「うっふん!はじめまして!キラメイジャーの諸君!」
「バァ~! 俺の名はリセットボタン邪面! 何度も同じ時間を繰り返す事ができる最強の邪面師だ~! もし、戦いに敗れてもこのボタンを押せば、時はリセットされ何度でもリベンジできる! アッハッハッハ! アッハッハッハ!」
「負けた戦いの中にこそ、全てが詰まっているのだ! アッハハハハ…!」
データ
身長/182cm
体重/164kg
邪面/リセットボタン→たったひと押しで全てをやり直すことができる無敵のチートボタン
ハッシュタグ/#リセットボタン #リセマラ #導きシューティング #キラメイイエロー #本気の勝負 #邪面師ヨドン軍やめるってよ
概要
ヨドンヘイムが送り込んだ、地球のゲーム機能「リセットボタン」を模した邪面をベチャットに被せて生み出された邪面師。
邪面は歯車の上に乗った地球儀に、先が青く変色した矢印でメビウスの輪を形作られたパーツが正面に張り付いた様な外見。
輪には薄く笑った白塗りの仮面が両目の如く嵌め込まれ、さながら遮光器土偶を思わせる外見となっている。この内左目側が新品であるのに対して右目側の仮面はあちこちがボロボロに朽ち掛けた不気味な雰囲気。
これで「破壊と再生のサイクル=リセット」だという事が一目で理解できるデザインでもあるが、能力を知らない小夜/キラメイピンクからは最初、「双子邪面」と誤認された。
右耳部分には四角形のボタンが嵌め込まれているが、着脱可能で自ら取り外す事もできる。
首から下のボディの色はラグビー邪面等と同じ、黒主体の配色。
邪面に嵌め込んだボタンを押す事で、記憶と経験を保持したまま一定の時間を遡れる、文字通りの『リセット』を行う事が可能。これを利用して「キラメイジャーと交戦⇔追い込まれたらリセット」を繰り返すことで、キラメイジャーは時間逆行によって当該記憶が失われる一方、自分だけ戦闘経験を蓄積しつつ相手の戦闘パターンを学習して強化できる。これを利用して最終的にキラメイジャーを打ち負かす『リベンジ地獄作戦』を展開した。
ただしリセットボタンを押した者が他者だった場合、リセットボタン邪面だけでなくボタンを押した者も時間逆行による記憶消失が発生しなくなる。
なお、ボタンは破壊する事でも作動するという安全装置つきであることから、実質不死身。
軽めの口調で身振り手振りがせわしない、テンション高めの性格だが、同じ出来事をひたすら繰り返し続けるループを作戦に組み入れる精神力は並外れている。なぜなら、たった1回の勝利のために果てしない敗北の屈辱と戦いのダメージや苦痛を味わい続けることを覚悟しているからである。それを実現させるための、理想の結果を自身から導く為の試行錯誤も続ける思考能力・学習能力の高さと合わさった結果、脅威となった。
その為、この邪面師に勝つには精神面で彼を上回って根負けに追い込むのが唯一の道と言える。
活躍
地球へ送り込まれた直後の時系列を基準として作戦を開始。上記の『リベンジ地獄作戦』で交戦を繰り返していく。
リセットによる戦闘経験蓄積の露呈や、前回と違う言動をきっかけとした仕掛けの露呈などはしっかりと対策済みで、キラメイジャーと遭遇した際は毎回初対面であるかの如く振る舞っている。
しかし数度目の交戦にて、キラメイイエローに向かって行った際に足をもつれさせてイエローへ頭から激突。この拍子でイエローが邪面のリセットボタンを押した事で、イエロー=為朝が記憶保持者になった。(因みに為朝の方は、ライバルチーム『撃ちまくり群狼』のeスポーツプレイヤー・川田洋二郎から対戦後に恨みを買い、「この怒り…我が呪いで晴らしてやる…」と髪の毛を抜かれて恨み節を言い放たれる直前が巻き戻り地点となった)。
それでも構わずリセットボタン邪面は作戦を続けた結果、為朝に仕掛けが露呈しつつも、キラメイジャーと互角以上に立ち回れる様になっていく。
一方で為朝はこれに気づいたことで対策としてリセットボタンをキラメイショットで狙撃するも、破壊によるリセット発動という安全装置に阻まれる。
為朝〈何度やっつけても、あいつはリセットしやがる…!〉
〈何度やられても、俺はリセットしてやる!〉
〈リセットする度に、俺は!〉 為朝〈アイツは!〉
〈〈強くなる!!〉〉
やがてリセットの繰り返しに精神が疲弊し、孤独を感じた為朝は一人心を閉ざし掛けるが、それを見ていた充瑠は何かを感じて閃き、『為朝/イエローが活躍する画』を描いて見せつつ、
充瑠「何を悩んでるか知らないけどさ、タメくんが本気になったら何でもできちゃうだろ? だから、本気になりなよ」
と、彼を励ます。
これを受けた為朝は今の自分が出来る事を思い付き、邪面師を仲間達に任せて洋二郎の元に赴く。洋二郎の怒りの原因が自分が本気を出さずに戦ったためと気付き、今度は本気を出して正々堂々と勝つことで洋二郎との蟠りを解消した。
- この出来事は直後の戦闘でリセットされているはずで、最終的にリセットボタン邪面と決着を付ける段階で改めて蟠りを解消したかどうかは不明
- 洋二郎は為朝との試合を最後にeスポーツから引退する予定だったらしく、悔いの残る試合だったことも大きかった模様
その間、リセットボタン邪面はこれまで戦闘を学習してきた事でキラメイジャー4人を圧倒する程の実力を見せつけ、「遂に勝利の時が来た~!これで終わりだぁ!!」とトドメを刺そうとするも、洋二郎との一件にケリをつけて吹っ切れた為朝が遅れて戦闘に参戦。
「リセットの同志よ。諦めたと思ったが~?」
イエロー「ゲームスタートだ。キラメイショット!」
これまでと同じく邪面のリセットボタンを狙撃するもリセットボタン邪面はまたリセットを起こして仕切り直しを図る。ところが……
「バカなヤツ~♪ ボタンを壊しても、リセットされるだけだ~……ん?なんだ?」
ショベロー「マッシーン!行けー!為朝!」
「なぁにぃ~ッ!?速攻で来やがった~!?」
これ以降の周回で為朝=イエローは、ショベローに乗ってショートカットし、リセットボタン邪面が出現した段階で即リセットボタンを狙撃。したがってリセットボタン邪面は、戦いが始まると同時にリセットされるだけの結果に終わり、新しい経験が得られないばかりか今までの経験を何も活かせない、無意味な時間逆行をさせられ続けることになる。
この状況を流石にマズいと感じたリセットボタン邪面は、盾を構えたりベチャット達を引き連れ壁にしたり等、あらゆる手段でリセットボタンを撃たれるのを防ごうとするが、本来狙撃が得意である為朝に対しては分が悪く、ショベローをジャンプ台にしてキラメイショットの跳弾や真上からの狙撃等の様々な神業を披露、絶対的な敗北をリセットボタン邪面に延々と与え続けた。
「ぜぇ…ぜぇ……きぃ~っ! いつまでやる気だぁ~!!」
イエロー「瞬殺されている限り、お前は負け試合から何も学ぶことはできない!」
「くっ…! わ…分かった、一回話そう! 待ってくれ!!」
イエロー「俺は……俺の本気をやめない!!」
こうしてリセット機能を逆手に取られ、自ら行った行為をそのまま為朝にお返しされる事で、何も出来ず自分が一方的に倒され続ける無限ループ地獄を味合わされる羽目になったリセットボタン邪面は、周回の果てで遂に心が擦り切れて挫折。
「はぁ……はぁ………もう…やめる…」
身も心もフルボッコにされ、憔悴しきって廃人と化したリセットボタン邪面は、もはや逃げ惑う人々を襲う気力もなく、自らリセットボタンを邪面から外してイエローに譲渡した。
自ら「リセットの同士」と呼んだ為朝に対して、ついに、リセットボタンの放棄という唯一の勝ち筋を掴み取られたのである。
「もう侵略は諦めた………帰る……それでいいだろ……?」
そしてそのままフラフラと退散。作戦を自ら放棄してしまった。
その後、すっかり戦意も自信も喪失して「絶対に勝てない…絶対に勝てない…」と何度も呟きながら、よろよろと路地裏を彷徨っていたところ、「貴様、どこへ行く?」とガルザに呼び止められるが、半ば発狂状態のリセットボタン邪面は「えっ?絶対勝てません……ア…ハハハハハ…ハハ…ヨドン軍、辞めます~!」と口を滑らせてしまう。そんな醜態を晒した上の敵前逃亡を当然ガルザが見逃すわけがなく、
ガルザ「それが、許されると思ったか!」
と、背後から一刀両断してリセットボタン邪面を処刑。最期は「ギャーッ!やっぱりぃ~〜っ!?」と叫んで爆死した。
クランチュラ「ガルザひどっ! まぁ、いつもだけど…ひっどい!!」
ただし夥しい数のリセットで疲弊し切ったその精神は膨大な闇エナジーを蓄えており、彼が死んだ直後にクランチュラが使用した『闇の保険』だけで規定量に到達。邪面獣ハッシャボタンリガニーが召喚されるのだった。
因みに、為朝へ譲渡したリセットボタンはリセットボタン邪面が死んだ後も為朝の元に残っていて、これをどう処分したらいいか為朝は悩む事になった(※EDコーナーではこれを『クイズ番組の早押しボタン』と勘違いしたマブシーナが何も知らず押そうとした)。
一部の人は何かの伏線など深読みする事もあったが、そのまま番組が終わったので、その回以降結局リセットボタンは使われることはなかった。
余談
本編で初となる、最初からキラメイジャーの殲滅を目的とした作戦を展開した邪面師であり、リセットボタン自体をモチーフにしたのは今回が初。
「完全公式読本」にて、「無限の再生」をイメージしてメビウスの輪の中に2つの面を配置し、それを地球儀の周りにいくつも重ねることで時間の繰り返しを表現した旨が語られている。また、頭部のボタンはリセットボタンの邪面に決まった後に追加されたものである。
声を演じる浜添氏は特撮作品の出演は今作が初となる。
本エピソードの劇中にて為朝のeスポーツ大会の会場の客席にいたチェック柄のシャツの観客はエピソード20にて熱田充瑠のクラスメイトの柿原瑞希の兄である事が明かされている。
テレビ朝日公式サイトの『邪面師&邪面獣』のページには「邪面師ヨドン軍やめるってよ」とどこかで聞いたことがあるタグが配置されている。
本作は新型コロナウイルスの影響により約1ヶ月間新作の放送を休止しており、本エピソードが放送再開後の初回となった。
そのため多くの視聴者からは「感染対策としてループものを採用、同じ場面・場所を繰り返すことで撮影時間を短縮した」…と思われていたが全くそんな事はなく、撮影休止前の時点で9割程撮影が終わっており、放送時期のタイミングは全くの偶然である事が後日明らかとなった(スタジオ関係者のツイート)。
この邪面師に勝つべく為朝が取り続けた行動は、本質的には世界中の地獄で罪人に責め苦を与え続ける獄使達と同じ物である。身体を破壊される程の強烈な責め苦を受けても次の瞬間には五体を元に復元されて再び責め苦を受ける罪人亡者のサイクルは、その果ての転生後で同じ罪を犯さない様罪人の心へ教え込む思惑があっての物である。
そして、これをやり遂げるには獄使側も同じ事を延々とし続ける凄まじい精神力を要求されるが、為朝は見事やり抜いたのは勿論、それを当たり前の様な顔で流してみせた。 それに加えて、為朝は恐らくだがやり直しの陰で川田との引退試合もし続けた筈であり、底知れない精神力をさり気無い格好で視聴者に見せ付けた。
戦隊達との戦いを止めて和解する怪人は歴代でも多数いるが、その理由が「絶対に自分が勝てないことに絶望した」というネガティブ極まりないもの、さらに結果として「幹部から直接粛清される」という救い様の無い末路を辿るというのは歴代でも類を見ない(尤も、能力の都合上、からくりを知っているとはいえ彼が何度も戦って敗北した事実を認識出来ないガルザから見れば一度も戦わずに降伏、敵前逃亡した訳であるが。ただし、仮に事情を知っていてもガルザの性格上粛清したであろうことは想像に難くない)。
ある意味邪面師随一の悲劇の主人公といえよう。
ちなみにこの回で魔進ショベローが為朝を打ち出した際のセリフの元ネタは次の通り。
「シュシュっと為朝!」⇨忍風戦隊ハリケンジャー
「天晴!為朝!」⇨侍戦隊シンケンジャー
「ケボーン!為朝!」⇨騎士竜戦隊リュウソウジャー
関連項目
ジョイスティック邪面…同じく為朝メインの回に登場したゲーム関連がモチーフの邪面師。この回に登場した邪面獣もリガニータイプだった。
フリーザー邪面…同じようにガルザに処刑された邪面師。
トランザ…絶対的な敗北を受けて最後は廃人になった戦隊怪人繋がり。
ドーラフランケ、ドーラアンタイオス、バラビルダー、臨獣オーストリッチ拳チョウダ…同じく戦闘を重ねることで学習し、自身を強化できる能力を持つ戦隊怪人繋がり。
獣拳鬼…2年後の戦隊怪人。今エピソードで川田洋二郎を演じた天羽尚吾氏がCVおよび人間体を演じている。
ハッカー・ユーゲント…20年前の戦隊怪人。固有能力は全く異なるが、戦隊側の戦士の一人をタイムリープさせ、精神的に追い込んだ共通点がある。
暗殺ちゃん/ドードーマギア…方法が異なるものも、倒される度に強くなる特性を持つ同年代かつ30分前の世界の怪人。
仮面ライダークロノス…同じくゲームのリセット機能を能力として用いる3年前30分違いの作品のライダー。
フェニックス…同じく不死身で再生する度に強くなる能力を持ち、最後は永遠に死と再生の無限ループに突き落とされる形で倒された8年前のライダー怪人。
リフレイン:今年度のプリキュアの映画に登場した彼と同じように何度も今日をリセットした敵