の混沌向きのためほとんどの作品を完結させることができなかった。



関連リンク編集

有限会社らいとすたっふ(著作権管理会社)

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