発令!第十一号作戦とは、DMM.comのオンラインSLG『艦隊これくしょん』の期間限定イベントである。
概説
艦これ2周年を記念して実施された期間限定イベント。
元ネタは1942年に実施された南方作戦の最終段階「セイロン沖作戦(11号作戦)」と推察される。
追加要素やBGM、そして新規実装艦とその入手方法についてはイベント開始前のメンテナンス中に公式ツイッターで発表された。
仕様
全6海域2段階(前4段階/後2段階)からなる多段階作戦。
第3〜第5までは出撃制限(「出撃識別札」通称:お札)がかかり、3,4,5のいずれかの海域で出撃した艦娘は別の二つの海域の甲・乙難易度へは出撃できなくなる(3に出撃 → 4,5への出撃が不可)。攻略には戦力の慎重な振り分けが重要になってくる。
前回に引き続き、「甲・乙・丙(難関・普通・容易)」の三つの難易度を選択可能で、難易度を途中で変更できるのは前回のイベントと同様(その際にボスのゲージはリセットされる)だが、今回から丙作戦でクリアした際にペナルティが課せられるようになった(詳細は下記「新システム」の「難易度選択の制限」の項を参照)。
また、前イベントで確立された囮戦法への対策からか、連合艦隊旗艦に潜水艦を配置する事は不可能となった。
ステージ
主作戦 (前段作戦)
ステージ | 海域 | 作戦名 | 元ネタ | レベル |
---|---|---|---|---|
E-1 | カレー洋 | 発動準備、第十一号作戦! | - | ☆7 |
E-2 | カレー洋リランカ島沖 | 第二次カレー洋作戦 | - | ☆8 |
E-3 | ベーグル湾 | ベーグル湾通商破壊作戦 | - | ☆9 |
E-4 | カレー洋リランカ島沖 | 決戦!リランカ島攻略作戦 | - | ☆12 |
主作戦のボスとして新たに港湾水鬼|が登場。
拡張作戦 (後段作戦)
ステージ | 海域 | 作戦名 | 元ネタ | レベル |
---|---|---|---|---|
E-5 | アンズ環礁沖 | アンズ環礁泊地攻略作戦 | - | ☆13 |
E-6 | ステビア海 | 打通作戦!ステビア海を越えて | - | ☆14 |
また前回のイベントで圧倒的実力を見せつけた戦艦水鬼が再びラスボスとして立ちはだかる。
新システム
能動分岐
今回から追加された新システム。
わかりやすく言えば、提督自身が進みたい進路を選択できるという、これまでにないシステムが導入された。
分岐点では戦闘はなく、進みたい航路をクリックすることで進路が決定される。
これまで羅針盤任せの運と編成制限に頼った進撃から、また新たな要素が加わった。ただしこれは提督自身の更なる判断力を試される要素でもあり、より計画的な攻略を要することを意味している。
まさに「提督の決断」が艦隊と艦娘達の命運を左右することになったのだ。
難易度選択の制限
今回から難易度に関して、新たに制限が設けられた。
それが丙作戦で海域を突破すると次の海域で甲作戦に挑戦できなくなる仕様である。
これにより、丙作戦でクリアした後に次の海域で甲作戦での突破報酬が欲しくなったとしても、その時点で甲作戦への挑戦権は失われてしまう。
どうしても欲しい報酬があるのならば、思い切って乙作戦以上に挑戦してみるのも良いだろう。
OK | E-1:丙 → E-2:乙 → E-3:甲 |
---|---|
NG | E-1:乙 → E-2:丙 → E-3:甲 |
新艦娘
今回から第二次世界大戦において日本がドイツと共に同盟を結んだイタリア海軍から、VittorioVeneto級二隻が実装された。
また、実装そのものが困難と見られていた水上機母艦・秋津洲と、彼女専用の装備アイテムとして大日本帝国海軍きっての怪物航空機「二式大艇」の実装も実現した。
ドロップ
クリア報酬
新アイテム
本イベントのクリア報酬として手に入る装備の殆どがイタリアン艦娘の装備で、かつ砲系の武装が大半を占めている。
副砲のOTO152mm三連装速射砲はステータス的に優秀な一方で、主砲の381mm/50 三連装砲(改)は射程が46cm三連装砲並に「超長」に設定されているものの、戦艦用主砲としては初となる命中にマイナスのステータス補正が掛かる代物のため、電探等の装備で相殺する必要がある。
また、問題児防御機構として知られる「プリエーゼ式水中防御隔壁」がまさかの実装。
そして先述のように「二式大艇」も実装されたが、現状では偵察機と同等の扱いのため、史実のような怪物級の性能を活かせていない。ただ不明な要素も多く、今後の検証で評価が変わってくるだろう。
- 副砲 「OTO152mm三連装速射砲」
- 追加装甲 「プリエーゼ式水中防御隔壁」
- 戦艦用主砲 「381mm/50 三連装砲」
- 戦艦用主砲 「381mm/50 三連装砲改」
- 対空砲 「90mm単装高角砲」
- 飛行艇 「二式大艇」
新敵勢力
通常
ボスクラス
新規BGM
「#」でYouTubeへ転送
- (第三十駆逐隊、抜錨準備!)# ※E-1〜E-4 MAP画面
- 『睦月型駆逐艦の戦い』# ※E-1〜E-4 道中戦闘BGM
- 『連合艦隊、西へ』# ※E-1〜E-4 BOSS戦闘BGM
- 『敵地侵入』# ※E-5/E-6 MAP画面
- 『深海からの誘い』# ※E-5/E-6 道中戦闘BGM
- 『モドレナイノ』# ※E-5/E-6 BOSS戦闘BGM
今回は前段階(E-1〜E-4)と後段階(E-5/E-6)で楽曲の雰囲気が180度と言っていいほど変わっている。
タイトルの一部は2016年OST『雲』から判明。
前半は明るく力強い曲調で、前年の春季イベントを回想させる和テイストを盛り込んだ仕上がりになっている。また、道中戦闘BGMタイトルはイベント前のオンメンテで改二が実装された睦月型を意識したものになっている。
一方、後半はこれまで以上に陰鬱で不気味さの漂う仕上がりであり、道中・BOSSともに前年夏季イベント『AL作戦/MI作戦』以来となる歌唱の編入されたBGMになった。
道中は『AL作戦/MI作戦』のBOSS戦BGMのアレンジなのだが、原曲よりも静かで陰りのある曲調に転換されている。BOSS戦BGMに至っては生々しいほどに慟哭と怨嗟に染まったメタル調となり、深海棲艦達の悲痛な叫びを表現したかのような感覚を想起させられる。
前年夏イベと合わせ、誰が言ったか“沈メタル”という通称も付いた。
あまりの悲愴さと不気味さに「夜中にトイレに行けなくなった」とぼやく提督まで出る始末。
これまでも艦娘と深海棲艦の立場を表現した楽曲はいくつか存在したが、ここまで明暗が極端に分かれたのは今回が初めてといえるかもしれない。
余談
イベント攻略に邁進する提督がいる一方、やはりイベント恒例となった“レア艦掘り”で阿鼻叫喚の地獄を味わう提督は続出した。
特に今回の目玉の一つ戦艦RomaはE-6でしかドロップ(高波はE-2以降のボスすべてでドロップ)しないため、連合艦隊に多量の資材を投入しながらRomaを掘って回る提督が後を絶たなかった。
またイベント限定でドロップがあるレア艦も多数登場し、特にE-2迂回ルートにいる雲龍、E-5ボスドロップの磯風を狙って必死に突撃する提督も続出した。
その後のゲームへの影響
今回のイベントから半月後の6月12日の更新で、Extra Operation#4-5「深海東洋艦隊漸減作戦」が出現。海域MAPは本イベントのE-5をほぼ流用した形になり、能動分岐システムもそのまま適用されている。
難易度については「E-5甲レベルと同等」というの評定。
ちなみにBOSSはE-4のハズレマスにいた港湾棲姫が担当している。
艦これアーケード
第漆回期間限定海域として登場。2019年9月19日より作戦開始。
後段作戦は9月26日より、拡張作戦は10月10日に開始され、11月5日に終了。
全8海域(前段:3海域、後段:3海域、拡張:2海域)とブラウザ版よりも海域数が多く、当イベント終了時点でアーケード版の期間限定海域の中では最多の海域数となっている。
新規艦娘は前段作戦が明石と速吸、後段作戦がWarspite、拡張作戦がLittorioとRoma。他には前段作戦と拡張作戦で那珂改、後段作戦と拡張作戦で明石改、後段作戦掃討戦でWarspite、それぞれのオリジナルイラストのカードが排出された。
AL作戦/MI作戦での一定時間で索敵範囲が戻る仕様と先制航空攻撃、発動!渾作戦で導入された史実特効が盛り込まれている。
難易度について
丙難度は何の問題もないのだが乙難度の時点で港湾水鬼、泊地水鬼の護衛要塞が固く、甲難度に匹敵するのではと難易度調整に疑問符がついていた。
甲難度はさらに酷く、E-5では道中に戦艦棲姫が出没し、配置が悪いとボスの港湾棲姫との複数艦隊戦になり、E-6では港湾水鬼が昼戦火力キャップを超えた装甲値を持つ護衛要塞5個を従え、非特効艦ではカスダメの嵐、特効艦であってもクリティカルが出ないとまともなどダメージが入らないという地獄を作り出した。
また開始の少し前に行われた期間限定ドロップイベントや直前のランカー報酬で駆逐艦、軽巡に載せられる対地装備である「WG42」が配布されており、敵が陸上型の港湾棲姫や港湾水鬼、泊地水鬼であることもあって「それを使ってクリアしろってことだな」と多くの提督が解釈したのだが、「WG42」を2個載せた駆逐艦、軽巡で甲難度の港湾水鬼に砲撃しても昼戦火力キャップに引っかかりまともなダメージが出なかったことで「これは運営が仕掛けた罠なのでは?」という疑いが向けられた。
これだけならまだ我慢できる範囲だったのだが、最終海域となった甲難度E-8が
- ボスは昼戦火力キャップ値を超える装甲を持つ護衛要塞を5個従えた泊地水鬼。
- 特効艦でもクリティカルが出ないことにはまともにダメージが入らず、タゲ運が悪いと昼戦でタコヤキが処理できない。
- 攻撃面も苛烈でサークルが多く配置されるせいで避けられない航空攻撃を酷いときにはノーインターバルで連打してくる。砲撃もサークルが大きい上に配置も的確で完全な回避はまず無理。しかも必中で中、大破確定(航空攻撃なら対空カットインが発動すれば威力減衰はできる)のカットイン率も非常に高い。
- 道中にはダブルダイソンが配置され、配置が悪いと道中でダブルダイソンとの複数艦隊戦になり、配置の関係でボス戦は高確率で泊地水鬼とダイソンの複数艦隊戦になる。
- ゲージの減り方が泊地水鬼とダブルダイソン含めた全艦隊を撃破する前提で設定されているため、道中ダイソンをスルーし、苦労して泊地水鬼を倒してもゲージがほとんど減らない。
というE-5、E-6の悪いところを煮詰めたような凄まじい難度の海域だったために提督たちから不満が噴出。
- 特効艦のクリティカルじゃないとまともにダメージが入らないから編成がテンプレ化される。
- 技術が必要なゲームで運要素を強くしすぎ。
- 通常の操船では避けられないサークルを頻出させるのはどうなのか。
- 姫本体ではなく周りのタコヤキを固くするのは難易度上昇のやり方として間違っている。
- 姫本体でなくタコヤキを殴る作業はフラストレーションが溜まる。
- 金と時間がかかるアケ版でブラ版と大して変わらないことをやらされるのは酷い。
- 装甲を固くして道中にダイソンを置けば高難度になると勘違いしている。
- 高難度と理不尽を履き違えている。
- 運営が想定している攻略法はどうなっているのか
などの運営批判がなされた。
日が経つにつれて攻略方法が定まってきたため、甲勲章獲得者も増えたが主流となった対泊地水鬼の攻略法が「特効艦をガン積みして索敵フェイズで時間ギリギリまで航空攻撃を当て続け、泊地水鬼との戦闘では原速単縦陣で前面に配置した被害担当艦の空母に泊地水鬼の攻撃を受けさせ、後方に配置した火力艦を守り、クリティカルが多く出てタゲ運がいいことを祈る」という身も蓋もないものであった。
しかしどれだけ最善を尽くしても最後に乱数に嫌われると攻略が困難であり、逆に乱数に恵まれればあっさりクリアできてしまう点からこれまで高難度と言われていた決戦!鉄底海峡を抜けて!やAL/MI作戦の時よりもタチが悪いと評されており、今後の甲難度の難易度調整に多大な不安を残す結果になった。
関連イラスト
アーケード版
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