概要
ターミネーターの中でも人工生体組織で偽装された最初期のモデル。スカイネットによって2018年に試作され、2026年より量産された人間抹殺用のアンドロイドである。正確には「サイバーダインシステムズ・モデル101シリーズ800」という型番になり、スカイネットでは「T-800 モデル101 サイバネティック生命体」としてデータベースに登録されている。
T-800以前のターミネーターであるT-600シリーズの表皮がゴム製の上、人間としては大きすぎる体格の外見であったため、近距離では容易に識別可能であるのに対し、T-800は培養された人間と同様の細胞組織(筋肉、皮膚、髪の毛、血液など)がチタン合金の金属骨格を覆っているため、人間と区別するのが難しい。またサイズもT-600に比べて一回り小さく、より人間に近い身長になった。ただし、2018年の試作段階では未完成故なのか言葉は話せず、表情にもメリハリが無かった。
生産拠点であるスカイネットセントラルが爆破されたため、大量生産に支障をきたし予定が遅れ、8年後の2026年に量産体制を含め完成することとなった。作品シリーズが進む毎に少しずつバージョンアップを繰り返しており、主にコミュニケーション能力を中心に改善が図られ、より人間的になっている。
ちなみに破損した生体組織は少々の損壊(銃弾程度のダメージ)位なら時間をかけて自己治癒可能である。またそういう設計なのかは不明だが、生体組織も人と同じ速度で老化現象を起こす。
また、生体組織で人間として偽装されているのはあくまで暗殺や潜入などの任務をプログラムされた一部の個体のみであり、映画冒頭やゲーム作品などで描かれる未来の戦場においては、大多数が金属骨格の姿のままで、機械軍の歩兵として運用されている。
劇中での活躍
ターミネーター
人類抵抗軍のリーダージョン・コナーの存在を抹消するべく、ジョンの母親サラ・コナーを抹殺すべく未来から1984年のロサンゼルスへ送り込まれる。その後未来からサラを守るためにやって来たカイル・リースとの戦闘になり、妨害を受けながらも2人を執拗に追跡するが、最終的にサイバーダイン社の工場でサラによってプレス機に潰される。さらに逃避行の最中にサラはカイルと結ばれ、彼との息子(ジョン)を宿していたため、任務に失敗する。後に本機の腕と半導体がサイバーダイン社に渡り、それがスカイネットの誕生へと繋がる。なお、これによって歴史が変わり、皮肉にも審判の日が早まることとなった。
ターミネーター2
人類抵抗軍に鹵獲され、プログラムを書き換えられて抵抗軍側の兵士となる。
少年時代のジョン・コナーを抹殺すべくT-1000が1994年に送り込まれると、そこで抵抗軍のリーダーである未来のジョンに過去の自分の保護(ついでにジョン少年の命令には従うように)を命じられ、過去へ送られる。
当初は「俺はターミネーターだ」と人に向けて躊躇なく発砲しようとするなど機械的な面が強かったが、ジョンと何があっても人を殺さないと約束してからは、その約束を最後まで守り通した。それ以外にもジョンと心を通わせ、様々な感情や言葉を学習して人間らしくなっていく。その様子は、過去の経験からターミネーターを警戒しているサラが「父親にふさわしい存在」と考えを改めたほど。
T-1000を撃破し、ジョンを守り抜いた後、スカイネットの開発を完全に阻止する為に自ら最期を選ぶ。自身の最期を涙を流して悲しんでくれるジョンと別れの抱擁を、当初は自身を危険視していたサラからはジョンを身を挺して守ってくれた感謝の握手を交わし、コナー親子に見守られながら溶鉱炉に身を投じて最期を遂げた。
ターミネーター2:3D
未だ生きていたスカイネットを今度こそ破壊しようとサイバーダイン社の極秘プレゼンテーション会場に侵入していたコナー親子を、二人を抹殺するべく再び現れたT-1000の攻撃から守るように出現。ジョンと共に未来の戦場へタイムスリップし、そこで襲い掛かるスカイネットの刺客達からジョンを守りながらスカイネットの本部を直接破壊するべく行動に移りだす。
たどり着いた中心部でスカイネットの心臓たるCPUを守る大型兵器・T-1000000(ワンミリオン)に立ち向かうが、強力な再生能力を持つ相手を倒す方法が一つしかない事を悟るとジョンを一人で元の時代に送り返し、最後は自らと共にスカイネットを破壊し、消滅した。
帰ってきたジョンを待っていたサラは、再び息子を守ってくれた彼を「勇敢なアンドロイド」と称えるのだった。
ターミネーター3
正確にはT-850で、前作までのモデルよりも改良が加えられている。
未来では抵抗軍リーダーとしてのジョンの抹殺に成功した個体。その後人類側が鹵獲し、彼の妻であり抵抗軍副リーダーであるケイト・ブリュースターにプログラムを上書きされ、過去の彼女とジョンを守るために過去に送り込まれた。
前作とは別の機体であることに加え、そもそも過去に送り込んだ人物がケイトであるためジョンとはそりが合わない一方、ケイトの言うことには従う。
スカイネットが送り込んだT-Xに性能の差から苦戦を強いられ、1度はシステムを乗っ取られるが、ジョンの必死の呼びかけによって再起動。最後はジョンに「また会おう」と意味深な言葉を残し、T-Xを道連れにして大破した。
なおこの機体はジョンやケイトに命令されずとも人を殺していない。
ターミネーター4
試作段階の個体だが登場。これまでのように鹵獲されて人類側になったわけではなく、1作目同様に敵として現れる。前作では「T2」にて守られた経験ゆえに未来のジョンはT-850に攻撃を躊躇し殺害されてしまうが、この情報をあらかじめ知った本作のジョンはT-800に躊躇せず戦いを挑んだ。
シュワルツェネッガー氏が当時カリフォルニア州知事だったためCG合成によって再現されている。
ターミネーター:新起動/ジェニシス
幼少時代のサラ・コナーを抹殺すべく送り込まれたT-1000から、サラを守るために何者かによって送り込まれた。その後は両親を失ったサラの親代わりとなって、彼女にスカイネットや戦い方について教え、共にカイル・リースが送り込まれる時を待っていた。
ターミネーター:ニュー・フェイト
テキサス州ラレドにて人間として暮らしており、「カール」と名乗っている。
新たな主要人物であるダニエラ=ラモス(ダニー)を守るべく、サラやグレースと共に新型ターミネーター『REV-9』と死闘を繰り広げる。
本作もシュワルツェネッガー氏の加齢もあって、髭を生やした壮年の男性となって登場。また右頬には切り裂かれたような傷がある。
なぜかサラは彼に対し強い敵意を抱いているようだが…?
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