A.I.M.S.
えいむず
『仮面ライダーゼロワン』に登場する、内閣官房直属の対人工知能特務機関。
A.I.M.S.は「Artificial Intelligence Military Service」の略称であり、ヒューマギアの人工知能特別法違反を取り締まる権限を持つ組織。
暴走したヒューマギアに対処するべく、武力も保持している。
部隊章は雷のような模様が右目に走るドクロに、「A.I.M.S. SQUAD」の文字。
サイバーテロリストから民間人を守ることが主な使命で、作中では滅亡迅雷.netに対抗する組織としての面が目立つが、香菜澤セイネの例を見るに、人工知能特別法違反に対する捜査も行なっている様子。
ただし警察ではないためか、天津垓の横暴に対しては証拠品なしで捕まえることができないようで、バルカンがサウザーに妨害されるばかりか、証拠品の破壊や人体改造の暴露に対しても法的な対応は取れてはいない様子(仮にも政府直轄の治安維持機関がそれでいいのかは甚だ疑問だが)。
基本的な装備は仮面ライダーやマギアにはほとんど効果がなく、一般隊員はトリロバイトマギアを怯ませる程度の活躍に留まっており、やられ役が大半である。その為かバルカンやバルキリーに戦闘を任せ、民間人の救出を担当する場面もある。
捜査や尋問を不破が一人で行っている場面も多い為か、突発的に暴れるマギア等に対して現場に駆けつける事は少ない。その為に、一般隊員達の印象はとにかく薄い。
第30話からZAIAエンタープライズジャパンの指揮下へと入り、名実共に完全な天津の私兵へとシフト。不破や唯阿もそんな組織を見限って脱退する事になり、やられ役から悪の戦闘員じみたポジションにまで一時期成り下がってしまったが、第39話でようやくZAIAの傘下から独立した。
実働部隊隊長。個人でかなり自由に動いているが、これが隊長やA.I.M.S.としての権限によるものなのか、本人が勝手に行動しているのかは不明。隊長としては部下の一般隊員達からは慕われている模様。
唯阿が来るまでは、彼が部隊の全指揮権を持っていたようである。
その立場と前述の通り一般隊員の出番が少ない事もあって、作品内外でのA.I.M.S.の代表である。ぶっちゃけファンでも不破以外のA.I.M.S.のキャラは覚えていないという人が多い。
ZAIAの私兵状態となった組織を良しとせず第30話で辞職。ちゃっかり装備は持ちだしている。
刃唯阿 / 仮面ライダーバルキリー / ファイティングジャッカルレイダー
実働部隊技術顧問とA.I.M.S.特殊技術研究所の最高責任者を兼任。実はA.I.M.S.に装備を提供するZAIAエンタープライズジャパンから出向している外部の人間である。
一応現在は部隊の指揮権や各装備の使用許可権は彼女が持っているようなのだが、隊長の不破が基本命令を無視している事や、隊員達も外部の人間である彼女よりも不破を慕っている為に、ぶっちゃけ指揮権はあまり機能していない。
第16話での滅亡迅雷.net壊滅に伴い、ZAIAに戻って社長直轄の開発担当となっていたが、第30話で再編されたA.I.M.S.隊長に就任した。
だが第33話にて鉄拳辞表を提出して職を辞した。
第44話にて政府機関に戻ったA.I.M.S.に隊長として復帰する事になる。
最終回でA.I.M.S.に所属することになった人員で、唯一のヒューマギア。当初は滅亡迅雷.netの一員であることから隊員たちからは警戒されていたが、劇場版ではそのスペックを活かして唯阿のサポートを行うなど、確固たる活躍を見せた。
栄田、尾野、志田、出川、井東、永福 / バトルレイダー
第30話から再編されたA.I.M.S.実働部隊の一般隊員達。
同部隊の隊長に就任した唯阿の部下達で、黒髪が栄田で、坊主頭が尾野。第32話からは丸刈りに無精髭の志田、ベレー帽の出川も登場。
第33話からはオールバックの井東と青いスカーフを首に巻いた永福も登場したが、彼らは唯阿の部下ではない模様。その他無名の隊員も多く見られる。
レイドライザーとインベイディングホースシュークラブプログライズキーを支給されており、バトルレイダーへと変身する事ができる。
ザイアスペックも支給されていて、全員が眼鏡かサングラスをかけており、任務を補佐するインターフェースとして必需品となっている模様。
これまでの隊員達は特に名前がないモブ役ばかりであったが、公式の人物相関図にわざわざ名前が載るようになった。名前の由来はそれぞれアルファベット(栄田→A、尾野→B、志田→C、出川→D、井東→E、永福→F)。
とはいえ、ぶっちゃけ名前を覚える必要がある程に重要なキャラ達という訳でもなく、栄田と尾野が多少目立っていた程度で、作中での活躍や扱いはそれ以前の名無しのモブ隊員達と然程変わらない。
指揮権が天津に移行してからは、己の意志も持たず命令されるがままに動く戦闘員に等しくなり、志田と出川は第33話での戦闘で変身解除された後になぜか姿を消し、それに入れ替わる形で井東と永福が突如として姿を現して唯阿を襲撃している。現場には志田のものと思われるサングラスや銃撃後に排莢された薬莢が散らばっていた。詳しく説明される事はなかったが、何が行われたかを容易に察する事ができる、背筋が寒くなる1カットであった。
しかし古参隊員はまだまともな良心を持っており、栄田と尾野は天津の命令があったとはいえ、イズを庇おうとした或人に銃撃を誤って命中させてしまった際には動揺を見せるなど、冷血な人物ではない模様。そして第38話では、自らの意志で唯阿と共にアークと戦う覚悟を示した。
第44話にてヒューマギアの暴動が起こった際、与多垣ウィリアムソンは容赦なく発砲するよう命じるが、尾野は取り押さえた相手に銃を突き付けて引き金を引こうとしながらも苦悩の表情で躊躇。ぎりぎりまで悩んだ末に撃とうとしたところで唯阿に制止され、最悪の事態は回避された。
隊長の不破と技術顧問の唯阿はエイムズショットライザー、プログライズキーを所持していた。
しかし、二人はそれぞれA.I.M.S.から離れてからも所持を続けており、当然ながら公式な使用権が認められる訳がないので、おそらくA.I.M.S.から奪ってきたのだと思われる。セキュリティガバガバとか言ってはいけない。
A.I.M.S.の共通装備としては、特殊なマスクと装甲ベストを着用。
武装は主にM4SOPMOD Block1とリカバータクティカル製のカスタムグリップが装着されたMEUピストルが使われている。
他の隊員の中にはキャリコM100という変わり種やMinimi軽機関銃(ベルト給弾ではなく100連ツインドラムマガジンを使用)、SCAR-L(設定上は尾野が傭兵時代から使用している愛銃のため私物の可能性アリ)、そしてM4のオプションにM203があり、挙句の果てにはHK45やデザートイーグル、グロックベースのピストルカービンやリボルビンググレネードランチャー、SGR-12等が存在する。
いくらヒューマギアが相手とは言え、日本の法執行機関としてはこれでもかと言わんばかりに重武装である。結果的にはこれらの重装備が必要な相手は出てきた訳だが、元々はヒューマギア相手にどんな規模の戦闘を想定してこれ程の重装備の使用が認められていたのかは不明。
正式装備に含まれるか不明だが、映画『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』にて不破諫が20連STANAGマガジンが装着されたMTR-16とMk46を使用しており、コスタ撃ちを行ったのが話題にもなった(MTR-16はマルイオリジナルの架空銃。ただし実銃のプロトタイプが制作されている)。
M4SOPMODBlock1には部隊章の刻印(シール)、MEUピストルには太く「A.I.M.S.」の印字がある。
『ゼロワンOthes』では正式採用拳銃がフリーダムアート製のアサルトグリップが装着されたグロック19に更新されているが、刃唯阿は一貫してMEUピストルを使用している。
他には、専用車両やヒューマギアを強制的に制御下に置く大型機甲兵器・ギーガーも開発していたが、A.I.M.S.の装備としては実は一度も使用されていない。
第3章からは、新たにレイドライザーとインベイディングホースシュークラブプログライズキーが支給され、バトルレイダーとしての戦力を獲得。
隊長として復帰した唯阿はラッシングチータープログライズキーを返却し、ファイティングジャッカルプログライズキーを使用するようになった(第33話でバルキリーに再変身して以降は、何故か全く使われなくなった)。
ヒューマギアの開発元。当初はヒューマギアの暴走について疑っていたが、滅亡迅雷.netの暗躍が発覚し捜査も行われて以降は、組織としての関わりはなかった。
第29話でZAIAに買収され、A.I.M.S.と共に、天津の支配下となってしまった。
多国籍巨大企業で、A.I.M.S.の装備を開発している。技術顧問の唯阿もZAIAから出向している。
マギアに有効な仮面ライダーや装備の開発はZAIAが行なっており、武装指揮権も唯阿にある為、A.I.M.S.の装備は実質ZAIAに依存している。
作中でその存在が関わっていると明言され(名前自体は早く登場しており公式サイトの設定から推測は可能だった)、以前から何者かに唯阿が収集した情報を報告していた。
その人物はデイブレイクや滅亡迅雷.netの内情を知っている風な素振りを見せていたが、第8話で後のデイブレイクタウンの開発計画に参加していた企業・ZAIAの人間だった事が判明した。
唯阿が飛電インテリジェンスを陥れるような行動を見せ、更に天津がデイブレイクに間接的に関わっていた事実が明かされたのを皮切りに暗躍を続け、第16話にて滅亡迅雷.net鎮圧後に本格的に行動を開始する。
隊長である不破ですら当初は唯阿の暗躍については把握しておらず、戦った事すらあるが、証拠がないのか、それとも組織同士で何らか癒着があるのか、堂々と行動する天津を取り締まるまでには至っていない。
第25話において天津の口から、「A.I.M.S.への技術提供は仮面ライダーを兵器として売り捌くビジネスの為であり、飛電の買収の際にはA.I.M.S.は必要なくなる」とすら発言しており、自身の駒として利用していただけに過ぎなかったと思われる。
実際、飛電が買収されヒューマギアが根絶されれば、A.I.M.S.は役目を終える事になるが……。
飛電インテリジェンスの買収後の第30話では指揮権がZAIAに移されており、リコールに応じないヒューマギアの廃棄処分と言うよりも、ヒューマギアを強制的に破壊する天津の私兵部隊として再編、運用されるようになり、完全に或人や離反した不破の敵となった。一方で一般隊員にバトルレイダーが配備されたりと戦力の強化がされている。
上述の通り第29話以降のA.I.M.S.はZAIAに掌握されており、その社長である天津垓のヒューマギア排除思想と真っ向から対立する思想である融和を唱える飛電或人率いる飛電製作所とは当然敵対。実際に天津の命により製作所社屋・仕事先問わず複数回に渡り攻撃を仕掛けている。
なお飛電製作所側としては積極的に戦闘する理由はないため、襲撃に対する迎撃のみ行っている。
ヒューマギアをハッキングし、人類を滅亡させヒューマギアを解放しようとするテロリスト。その活動理由はA.I.M.S.と(滅亡迅雷編、飛電製作所編のいずれにおいても)相反するものであり、何度も戦闘を重ねている。
本来A.I.M.S.の兵器であるはずのギーガーが動かなくなるのはだいたい滅亡迅雷のせい。
15話で直接対決が行われ、飛電或人の協力もあり紆余曲折の末勝利。滅亡迅雷の壊滅に成功する。
しかし、滅の脱走と迅の復元により事実上の復活を果たす。
A.I.M.S.再編後の第35話にて、ザイアスペックを暴走させた事に対する制裁として天津垓により再び両者の全面戦争が勃発。
しかしヒューマギアのために立ち上がった或人の妨害と亡によるギーガーとバトルレイダーのハッキングにより天津1人での戦闘を余儀なくされ、滅との戦いにサウザーが敗れた事で敗北を喫する。
日本政府、警察
A.I.M.S.は日本政府により設立されたAI犯罪専門の特務機関である為、警察とは別組織。
弁護士ビンゴに不破が協力した際には、警視庁サイバー犯罪対策課の刑事・鳴沢が「同業者」と発言しており、「仲間」ではないらしい。
警察とは捜査の際に協力する事例もあり、ゼロワンが逃亡した際には共同で確保に当たった事もある。
第28話で明かされた、不破と唯阿が実験体であった事も含めて、そもそもA.I.M.S.自体がZAIAの実験場であり、もはや政府すらもその実情を把握していないのかもしれない(もしそうだとしたらそのような組織が治安維持組織として活動していた事自体が大問題だが…)。
- 名前の由来は宇宙船のインタビューによれば2号ライダー、3号ライダーが銃を使うことが決まっていたため英単語の「aim(狙いを定める)」から。ちょうどAIも含まれていたからともしている。
- ちなみに関係はないがAIMSという銃も実在してたりする。
- 使用されているバンのベース車両はメルセデスベンツの312Dキャンピングカー。内装が取り払われ武器庫に見えるように改造されている。なお初期の話ではナンバープレートのひらがなが「す」だったが、ナンバープレートを映すのが駄目だったのか途中から実在しない「ん」に上から被せる形で修正している。
- 全編通してかなりリアルな銃撃シーンや弾薬が薬室に入ってないか確認するチャンバーチェックシーン、M4のドットサイトのカバーを視界を遮らないように右斜め下に展開、空薬莢が体にあたって或人が熱がるシーン等があるが、これは監督がコールオブデューティにハマっていた為にここまで細部までこだわったとのこと。ただし、監督自身は銃にそれほど詳しくなかったため、プロップは操演担当のスタッフがチョイスしたものが使われている。
- 全編通してエアソフトガンとモデルガンをプロップとして使用しており、銃撃シーンでM4やMk46から排出される薬莢はVFXの合成。この手法は実銃が一般人では法的に手に入らず、撮影に使えない国ではよく行われる。
- 後に明かされた、エイムズショットライザーの使用条件により、能力の高い隊員は不破同様の処置がされていると思われる。しかし、特に条件のないバトルレイダーの登場から可能性は低くなった。
- 関係があるかどうかが不明だが、アルファベットの最初の文字であるAから始まっており、大本のZAIAはアルファベットの最後の文字であるZで始まっている。
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