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ドーラアンタイオス

どーらあんたいおす

ドーラアンタイオスとは、特撮テレビドラマ『恐竜戦隊ジュウレンジャー』に登場する敵怪人の一体。
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バンドーラ「今頃気がついてももう遅い!ドーラアンタイオスに負けはないのだ!」


CV:徳丸完

登場話数:第43話「甦れ!獣奏剣


概要編集

バンドーラ一味が使役する、ドーラモンスターの一体。

長い首と鉤爪を備えた大ぶりの両腕、そしてに似た形状の巨大な甲羅を背負った、二足歩行の怪獣であり、甲羅だけでなく頭頂部や腕周りなどの体表にも、樹木が植わっているような意匠が見られるのが特徴の一つである。


モチーフであるアンタイオスギリシャ神話に登場する巨人)の特徴を反映してか、当初より巨大な姿で登場した個体でもあり、前述した甲羅や体表を活かして山へと擬態する能力も備えているが、それ以上に厄介なのが驚異的なまでの自己再生・強化能力である。

これは敵からの攻撃で身体が吹き飛ばされても、心臓さえ無事であればそれを中心に四散した身体が再結集・復活を遂げるというものであり、さらに復活の度に先に受けた攻撃のパワーを吸収し、攻撃された箇所からを生やすなど、その身体を変化させる形でパワーアップするようにもなっている。

まさしく「戦えば戦う程強くなる」という非常に厄介な性質の持ち主であり、これもまたモチーフのアンタイオスの特性を反映したものであるとも言える(※)。


(※ 大地の女神であるガイアの息子として生まれたアンタイオスは、その加護ゆえに「大地に足がついている限り無限に回復し、無敵の力を発揮する」という力を持ち合わせていたことで知られる)


作中での動向編集

先の戦いでドラゴンレンジャー/ブライを喪ったばかりで心の傷が癒えないジュウレンジャーにまたとない好機と捉えたバンドーラの手によって送り込まれる。


誕生の後、郊外にて山へと擬態・潜伏していたドーラアンタイオスであったが、その気配をドラゴンシーザーに察知され、彼の攻撃によって姿を現すことを余儀なくされてしまう。当初ドラゴンシーザーの不可解な行動に困惑し、5守護獣でこれを止めようとしていたジュウレンジャーも、ドーラアンタイオスの出現によりその真意を知ることとなり、ドラゴンシーザーとの格闘戦の末に動きを封じられたドーラアンタイオスはそのまま、5守護獣の連続攻撃を腹に受けて呆気なく四散してしまった。

この顛末を前に、トットパットブックバックが不満の色を隠さずにいる中、バンドーラは「これだけで終わると思うかい?」と余裕を崩さずにおり、果たしてその言葉通り四散したはずのドーラアンタイオスの破片は、生き残っていた心臓へと徐々に集まりつつあったのである・・・。


それから程なくして、地震と共に復活したドーラアンタイオスが市街地へと出現。倒したはずの相手が再び姿を現すという事態に、大獣神でこれに相対したジュウレンジャーも驚愕する中、その様子をバンドーラパレスより見守っていたバンドーラは、意気揚々とドーラアンタイオスの持つ特性を配下達に明かし、一気にジュウレンジャーを倒す時が来たと高笑いしてみせたのであった。

ジュウレンジャーもまた、戦いの中でその特性を悟るが時既に遅く、ドーラアンタイオスは復活に伴って腹部に生えたや、怪力などを駆使して大獣神を圧倒。バンドーラによる策略でドラゴンシーザーが身動きままならず、加勢に入れないことも手伝ってこれを窮地に追い込んだ。

無論大獣神もただやられっ放しという訳ではなく、恐竜剣ゴッドホーンで反撃を仕掛けるも、肩にダメージを負ったドーラアンタイオスはそこに火口状のコブを生み出し砲撃を仕掛けてくる始末であり、下手な攻撃が却って相手を強くするという状況にジュウレンジャーは大いに悩まされた末、已む無く超伝説・雷光斬りでドーラアンタイオスを斬り捨て、再度復活するまでの間に対策を練るという選択を取った。


案の定、それからさほどの間を置かずにドーラアンタイオスは再び復活を遂げるが、その際空中に浮かんだ心臓に破片が結集する様をジュウレンジャーも見届けており、彼等はようやく市街地に到着したドラゴンシーザーと共に、ドーラアンタイオスの心臓を狙うべくこれと立ち向かうこととなる。

が、前述の通りドラゴンシーザーはバンドーラの魔法で身動きがロクに取れず、さらにドーラアンタイオスも2度目の復活に伴って頭部や甲羅に無数の角を生やすなどさらにパワーアップを果たしており、満足に連携できずにいる大獣神とドラゴンシーザーを角からの光線で圧倒するなどさらなる猛威を振るった。

劣勢を覆すべく、ここでティラノレンジャーが単身ドーラアンタイオスの体内へと突入、復活能力を司る心臓を直接破壊しようとするが、それ自体が一つの生命体でもあるドーラアンタイオスの心臓は触手を伸ばしてティラノレンジャーを拘束。大獣神とドラゴンシーザーも度重なる猛攻の前に地に伏すなど、最早勝負は決した・・・かに思われた。しかし、


「シーザー・・・頑張れ、頑張るんだ!

 確かに兄さんはもういない・・・だが、兄さんは決して死んではいないはずだ!

 お前の心の中に、そして俺の心の中に、兄さんは今でも生きている!そして、悪を倒せと叫んでいる!

 だから俺は戦う!全てを忘れて、平和な時が来るまで戦う!!」


なおも闘志を捨てず、獣奏剣を奏でてドラゴンシーザーを鼓舞したティラノレンジャーは、アームドティラノレンジャーへと二段変身を遂げ、ドラゴンシーザーもそれに応えて自力で魔法による拘束を破ると、スピニングシーザーをドーラアンタイオスへと叩き込み、アームドティラノレンジャーもろとも心臓を外へと追いやることに成功する。

これにより無防備となった心臓を、アームドティラノレンジャーが必殺の剣撃で破壊すると、心臓を失ったドーラアンタイオスも苦しみ出し弱体化、その好機を逃さずジュウレンジャーも究極大獣神を繰り出し、残った身体をグランバニッシャーで完全に吹き飛ばしたのであった。


備考編集

デザインは野口竜が担当。丘のように見えてその実生物という点は当初より考慮されていたようで、デザイン画稿にも擬態時を想定した腹ばい状態の姿が併せて描かれている。他方で、角や棘の生えた強化形態についてはデザイン段階では想定になかったらしく、「ひょっとすると現場処理によるものかも知れない」と語ってもいる。


CV担当の徳丸は、画面上での共演こそなかったもののグリフォーザーとの兼役でもあり、ドーラモンスターの声を演じるのは第12話に登場したドーラアルゴス以来のこととなる。同時に、1980年代後半よりほぼ連年のように参加してきた東映特撮において、このドーラアンタイオスが最後に新規で演じた役柄ともなった。


『ジュウレンジャー』の英語版ローカライズ作品『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』では、第1シーズンの第36話にて「ハチャソーラス」の名で登場。同作では心臓部も、「カルディアトロン」と呼ばれる別個のキャラクターとして設定されているが、心臓型のこの制御コンピューターを破壊しない限り何度でも復活・強化されるという点自体は原典に準じている。

ハチャソーラスは第2シーズンの第23話(通算第83話)にも、ブローブロッサム(サクラ子爵)の手により復活する形で再登場しており、こちらでは原典にはなかった等身大の姿でのアクションも披露している。カルディアトロンも同様に再生復活しているが、シーズン1とは異なりコンピューターではなく、ただの心臓とされている。


関連タグ編集

恐竜戦隊ジュウレンジャー

バンドーラ一味 ドーラモンスター

アンタイオス 


バトルヅノーバラビルダー:いずれもスーパー戦隊シリーズの他作に登場する敵怪人達で、再生能力こそ持ち合わせていないものの「敵から攻撃を受ける度にパワーアップする」という共通項を揃って備えている

究極オルグ_センキ:『百獣戦隊ガオレンジャー』の登場キャラクターの一人。こちらは心臓さえ無事なら何度でも甦るという点で、ドーラアンタイオスと共通している

ザラガスウルトラシリーズに登場する怪獣の一体。こちらも攻撃を受ける度に体質を変化・強化させるという特性を持ち、背中に甲羅を備えた出で立ちなど外見の面でも近似点を有している

完全生命体イフ:上記と同じ攻撃を受ける度に体質を変化・強化させる怪獣

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