概要
細長い矩形の紙片やリボンを一度ねじって端を貼り合わせることで生じる輪。
「メビウスの帯」とも呼ばれる。
「メビウスの帯」の形状を決定するのはエネルギー密度がそれぞれ異なる場所だという。
「エネルギー密度」とは、蓄積された弾力性エネルギーのことで、「メビウスの帯」を作るときにひねりが入ることで帯の中に含まれる。帯がもっとも激しくねじれているところはエネルギー密度が最大になり、逆に、もっとも平らでねじれがない部分はエネルギー密度も最低になる。
もし帯の幅が長さに比例して広くなれば、エネルギー密度の存在する場所も移動し、その結果、形状も変化する。帯の幅が広いほど、ほとんど平らな「三角地帯」が帯上に形成され、これは紙がくしゃくしゃに丸められた状態と同じである。
メビウスの輪の中央に切れ目を入れていき一周させて開くと、全体がつながったまま長いひとつのループになる。
機械の回転用ベルトは、一度ひねってメビウスの帯状にすることで、偏った摩擦の影響を消去できるように工夫されているものがある。
また、特定の構造物に力が加わったときどこで裂けるかを予測することが可能になり、薬学における新薬開発モデルにも貢献している。
上位次元版的なものとして「クラインの壺」も存在する。
題材、フィクション
「メビウスの帯」は様々な作品でモデルにされており、絵画や彫刻などでも数多く見られる。
「∞」と関連付けられ、良くも悪くもモチーフとされる。
創作においては、単に「メビウス」と言っただけでメビウスの輪の意味合いとなっている事も多い。
関連作品(作品名50音順)
- 『エースコンバット04 シャッタードスカイ』
(PS2)の主人公部隊「第118戦術航空隊メビウス隊」のエンブレムのモチーフになっている。
主人公である空条徐倫が、敵の裏返りの攻撃を無効化するために自らの肉体をメビウスの輪状にした。
- 『マリオカート8』
マリオサーキットはコースの形がメビウスの輪になっていて表と裏で1周となる。