「ゼロワン……あんさつ~!」
演:松村龍之介
概要
滅亡迅雷.netがゼロワンの抹殺のために送り込んだヒューマギア。
破壊されてもバックアップデータの恩恵で暗殺特化型ヒューマギアとしてラーニングを続けることで、どんどん強くなるマギアとされている。
なお、このパワーアップについては技術的な説明が可能で、第11話「カメラを止めるな、アイツを止めろ!」で、ヒューマギアが人に攻撃した事に対する驚愕から解る通り、
①一般に販売されるラーニングデータに暗殺用のラーニングデータは無い。
➁警護・警備等の目的で運用されるヒューマギア用のラーニングデータに暗殺用の物は無い。
と言うような内容が一般常識であり、それでも存在するならば、最も可能性があるのが飛電インテリジェンス=衛星ゼア内部故に、暗殺用ラーニングデータを1から作成する必要があった。
だが、その用途とは裏腹な無邪気さを持ち、迅と2人で行動する姿はさながら幼い兄弟のよう。
だがラーニングを積み重ねる内に次第に自我に目覚め始めたのか、第10話ではマギアに変身した瞬間にドスの利いた声色に変化し、言動も今まで見せていた無邪気さがウソの様に暗殺者らしいものへと変化していた。第11話にてラーニングを完了し、変身前の時点から冷徹な雰囲気を醸し出すようになり、滅からも称賛されている。
ラーニングの回数を重ね、徐々に迅と共に行動することも少なくなった。
OPでのキャスト、公式サイトや『公式完全読本』の表記は「暗殺ヒューマギア」となっているのにもかかわらず固有の名前がないため、迅による愛称「暗殺ちゃん」が視聴者にも定着し、呼称として一般的になってしまった。
ちなみに滅は「暗殺」と呼んでいる。
使用されている素体は飛電製の現行型ヒューマギアと同様だが、最初からゼツメライザーを装着し滅亡迅雷.netに接続済みのためか、目とヘッドギアは赤い状態になっている。
第7話で刃唯阿の細工を受けて目とヘッドギアが青い状態に戻り、彼のゼツメライズする映像がリークされたことで「ハッキングされていないヒューマギアでも暴走する危険性がある」と世間が誤解する原因になってしまった。
正体
当初は破壊されるたびに再生産されていると思われていたが、第12話にて、その正体が窃盗犯によって顔とIDデータを改竄された5体のイベント用和風舞踊ヒューマギア「祭田ゼット」の1号機~4号機であった事が明らかとなった。
滅亡迅雷.netは完全同型の五体である事に目を付け、バックアップデータ移植の際、別個体である事に対するラーニング調整、と言う名の誤差を無くし、ラーニングの精度を上げる為に奪取した事が判明した。
1号機~4号機はマギア化後も「祭田ゼット」としての記憶及び自己認識は保っていたらしく、暗殺ちゃんとなった4号は、ラーニング対象として最後の適合者になった、逃亡に成功して隠れていた5号を探し出し、「俺だ。4号だ」と語りかけて人類滅亡計画の仲間にしようとしていた。
初期に見せていた無邪気な言動は「お祭りヒューマギア」としての名残であったと考えられるが、ラーニングの度に1号+2号、1号+2号+3号と記憶が重複され続けた事で性格の破綻が見られ、4号の性格が本来の物とかけ離れた結果となった原因となっている。
活躍
ヒューマギア「暗殺ちゃん」としての活躍を記載。
マギアとしての活躍はドードーマギア、ドードーマギア改を参照。
- 第7話「ワタシは熱血ヒューマギア先生!」
迅と共にゼロワンを暗殺すべく行動を開始するが、刃唯阿に行く手を塞がれたことで迅とバルキリーが交戦。暗殺対象ではないバルキリーと仮面ライダー迅の戦いを距離を取って眺めていたが、ラッシングチーターの俊足で接近したバルキリーにフリージングベアープログライズキーをゼツメライザーに装填されたことで誤作動を起こしてしまい機能を停止。
バルキリーが迅を引き付けた隙に、唯阿の部下達によって鹵獲されてしまった。
その後、唯阿によって何らかのプログラムを仕込まれ、目とヘッドギアのランプが青に変化した状態で再起動。
マンモスマギアの出現でパニックになった街へと解き放たれ、ドードーマギアへとゼツメライズした。
バルカンと共にマンモスマギアと交戦するゼロワンを発見し襲い掛かるも、ラーニング不足のため大した脅威にはなれず破壊された。
- 第8話「ココからが滅びの始まり」
「ヒューマギアのハッキング、失敗。病院のセキュリティ、破れない〜」
バックアップデータから復活。迅に対して言葉を返すようになるなど成長を見せているが、妙に格好つけたポーズも取るようになった。
多数のヒューマギアが働く国立医電病院へと侵入して看護師型ヒューマギアのハッキングを試みるも、病院のセキュリティを破れず失敗。この際、マギアが使用する有線接続によるハッキング能力をヒューマギアの姿のままで使用している。
滅に暗殺対象を刃唯阿に変更され、滅・迅と共にA.I.M.S.特殊技術研究所を襲撃。守衛の兵士たちを蹴散らし、ドードーマギアへとゼツメライズしてバルキリーと交戦して迅がギーガーをハッキングする隙を作った。
ゼツメライズ時に外装が破壊されてしまったため、その後はドードーマギアの姿で活動し、滅の指示で再度或人を抹殺しようとするも再び破壊された。
- 第10話「オレは俳優、大和田伸也」
「私は、強くなりたい…」
伝説の暗殺者(を演じる俳優)・大和田伸也から暗殺をラーニングするため、人間に変装して接近。
アクションや演技を「俳優ヒューマギアより上手い」と気に入られ,遂には弟子として認められるに至った。
翌日、撮影現場で俳優ヒューマギア・松田エンジが大和田のアドリブに応えられないのを目の当たりにする。
「ダメエンジ。俳優ヒューマギア……いらない」
自己判断でエンジを暗殺対象とし、ドードーマギアに変身して襲いかかる。
現れた迅に「友達を暗殺しちゃダメ」と注意されるも、護衛に当たっていたバルキリーと交戦し「ゼツメツノヴァ」で変身解除に追い込む。
だが、唯阿から新たなプログライズキーを渡されたバルカンに破壊された。
以降、ゼツメライズする際に「暗殺」と発言するようになった。
- 第11話「カメラを止めるな、アイツを止めろ!」
ドードーゼツメライズキーよりバックアップデータを復元され復活。
以前のような幼さはなく冷徹な暗殺ヒューマギアとなっていたが、次のターゲットに大和田伸也が指名されたときは、「師匠…!」と戸惑いを顕にしていた。
だが任務は任務と割り切ったのか、或人と唯阿がZAIAエンタープライズジャパンへと呼び出されて現場にいないタイミングを狙って撮影現場に侵入。
役者に注意が集まる撮影の、さらに大和田演じる暗殺者が撃たれるシーンに合わせて暗殺を行うという巧妙な手口で大和田を任務通りに銃撃。
大和田を銃撃した自身がヒューマギアであることを撮影スタッフに見せつけて現場から逃走した。
「標的…師匠を暗殺。ラーニング完了。」
ラーニングを完了したことでドードーマギア改へ進化を遂げ、遭遇した不破と交戦。格段に向上した性能を駆使してバルカンを変身解除まで追い詰め、任務を完了して撤退した。
皮肉にも、師匠がヒューマギアを認め、ありのままの暗殺ちゃんを受け入れる準備ができた矢先に、取り返しのつかないことをしてしまうこととなった。
大和田は一命を取りとめたが、彼が再び師匠と再会する日は来るのだろうか…
この事件が原因で飛電インテリジェンスに警察の捜査が及ぶ事になってしまう。
- 第12話「アノ名探偵がやってきた」
「俺は暗殺を極めた。巣立ちの時だ」
滅にドードーゼツメライズキーを奪われ強制停止させられていたが再起動(この際ドードーマギア改からヒューマギアの姿に戻っている)し、造物主の滅に対して「もう学ぶべきものは何もない」と巣立ちを宣言。近くにいたトリロバイトマギアをドードーマギア・ヒナに変貌させて滅たちに襲いかからせ、進化したドードーマギア改に変貌してダークライダー二人と互角の戦いを繰り広げた。
その後の経緯はドードーマギア改を参照。
余談
フリーズした際に発生した霜を表現するために、メイクさん達が使用したのはまさかの砂糖。
演じる松村龍之介氏は、仮面ライダーや戦隊のOB達が参加した東映ムビ×ステシリーズの映画『GOZEN-純恋の剣-』、舞台『GOZEN-狂乱の剣-』に出演していた経歴がある。
最初はあっけなくやられた存在が戦いを何度も経験し、(本物の暗殺者ではないものの)師匠から習った事を自分の技に取り入れて弱点を克服する姿は、ある意味物語の主人公が成長する一般的な道のりを象徴しているとも解釈出来る。
これは初めから高い地位と強力な権限を持っている飛電或人とは対照的である。
尚、本作では人間の使役から人工知能が叛逆する様子が描かれて来たが、暗殺ちゃんは人工知能が人工知能に叛逆するという特異点的なキャラクター付けになっている。
そして後に滅亡迅雷.netの首領である仮面ライダーアークゼロが人類抹殺だけでなくヒューマギアの排除に乗り出した事で彼に切り捨てられる形となった滅達はアークに反旗を翻す事となる。皮肉にも人工知能である滅達は暗殺ちゃんと同じような事をやってのけたのであった。
『公式完全読本』にて松村氏のインタビューが掲載されており、5号までを逆算しながら役作りに取り組んだことや、1号から5号までを大まかな年齢別に分類し、口調・思考・行動に違いが出るよう意識して演じた旨などが語られている。
また、一番印象に残った台詞として巣立ちの際の発言(当記事12話の項目冒頭の台詞)を上げている。
関連タグ
迅:自身の命名者であり、事実上の兄弟のような関係。
アンク(ロスト):鳥類系怪人。最初は精神が幼かったが、成長すると共に徐々に悪辣さを見せていくようになった点も共通している。
本編終了後のネタバレ注意
『仮面ライダーゼロワン ファイナルステージ』
「この時を待っていた」
「ようやく俺の出番か…」
本編後と劇場版の間に起こった出来事
仮面ライダー達への復讐心が芽生えたアズが変身したアークゼロワンの手によりアークゼロとして復活。手始めに亡と雷を呼び出し、二人を洗脳する。洗脳後は「暗殺亡雷.net」なる組織の構成員として亡や雷と共に滅と迅を襲撃し、一人逃げた迅を追う。その後迅を追撃し、トドメの一撃を放つも滅が庇う。そこで、滅と迅が「夢」について語り合う事によって、亡と雷の洗脳が解け離反。最後は終結した滅亡迅雷と交戦するが撃破される。