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🐻概要🧸

食肉目クマ科の哺乳類の総称。全般に大柄でがっしりした体格を有し、の裏をまで地面に付けて歩く。

「猫」の猛獣がトラやライオンなどがいるのに対して、「犬」の猛獣は熊だと言われることもある(実際、化石種であるクマとオオカミの進化の途中の生物「アンフィキオン」は、たしかにそんな見た目をしている)。


生態

ヨーロッパアジア北アメリカ及び南アメリカ北部に分布し、ホッキョクグマジャイアントパンダマレーグマなど8種が存在し、多くの亜種が知られる。日本にはヒグマツキノワグマが棲む。ホッキョクグマ以外は、主に植物を食べる雑食性である。

ユーモラスな仕草で人気がある一方、人間に危害を加えるからという理由で必要以上に殺され、数が減っている地域もある。胆石が漢方薬として利用できるため、絶滅するまで狩りつくされた種もいる。


一般にずんぐりした大きな身体と小さい、丸いを持ち、雑食性の種が多い。(ホッキョクグマシロクマ)は完全な肉食、ジャイアントパンダはほぼ植物食)

ハチミツ好きというイメージが浸透しているが、これはハチミツや幼虫(蜂の子)に高い栄養素があることを知っているため、見つけると積極的にを襲って幼虫ごと食べてしまうため。


知能は結構高く、小柄な種は木登りも得意。好奇心旺盛で遊び好きな性質を持つ。

縄張り意識も強く、テリトリー内に入ってきた相手は容赦なく攻撃して追い払う。

「凶暴で人を襲う」と思われがちだが、それはあくまで彼らのテリトリーを冒した場合であり、人を積極的に襲うことはしない。

しかし、晩秋の冬眠前などに飢餓状態に陥ったり、大きく育ち過ぎて冬眠用の洞穴を得られなかった個体が、ごく稀ではあるが人食い熊に変貌する事例がある。


また、に対する執着が非常に強い。一例としては

・餌であるシカの肉に触れると、電撃が流れるように罠を仕掛ける

→一度は電撃を恐れて逃げるが、肉を食べたいが故に何度でも罠にかかり、放電装置があることに気が付くとそれを壊し、電撃が流れないことを確認してから肉を持ち去る。


・キャンプの食料を漁っていたのが見つかり回収される、熊に喰い殺された人間の遺体を回収した

→それを奪い返すためどこまでも追いかけ、更なる人的被害を発生させる。


・山から下りてきて食害を発生させたクマが人を恐れるように調教され、山に返される

→捕まっても殺されることがないと理解したため、餌を求めて何度でも山を下りるようになった。

…という有様である。


雌は冬眠中に出産し、春先に子育てを始め、秋には独り立ちさせる。


日本にはツキノワグマ本州四国)とヒグマ北海道)の2種が棲息している。いずれも植物食寄りの雑食であり大型動物は積極的に捕獲しないことが多いが、ヒグマに関しては近年の北海道におけるシカの増加に伴いシカを狩るクマが増えている。また元々は本州にもヒグマが、九州にもツキノワグマがいたが、絶滅したと思われる。


文化

  • 知能がすぐれる、人間と食性が近い、二足で立ち上がる、(前足)を器用に使う、といったことから各地で神聖化されてきた(例:イヨマンテの祭りなど)。
  • 一方、中国などでは「愚か者」のイメージがある。
  • ずんぐりして毛深い本種のイメージから、「毛むくじゃらで肉付きのよい成人男性」の比喩とされる。
  • 旧約聖書においては「子を奪われた熊に遭う方が 愚か者の無知に会うよりましだ(箴言17:12)」、「子を奪われた熊のように彼らを襲い 脇腹を引き裂き その場で獅子のように彼らを食らう。(ホセア書13:8)」など、子を奪われた母熊は獅子と並ぶ恐ろしいもののたとえになっている。
    • 預言者エリシャは自分の頭髪を「はげ頭、登っていけ」とバカにした子供(あるいは青少年)たちを呪い、神は彼らを二頭の雌熊に襲わせ引き裂いた(列王記下2:23~24)。
      • 無論この行いは後世において「さすがにやりすぎである」と批判されるものの、今なお「若ハゲを侮辱されたらさすがに来る」「子供たちは先代の預言者エリヤの昇天に絡めて『お前も昇天してみろ』とエリシャと神を侮辱していたのでは」などと考察されている。

クマ科一覧

クマ属

その他

絶滅


関連タグ

動物 哺乳類 食肉目

 クマ パンダ


日本語の発音

長年、放送での正式な発音はク↓マ↑とされていた。しかし、ク↑マ↓も一般的になったため2016年版『NHK日本語発音アクセント新辞典』ではどっちでもいいことになった。


スラヴ系の言語で

ロシア語медведь (medvédʹ)に該当する言葉が、スラヴ諸語では共通して「熊」を差す言葉に当てられている。この語は日常的な会話の中で、タブーとされた本来の動物の名と入れ替わった婉曲表現に由来する(※1)。その「本来の名」は、現在のスラヴ諸語においては保存されていない。インド・ヨーロッパ語族において「熊」を差す言葉は*r̥ḱs-os/*r̥ḱt-osで、ラテン語ursus(ロマンス諸語のorsooursの前身)、ギリシア語άρκτος (árktos)、ケルト語、ヒッタイト語、そしてサンスクリット語の形へと発展していったとみられ、さらにこの言葉自体が恐らく、印欧祖語における呼び替えの表現だったという(※2)。「メドヴェーチ」という言葉は、「蜜」を差すmedu-/medv-、そして「食べる」のěd-から来ており、「蜜を食べる人」を意味する。「メドヴェーチ」という言葉を、サンスクリット語において「甘いものを食べる人」を差すमध्वद् (madhv-ád-)という言葉に関連づける試みは、注目に値する。付け加えるなら、サンスクリット語において、熊は名を呼ばれなかったという(※3)。本来の名をタブーとして避けることは、熊が人間にとって危険な動物であったことに関係している。その後、婉曲的な呼び方が日常的な呼び名として入れ替わっていった。古代の慣例は新たな時代にも繰り返され、今日のмедведьという、その起源から言い換えであった言葉が、ロシア語では再び(特に猟師の間で)畏怖の対象となり、婉曲的な別の名前へと取り換えられている(「足の曲がった人〔косолапый〕」、「茶色い人〔бурый〕」、「ポタープイチ〔потапыч〕」、「ミハイロ〔Михайло〕」、「ミーシカ〔Мишка〕」、「〔хозяин〕」など)。多くのスラヴ系の言語では、«медведь»という言葉は二次的に、単に音声学的な理由の他、おそらく再び婉曲的な表現として、子音が置き換えられている。ウクライナ語ではведмідь (ʋedʲˈmʲidʲ)、ポーランド語ではniedźwiedźチェコ語においてはmedvěd、方言ではnedvědと呼ばれる(パヴェル・ネドヴェドの家名を参照)。ハンガリー語では、スラヴ語からの借用語が用いられている(medve)。

ゲルマン系の言語で「熊」を差す言葉(ドイツ語Bär英語bearなど)も、婉曲的な語源を持つと見られている。それらはゲルマン祖語のberoに由来し、「褐色の」を意味する。この言葉の起源に関する仮説として、スラヴ語で「(熊の)巣穴」などを差すберлога (berlóga)を呈示する説は、誤りとされる(※4)。バルト系の言語においても、印欧語の「熊」という名は同一の理由から失われており、本来どこにこの動物の名前(バルト・スラヴ祖語のtlākに由来するラトヴィア語lācisリトアニア語lokysなど。プロシア語のclokisも参照)の意味があったのかは明らかではない。

※1 А. А. Реформатский «Введение в языковедение» (§ 18 «Табу и эвфемизмы») // М. Аспект Пресс, 1997.

※2 Черных П. Я. Историко-этимологический словарь русского языка: в 2-х т. Т. 1. — М., 1991.

※3 Никольский Д. Происхождение слова медведь Архивная копия от 11 ноября 2013 на Wayback Machine // Филологические записки. Воронеж. 1912.

※4 Якобы «место, где лежит бер», см.: Фасмер М. Этимологический словарь русского языка. Т. 1. — М., 2004. С. 158.


ゲルマン諸語において

英語のBearという言葉は、古英語beraから来ており、スウェーデン語で人名としても用いられるbjörnなど、ゲルマン諸語における「熊」を差す一連の名詞(ドイツ語Bärオランダ語beerなど)に属している。この形は慣習的に、インド・ヨーロッパ祖語における「茶色い」、英語brownにあたる言葉に関連づけられ、ゆえにBearという言葉は「茶色いもの」を意味すると考えられる(※1、※2)。しかし、ドナルド・リンゲはこの語源説明を「意味的に妥当である」とする一方、インド・ヨーロッパ祖語においては、この形で「茶色い」を意味する言葉が見つけられないとしている。彼は代わりに、bearという言葉を、インド・ヨーロッパ祖語で「野生の獣」を意味し、ラテン語ferusとの近縁関係にあるǵʰwḗr-ないしはǵʰwérに由来する説を唱えている(※3)。また別の論は、ゲルマン諸語における「熊」の語源を、ゲルマン祖語で「人」を意味するwerに求め(Werwolf)、その理由を「人間のように二本の足で立つ」という熊の特徴に関連づけている(※6)。動物の名に関するこの言葉の使い方は、「忌み言葉」を避ける目的から発したと考えられている。スラヴ諸民族と同様、原初のゲルマン諸族は、彼らの「熊」を意味する本来の言葉arktoを、この婉曲的な表現へと入れ替えていった。その理由は、動物の「真名」を口にすることが、強大な捕食者を「召喚」することにつながるのではないかという恐れによるものと考えられる。作家のラルフ・キーズは、「知られている限り、最古の婉曲表現」としている(※7)。

インド・ヨーロッパ祖語において「熊」を差す本来の言葉は、ギリシア語ἄρκτος (arktós)、ラテン語ursus古インド語ŕ̥kṣaヒッタイト語ḫartaka-などから推論できるように、h2r̥tḱ-という語根を持っていたと考えられる。古アイルランド語(art)、ウェールズ語(arth)、ブルターニュ語(arz)のように、ケルト諸語においても語根が保たれている。その語根は、ケルトの神格「アルタイオス(Artaios)」や「アルティオ(Artio)」、ギリシア神話における「アルテミス(Ἄρτεμις, Artemis)」や「アルカス(Ἀρκάς, Arkas)」という名の中にも表れている(※6)。

分類群「クマ下目」に使われるArctoideaHelarctosは、古典ギリシア語で「熊」を差すἄρκτος (arktos)に由来している(※8)。また「北極の(arctic)」「南極の(antarctic)」という言葉は、北の空に目立つ星座、おおぐま座を差すἀρκτικός (arktikós)から発している(※9)。

分類群「クマ小目」のUrsidaeUrsusといった名称は、ラテン語UrsusUrsaから来ており、それぞれ「雄の熊」「雌の熊」を意味する(※9)。女性名Ursulaは、キリスト教聖ウルスラに由来するが、それは本来「小さな雌の熊」(ラテン語Ursa指小辞)を差す言葉である。Ursという男性名はスイスでは特に人気のあるものの一つで、州(カントン)と都市名の「ベルン(Bern)」も、ドイツ語で「熊」を差すBärに由来している。ゲルマン系の言語における人名Bernard (Bernhardtやその同系統の名も含めて)は、「熊・勇気」「熊・勇敢」、もしくは「大胆な熊」を意味する(※10、※11)。古英語の人名Beowulfは、「」という「熊」の呼び替えで、「勇敢な戦士」を意味している(※12)。

※1 Mallory, J. P.; Adams, Douglas Q. (2006). The Oxford Iintroduction to Proto Indo European and the Proto Indo European World. New York: Oxford University Press. p. 333.

※2 Fortson, Benjamin W. (2011). Indo-European Language and Culture: An Introduction (2nd ed.). Hoboken: John Wiley & Sons. p. 31.

※3 Ringe, Don (2017). From Proto-Indo-European to Proto-Germanic. A Linguistic History of English. 1 (2nd ed.). Oxford: Oxford University Press. p. 128.

※4 "bear (n.)". Online Etymology Dictionary. Archived from the original on 2017-02-02. Retrieved 22 January 2017.

※5 Postma, Laura. "The word for "bear"". University of Pittsburgh Slovak Studies Program. Archived from the original on 2017-11-22. Retrieved 21 March 2018.

※6 Friedrich Kluge: Etymologisches Wörterbuch der deutschen Sprache. Walter de Gruyter: Berlin 1957. S. 50, Sp II; S. 51, Sp I (Artikel Bär)

※7 Silver, Alexandra (10 January 2011). "Hooking Up and Using the John: Why Do We Use So Many Euphemisms?". Time. Retrieved 4 April 2019.

※8 Liddell, Henry George; Scott, Robert. "Arktos". A Greek-English Lexicon. Perseus Digital Library.

※9 "The Great Bear Constellation Ursa Major". Archived from the original on 30 November 2010. Retrieved 12 January 2017.

※10 "Ursa Major – the Greater Bear". constellationsofwords.com. Archived from the original on 2015-03-14. Retrieved 11 March 2015.

※11 "Bernhard Family History". ancestry.com. Archived from the original on 2015-04-02. Retrieved 11 March 2015.

※12 Sweet, Henry (1884) Anglo-Saxon Reader in Prose and Verse. The Clarendon Press, p. 202.

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