「覗いてないで、貴様も入ると良いコタツ!トリコタツビーム!!」
「ニャハハ~ッ! 皆永遠にぬくぬくしてろコタツ!」
登場話:第42カイ!「新ヒーローにゃ!おコタの密会!!」
データだコタツ
身長/196cm
体重/294kg
世界/コタツトピア
名物/こたつとみかん
名産/トリコタツビーム
概要だコタツ
トジテンドが人間界侵略の為に、こたつの世界「コタツトピア」を閉じ込めたコタツトジルギアをクダックに組み込んで、ぬくぬくと誕生したワルド。
頭部はこたつの中に温まる猫を模しているが、その猫が鋭い爪を突き立てて威嚇し、こたつを独占している様に見える造形が特徴。後頭部からはこたつの差し込みプラグを垂らしていて、猫の尻尾にも見える。
また、こたつの天板にはミカンを入れた網籠を乗せているが、良く見るとミカンを模した手榴弾になっている。
反面、両腕はクダイターのままで武器も携行していないが、代わりに顔から攻撃用のビームを発射出来るので戦闘力はそこそこある。
コタツトピアの力を悪用して、顔の猫の目から放つ「トリコタツビーム」を浴びせた対象を冬の季節の定番・“こたつとみかん”に閉じ込める能力を行使する。
絵面こそ、只こたつで入っているだけなシュールとしか言い様がない光景だが、能力に嵌った相手はその温もりでこたつより出られなくなり、その場でだらけて動かなくなり無力化してしまうので、敵対者等を抑え込む手段としては相変わらず反則染みた代物。しかも射程距離・効果範囲も長大で、対象が遠方や空中戦艦の中でも確実に命中させられる。
更に時間が経つと、人々の心身は徐々に猫へと変化して行き、遂には完全に猫となって戻れなくなってしまうらしく、入ったら出たくなくなるこたつの魔力を悪い方向へ活用した能力と言える。
そして、この性質に着目した生み主兼上司のバラシタラは、最終的に猫化した人間やキカイノイドをボッコワウスの新たなペットとして献上する事も目論む、巻き込んだ人々の自由意志や尊厳を蔑ろにする思惑まで考えていた(※バラシタラ自身が過去にしでかした、無理矢理妻とした女性達への暴挙を、対象と形を変えて再び行おうとしたとも言える)。
但し、こたつとしての基本機能である「体を温める」部分は市販の物と何一つ変わらず、精神に働き掛ける様な機能も無い。その為、こたつから自分の意思で抜け出れば猫化を食い止められるも、気合いで強引に出ようとしても身体はこたつから抜き出せず、それこそ暑がりと言った体質的に長くこたつに入っていられない人物でも無ければこの抜け道を突く事は不可能。
当然、別の人が無理矢理引き抜こうとしても身体をこたつと一緒に引き摺られる為、殆どの人は一旦能力に嵌ったら行動を大きく制限させられた上でほぼ為す術も無いまま心身を徐々に猫化される状態に陥ってしまう。
但し、外部から何らかの刺激を与え続ければ猫化の進行をある程度遅くは出来る他、出ようとする意志を強めればこたつを背負う格好になり、立って歩ける位にはなる。
また、上述と同様の理由で夏場から初冬に掛けては全く意味を成さない能力とも言えるが、逆に言えば寒い時節なら無類の厄介さを誇る。
尚、こたつであれば移動は可能なのでゼンカイジャー側も対策として「着るこたつ」に移り替わる事で行動し易くなろうとしていた。大人気で売り切れだらけだったが入手出来ていれば早めに倒せていたかもしれない。
「~コタツ」と言いながら、紳士ぶった上品な口調(シャム猫がイメージとの事)で能力を行使し人々に永遠のぬくもりを与えていると嘯く、モチーフだけに猫を被った性格。
活躍だコタツ
ハカイジュウオーの件でステイシー(※イジルデより責任を擦り付けられた)を処断するも、未だ苛立ちの残っているボッコワウスの機嫌を取る目的で、バラシタラによって生み出され人間界へ出撃する。
街中で能力を行使し、人々をこたつ漬けにしている所をテレビで報道された為、それを視たゼンカイジャーが現場に駆け付けられる。
ガオーン「何か、皆幸せそうじゃん!」
「その通りコタツ。俺は悪い事はしてないコタツ」
ジュラン「それ、大体悪い事した奴が言うよね!?」
介人「どうせこの後、何か起こるんだろ!?」
悪事はしてないと嘯くが即見破られた為、「決め付けは酷いコタツ」と呟きつつクダック部隊を差し向け、そこらじゅうでこたつに入り寛ぐ人々へ攻撃が当たるのを誘おうとするも、戦い慣れたゼンカイジャーは人々を守りながらクダックだけを片付けて行く。
所がその内に、キカイトピアに無いこたつの仕組みに興味津々のゼンカイブルーンがこたつの観察に走ってしまい、無防備になったのを見逃さず蹴り飛ばすと、そのままトリコタツビームを浴びせて無力化に成功。
更にこれで敵側のペースが乱れた隙を見逃さず、立て続けに残りの4人にもトリコタツビームを命中させ、直後に現れたゴールドツイカー一家もクロコダイオーごとトリコタツビームを浴びせる事で出撃前に纏めて無力化。
結果一番の脅威を早期に封殺するジャイアントキリングを達成し、悠々とその場を立ち去った。
しかし、コタツワルドが去った直後にジュランがあっさりとこたつを脱出。実は彼は、スーパー悪者ワルドの一件で描写された様に極度の汗っかき且つ暑がりであり、こたつで暖まり続ける現状へ早々に音を上げた事で偶然にも能力の抜け道を突く事が出来たのである。
それから暫く、ジュランは仲間達をこたつから出すべく1人奮闘するも、やがて時間が経つやこたつで寛ぐ人々は徐々に猫化が進行。
ジュラン「猫にされたくなかったら寝るなよ!?」
ガオーン「それは『寝ろ』って振りミャ?」
マジーヌ「おコタが気持ち良過ぎて、抗えぬニャ~」
だがジュランも諦めず、節々が痛む身体を気合いで動かしダンスを踊り続ける等して猫化の進行を少しでも抑えていた所で、セッちゃんがコタツワルドを探し当てた連絡を受け単身討伐へ向かう。
その頃、能力のコツを掴んだか山の高台より見える街全体にトリコタツビームを浴びせ、こたつの魔力に陥れようと企てるが、そのタイミングでジュランに発見されて全力疾走からの飛び蹴りを浴び、諸共崖下に転落。
ジュラン「こっからはヒーローがキメねえと、皆納得しないっしょ」
「貴様、どうやって俺のこたつから出たコタツ!?」
ジュラン「悪りぃな。暑がりで汗っかきのオジさんなモンで。若者助けるのも、オジさんの役目よ!」
そのままゼンカイジュランとの戦闘になるが、程無くバラシタラが加勢・援護。
2対1で一方的に翻弄するも、そこへセッちゃんに操縦されたクロコダイオーが1つに融合したこたつへ入ったゼンカイジャー4人を吊るして駆け付け、ギアトリンガーの銃撃でバラシタラと引き離される。
ジュランの頑張りで辛うじて意識を保っていた介人はセッちゃんのアドバイスでパトレンジャーギアを使用、それで引き出したパトレンU号の能力によりこたつ同士を融合し、クロコダイオーに牽引して貰う事で仲間達と共にジュランの加勢へ来たのだった。
こうして全員集合したゼンカイジャーとツーカイザーだったが、こたつから出られない5人はバラシタラの足止めに精一杯、タイマンになったコタツワルドとゼンカイジュランも一進一退の攻防を繰り広げ、戦況は膠着状態に。
しかし、ゼンカイザーが前回の話で功博士から渡された新たなセンタイギアを使用。
それによって呼び出された、未知なる46番目のスーパー戦隊の1人が戦闘に乱入。自由に動ける彼がバラシタラを怯ませた上でゼンカイジュランへ加勢し、今度はコタツワルドの方が圧倒されてしまう。
頼みのバラシタラの方も、こたつを背負ったまま動き出したゼンカイブルーンへ抑え込まれた隙に、ゼンカイザーがゼンリョクゼンカイキャノンの「極めろ! ファイティングパワー」で召喚したゲキブルー・バトルケニア・キバレンジャーの加勢と、ゼンカイマジーヌの魔法で召喚された猫の手が繰り出す引っ掻き攻撃に翻弄され援護へ回れなくなってしまう。
こうして勝ち目を完全に失った上で、新顔の放った桃型のクリスタルに閉じ込められて隙だらけの所を、ゼンカイジュラン単独のゼンカイフィニッシュバスターを叩き込まれ爆散・敗北。
これを以って人々の強制こたつ漬けと猫化は完全解除され、ゼンカイジャー4人とツーカイザーも無事元の姿へ戻った。
一方、残ったコタツトジルギアは街中に吹っ飛び、それをバラシタラに呼び出されたクダイテストが「正月ボケを吹き飛ばしてやる!」と言いながら踏み付けて取り込み、ダイコタツワルドを誕生させた。
無事にダイコタツワルドも討伐され、事件の収束後、身体の無理を押しながら孤軍奮闘したジュランは仲間達から感謝と共に全身マッサージ等を受け労われる。一方のジュラン本人は、みんなから父親と呼ばれるのを自分は助け合う仲間だと訂正しつつ、渋くもカッコ良く締めるのだった。
余談だコタツ
- こたつ自体をモチーフにした戦隊怪人は今回が初。複合モチーフなら『爆竜戦隊アバレンジャー』のツタコタツ以来、19年ぶりの登場となる。
- 単独モチーフは東映特撮全体でも珍しく、『超光戦士シャンゼリオン』のマニヤー以来26年ぶりである。
- 「ネコはこたつで丸くなる」からの発想から始まり、田崎竜太監督の要望でこたつ布団風メカでは無くメカ風こたつ布団でデザインされ、猫の尾も赤い電気コードになった(『機界戦隊ゼンカイジャー公式完全読本』p.118)。
- 声を演じる平川氏はスーパー戦隊シリーズの出演は今作が初。
- 近年は『仮面ライダーセイバー』のピラニアメギド(雄)の声を演じており、『キラキラ☆プリキュアアラモード』のエリシオと併せてニチアサキッズタイム全てを制覇した事となる。
- また、ウルトラシリーズでは『大怪獣ラッシュ』においてバルタンバトラー・バレル役で出演していた為、今回の出演で三大特撮ヒーローも制覇した事となる。(大怪獣ラッシュはCGアニメではあるが)
- また、このカイが放送された2022年1月9日には東映特撮チャンネルにおいて烈車戦隊トッキュウジャーの第31駅・第32駅が公開されているが、何の因果か31駅で逆転の切っ掛けになったのもこたつである(詳しくはテーブルシャドーの記事を参照)。
- 今回「極めろ ファイティングパワー」で召喚されたメンバー3人(ゲキブルー、バトルケニア、キバレンジャー)は、コタツワルドが猫っぽい面を持つのに合わせてこちらも猫要素を持つ故の人選と思われる。また、キバレンジャーは「虎」モチーフで今回の話が2022年最初の放送だった為、前前回の様に今年は寅年という要素も使っていると思われる。
関連タグだコタツ
CATS:猫化しつつある介人の姿からこのミュージカルを連想した人も少なくなかった。
妖怪ネコマタ:別作品の戦隊がゲスト出演した回に登場した、7年前の猫怪人。なお、声の人はゼンカイジャーでギアダリンガーのアナウンスとスーパー悪者ワルドやファイナルワルドの声を当てている他、この役以降毎年何らかの特撮作品へ出演する事が定番化した。
マネキネコ邪面:前年の1月に登場した猫怪人繋がり。「相手を猫に変える能力」も共通しているが、あちらは見た目と仕草が猫っぽくなる"だけ"である。
魘夢:声の人繋がり。また、人々を心地好い感覚(こちらは夢)に浸らせた上で食い物にするスタンスが類似する。そして、ゼンカイジャーの公式Twitterでも「お~ね~む~り~ぃ」に言及した。更に撃破の一手となったのが鬼退治で有名な桃太郎がモチーフのドンモモタロウであった。