モウ…トベナイノ……トベナイノヨ……ワカル?…ネェ
概要
ブラウザゲーム『艦隊これくしょん』における2015年4月28日に開催された春季イベント『発令!第十一号作戦』の第五海域(通称E-5)『アンズ環礁泊地攻撃作戦』のボス。
続く第六海域(通称E-6)にも再建名目で連続登場する。
容姿
同じ泊地の名を冠する2013年の春イベントボス、泊地棲鬼や泊地棲姫との共通点が多い。
長髪の側頭部から伸びた冠状の二本角やドレスを纏った姿、背中の長い砲塔、下半身と一体化した艤装と多岐に渡り、前二者の直接の進化形なのではないかとする説も唱えられている。
しかし、カラーリングはほぼ反転しており、前二者が白髪に黒い角・黒いドレスだったのに対し泊地水鬼は黒髪に白い角・白いドレスとなっている。
過去に登場した幾名かのボスと同様戦闘の経過に応じて姿を変えるタイプでもある。
丈の長いドレスを纏い、下半身に艤装を嵌め込んだ第一形態は泊地棲鬼、丸い小型機を従えた露出度高めの第二形態は泊地棲姫を彷彿とさせ、両者の関係性をも示唆している。
今回のイベントでは港湾棲姫の強化体と見られる港湾水鬼も登場しているが、港湾棲姫と泊地棲姫は以前の春イベントで登場したボスという共通点がある。
彼女達の起用は三年目を迎えた『艦これ』の記念碑としての意味合いも含まれていると思われる。
ダカラ…ナンドキテモ……オナジナノヨ…!
性能
甲作戦最終形態時
耐久430 火力素で150、装備込みで219 雷装0 対空110 装甲240
異常に装甲値が高い上に、かなり高い火力を持つ強敵。
泊地棲姫の後継のような存在ながら水上艦ではなく、陸姫姉妹と同じ陸上基地型であり、三式弾が有効となり雷撃を無効化する。
基地タイプの深海棲艦にしては珍しく主砲二門と徹甲弾に艦爆という砲撃に特化した構成をしており、昼戦ではその高い火力を活かして一撃で戦艦や空母を大破させて来る。
それに加えて艦載機による対潜攻撃能力まで有しており、全てにおいて隙が無い・・・ように見えるが、対潜攻撃自体はそれほど脅威ではない上にこちらの艦隊に潜水艦がいると貧弱な対潜攻撃を繰り返すだけになるという致命的な弱点を持っている。
同年2月のイベントにて軽巡棲鬼が同様の弱点を晒して撃破されたばかりなのだが、それでいいのか君達・・・
そのため、ダメコン(応急修理要員)を装備した潜水艦をデコイとする事で比較的安全な戦闘が可能である。もっとも、E-5の最終編成からは対潜能力の非常に高い駆逐艦が随伴してくるので要注意。
また艦載機は艦爆しか装備していないため制空値はまさかの0である。そのため制空権を掌握するには護衛の護衛要塞や軽母ヌ級の制空値だけを考慮すればいい。E-6でヌ級が出ないパターンを引くと自動的に制空権確保になる。
E-6では『再建中 アンズ環礁泊地』という艦隊名で特定のマスに再登場する。
名称から、同一人物がすぐに戦線復帰してきたものと考えられ、マップの東側に敵が一切出ないE-6の構造から、E-5の攻略によって海域を制圧し、さらに西へ進もうとする艦隊に食らい付いているという構図になっているものと思われる。
「再建中」というだけあって、2隻~3隻の輸送ワ級も従えて駆逐艦(と、時折軽空母も)と共に立ちはだかるが、この時こちらは連合艦隊なので、再建の途中で前回よりさらに増えた敵からタコ殴りにされるというなんとも言えない光景が展開される事になる。
とはいえ、ここで泊地水鬼向けに三式弾を用意して攻略する提督は少ないかもしれない。E-6の彼女はボスというわけでもなく、提督達の目標はローマ(艦隊これくしょん)が掘れるその次のマスであったため、道中にいる彼女の存在など最早どうでもよくなっていたからである。
性格
開幕早々に何の脈絡もなく「トベナイ」と絡んでくるなどやたらネガティブな雰囲気を醸し出すのが特徴で、「この人、アブない人なんじゃないか」ともっぱらの評判。
過去に登場したボスは好戦的だったり挑発的だったりする者が殆どであり、戦闘自体に乗り気でない姫も少数ながら登場していたものの、泊地水鬼のような陰惨な狂気に染まったボスは初となる。
イベントBGMも彼女が参戦する後段作戦になって一気に狂気じみたものに変化しており、相当な負のオーラを感じさせられる戦闘となる。
また、「イタイイタイ」と痛がりながらも楽しげに笑うという何やら危うい兆候もあり、「ひょっとしてそっち方面の人なのでは?」との噂も囁かれている。どこぞの怖い人に因みフフ痛、あるいはその特徴的な語尾からノヨーちゃんなどと呼ばれたりもする。
そんな彼女を不憫に思ったのか、pixivには泊地水鬼を幸せにする方法を考えるイラストも一定数投稿されていたりもする。
その後
2015年秋季イベント『突入!海上輸送作戦』の第四海域(通称E-4)『西方海域戦線 ステビア海』のハズレマスに登場。
相変わらずの壊れっぷりを見せ付けてくる。
フッ……、イタイ…イタイワ……ウッフフフフフフ……!
2018年初秋イベント『抜錨!連合艦隊、西へ!』のE-3『セイロン島南西沖』では第2ボスとして泊地水鬼 バカンスmodeが登場。海に入って水遊びを楽しんでいるという設定らしく、水上艦扱いとなっている。
衣装は黒いワンピース水着となり、ダブルベッド風にしつらえた艤装の上で日傘を差してクリームソーダらしきものを楽しんでいる様子。水着の胸元や足元のサンダルには青薔薇があしらわれている。
なお、気だるげながら夏を満喫するその姿に「お前実は飛ぶ気無いだろ」と突っ込んだ提督も一部いた模様。
史実「ポートT」
モルディブの最南端に位置するアッドゥ環礁に存在したイギリス海軍の秘密基地「ポートT」が泊地水鬼のモデルと考えられる。
日本軍は1942年4月のセイロン沖海戦の際も、この基地の存在に気がつかず、戦争後期になって潜水艦の偵察によって初めて存在が確認されたと云われている。尚、日本軍からの攻撃こそなかったものの、ドイツ海軍のUボートU-183の攻撃により停泊中のタンカー「ブリティッシュ・ロイヤルティー」が大破している。戦後はイギリス空軍に移管され、冷戦時は前哨基地として1971年まで使用されていた。
現在は民間航空機用の飛行場ガン国際空港となっており、軍事宿舎はコテージとして転用されている。飛行場姫と同様、泊地水鬼は現代を生きる深海棲艦の一人と言えよう。
ゲーム中では飛べない飛べないと嘆いている泊地水鬼だが、モルディブを訪れる人々を受け入れる空の玄関として今も活躍し続けているのである。
翼や空に固執するその言動から、ポートTの他に旧日本陸軍が開発していた航空機、キ77長距離研究機と何らかの関連があるのではないかとする説もある。
キ77は2機製造されたが、うち2番機が1943年に日本―ドイツ間の長距離飛行を試みるも、7月にシンガポールを離陸後にインド洋上で消息を絶っている。連合軍側に撃墜記録があるわけでもなく、現在に至るまで行方不明である。
具体的な航路及び消息を絶った原因が不明なので何とも言えないが、アッドゥ環礁もインド洋上にあり、開幕の「モウ飛ベナイ」は「ここに墜落してもう飛べない」という事を意味しているとも解釈できる。
また、撃破時にも「大きな翼」と発言するが、キ77は全長15.30mに対して翼面積が79.56平方mと翼の大きな航空機であった。
なお、1番機は翌1944年に満州国にて長距離飛行の世界新記録を樹立するも、国際的には認められないまま終戦を迎えた。その後米軍が接収して調査研究に供する計画を立てたが、本国への輸送途中に嵐に遭遇して大破し、そのまま解体処分となっている。
艦これの本題からは外れるが、深海棲艦の原動力とされる無念・執念という点から言えば並の艦艇には引けを取らない悲運を背負った型式なのである。
もっとも、「作中に元ネタが航空機となる擬人化例が他に無い」という反論は如何ともし難く、公式からの説明が無い現段階では出自を断定できない事もまた確かである。一応、「航空機」が「泊地」となる点については、種別が一致しない前例があるため「そういう世界観なのだ」と説明付けられない事も無いが・・・
また、「モウ飛ベナイ」がセイロン沖海戦で日本海軍に撃沈されたイギリス軽空母ハーミーズに由来しているとの説もある。
ハーミーズはギリシア神話の神ヘルメスの英語読みであり、ヘルメスは翼を持った神として知られている。特に、頭には翼の付いた帽子を被っているとされており、泊地水鬼の白く長い角はそれを模したものであるとも考えられている。
マタ…アノソラニ……アア…キレイ……大きな、翼…!
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