概要
捷号決戦!邀撃、レイテ沖海戦(後篇)とは、DMM.comのオンラインSLG『艦隊これくしょん』で2018年2月17日未明(当初開始予定は同16日)から開催された期間限定イベントである。3月23日午前11時のメンテナンス開始を以って終了した。
なお、公式の表記では「捷号決戦!邀撃、レイテ沖海戦(後篇)」と、「!」(エクスクラメーション)が全角になっている(pixivの仕様によるもので、本来はこちらが正しい)。
かねてより噂されていた、レイテ沖海戦(正確には4パターン存在した決戦計画「捷号作戦」のうちフィリピン方面を想定した捷一号作戦)がモチーフとなるイベントである。
同じく捷号作戦に含まれる捷四号作戦は出撃!礼号作戦の拡張作戦として実施済み。
そして2018年8月のHTML5版への移行(当初予定は春だったが遅延)を控え、艦隊これくしょん第一期の最後を締めくくる前後編イベントの後篇でもある。
2018春イベントは期間限定イベント海域を伴わないミニイベントとなった(瑞雲祭りにて発表)為、このイベントがFlash版『艦これ』最後の期間限定イベント海域となる(※)。
二期の仕様変更如何によっては、今までの仕様で遊べる最後のイベントとなる可能性も否定はできない。
※これはあくまで『艦これ』のゲームを動かすソフトの変更であり、HTML5製の後継ゲームが別途立ち上がるわけではない。同期であり去る2018年3月19日にサービスを終えたアイドルマスターミリオンライブと後継ゲームであるアイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズの関係のように、ブラウザゲームとしての『艦これ』そのものがサービス展開をクローズしてしまうわけではないので、誤解のなきよう。
また、本イベントでは前段作戦開始と同時に武蔵改二および瑞鶴決戦仕様mode他複数隻の決戦白鉢巻きmode、レイテ沖海戦に関わった艦娘多数に決戦ボイスが実装された。
その他、後段作戦開始時に武蔵とは別の艦娘への改二実装が告知され、当日瑞鳳改二・瑞鳳改二乙が実装された。
仕様
全7海域、出撃制限札は5種。
札名称 | 出撃可能海域 |
---|---|
警戒部隊 | E-1/E-7 |
西村艦隊 | E-2/E-4/E-7 |
栗田艦隊 | E-2/E-4/E-6/E-7 |
小沢艦隊 | E-3/E-7 |
志摩艦隊 | E-5/E-6/E-7 |
難易度丙丁は札に関わらず出撃可能。
E-2は札によってルートが変わることが確認されており、この要素は難易度丙丁であっても影響を受ける。
史実で小沢艦隊・栗田艦隊・志摩艦隊へ参加していた艦娘は、各史実に対応する海域ごとに特効ダメージが付加されており、特に武蔵と翔鶴型姉妹への恩恵は大きく設定されている。
突出して高いのは最終海域(E-7)の翔鶴で、ラスボスとの直接的な関連が不確定にもかかわらず、全特効対象艦でも最大の補正値を有していた。
なお、2期以降のイベントには全海域に出撃制限札が存在している為、本イベントが甲難易度の最終海域においても制限なく全艦娘が出撃可能な最後のイベントとなっている。
新システム
- 第五装備スロットの実装
武蔵改二で実装。補強増設無しで5つ、補強増設も含めれば6つの装備を積めるようになり、可能な装備の組み合わせが大幅に増加した。
- 丁作戦難度の実装
イベント海域での作戦難度に丙以下の作戦難度が初めて実装された。
出撃制限は丙と同様に無制限だが、貰える報酬がかなり少なくなる。
どうしてもクリアできない場合の保険と考えればいいだろう。
- 海域難易度変更時のギミック一部引き継ぎ
海域難易度を下げた際に、それまでに達成した攻略ギミックをある程度引き継げるようになった。丁作戦と合わせた救済措置と見ていいだろう。
上げる場合は今まで通り最初から解除し直しになる。
- 友軍艦隊(NPC)
幾つかの海域ボスでは夜戦フェイズの冒頭でNPCの友軍艦隊が突入し、近接戦闘援護を行う。自軍艦隊の編成によって内容が変わるとのこと。
友軍艦隊が来援するのはE-4ボス、E-6第1・第3ゲージボス、E-7第1・第2ゲージボス。当初はE-7第1ゲージボスでは友軍艦隊の支援が受けられなかったが、3月2日夜のオンメンテから第1ゲージにも来援するようになった(他、幾つか編成も追加されている)。
なお、装備は固定であり、運の低い艦にカットイン装備、運の高い時雨が連撃装備になっている等、ところどころプレイヤーのセオリーから外れたちぐはぐな装備の艦も多々あるのはご愛敬。
友軍艦隊はそれぞれ以下の編成から抽選される。抽選は以下のようなルールで行われると推測されている。
- 「第十九駆逐隊」は必ず抽選対象になる。
- それ以外の友軍艦隊のうち、自軍本隊の艦娘を含む艦隊は抽選から除外される。
例: E-4において自軍本隊がWarspite・摩耶・雪風・綾波を含むならば、1. か3. が友軍艦隊の編成になる。
E-4
- 西村艦隊(山城・扶桑・最上・朝雲・山雲・満潮・時雨)
- 挺身艦隊(比叡・霧島・夕立・春雨・雪風・天津風)
- 第十九駆逐隊(綾波・敷波・浦波・磯波)
- 第四戦隊(高雄・愛宕・鳥海・摩耶)
- 英仏艦隊(Warspite・Ark Royal・Richelieu・Jervis)
E-6
第1、第3で内容は共通。
- 西村艦隊(時雨・最上・朝雲・満潮・山雲)
- 第十九駆逐隊(綾波・敷波・浦波・磯波)
- 第四戦隊(高雄・愛宕・鳥海・摩耶)
- 独ソ艦隊(Ташкент・Гангут・Z1・Z3・Верный)
- ソ連艦隊(Гангут・Ташкент・Верный)
E-7
第1ゲージ
- 第十九駆逐隊(綾波・敷波・浦波・磯波)※
- 鈴木艦隊(金剛・榛名・利根・筑摩)※
- 第二水雷戦隊(能代・島風・長波・清霜・早霜・初霜)※
- 第十戦隊(矢矧・磯風・浜風・浦風・雪風)※
第2ゲージ
- 西村艦隊(山城・扶桑・最上・朝雲・山雲・満潮・時雨)
- 挺身艦隊(比叡・霧島・夕立・春雨・雪風・天津風)
- 第十九駆逐隊(綾波・敷波・浦波・磯波)
- 第四戦隊(高雄・愛宕・鳥海・摩耶)
- 第二水雷戦隊(能代・島風・長波・清霜・早霜・初霜)※
- 栗田艦隊(大和・長門・妙高・羽黒・長波・初霜)※
- 欧米艦隊1(Iowa・Saratoga・Ark Royal・Richelieu・Graf Zeppelin・Warspite・Bismarck)
- 欧米艦隊2(Iowa・Saratoga・Ark Royal・Graf Zeppelin・Bismarck)
- 欧米艦隊3(Richelieu・Iowa・Bismarck)
※3月2日夜メンテで追加された編成
ステージ
前段4作戦、後段3作戦の全7作戦海域。
前段作戦
ステージ | 海域 | 作戦名 | 難易度 |
---|---|---|---|
E-1 | パラワン水道/作戦海域 | 作戦開始 前路哨戒を厳とせよ!「パラワン水道前路哨戒戦」 | ☆7 |
E-2 | シブヤン海 | 威風堂々 出撃!栗田艦隊「シブヤン海海戦」 | ☆8 |
E-3 | エンガノ岬沖 | 小沢機動部隊 全力出撃!「第一次エンガノ岬沖海戦」 | ☆9 |
E-4 | サマール沖/レイテ湾 | サマール沖 その先へ――「レイテ沖海戦」 | ☆13 |
後段作戦
2017年2月22日早朝海域解放
ステージ | 海域 | 作戦名 | 難易度 |
---|---|---|---|
E-5 | オルモック沖 | 多号作戦改「オルモック輸送作戦改」 | ☆12 |
E-6 | サマール沖東方 | 追撃!第ニ遊撃部隊「レイテ沖機動反撃作戦」 | ☆15 |
E-7 | エンガノ岬沖 | 暁の水平線に勝利を――「第二次エンガノ岬海戦」 | ☆17 |
新艦娘
謎のちっこいのこと日振型海防艦二隻、イギリス駆逐艦ジャーヴィスなど合わせて7隻が実装された。
第一期最後を飾る報酬艦として、アメリカ海軍から現在に至るまで博物館としてその姿を留めている空母イントレピッドが実装されたことにある種の感慨を覚える提督も多い。
また前述の通り武蔵改二・瑞鳳改二/乙が実装されている。改二実装がイベントと同期するのは、利根型重巡姉妹の改二が実装された2014年春以来となる。
報酬
- 日振型海防艦 一番艦 日振
- Casablanca級護衛空母 十九番艦 Gambier Bay
- Essex級正規空母 五番艦 Intrepid
ドロップ
改二実装
新敵勢力
ついに姫級深海棲艦にも「改」型が登場した。
この他、E-6第三ゲージでは久方ぶりに空母水鬼が登場する。
また、今回の敵連合艦隊は全て第四警戒航行序列であり、2-3にも出没するただの戦艦ル級が大和型を吹き飛ばす事もある等、僅かな情けすらなくなっている。特にE4ボス前のル級6隻は「徹子の部屋(ルールル ルルルー )」と呼ばれ恐れられた。(由来した史実はル級のページを参照)
新アイテム
昨今の航空機主体から一転、砲やレーダーの類いがメインとなった。
特にТашкентの実装に伴い、彼女の持つ高火力の小型主砲は入手機会が多くなっている。
久方ぶりに大型電探も米国製のものが投入されている。
そして地獄の難易度を突破した勲章として、遂にあのデストロイヤーが基地航空隊に参列する。
報酬
- 小口径主砲 130mm B-13連装砲 ※E-4海域突破報酬(甲・乙・丙)E-5海域突破報酬(共通)/Ташкент初期装備
- 魚雷 533mm三連装魚雷 ※E-5海域突破報酬(甲・乙・丙)/Ташкент改初期装備
- 大型電探 SK+SGレーダー ※E-6海域突破報酬(甲)
- 大型電探 SKレーダー ※E-6海域突破報酬(乙・丙)
- 大口径主砲 51cm連装砲 ※E-7海域突破報酬(甲・乙)
- 局地戦闘機 紫電改(三四三空)戦闘301 ※E-7海域突破報酬(甲)
初期装備
- 艦上戦闘機 FM-2 ※Gambier Bay・Gambier Bay改初期装備
- 小口径主砲 QF 4.7inch砲 Mk.XII改 ※Jervis・Jervis改初期装備
新規BGM
コンプティーク2018年4月号付録の「『艦これ』運営鎮守府謹製 捷一号作戦 Mini Original Sound Track」で一部の曲名が公表された。
#でYouTubeへ移動
- 前段作戦海域BGM # 「出撃前夜」
- E-1~E-3道中BGM # (曲名未公表)
- E-1~E-3ボス/E-4&E-5道中BGM # 「シブヤン海海戦」
- E-4&E-6ボスBGM # 「友軍艦隊!反撃開始」
- 後段作戦海域BGM # 「多号作戦改」
- E-5ボス/E-6&E-7道中BGM # 「鶴墜ちる海」
- E-7ボスBGM # 「暁の水平線に勝利を!」
- この他、一番のみ先行公開済みだったボーカル曲「月夜海」の二番がE-7突破後のエンディングで流れる。
全般を通して低めの旋律でまとめられ、前半は勇ましく進撃する様をテンポの速いスネアドラムや木管の重奏のリズムでまとめ、後半は敵海域深淵のおどろおどろしさが漂う管弦楽となっている。
前半の「決戦前夜」は前回イベントの最終MAPのBGM「海峡へ」のアレンジであり、毒々しくさえあった曲調は一転して勇壮な行進曲に代わっており、印象をがらりと変えている。
ボスBGM「友軍艦隊!反撃開始」は中盤に「決戦前夜」の旋律を挟みつつ、爽快な決戦用BGMに仕上がっており、ゲーム中でも友軍艦隊の到着に同期するように後半からループに向かうため、プレイ中も思わず熱くさせてくれる名曲となった。
後半海域からの道中戦闘BGM「鶴墜ちる海」は恒例となった『沈メタル』だが、歌詞の内容がこれまでの恨み節一辺倒でなく「艦娘たちの視点」が加わっているという、新たな趣向で作詞されている。
そして「暁の水平線に勝利を!」は、その熱意に満ちたタイトルと反して歴代屈指の暗黒バトルBGMとなっている。出だしから響くパイプオルガンの甲高い音色に始まり、ピアノの旋律にシンセサイザーの軽快なテンポと、クラシカルな雰囲気にメカニカルな音源をねじ込むことで生まれる絶妙な不協和音は、相対する深海鶴棲姫との雰囲気もあって、尋常ではない緊迫感を与えてくる。
その他
艦これ運営連続攻撃事件
後段作戦が実装された2月22日、突如として艦隊これくしょん運営のTwitter公式アカウントが凍結された。
幸い新仕様の実装は全て終わっており大きな悪影響こそなかったものの、Twitterのトレンドに「運営凍結」が入り、一部ネットメディアも速報で報じるなど、結構な騒動となった。
もし凍結が数時間早く行われ、後段作戦他の新仕様の実装が済んでいなければ、後段作戦の開始時間が告知できない、改二が誰かすらも不明のままという大惨事になっていた事は想像に難くない。
最早悪質な悪戯を通り越した「『艦これ』というコンテンツそのものを狙ったサイバーテロ」の域である。
DMM.com内の公式コミュニティにおいて発せられた公式発表によれば、どうやら「Twitterアカウントのアイコンが無断盗用である」という虚偽報告が連続してTwitter社に寄せられたのが原因のようである。
TwitterにはDMCA(デジタルミレニアム著作権法)対策のための通報窓口があるのだが、これ自体がAIによる自動認証に頼っているため、被告アカウントからの一定時間内に反論がない場合は自動的にアカウントを凍結してしまうという厄介な仕様がある。
これを悪用した嫌がらせも近年横行しており、実際に艦これアニメの公式アカウントがアンチによるDMCA悪用による凍結爆撃を受けた経験がある。
この事例はアンチやそれに便乗する愉快犯による執拗な嫌がらせが続けられていた『艦これ』の歴史の中において最も悪質な事件であっただけではなく、日本におけるDMCAの悪用事例の1つとして、2019年1月8日付の日経新聞にも取り上げられている。
なお、通報には某弁護士や某法律事務所、有名荒らしの名が用いられていた。お察しください。
尚、公式発表前までは、エセックス級が読み方次第で卑猥な語に読めなくもないことが理由なのではないかという推測が広まっていた(運営、米国海軍、および地域の住民その他各位の名誉のために言っておくと、「エセックス」の名はアメリカ・マサチューセッツ州に実際に存在する地名が由来であり、さらにその源を遡ると古イングランドに存在したアングロサクソン七王国の一つエセックス王国にまでたどり着く、たいへん由緒正しい名前である)。
この問題により公式からの連絡手段が途絶(※1)し、史実に詳しい提督からは「ここまで史実再現(※2)せんでも……」と冗談を交えつつ心配されることに。
同時にこれまでユーザーとの連絡手段をTwitter任せにしてきたことでの「連絡窓口の狭さ」も改めて露呈する羽目になり、「公式ホームページを改装して公式発表をいつでも確認可能にすべきでは?」等の運営サイドへ意見も少なくない。事実、DMM.comの公式サイトは未だに実装初期のまま放置されている有り様で、2013年のユーザー登録制限の通知もそのまま残っている。
※1DMMの公式コミュニティ内に「運営鎮守府からのお知らせ」トピックがあるため、完全に途絶したわけではない。凍結が当日中に解除されたために凍結に関するお知らせだけで終わったが、早期解除が望めない場合はそちらで情報発信を行う予定となっていた。
※2史実ではレイテ沖海戦での失敗が大本営に上手く連絡されておらず、そこから多号作戦の決行が誤って決定されてしまい、多くの戦力・輸送部隊が対策もなしに敵制空権内に突入させられる事態に陥っている。
同日20時50分頃までにはアカウント凍結が解除されたようで、無事Twitter運営が再開されたが、その後も虚偽報告は続いている模様。Twitterでの報告は翌23日に為された。
なお、後段作戦準備から凍結解除に至るまでの運営スタッフの疲労は相当なものだったようで、復活後の運営Twitterのつぶやきはその後しばらく誤字脱字が増え、提督諸氏から再び心配されていたりする。
ところが今度は3月1日18:00。
外部からメインサーバーへの攻撃的な接続が開始され、各鎮守府・泊地・基地サーバーへの過負荷並びにサーバーへの接続障害が発生。
これに対して運営も即座に防衛に打って出ており、被害は数時間程度に抑えられることになった。
これらの行動に対して運営側も警告を発しており、場合によっては然るべき対応に出ることを明示している。
最後の、そして最強のイベント
第一期最後の期間限定イベント海域とあって、歴代最凶の難易度を記録するイベントとなった。
どこもかしこもギミックだらけ、解除しないとまともにボスマスに到達できず、それ以前に軽母ヌ級・軽巡ツ級・潜水艦が要所で出撃するため、道中の厳しさも並ではなかった。
まず立ちはだかったのはE-4。
E-3までは比較的に楽に進めることが可能で、艦隊の育成を怠らなかった提督はとんとん拍子でコマを進めていった。
しかしE-4に突入した途端、難易度は一気に2段階も跳ね上がり、歴戦の提督さえ苦しめはじめる。特に道中の軽母ヌ級祭りと、前項で触れた『徹子の部屋』のせいで、道中での大破撤退がかさんでしまう。加えて連合艦隊での出撃(しかも戦艦が主軸の水上部隊)に基地航空隊との連携も必須と、下手に沼ると資材の枯渇は必至だった。
続く関門はE-5の戦力ゲージ。
ボス本隊以上に、ボス前に陣取る艦隊に潜水ソ級が混じるせいでこれまた大破撤退の危機が発生、そうでなくても戦艦ル級がいるので警戒陣でも辛い。戦艦系・空母系の編成ができない「志摩艦隊」での出撃となったこともあって、制空権はカツカツ、基本は史実艦によるルート固定、脆い駆逐艦が必然的に増えるなど、E-4よりはマシではあったが決して楽ともいえなかった。
そして問題なのがE-6。
前回から登場したトリプルゲージ仕様にくわえ、高速戦艦以外は再びE-5同様に出撃不可。
厳しいのは2本目のゲージで、E-4で栗田艦隊の出撃制限札を付けていない艦が“1隻”でもいると志摩艦隊ルートに強制出撃(甲乙では札なしとの混合での出撃自体不可)という厄介すぎる特徴がある。さらにボス艦隊へ確実に特効ダメージが出せるのは島波コンビのみ(※)と制限が厳しく、下手にE-5で出撃させると自力で戦艦棲姫改の鉄壁のガードを崩すしかない。
1本目とラスト3本目も決して楽ではなく、制空権争いが安定しないため、道中大破率が非常に高い。特にボス前のOマスで駆逐艦を単艦退避させるとルート制限に引っかかってボスに到達できなくなる。ボス自体は那智・足柄・霞の志摩艦隊経験者で特効ダメージが出せるうえ、友軍艦隊による援護が入るため、そこまで厳しくはならない。
※厳密にいうと特効艦は島波以外にもいるのだが、栗田艦隊札の艦隊で出撃するのに特効持ちが多号作戦組であるため、結果的に両方に該当する島波コンビくらいしか使えなかったというのが理由である。
こうして最終作戦まで辿り着き――――
待っていたのは文字通りの地獄だった。
道中は要所で軽巡ツ級が待ち構え、ゲージ一本目はボスマスへの航空隊の行動半径が11マスで二式大艇が複数いないと2部隊ともボスマスへ向けられない。秋津洲改がいれば大艇ちゃんの確保は可能なので、E-2の西村艦隊ルート末端で幸運にもドロップした彼女を利用して2艇目を調達した提督もいた模様。その手前に潜水新棲姫のいる潜水マスも大破撤退の原因となるため、ここに対潜哨戒機「東海」を派遣できなければ被害は拡大する。当初は自力で戦艦水鬼改の鉄壁の装甲を貫通しなければならなかったが、3月2日に友軍艦隊がこちらにも実装されたことで撃破の好機は拡大した。
ラスボス戦も一筋縄ではいかず、道中でツ級がぽこじゃか出現するうえ、ボス前のWマスの水上部隊がまさかの警戒陣で「回避盾」となって大破撤退を量産するという悪夢となった。深海鶴棲姫率いるボス艦隊も制空値が500と怪物クラスで、基地航空隊の「基地航空隊 攻撃隊未帰還機多数!」 という悲鳴のようなメッセージとともにボーキも鋼材もマッハで減少していく。あげく最終形態になるとボス連合艦隊の第一艦隊が全艦姫級になる(深海鶴棲姫-壊-/空母棲姫×2/戦艦棲鬼改/戦艦棲鬼×2)という鬼畜編成に……。ただ弱体ギミックは存在し、さらに第一の友軍艦隊実装に伴って強力な友軍艦隊が追加実装されたことで、弱体ギミックさえ達成すれば第一ゲージよりもあっさりと撃破できることさえある。もっとも弱体ギミックは甲乙限定で、丙以下を選択した提督は敵編成がマシな代わりに鶴棲姫の分厚い装甲を破らなければならなかった。
どこも一筋縄ではいかないが、特にE-7の甲作戦の報酬がまさかのデストロイヤー参戦とあって、「人質とってんじゃねえよバカヤロウコノヤロウ!!」と、空の神様のために資材を枯らしてまで甲作戦に挑む提督は後を絶たなかった。
また、E-7のボスマスでついにアイオワがドロップするようになり、また2隻目の入手も可能とあってこの地獄の海域に掘りに行く人も少なくなかった。
バレンタイン切り上げ&雛祭り中止のお知らせ
さすがにマズいとわかっていたのだろう、今年はバレンタインmodeはイベント実装に伴う更新に合わせて早々に切り替えて決戦ムードへと粛々と移行していった。
そりゃあ、過去の無念を清算しに行く傍らでチョコレートに浮かれていたら張っ倒されるわな。
まあ酸素LOVEアタックやらエクレア食ってるやらしている姉妹もいたが。
ただイベント開催期間が1ヶ月以上に及んだ余波で、雛祭りも巻き添えを食って中止となった。
一応、オンメンテで友軍艦隊が更新されるついでに「桃の節句」関連の家具に更新されていたりするので、中にはこっそり雛人形を母校執務室に飾る提督もいたりする。
ただイベント終了後、補填として10日遅れのホワイトデーボイスが実装され、艦娘たちの労をねぎらう意味もあってか、イベント後の司令部の雰囲気を和ませてくれている。
イベント終了後
磯風・浜風に“乙”改という、改と改二の中間形態が実装された。改以外の中間期を挟むのは、千歳型水上機母艦姉妹や神威、U-511やLuigi Torelliなど全体から見ても極少数。しかもどれも実装初期からの仕様のため、敢えて改二を待たせて中間期を追加するのは今回が初といっていいだろう。
ともに火力と対空砲火に大きな強化の入った形態で、「対空値+7以下の高角砲+対空電探」での対空カットインが発動する。
このコンビへのテコ入れにより、少なからず因縁の戦いが間近に差し迫っていると感じる提督もいたが、その後しばらくして磯風・浜風と同じく第十七駆逐隊所属の金剛と共に沈んだ(つまり磯風・浜風の因縁の戦いには関わっていない)駆逐艦も“丁”改という改と改二の中間形態が実装されることが発表されたため、単純に第十七駆逐隊全体へのテコ入れだった模様。……と予想されていたが5月15日の不知火改二実装時にも十七駆で只1隻中間改装が実装されていない谷風には一切触れられず、その後発表されたのは伊勢改二と黒潮改二と完全に流れが途切れ、まわりまわって矢張り彼女達が戦没するきっかけとなった坊ノ岬沖海戦に備えた対空改装や、護衛対象を今度こそ護るための改装だったのではないかとの話が再浮上する一方で、5月のランカー報酬が伊勢型と榛名にスポットを当てたものだったので「次のイベントはこの3人の因縁の戦いでは?」という意見すら上がる始末。……ぶっちゃけ何が正しい伏線なのか、それともすべてが繋がっているかもよくわからない状況に陥った。
10月26日のメンテで谷風にも丁改が実装されたため、実に半年にわたって迷走を続けたこれらの中間改装についての議論は「十七駆の強化だった」ということでひとまず決着した。上記の説の幾つかも一旦は否定される結果になったものの、今後のイベントを見越した陽炎型全体への強化の先駆けだった可能性は残されたままであるともいえる。
史実関連
前回に続いてレイテ沖海戦における一連の経過がモデルとなっており、今回は特に失敗終わったサマール沖海戦(パラワン水道の悲劇、エンガノ岬沖海戦、シブヤン海海戦)へのリベンジ、その後の誤断から決行された多号作戦(第一次多号作戦)へと連鎖している。
※このページにおいて、E-7の元ネタが「マリアナ沖海戦」であるとする説が主張されていたが、ゲーム中のテロップでE-7の舞台を「エンガノ岬沖」、また作戦自体も「第二次エンガノ岬海戦」と明記しているため、この説は全くの誤りである。そもそもレイテ沖海戦より4ヶ月も前に発生したマリアナ沖海戦が、時間を遡って最終決戦に選ばれる理由が見当たらず、翔鶴に特効があることだけを根拠に主張しても説明がつかない。ラスボスのモチーフに武蔵や瑞鳳も取り入れている点や、翔鶴と同じくマリアナで戦没している大鳳や飛鷹に特効が確認されなかった(存在しない)事とも矛盾する。翔鶴は本イベント決戦前夜から「瑞鶴の運命を変える」事に拘っていたので、瑞鶴の運命を変えたいという翔鶴の想いが史実特効すら凌駕したと解釈するのが妥当だろう。EDで瑞鶴が姉に謝意を述べているのもこのためと思われる。
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※ネタバレ注意 |
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理不尽の数々を乗り切ったその先では、五航戦姉妹と武蔵が提督へ、万感の思いを込めて感謝を述べてくれる。
まるでEDテーマのように流れる「月夜海」。
その歌声の最後に、過去の自分と向き合い、それを乗り越えた少女からの言葉が待っている。
提督さん、翔鶴姉。
ありがとう、愛してる。ずっと――!