曖昧さ回避
※もしかして→合体怪獣
概要
本作の敵組織・暗黒科学帝国デスダークが暗黒科学の力で作り出す怪人の総称。名称は「〇〇モズー」で統一され、敵味方からは基本的に「モズー」と呼ばれる。
主なモチーフは動植物だが、中には河童や天狗などの妖怪モチーフの個体もいる。
作中での描写から、少なくとも河童については作中でも普通に存在することが示唆されている(第17話より)一方、同じく作中にてプテラノドンの卵から遺伝子を採取した場面(第25話より)を見る限り、恐竜やマンモス等の古代生物の遺伝子は保有していないことが窺える。
生成の際には、デスダークの首領・総統タブーの意思により、遺伝子マルチサイザーに貯蔵されている様々な特殊遺伝子が選ばれ、それがスーパー増殖機に注入されることで増殖しながらタンパク質と混合。さらにスーパーコンピューターのサイバネティクスプログラムに基づき、金属原子とも結合されて誕生する。
第34話以降は川田博士の開発したネオメタルの金属原子との結合で強化され、終盤では未知の超エネルギー「ハイトロン」のカプセルによってさらなるパワーアップを果たした個体も登場している。
巨大戦
これだけの科学力を有しながらも、合成怪獣には巨大化能力は備わっておらず、基本的には合成怪獣がパイロットとして乗り込む巨大ロボット「コング」を駆使し、ゴーグルロボとの巨大戦を展開する。
ゴーグルファイブに一度倒された合成怪獣は、本拠である暗黒巨大城デストピアからコングが出動し、現地に到着したコングからのリフレッシュパワー光線を浴びて蘇生され、そのままコングに乗り込んで操縦する。
一覧
名前 | モチーフ | 登場話数 | CV |
---|---|---|---|
カイモズー | カイ | 第1話 | 丸山詠二 |
トリモズー | トリ | 第2話 | 西尾徳 |
タコモズー | タコ | 第3話 | 渡部猛 |
クモモズー | クモ | 第4話 | 丸山詠二 |
カマキリモズー | カマキリ | 第5話 | 西尾徳 |
ヤモリモズー | ヤモリ | 第6話 | 渡部猛 |
ネコモズー | ネコ | 第7話 | 西尾徳 |
ドクガモズー | ドクガ | 第8話 | 〃 |
バクモズー | バク | 第9話 | 渡部猛 |
ネズミモズー | ネズミ | 第10話 | 拡森信吾 |
シシモズー | シシ | 第11話 | 渡部猛 |
アリジゴクモズー | アリジゴク | 第12話 | 〃 |
ナマズモズー | ナマズ | 第13話 | 拡森信吾 |
アンコウモズー | アンコウ | 第14話 | 西尾徳 |
ハチモズー | ハチ | 第15話 | 岸野一彦 |
ヒトデモズー | ヒトデ | 第16話 | 渡部猛 |
カッパモズー | カッパ | 第17話 | 丸山詠二 |
サルモズー | サル | 第18話 | 渡部猛 |
コウモリモズー | コウモリ | 第19話 | 拡森信吾 |
サボテンモズー | サボテン | 第20話 | 渡部猛 |
シーラカンスモズー | シーラカンス | 第21話 | 西尾徳 |
クジャクモズー | クジャク | 第22話 | 〃 |
カニモズー | カニ | 第23話 | 渡部猛 |
カメレオンモズー | カメレオン | 第24話 | 西尾徳 |
テラノモズー | プテラノドン | 第25話 | 清川元夢 |
イノシシモズー | イノシシ | 第26話 | 渡部猛 |
スイカモズー | スイカ | 第27話 | 西尾徳 |
サメモズー | サメ | 第28話 | 丸山詠二 |
ハエモズー | ハエ | 第29話 | 加地健太郎 |
テングモズー | テング | 第30話 | 西尾徳 |
ガラガラヘビモズー | ガラガラヘビ | 第31話 | 〃 |
ヤドカリモズー | ヤドカリ | 第32話 | 丸山詠二 |
トラモズー | トラ | 第33話 | 西尾徳 |
ワニモズー | ワニ | 第34話 | 〃 |
ハイエナモズー | ハイエナ | 第35話 | 渡部猛 |
ヤマアラシモズー | ヤマアラシ | 第36話 | 大宮悌二 |
ムササビモズー | ムササビ | 第37話 | 丸山詠二 |
サイモズー | サイ | 第38話 | 西尾徳 |
ミミズクモズー | ミミズク | 第39話 | 渡部猛 |
セイウチモズー | セイウチ | 第40話 | 〃 |
カイコモズー | カイコ | 第41話 | 西尾徳 |
サソリモズー | サソリ | 第42話 | 渡部猛 |
ミミズモズー | ミミズ | 第43話 | 丸山詠二 |
コンドルモズー | コンドル | 第44話 | 渡部猛 |
タヌキモズー | タヌキ | 第45話 | 西尾徳 |
スカンクモズー | スカンク | 第46話 | 渡部猛 |
ゾウガメモズー | ゾウガメ | 第47話 | 西尾徳 |
チーターモズー | チーター | 第48話 | 渡部猛 |
クマモズー | クマ | 第49話 | 西尾徳 |
モグラモズー | モグラ | 劇場版 | 渡部猛 |
デザイン
合成怪獣のデザインは、前年より引き続き参加の久保宗雄と渡部昌彦の両名がその大半を手掛けており(※1)、基本コンセプトの一つとして、先行するベーダー怪物(『電子戦隊デンジマン』)のノウハウを応用した、左右非対称なパターンが導入されているのが特徴である。
これを反映し、物語前半に登場した合成怪獣の多くは「右半身が生身、左半身が金属質」とそれぞれ明確に分けられ、左半身にはアクセントとしてストライプパターンも施されている。これらの要素については久保曰く、「動物を機械で強化した怪物」という合成怪獣のもう一つのコンセプトが、前年の『太陽戦隊サンバルカン』のモンガー(機械生命体)とも若干被ることから、それとはハッキリ印象を変えるという意図も込められていたという。
久保によるデザインはモチーフの印象を抽出した個体、渡部によるデザインは生物的特徴を生かした個体が多い。
前出のコングの存在なども含め、敵側に関しても新機軸を打ち出す姿勢を当初より示していた本作であるが、一方では敵味方のデザインコンセプトの被りの回避(※2)、さらには合成怪獣とコングの形状の統一化など、様々な縛りが生じていったのも事実である。そうした事情もあってか、物語も中盤辺りに入るとマンネリ化を回避すべく、「生物とメカの融合」を如何にカッコよく描くかという方向性に発展させる形で、前述したスタイルに必ずしも当てはまらないモチーフと機械が混合した個体が主流となっていった。
八手三郎原作の「スーパー戦隊」シリーズも4作目となり、デザイナーの側でもアイディアの枯渇に悩まされる格好となった本作を経て、翌年の『科学戦隊ダイナマン』からはプロデューサーの鈴木武幸の意向で、出渕裕らの起用による「アニメテイスト」の導入などさらなる新機軸の模索が図られていくこととなるが、一方でそうした素地は既に本作の時点でも存在していたようである。
久保も中盤以降の合成怪獣のデザインについて、ロボットアニメのメカを強く意識していたことや、当時リアルロボットアニメやガンプラが流行しつつあったことを前置きしつつ、『サンバルカン』の頃よりもよりメカをリアルに見せたいという気持ちが強まっていたことを明らかにしており、前出の鈴木もまたそうしたアニメ風のデザインを積極的に受け入れていたという。
(※1 第36話に登場するヤマアラシモズーのみ、沼倉という人物によるデザインが採用されている。この人物については詳細は定かではないものの、後述の通り彼名義のデザイン画が複数存在していることを久保も証言しており、同時に造形サイドにもデザインのできる者がいたこと、デザイナーの側で描いたラフスケッチを造形サイドで仕上げや修正を入れて完成させるパターンもあったことを述懐している)
(※2 当初、デスダーク側の共通モチーフには久保が長らく温めていた「エスニック調の唐草模様」が含まれていたが、これがバンダイ側から提示されたゴーグルファイブのマスクデザインにも含まれていたことから、被りを回避するために修正を余儀なくされたという経緯があった)
ボツになった合成怪獣
合成怪獣の中には、デザイン段階でボツになりながらも、公式書籍でデザインが明かされた個体も数体存在しており、ここからもデザイナーの発想や苦労が垣間見える。以下に列挙した個体以外にも、甲殻類型のコング(デザイナー:久保宗雄)も考えられていたようである。
以下、これらの合成怪獣についてデザイン担当者ごとに取り上げていくものとする。
渡部昌彦
- アゲハモズー
- 蜂女の蝶々版といった完成度の高い容姿であり、実現していれば初の女性合成怪獣になれたことが容易に想像できるものとなっている。口吻が髪になっている中々のナイスデザインである。
- マツカサモズー
- マツカサの種子を目玉に見立て、腕に松の葉を模した棘が生えている。マツカサというありそうでなさそうなモチーフを選ぶところにデザイナーのセンスが光る。
- クラゲモズー
増尾隆之
沼倉
- 雷神型の合成怪獣
- 天狗や河童と並ぶ妖怪シリーズ。全体的に丸みを帯びつつも刺々しいフォルムが志向されている。
- トリケラモズー
- まさかの恐竜モチーフ。全体的に生物感は強いが、胸にメカ要素が集中している。
- 沼倉だけでなく、渡部も同モチーフの
合成怪獣を描いており、いずれもメカが力強さの表現に用いられている。
(出典:2004年7月30日に双葉社より刊行・安藤幹夫編『ゴーグルV・ダイナマン・バイオマン大全 東映スーパー戦隊大全2』P74〜P75「アーリーデザインコレクション 大戦隊ゴーグルV・編」より)
備考
『テレビマガジン』版コミカライズでは、初回からオリジナルモズーがいくつか登場している。また、投稿コラムでは作品別に読者から募集した合成怪獣が多数投稿されていた。