概要
『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』に登場する仮面ライダーの1人。原作『仮面ライダー龍騎』における仮面ライダーオーディンに相当する。
最強のベンタラの戦士。アドベントビーストはゴルトフェニックス。
12人のライダーのリーダーかつレンの先輩でもあり、レンたちベンタラ人の戦士の中でも最強と謳われた人物であるヴィック・フレイザーが変身する。そのため、原作のオーディンには無い変身シーンが描かれている。
さらに、ラスのデッキはベンタラのエリートライダーのリーダーに代々受け継がれるものであり、ヴィックはその事に強い誇りを持っていた。
ゼイビアックス将軍との戦いに敗れベントされたと思われていたが、その力を欲したゼイビアックスによって拉致され、キット・テイラーの父親であるフランク・テイラーと同様にゼイビアックスによって意識を消されてただの抜け殻の状態にされていた(その直前、仮面ライダーセイレーン(KRDK版ファム)に2枚のサバイブカードを託している)。
実質的にはヴィックの体に憑依して乗っ取ったゼイビアックスが変身する(本作のライダーのデッキにはDNA認証があり、その本人しか変身できない為)。憑依したばかりの時はゼイビアックスの声だったが、JTCに「その格好で地球をウロつくつもりですか?」と指摘されたためラスの変身を解いてヴィックの姿で活動するようになり、以降はヴィックの声で話すようになった。
このように、ゼイビアックス軍のリーサルウェポンにして最強最悪の仮面ライダーとしての側面が強い。
ケイスからは「ラスのアーマーを汚したわね」「ラスの身体にゼイビアックスなんて強過ぎるわ」、レンには「汚れそのものだ」と評された。
固有の能力として瞬間移動能力を持っており、神出鬼没に現れて相手を翻弄しつつ敵を屠る戦法と得意としている。また、この能力を応用技として、他のライダーが触れていれば一緒に移動する事が出来るなど用途が広い。そのほか、触れたモンスターを強化(サバイブ化)させる能力を持つ(これは原作の裏設定でもある)。
劇中では仮面ライダーストライクと共に戦うことが多く、瞬間移動で仮面ライダーセイレーンを翻弄し、ストライクにベントさせるなどの活躍を見せた。この瞬間移動は戦闘の他にもストライクを連れて撤退等に用いる事も可能。
原作では詳細が不明であったファイナルベント「エターナルカオス」を披露している。
カードをバイザーに装填後、ゴルトフェニックスが現れ、宙に浮かびゴルトフェニックスと共に敵に突っ込むというものになっている。簡単に言えば、科学忍法火の鳥。
仮面ライダードラゴンナイトと仮面ライダーウイングナイトをその圧倒的な力でとことん追い詰めサバイブカードを使ってもなお敵わない強さを見せたが、最後はその高いスペックを過信しすぎたために、最後はサバイブモードに変身したドラゴンナイトとウイングナイトの猛攻の前に既定値を超えるダメージを受けてベントされてしまった。
とはいってもドラゴンナイトもその戦いで既定値を超えたダメージを受けベントされてしまった為、事実上相打ちという形に持っていったのは流石というべきか……。
さらに、ゼイビアックスはベント直前に分離してちゃっかり生き残っており、ベントされたのはラスの肉体だけであった。
その後、ゼイビアックスとの最終決戦では、他のライダー達と共にアドベントマスター・ユーブロンに救出され意識を取り戻したヴィック本人が変身したラスが登場している。
自分の意志ではないとはいえ、ゼイビアックスに利用されたことに強い怒りを露わにしていた。
最後は13人全てのライダーの力を合わせたリンクベントにより、ゼイビアックスを撃破した。
後日談
小説『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT 2WORLD 1HEARTS』では、その高いスペック故にバランスブレイカーと見なされたのか、登場する機会そのものが無かった為、活躍できなかった。
余談
ラス(Wrath)とは“憤怒”という意味。北欧神話の主神オーディンの名は古ノルド語で「激怒(する者)」を意味すると言われており、原作の仮面ライダーオーディンに通じるネーミングになっている。
なお、『龍騎』の第27話のオーディンの登場シーンで使用されたBGMの曲名は「Fury」であり、こちらも“憤激”を意味する。
原典のオーディンと比べてとてもよく動き、経験豊富な人物がオーディンに変身するとどうなるのかという疑問に一つの回答を出した存在でもある。ただし、第27話でレンのバイクに轢かれた挙句、バイクに乗ったレンを引きずり降ろそうと飛びかかろうとして蹴飛ばされるなど本編のオーディンでは想像も付かないシーンが多数用意されている。それでも最強と謳われたライダーという言葉に矛盾はないのである。
『KRDK』以降、オーディンが登場するゲームでは(『KRDK』のゲームのグラフィックを流用できるというのもあるが)こちらの演出を元にしたエターナルカオスをオーディンが使用するケースが多くなった。原典の方も『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』にてエターナルカオスが披露されたが、ラスとは違う演出になっていた。