熱帯から温帯にかけての深海に広く分布。日本産の種ではアンコウ(クツアンコウ)・キアンコウが代表的。
体形は楽器の琵琶、若しくはフライパンに似て、頭は著しく大きくて平たく、口が非常に発達しているのが特徴(明け透けに言うと「耳元まで裂けた口」を地で行くようなスタイル)。大型で、全長1.5~2m近く、重さ60kgに届く記録がある。
背部前方にある背びれが変形したアンテナ状の「釣り竿」を動かし、寄って来た小魚を丸呑みにして食べる。時には水面に浮上して海鳥を襲って食べる事もある。非常に貪食。
動作が鈍いところから愚鈍な人を「アンコウのようだ」と呼ぶ事がある。但し現代では死語に近い。
実は非常にデリケートな魚であり、飼育が難しい為、アンコウが見られる水族館は少ない。
種類に関してはアンコウ目を参照。
ちなみにチョウチンアンコウはメスが大きく、オスは非常に小さくメスの身体にオスの口が噛み付いてさらに融合して最終的には精巣だけになってしまう。
反対に、肝臓が発達せず、水っぽさと独特の匂いがする夏には利用価値が下がり、大きな個体でもゴミとして捨てられてしまうほどに価値が下がる。
肉が柔らかくまな板の上では捌けないので、下顎に鉤をかけて体を吊るし、アンコウの口から水を流し込んで胃を膨らませ、柔らかい胴体に張りがでたところを解体して調理する。これを俗に「吊るし切り」と称する。
口と背骨以外はほぼ全て食べられる為、吊るし切りされると最後には口と背骨だけが残る。
食材として部位が「肝」、「布(卵巣)」、「えら」、「ひれ」、「皮」、「水袋(胃)」、「身」の7つに分かれる為、これを「アンコウの七つ道具」と呼ぶ。特に「アンキモ」と呼ばれる肝臓の部位は海のフォアグラと呼ばれ珍重される。
「アンコウ」タグの付く作品には、普通のアンコウだけでなく、チョウチンアンコウのイラストも多い。