略歴
1954年8月16日、オンタリオ州カプスカシングに生まれる。
15歳のときに『2001年宇宙の旅』を観たのをきっかけに、映画の自主制作を行うようになる。
その後いったんはカタギに戻ったものの、『STARWARS』(1977年)に影響を受け脱サラ。再び映画にのめりこみ、1978年にニュー・ワールド・ピクチャーズに入社する。
が、商業監督デビュー作となる『殺人魚フライングキラー』(1981年)では、非常に劣悪な制作環境の中で悪戦苦闘を強いられたにもかかわらず、撮影開始から数日で一方的に解雇され、そのくせクレジットにはしっかり名前を載せられるというひどい目に遭う。
失意のどん底に落ちたキャメロンだが、2作目の『ターミネーター』(1984年)で転機を迎える。これが低予算ながら高評価を得たことで、『エイリアン2』(1986年)や『ターミネーター2』(1991年)で特大予算を任されるようになり、いずれも見事に大ヒットタイトルに仕上げ、キャメロンの名を世界的に押し上げた。
いまや彼は、映画界最大のヒットメーカーの一人となっている。
全世界の映画興行の歴代1位と3位は、いずれもキャメロン監督作の『AVATAR』(2009年)と『TITANIC』(1997年)である、と言えばそのすごさはわかるだろう(他を寄せ付けない興収額だったが、最近になってエンドゲームが2位に食い込んできた)。
現在は『アバター』の続編を手掛けており、2022年以降、計4作が公開予定。
なんとこれら4作を一挙同時製作中。2019年末の時点で既に脚本は全部書き終えているばかりか、第4作冒頭までの撮影(演技キャプチャー)が完了しているとのこと。新型コロナウイルス流行の影響で公開スケジュールに遅れは出たが、2020年9月のインタビューでは、2作目の製作を完了し、3作目も95%仕上がっていると語っている。
第1作が世界を席巻してから実に10年が経ってからの続編展開だが、大ヒット映画の割にその情報が長らく聞こえてこなかったのは、この前代未聞の4作同時製作に向けていろいろ準備していたためのようだ。
『アバター』が長年保持してきた全世界興収歴代1位の座を『アベンジャーズ エンドゲーム』に奪取された際にも「『アバター2』がエンドゲームの記録を抜くのは確実。今は花を持たせてあげるけどね」と語るなど、さらなる記録的ヒットに向けて自信満々な様子(このインタビューの後、『アバター』は中国で再上映され、その積み上げによって再び『エンドゲーム』を抜き返し全世界興収歴代1位の座を奪還している)。
人物・作風
多額の予算を投じて、先進的なVFXを使用することで有名であり、映画表現の進歩にも一役買っている。『アビス』にはじまり、『エイリアン2』『ターミネーター2』『タイタニック』『アバター』と、手掛けた作品のうち実に5作がアカデミー視覚効果賞を獲得している。
CG技術やVFXの印象が強い一方で、割と体当たりで撮影を行うタイプでもあり、『タイタニック』では「傾く甲板のうえを客が滑落していくシーンで自分もスタントマンに混じって滑落しながらカメラを回す」、「船長室に激流がなだれ込んでくるシーンで自らドライスーツを着てカメラを回し、水流に巻き込まれて負傷する」など、それを監督自らやらなければいけないのかと言いたくなるようなエピソードを残している(ほかにも、「船内セットの塗装に不満を抱いた末に「俺がやる」と代わりに塗り直して、美術スタッフより良い仕事をしてしまう」、「氷山の撮影に使う氷塊に自ら斧をふるって成形する」などこういった逸話は数多い)。
また、日本のアニメや漫画に造詣が深く、押井守とは親交がある。
『タイタニック』のキャンペーンで来日した際には、屋形船で押井と大友克洋の3者で会食を行っている。この時、横浜ベイブリッジを見て「『パトレイバー2』で爆破された橋じゃん!」と喜んでいたとか。
長らく『銃夢』の映画化を構想していたことで知られるが、多忙と完璧主義のためか、一向に具体的な話が出てこないままであった。2010年代後半頃にようやく本格的に始動し、キャメロンは脚本と製作総指揮を務め、監督はロバート・ロドリゲスが担当する形で、『アリータ:バトル・エンジェル』として遂に完成。2018年に公開された。
作品
映画
『殺人魚フライングキラー』1982年
『ターミネーター』1984年
『ランボー/怒りの脱出』1985年 - 脚本
『アビス』1989年
『ハートブルー』1991年 - 製作総指揮
『ターミネーター2』1991年
『トゥルーライズ』1994年
『ストレンジ・デイズ/1999年12月31日』1995年 - 脚本/原案/製作
『TITANIC』1997年
『ソラリス』2002年 - 製作
『ジェームズ・キャメロンのタイタニックの秘密』2003年 - ドキュメンタリー映画
『海底火山の謎』2003年 - 製作総指揮/ドキュメンタリー映画
『ターミネーター3』2003年 - キャラクター創造
『エイリアンズ・オブ・ザ・ディープ』2005年 - ドキュメンタリー映画
『ターミネーター4』2009年 - キャラクター創造
『AVATAR』2011年
『サンクタム』2011年 - 製作
『AVATAR 2(仮)』2022年公開予定
『AVATAR 3(仮)』
『AVATAR 4(仮)』
『AVATAR 5(仮)』
ドラマ
『ダーク・エンジェル』2000-2002年