演:スコット・ベイリー
日本語吹替:杉田智和
概要
『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』の登場人物の1人。
その世界では伝説の天才ハッカー兼ブローカー“JTC”のハンドルネームでその名を轟かす青年。年齢は23歳。
ハッカー兼ブローカーとしての腕前は群を抜いているらしく、一時は政府の秘密機関“ノーマン”のエージェントにスカウトされかけた事もあるらしい。
その為、マヤ・ヤングの友人でグレース堂書店の店員であり、ハッカーとしての顔も持つトレント・モーズリーからは憧れの存在となっている。
都市伝説と化しているライダーやモンスター達の事件を調べ真相を追いかけているマヤに接触、ライダーやモンスターに関する情報を提供する等、彼女に協力的な態度で接触する好青年で、自分の書く記事を信じて貰えず、常に周囲から白い目で見られているマヤは次第に彼に対して好意を抱く様になるが………。
↓ここより先、ネタバレに注意!!↓
「ざぁ~んねんだよ、ブラッド選手……やっぱりお前は選手失格だってさ‼」
実はその温厚そうな好青年の顔はあくまでも“JTC”としての表向きの顔であり、その実体はゼイビアックス将軍に絶対的な忠誠を誓った腹心仮面ライダーストライクその人。
劇中では詳細は語られなかったが、FBIに捕まり投獄されていたところをゼイビアックスによって助け出された際、後述するとある理由で強大な力を欲していた彼は、いつの日かゼイビアックスが世界の覇者になると考え、ゼイビアックスの正体が異世界からやって来た侵略者と知りながらも彼の側に付く事を選んだ。
尚、後に発売された後日談小説『2WORLD 1HEARTS』によればドリュー・ランシングと並んで、TV本編が始まる前からゼイビアックスの正体を知っていた数少ない地球人であるらしい。
普段は冷静沈着な行動を取っているが、ゼイビアックスの命で仮面ライダートラストをベントする為に戦場へと赴く際に「狩りの時間だ……!」というセリフと共に出陣するシーンからも分かる通り、その本性は原作の浅倉威に当たる人物なだけあって残忍且つ好戦的でな戦闘狂であり、特にファイナルベントを繰り出す時の「さあ、祭の時間だ‼」とハイテンションになったり、トラストをベントした後に「フハハハハハッ‼ブラッド・バレットの華麗なフィニッシュでぇーす‼」と高らかに笑う姿は、普段の彼からは想像も付かない狂気染みたものとなっている。
その残忍性は作品の原典に登場する浅倉と同じものであるが相違点もあり、浅倉がその本質を隠さずに前面に押し出しているのに対し、こちらは普段は隠しており、劇中では自身が持っている二面性を度々利用して立ち回る事で、キット・テイラー達を翻弄していた。その為、後にその本性を知ったキットからは危険人物として警戒されている。
尚、本性を現す時は彼のモデルとなっている原典の浅倉と同じく首を回す癖を持っており、彼が変身するライダーの元である王蛇がベントインの際にしか使わなかったベノバイザーを武器として使用する等、彼が持つ本質通りその荒々しい戦闘スタイルを好んでいる様だ。
無実の罪で服役中のビリーという弟がおり、小説に明かされた設定によればその事が要因で弟を捕らえた理不尽な権力を越える力を求めて力に固着する様になり、自分に接触して来たゼイビアックスに協力していたのではないかと推測されていた(尚、原典の浅倉にも弟がおり、ビリーと違って平穏に暮らしていたものの、最終的に実の兄の手で命を奪われてしまった)。
以上の事から原典の浅倉とは違って根っからの悪人という訳ではなく、前述した弟の件がある為に後にゼイビアックスに引き抜かれたチョウ兄弟の事をとても気に掛けており、劇中では仮面ライダースティングことクリス・ラミレスを失って怒りに囚われたキットに弟を倒され復讐に燃えるチョウ兄弟の兄・ダニー・チョウがゼイビアックスに逆らった際は「弱者は強者に従うものだ! ゼイビアックスに従え‼」と力尽くで諌めようと彼なりに気遣いつつ、結局はベントせずに1度は見逃したり、結局暴走するダニーを止める為に不本意ながらもベントした際はゼイビアックスに「……責任は取ります」と言いつつ本意ではなさそうな表情をする、ダニーをベントした後に彼の気持ちを代弁したかの様な皮肉をキットに投げ掛ける等の行為を見せていた。
また、度を越したゼイビアックスに意見する事もあり、ゼイビアックスも彼の指摘を素直に認めていた事から、彼からの信用も厚いと思われる。
最後の決戦ではゼイビアックスの技術により、自身も持つデッキにスティング、トラストのデッキの力を融合させて得た力でレンの恋人であるケイスの変身する仮面ライダーセイレーンをベントする事に成功するもののその行為が仇となり、恋人をベントされ怒りに燃えたレンの猛攻の前に為す術も無く敗れ去り、「もっと遊んでくれよぉぉぉ!!!」と狂気に満ちた言葉と共に消滅して逝った…。
その後に顛末はTV本編では語られなかったが、後日談小説『2WORLD 1HEARTS』で明かされた。それによればゼイビアックスが敗れ去り、事件が解決した後にマスター・ユーブロンによってアドベント空間から救出され、ライダーに関する記憶を消された上で無事に地球へと帰還したらしいが、先の戦いでの敗北が原因で精神崩壊を起こして幼児退行を起こし、治療の為に入院生活を送っていた。
しかしゼイビアックスの事件解決後も一向に減らない嘗て彼が使役していたモンスター達による被害が多発していた事、ベンタラと地球のゲートが何者かによってジャミングされ、レン(の偽物)を除いてベンタラの戦士が地球へと来れなくなるという緊急事態が発生した為、止むを得ず彼の記憶を復活させる事となった。
当初、キットは危険人物である彼の記憶を戻す事には余り乗り気ではなかったが、病院を訪れた際に彼が持って来ていたデッキに偶然触れたのか、その力によって回復。ゼイビアックス亡き今、心境の変化でもあったのか、それとも何か思う事でもあったのか、今度は「世界を変える為の力が欲しい」という理由からキットたちの味方として帰還する。
前述の理由から地球のライダー達の中では最も危険視された事や、ベンタラのジェームスに当たり、恋人でもあるプライスに会えない事で心身ともに傷付いていたマヤを気遣っていたキットに彼女に顔を合わせるなと釘を刺されていたが、自身に憧れていたトレントに対しては「ジェームズ・トレードモアではなくJTCを信じてくれ」と語り、密かに独自のルートを使って調べていた事件の裏で暗躍する黒幕・デビッド・スチュアート大佐の正体を暴く証拠を託す。その直後、事件のもう一人の黒幕である偽物のレン=ブライアン・マースにベントされてしまう。
その後、スチュアート大佐が仕掛けたジャミングを解除し地球へと急変に駆けつけたユーブロンに救出されて、最終決戦に参加。その際に力に溺れ自沈が得た力に陶酔する彼に向かって、原作において北岡秀一が堕落して行く東條悟に投げかけた「英雄というのは、英雄になろうとした時点で失格」というセリフを皮肉交じりに投げかけていた。
因みに自分をベントしたブライアンに対して(嘗て自分を破ったレンと瓜二つの姿という事もあってか)相当根に持っていたらしく、事件終結後、思いっきり足を踏ん付けて仕返しをしており、その姿を見たキットに半ば呆れられていた。
全てが終わった後、再びライダーとしての記憶を消された様だが、今回は依然と違って“ノーマン”がちゃんとアフターケアをしたらしいので、(彼の場合はおそらく無実の罪で服役していたビリー共々)無事に社会復帰を果たしたと思われる。