「俺の向かい風は、1人1人にカスタマイズされるムカイカゼ。 貴様らの行く手を、何時までも何所までも邪魔してやるムカイカゼ~!」
「ヒュ~ッ! この場でやられるか、トジテンドに服従を誓うか、選ばせてやるムカイカゼ」
登場話:第43カイ!「風見鶏の頭は風の真向かい!」
データだムカイカゼ
身長/195cm
体重/284kg
世界/ムカイカゼトピア
名物/舞い散るチラシ
名産/アゲンストライカー
概要だムカイカゼ
トジテンドが人間界侵略の為に、向かい風の世界「ムカイカゼトピア」を閉じ込めたムカイカゼトジルギアをクダックに組み込んで、ヒューヒューと誕生したワルド。
向かい風を受けている様にオレンジの髪が大きく後ろ向きに乱れ、顔は歯を食いしばる表情を浮かべており、まるで外装がめくれ上がり素体が丸見えになったロボット(人によってはこの人)をも彷彿とさせる外見。頭頂部には風見鶏を刺し、首元には風に棚引くマフラーを巻いている。
また左腕へは、オレンジと青で彩られた強力送風機を装着しており、丸いシルエットも踏まえると頭頂部が破れて中身の空気を暴風として吹き出す熱気球にも見える。
ムカイカゼトピアの力を悪用し、左腕の送風機より紫色の渦状光線「アゲンストライカー」を放つ能力を行使する。これを浴びた者には、どの方向を向いても風速30mの向かい風が吹き付けられて動きが大きく制限されてしまう。
戦闘でも、能力に嵌めた敵を向かい風で何時もの様に動き辛くさせられ、ついでに周辺の物が自身に飛び込んでくるので邪魔になり、特に“舞い散るチラシ”や新聞を顔にへばり付かせ視界や集中力も削げる為、使い勝手の良い能力である。
ただし、この向かい風は対象の体の向きの反対側に吹く方向を自動で修正される為、バック走等で後ろ向きに移動すれば思い通りの方向に行く事が可能で、その応用で戦闘の際は敵を風下に据えて周囲の物や持っている武器を飛ばすと言う逆利用をされる弱点がある。
「~ムカイカゼ」とワルドお馴染みの口癖の他、風を操るだけに「ヒューッ!」と口ずさむ事も多い、軽いノリのテンション高い性格。
活躍だムカイカゼ
バラシタラの手で誕生し、人間界に出撃。
工事現場の作業員に能力を行使していた途中でゼンカイジャーに駆け付けられるも、手の内がバレる前に先制でアゲンストライカーを5人へ浴びせる事に成功し、相手の動きを大幅に鈍らせ優位に立つ。
ジュラン「向かい風にも程があるだろうがっ!」
「ヒュウ~ッ、如何にも!俺はムカイカゼワルドだムカイカゼ!」
しかしそこで、スパイ行為の罪で投獄されている筈のステイシーが現れ、高い所からギアトジンガーの銃撃を浴びせられる。
更にダークキョウリュウジャーギアで召喚されたキョウリュウレッド・カーニバルのフェイクからほぼ一方的に攻め立てられた為、「お前、どうしてこの俺の邪魔を……ええい!上に報告してやるムカイカゼ!」と捨て台詞を残し、送風機で竜巻を起こしてこの場を飛び去った。
捨て台詞の通りトジテンドパレスへ戻り、ボッコワウスに事態を伝えるも案の定癇癪を起こされ、幹部達諸共床ドンで跳ね上がる羽目に。その後は脱走したステイシーの粛清も兼ねて、バラシタラに付き添われながら再出撃する。
廃工場でゴールドツイカー一家と会話していたステイシーを見付け、「ボッコワウス大王が、お怒りだムカイカゼ」と呟きながら連れて来たクダック部隊の銃撃を浴びせるも迎撃され失敗、ゾックス/ツーカイザーとの共闘体制を採ったステイシー/ステイシーザーとの交戦に突入。
遅れたタイミングで参入したバラシタラがステイシーザーと戦う中、シンケンフォームでクダックを蹴散らしながら迫るツーカイザーと戦うも、隙を突いて背後からアゲンストライカーを浴びせる事に成功、同じく向かい風により動きを大幅に鈍らせた。
ゾックス・カッタナー「なんだ? どっち向いても…向かい風が!?」
「コイツを食らった以上、お前の体の向いた方に強風が吹き付けるムカイカゼ。ヒュ~!」
しかし、ここで、「後ろ向きに走って向かい風へ乗る形で逆に追い風にして戦う」と言うワルドの性質を逆手に取った奇策を思い付いたゼンカイジャーが、こちらに背を向ける形で突撃して来た。その奇天烈な絵面に怯んだ隙に、チェンジと名乗りを済ませた相手は後ろを向きながらクダックを片付けてしまう。
「何〜!? そんな強引な……!」
ゾックス・カッタナー「その手があったか…」
更にゼンカイジャーの奇策を真似たツーカイザーから反撃を受けた上、ゼンカイザーはゼンリョクゼンカイキャノンの「爆走! マシンパワー」でレッドレーサー・ゴーオンレッドを召喚し、背中からの体当たりを浴びせ追撃。これへ為す術もなく袋叩きに遭い、屋外に放り出される。
そしてトドメに、背中を向けた格好でゼンカイジャーの放った「ゼンリョクゼンカイフィナーレバスター」が曲がる軌道を経て直撃、「何か来たあ!?ヒュ~ッ!!」と言い残しつつゼンカイザーの後頭部に潰される形で爆散・敗北。同時に向かい風による束縛から人々は開放された。
結局、ステイシーザーの排除へ手間取った為にムカイカゼワルドの救援へ間に合わなかったバラシタラだったが、代わりにステイシーの微妙な違和感を察したらしく、ステイシーザーの加勢へ現れたゼンカイジャーとツーカイザーを全身からの砲撃を用いた爆撃で一蹴し、その場から撤収する。
そして、「ならば俺が、手柄を立ててやる!」と言いながら入れ替わりで現れたクダイテストが、残っていたムカイカゼトジルギアを踏み付けて取り込み、ダイムカイカゼワルドが誕生した。
余談だムカイカゼ
- 風を扱う能力や風自体をモチーフにした怪人は多いが、「向かい風」という限定されたモチーフを取り入れたのは初で、元々初期のワルドの没案を再利用した物。
- アゲンストライカーの名前の由来である「アゲンスト」とは、ゴルフ用語で向かい風の事。
- 声を演じた檜山氏は『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』のマンタ・バヤーシ以来、4年振りのスーパー戦隊シリーズ出演となった。戦隊怪人の声役としては常連の一人でもあり、神風大将(五星戦隊ダイレンジャー)を始めとした暴走族や軽いノリのキャラ等の演技に定評がある。
- また、顔のデザインやアゲンストライカーの発声イントネーションからして、檜山氏と縁深い某勇者ロボを思わせる演出が散見させる(※東映HPではブロウクン何ちゃらと口走る始末)。
- 更に劇中で交戦した、キョウリュウレッド・カーニバルを原典で導いた者の声の人は、檜山氏との付き合いが長い事実上の親友関係にある。
- デザインイメージは、”目が開けられないほど強い向かい風を受けて、歯を食いしばって耐える余り、歯茎が剥き出しになっている顔”で、K-SuKe氏曰くカッコいい感じになってしまったのでもっと大げさに描いても良かったと思う、との事。模様や色に「HOT LIMIT」のMVのコスチュームを意識したメカ化されたマフラーは、松井大氏の「バイクのマフラーとのダブルミーニングなんですよね」とのコメントを元にバイクのマフラーっぽく仕上げられた(『機界戦隊ゼンカイジャー公式完全読本』p.119)。
- 公式サイトのゼンカイ備忘録によると、ゼンリョクゼンカイキャノンの「爆走! マシンパワー」でのくだりは当初、レッドレーサーとゴーオンレッドの他にレッドターボ、ボウケンレッド、キラメイレッドも登場することが検討されていたが、この3名は後ろ向きでもすぐわかるデザイン(レッドターボとボウケンレッドは白い模様が目立ち、キラメイレッドは肩アーマーに身体に道路のデザインが襷掛け状にかかっている)だったため、消去法でこの2人に絞られた。決してギャグ戦隊だったから扱いを軽んじた訳ではない、うん。
関連タグだムカイカゼ
神風大将:中の人が同じ風を操る戦隊怪人。
ハリケーンボンビー、キングボンビーJr.ポコン:桃太郎電鉄シリーズに登場する強風を操るボンビー(但し桃太郎電鉄2017版のキングボンビーがハリケーンボンビーと同じ行動パターンを行う場合がある)。