史実
レイテ沖海戦の折に第一機動部隊として編成された艦隊。小沢治三郎中将が艦隊司令長官を務めた事が呼び名の由来。
編成は以下の通り。
※第四航空戦隊に所属していた隼鷹と龍鳳は戦力が整わず不参加。また、第四十一駆逐隊に所属していた冬月と第六十一駆逐隊の涼月は海戦直前の機雷による損傷のため離脱している。
以上のように大規模な艦隊ではあったが、日本海軍は先のマリアナ沖海戦で既に3隻の空母と多数の航空機を喪失しており、既に機動部隊としての戦力は皆無に等しかった。
この小沢艦隊に与えられた任務は、栗田艦隊をレイテ湾に突入させるため米軍機動部隊を誘致する『囮役』であった。
10月24日、小沢艦隊は僅か60機程度の艦載機を差し向け米軍機動部隊への攻撃を開始。空母2隻を撃沈、数隻に命中弾を与えたとするが、実際には空母エセックスなどに至近弾を与えた程度で、戦果はなかった。この出撃が、日本海軍機動部隊として最後の航空攻撃となり、出撃した艦載機の大半は艦隊に戻らず陸上基地へと着陸している。
一方の米機動部隊は小沢艦隊をなかなか発見できず、栗田艦隊へと攻撃を集中した結果、栗田艦隊は大打撃を受けて無力化したと誤判断、「本命」である日本空母を決戦の相手に選ぶ。
翌25日、エンガノ岬沖海戦の戦端が開かれる。瑞鶴所属艦載機の救助のため艦隊を離れた桐と杉を除く小沢艦隊は、第一群(瑞鶴、瑞鳳、伊勢、大淀、多摩、初月、秋月、若月、桑)と第二群(千歳、千代田、日向、五十鈴、霜月、槇)に分離しており、200機近い米攻撃隊から空襲を受ける事となる。
第一波の攻撃で艦隊は次々と被弾を受け、真っ先に秋月が魚雷の誘爆で大爆発し沈没。その後千歳も沈没し、続く第二波の攻撃では千代田が航行不能となり落伍した。瑞鶴も損傷により艦の機能に重大な影響を受け、小沢中将は瑞鶴から大淀へと移乗し、旗艦も大淀へと変更になった。
そして第三波の攻撃で瑞鶴が次々と被弾を受け、驚異的な耐久力を見せて奮戦したものの遂に沈没。第四波の攻撃では瑞鳳も沈没し、落伍していた千代田も米軍巡洋艦隊に追いつかれ砲撃を浴びて沈没。ここで日本海軍の空母機動部隊は事実上壊滅した。
第五波・第六波の攻撃では伊勢と日向に攻撃が集中するが、艦長の巧みな指揮によって攻撃をしのぎ切った。
日没後、千代田捜索のため引き返してきた五十鈴は、瑞鶴・瑞鳳の乗員救助を行っていた若月・初月と合流するが、千代田を撃沈した巡洋艦隊と遭遇し、五十鈴と若月は離脱できたものの初月は単艦で交戦となり、2時間の砲戦の末沈没した。
第一波の空襲で大破し、単艦で退避中だった多摩も、米潜水艦の襲撃により撃沈された。
こうして生き残ったのは、日向、伊勢、大淀、五十鈴、霜月、若月、桑、槇の8隻。桐と杉については海戦前日に事故着水した瑞鶴機の救助に向かったまま燃料不足のため再合流できず(実際は一度再合流していたのだが、「米軍機動部隊に合流した」と勘違いして分離してしまっている)、結果として戦火を免れている。
小沢艦隊は大きな犠牲を払いながら囮の任務を果たしたが、それを栗田艦隊が知るのは、全てが終わってしまった後の事である。
艦隊これくしょんでは
2023年3月現在、ゲーム中に実装されている艦娘は瑞鶴、瑞鳳、千歳、千代田、伊勢、日向、大淀、五十鈴、多摩、秋月、初月の11人。特に大淀は特定海域でのドロップでしか入手できず入手が困難、秋月型の2人に至っては一部のイベント海域しか入手手段がない。
また、ゲーム以外の公式メディアミックス作品を含めるならば、アニメ『「艦これ」いつかあの海で』に桐の名と彼女と思しき艦娘が登場している。
ゲームシステムの都合上、通常時は6人まででしか艦隊を編成できないため全員を同時出撃させる事は不可能だが、連合艦隊が使えるイベント海域で可能な限り揃えて出撃してみるのもいいかもしれない(ただし、機動部隊の編成制約上、どう頑張っても軽巡3隻と伊勢型2隻の中から1隻を除外した10隻までしか編成できないのだが)
ゲーム中では、瑞鳳や伊勢が小沢艦隊について言及しているものの、当初はそれほど注目されているとは言えないグループだった。
しかし2015年10月30日のアップデートで遂に小沢艦隊の編成・出撃任務が追加された。必要な艦娘は瑞鶴、瑞鳳、千歳、千代田、伊勢、日向の6人。瑞鶴は改以上に、千歳と千代田は軽空母へ改装されている事が条件となる。
この任務は五航戦の改二改装に必須となる「試製甲板カタパルト」の入手に必要な任務のひとつである。ただこの任務を出現させるには月一任務の難関『「水上反撃部隊」突入せよ!』を達成しなければならない。
これは《駆逐艦×4(うち1隻を旗艦)・重巡×1・軽巡×1で、南西諸島海域・沖ノ島沖EO海域2-5を勝利Sで突破》が達成条件で、ただでさえ駆逐艦中心の火力不足で脆い編成にBOSS到達に一定以上の索敵値が必要なうえ、二戦目に重巡リ級flagshipが待ち構える夜戦ポイントを避けることは不可、ボスもボスで戦艦タ級flagshipと戦艦ル級eliteが2隻(最終時には1隻がflagship化)と地獄の鉄壁ぶりを誇るなど、なかなかにエグい仕上がりとなっている。反航戦はまだしもT字不利で会敵しようものなら、勝利Aすら危うくなってしまう。
しかし、これさえ達成してしまえば艦隊を編成し、その後出現する出撃任務で沖ノ島海域(2-4)を攻略するだけであり、艦隊の練度と装備さえ整っていればあとは拍子抜けするぐらい気楽に達成できる。
また出撃任務達成がトリガーとなって「零戦21型(付岩本小隊)」を入手できる開発任務と、別ルートから登場する「零戦52型丙(付岩井小隊)」を「零戦62型(爆戦/岩井隊)」へ昇華させる任務が解禁される。
レイテ沖海戦をモチーフとした捷号決戦!邀撃、レイテ沖海戦(前篇)・捷号決戦!邀撃、レイテ沖海戦(後篇)では、当艦隊の「札」が用意されたほか、特に後篇実装にあたり、旗艦『瑞鶴』の決戦グラ、四航戦の『日向』・『伊勢』決戦差分グラ、『瑞鳳』の改二・改二乙等が実装された。