概要
食肉目の1科。体の大きさは種によって大きく異なる。手のひらに乗るようなイイズナやオコジョから、イヌやネコと同程度の体格をもつラッコやスカンクやアナグマ、そしてクズリまで。5亜科27属68種がイタチ科に属している。主に地上に住むイタチやスカンク、地中に深い巣穴を掘るアナグマ、樹上性のテン、水生のカワウソやラッコなど、多様な生活様式をもつ。このため、異なるイタチ科の動物同士が、異なるニッチを分け合うことで、同じ地域に生息している例がしばしば見られる。
かわいい見た目に反して獰猛な性質のものが多く、イイズナやオコジョはウサギ、クズリはシカ、カワウソは大きなコイやナマズなど、自分よりも大きな獲物を仕留めることが出来る。特に大型の獲物を仕留める際には側頭部から後頭部を噛みつく手法を用いる(頭頂部より骨が脆く、脳にダメージを与えやすい部位であるため)。南アメリカのアマゾン川に住むオオカワウソは群れをなすこともあってジャガーやワニとも互角に渡り合い、アフリカ大陸に生息するラーテルは「世界一怖いもの知らずの動物」とギネスブックに認定され、ライオンを追い返してしまうほどである。
クズリやラーテルやアナグマなどの大型の種は一般的なイタチのイメージと違い、クマのような体型をしている。実際、イタチ科は比較的、クマ科に近縁なグループである。