概要
魚というよりもヘビを思わせるような細長い体型の深海魚・ワニトカゲギスの仲間。大きさ30~40センチくらい。
ワニトカゲギスやミツマタヤリウオが下あごの先に発光器つきのヒゲを持っているのに対し、このホウライエソは背びれに似た器官を装備しており、発光を利用して獲物を誘き寄せると考えられている……が、まだ発光自体は確認されていない。
発光器ではなくナマズのヒゲのようにあたりを探るのに使うのだろうという説も。
口には長いキバがあり、その長さはマトモに口も閉じられないくらい。ただしこれは武器というよりも「小魚を確実に捕らえて逃がさない」役目を担っているようだ。
また獲物を捕食する瞬間に下あごが外れ、頭が上に持ち上がるというスタイルも持っている。確実性を高めるための工夫と言えよう。
なお深海魚ゆえの水圧対策か骨格は貧弱なのだが、頭骨だけは頑丈にできているとのこと。
ちなみにこの魚、せっかく獲物を捕らえたのに「牙がジャマで呑み込むのに難儀し、その挙句に餓死した」という不運な個体がいたらしい。なんだかマヌケにも思えてくるが、そうして牙がジャマになるリスクよりも「その牙でもって多少なりとも確実性を高める」必要性の方が高いようだ。