概要
アンコウ目は、側棘鰭上目または棘鰭上目に含まれる魚類のグループである。〜アンコウと呼ばれる魚が属する。深海魚を多く含む。
一部のグループを除いて多くが底生魚で、移動の際には泳ぐよりも海底を胸ビレと腹ビレで歩くように移動する。幼少期にはプランクトンとして浮遊生活を送るものもいる。
アンコウ目の独自の特徴として有名なのが第一背ビレの条が発達してできたエスカと呼ばれる皮弁状の器官であり、これを器用に動かし獲物の小魚にゴカイなどの餌であると思わせおびき寄せる。そして普段のよちよち歩きからは想像もできない、白身魚特有の瞬発力で近づいてきた小魚を捕食するのだ。
深海に住むチョウチンアンコウの仲間やアカグツの仲間にとって、真っ暗な深海で普通のエスカを揺らしても見えないので意味がない。そこでチョウチンアンコウの仲間はエスカに発光細菌を住まわせ、光るルアーへと進化させた(原始的なチョウチンアンコウ類であるヒレナガチョウチンアンコウの仲間ではエスカは光らない)。似たような発光する疑似餌はホウライエソの背ビレ、フウセンウナギの尻尾など他にもいくつかの深海魚でみられる。
アカグツの仲間はエスカを退化させ、鼻先にちょこんと残る程度になった。そして待ち伏せに適した平たい体と餌場探しのための歩行用のヒレを発達させるに至った。
下位分類
アンコウ亜目が最も原始的であり、そこからカエルアンコウ亜目とアカグツ亜目のフサアンコウ上科が分岐し、フサアンコウ上科からより深海に適応したアカグツ上科、チョウチンアンコウ上科が分岐したと考えられている。
アカグツ亜目からフサアンコウ亜目、チョウチンアンコウ亜目を独立させる見解もある。