ゼツメライズ!
概要
テロリスト集団「滅亡迅雷.net」によりヒューマギアが変貌した怪人。
各個体の名称は「ゼツメライズキーの絶滅種の名+マギア」(例:ベローサゼツメライズキー+マギア=ベローサマギア)。
生活の中でシンギュラリティを超え、自我を獲得しつつあるヒューマギアの元に滅亡迅雷.netの刺客が赴いてゼツメライザーを装着させ、これにより内部データを改竄されたヒューマギアは「滅亡迅雷.net」に接続され、暴走プログラムをダウンロード・インストール。
ゼツメライズキーをゼツメライザーに装填して絶滅種のデータイメージ「ロストモデル」の能力を自らに付加する「ゼツメライズ」を行い、ヒューマギアの表層コーティングと外装を破壊することでマギアの姿に変貌し、インストールされた暴走プログラムに従って人類を絶滅へと導く為に暴れ回る。
A.I.M.S.は当初飛電インテリジェンスが殺戮兵器として製造したものと疑っていたが、第2話で或人が滅亡迅雷.netの存在を公表したことにより否定された。
また、或人もA.I.M.S.もマギア化したヒューマギア達の自我について当初認識していなかったが、第7話で迅の口から語られたことで知ることとなった。
第16話より、通信衛星アークの干渉によりゼツメライザーもゼツメライズキーも使わずにヒューマギアが突如マギア化する「アークマギア」が出現していたが、第24話以降ヒューマギアのセキュリティが強化された為出現しなくなった。
しかし42話で滅の人類滅亡の呼び掛けに自主的に集まったヒューマギアがゼツメライザーも通信衛星アークも無しに再びマギア化する事件が発生(この時点ではアークは撃破されており、新しいアークが再誕したのはこの後)。再び暗雲が立ち込めている。
マギア一覧
一般マギア
名称 | ロストモデル(分類) | 変貌元ヒューマギア | 演者 | 登場話 |
---|---|---|---|---|
ベローサマギア | クジベローサ・テルユキイ(昆虫) | 腹筋崩壊太郎 | なかやまきんに君 | 第1話 |
クエネオマギア | クエネオスクース(爬虫類) | オクレル | 寺本翔悟 | 第2話 |
エカルマギア | エカルタデタ(哺乳類) | マモル | 吉田悟郎 | 第2話 |
ネオヒマギア | ネオヒボリテス(頭足類) | シザーメンズ | 石川誠 | 第3話 |
オニコマギア | オニコニクテリス(哺乳類) | バース、タクシー運転手型ヒューマギア | 金光真輝、阿部遼哉 | 第4、6話 |
ビカリアマギア | ビカリア(腹足類) | 森筆ジーペン、弁護士ビンゴ | 徳角浩太郎、南圭介 | 第5、21話 |
ガエルマギア | イブクロコモリガエル(両生類) | 香菜澤セイネ | 美山加恋 | 第6話 |
マンモスマギア | マンモス(哺乳類) | 坂本コービー、119之助 | 海東健、島丈明 | 第7、26話 |
ドードーマギア | ドードー(鳥類) | 暗殺ちゃん、MCチェケラ | 松村龍之介、副島淳 | 第7~10、28話 |
ドードーマギア改 | ドードー(鳥類) | 暗殺ちゃん | 松村龍之介 | 第11~13話 |
アルシノマギア | アルシノイテリウム(哺乳類) | 松田エンジ | 崎本大海 | 第11、24話 |
戦闘員タイプのマギア
名称 | ロストモデル(分類) | 変貌元ヒューマギア | 登場話 |
---|---|---|---|
トリロバイトマギア | なし※1 | 不特定多数※1 | 第1話~ |
ドードーマギア・ヒナ | ドードー(鳥類) | 不特定多数※2 | 第12~13話 |
バトルマギア | なし | なし | 仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション |
※1:ハッキングにより暴走プログラムをインストールされたヒューマギアが変貌する。外見上のモチーフはその名の通り「三葉虫」。
※2:ドードーマギア改にハッキングされたヒューマギアが変貌する。
アークマギア
滅亡迅雷.net壊滅後、突如として現れ始めた新たなマギア。
詳細はアークマギアを参照。
キメラタイプ
バトルDVDに登場した個体。漫才師型ヒューマギア「天丼ボケ太郎」が素体。
アジトでガエル・ビカリア・ネオヒのゼツメライズキーを持ち出した迅がコードにつまずいて転倒した拍子に3つのキーのデータが流出、これを受け取ったアークが生成した、三つのロストモデルを内包した「???ゼツメライズキー」を使用することで誕生した。
暗殺ちゃんに近い自意識が残るタイプのマギアで、或人にツッコミを入れつつ3つのマギアへのフォームチェンジを繰り返しながら戦ったが、途中でバルカンがトラッピングスパイダーで放った網に引っ掛かり、ホッピングカンガルーの攻撃で撃破された(ついでにバルカンと迅も巻き添えになった)。
ソルドマギア
ZAIAエンタープライズが開発した兵士型ヒューマギア「ソルド」の戦闘形態。名前にマギアが付いているが一応(人類側から見ればの話だが)味方怪人に当たる。詳細はソルドマギアを参照。
特徴
姿やカラーリングはゼツメライズキーのデータイメージの生物を象っているが、元となるヒューマギアの素体が同一であるため共通のボディを持つ。
追加パーツも頭部と武装以外は共通の物が殆どで、「同じ姿の怪人が異なる衣装を纏った状態」に見えなくもない。
また、「変身ベルトで変身する」「複眼ないしそれに近いディテールを頭部に持つ」という仮面ライダーに近いディテールも共通して持っており、仮面ライダーシリーズが共通して持つ「仮面ライダーの力は、元をたどれば怪人と同じ力」という要素が歴代怪人の中でもかなり強調されているといえよう。
また、頭部は上記の複眼と各生物モチーフの目の造形を合わせて、4つの目を持っているような造形なのも特徴的。
戦闘ではロストモデルが付加された事で生成される武装を用いて戦うほか、他のヒューマギアへ有線接続して強制的に暴走プログラムをインストールするハッキング能力を持ち、周辺で働く一般ヒューマギアを戦闘員たるトリロバイトマギアへ変貌させる事で破壊活動の拡大を図る。
声は変貌前そのままだが、同じ言葉を繰り返したり、唸り声のような声しか上げないなど個体差が生じる模様。
また怪人には珍しく、ゼツメライザーのボタンを再度押し込むことで必殺技「ゼツメツノヴァ」を使用できる。劇中ではドードーマギアが第10話で初披露し、仮面ライダーバルキリーを変身解除に追いやっている。
対策
当初の『ゼロワン』世界における技術では内部データを改竄され暴走したヒューマギアは修復不能であり、最善の対処は破壊のみとなっていた。
上述したように変貌時に自身の外装を破壊しパージしてしまうため、一度マギア化すると元のヒューマギアの姿に戻ることは出来ないはずだったのだが、第8話でマギア化後にヒューマギアの姿に戻れずにいた暗殺ヒューマギアが第12話ではヒューマギアの姿に戻っているため、やろうと思えば出来るがやる必要も理由が無いということなのかもしれない(暴走プログラムにより人類滅亡を目指し行動する以上、非武装のヒューマギアの姿は無意味)。令和ザ・ファースト・ジェネレーションではでは一般のヒューマギアがゼツメライザーを使用していたが、外せるかは不明。
尤も、彼自身は自らの意思で行動できた特例的なマギアのためとも考えられる。
中には暴走前の影響からか、暴走前の職業に関する口上を述べながら暴走したり(第1話のトリロバイトマギア)、暴走プログラムに自らの意思で抗って職務を全うしようとしたケース(第4話のバスガイドヒューマギア・アンナや第9話のDr.オミゴト(ただし、後者はマギア化は免れた))、仲間のためにあえて暴走プログラムに感染した上でそれを巧みに利用しようしたパターン(松田エンジ)などのケースがある(第23話縁結びマッチもこれらのケースに該当すると言える)。
よって暴走プログラムを埋め込むハッキングも必ずしも成功するわけではないようである。
補足
「多数のヒューマギアが被害を受けている中、飛電インテリジェンスは何も対策しないのか?」というのはもっともな意見だが、そもそも「ハッキング対策」とはあらかじめ作っておいたリストを基に不審な無線通信を遮断したり、あるいはネットワークから物理的に切り離して怪しい通信を受け取る要因そのものを無くすことである。
つまり「怪しいと分かっている相手とは繋がない」「危ない通信をしないようにネットに繋がない」=侵入されたらその時点でアウトであり、正体不明の機器で無理やり接続してくる滅亡迅雷.netにはなす術がない(現実においても、機器への直接接触によるデータ改ざんを防ぐのは非常に困難である)。
マギア化が確認されたのが割と最近なこと、ハッキングに使われるデバイスがどういったものか判っていないことを考えれば、今の飛電インテリジェンスが対策に乗り出せていないのはごく自然なことだと言える。
逆に言えば、どうにかしてそのデバイス(ゼツメライザー及びゼツメライズキー)を入手できればハッキング対策に乗り出せるということでもあるので、それを待つところである。
24話ではマギア化への対策アップデートが正式に実行されており、タイミングから考えておそらく、同話でマギアをヒューマギアに復旧して見せたプログライズホッパーブレードのシステムが応用された物と見られている。
余談
- 「マギア」は単純に訳すると「魔術」になるが、「ヒューマギア」から変貌することを考えると、「ヒューマン」の要素が抜け「人間性を失う」、つまり「野生化したヒューマギア」ともいえるが、その名称がすでに別の作品に使われているため、野生の要素が名称から抜けて単なる「マギア」となった。魔+ギアにも掛けているのかもしれない。
- 地味に仮面ライダー史上初となる「変身ベルトで変身する一般怪人」である。これまでも幹部級の怪人には変身ベルトを使う者もいたが、一般怪人に変身ベルトが標準装備されているのは初。
- 上記の通り、顔に複眼があることも含め「仮面ライダーの紛い物」という位置付けにもあるようで、擬似ライダーにも近い存在と言える。
- これまでの創作作品では、人工知能を持った存在の持つ自我は大抵人類への悪意やエゴであり、自分の意志で人類に牙を剝くと言うパターンやウイルスに取り憑かれて自我に目覚めると言うパターンが多かった。一方で、ヒューマギアは自我に目覚めてから悪性プログラムをインストールされてマギア化するという珍しいケースとなっている。しかも、作中でヒューマギアが自我に目覚めるきっかけはほとんどの場合で自分の仕事にやりがいを見出し、人間社会のために役に立ちたいと感じたという純粋な善意からである。
- つまりは、良心と善意の感情に目覚めて「人間と友達になりたい」と思えるようになった時点で、人間を滅ぼす先兵たるマギアにされるリスクも高まる。このやるせない矛盾こそが本作の味わいとなっている。
- 自我に目覚めた個体をマギア化している理由はまだ不明だが、憎しみと愛情は表裏一体という言葉があるように、人間への本心からの善意に目覚めた存在だからこそ、人類への悪意を植え付けやすいという見方もできる。だからこそ「悪意に目覚めて自分からマギア化したヒューマギアが現れたら」と想像しただけで恐ろしくなるが、果たして現れるのだろうか…?(そして第28話でついに自分の意志でマギアに変身したヒューマギアが現れてしまった・・・。)
- しかも、トリロバイトマギアを見ればわかるように、自我に目覚めていないからと言って安心はできないのもまた恐ろしい所である。
- 「元は善意ある存在が洗脳されて怪人と化す」様は、昭和ライダーの怪人である改造人間にも通じる部分がある。
- モチーフは先述の通り絶滅動物であるが、これまでに出現した個体が「現生生物に似た怪人」と紹介されている事から現生生物に似た古代生物がモチーフと推測されていたが、近年に絶滅した絶滅種モチーフのガエルマギアが登場した事で、この世界から絶滅した生物全般である事が確定した。
- 『公式完全読本』で明かされたデザインコンセプトは以下の通り。
- 出自や技術面の共通性の現れとしてライダー要素を出すべく、モチーフの生物の目とは別にマギアの複眼をデザインする
- 身体にゼツメツライズキーの固有色のケーブルを走らせ、ケーブルの色を変えることで全身の色イメージが変わるようにする(ケーブル要素は「パーツをケーブルで繋ぎ留めている」という滅亡迅雷ライダーのデザインコンセプトに由来する)
- 現時点でマギア化が確認されているのは新世代型のヒューマギアのみであり、旧世代型は暴走こそすれど戦闘員であるトリロバイトマギアにすらならない。ゼツメライズキー及びゼツメライザーの力と思われた怪人態の形成もアークによる無線接続でも行われたことにより、新世代型のヒューマギアの素体そのものに変形・武装を可能とする機構が予め搭載されている可能性がある。その場合、飛電インテリジェンスの開発部または製造ラインに人類滅亡に加担する者が紛れているかもしれないが、果たして…。(ただしプログライズホッパーブレードによるマギア化解除時やヒューマギアプログライズキーによる転身システムの起動の際にスキンが形成・変化されることから、ヒューマギアの外見の自己生成機能の悪用ということもあり得る)
Pixivでは
絶滅生物全般なのでモチーフの幅が広く、オリジナルのキーを用いたマギアのイラストが投稿されている。
オリジナルマギアを参照。
関連タグ
仮面ライダーゼロワン 滅亡迅雷.net ゼツメライズキー ヒューマギア アークマギア
ダークロボット:同じ石ノ森作品である『人造人間キカイダー』の敵ロボット。リメイク作『キカイダー02』の描写では“絶滅危惧種の動物”がモデルとなっているとされる。
歴代絶滅種の怪人達
ザンブロンゾ/プラノドン/ギロチンザウルス /> 原始タイガー/吸血マンモス/ザンヨウジュー
剣聖ビルゲニア/エラスモテリウムオルフェノク /> トリロバイトアンデッド/スミロドン・ドーパント
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