曖昧さ回避
本種をモチーフにしたけものフレンズのキャラについては→コツメカワウソ(けものフレンズ)
概要
体長41~64cm、尾長25~35cm、体重2.7~5.4kg。
カワウソの仲間では最小の種類である。
前足の一部にしかに水かきがなく、ずんぐりした指を持ち、先に小さな爪があるのが特徴なことからこの名前が付いた。爪の小ささは指先の自由度に繋がっており、その器用さを最大限に発揮することができる。
貝類や甲殻類もかみ砕いて食べる為、強靱な顎の力と鋭い牙を併せ持つ。
鳴き声は「キューキュー」「ニャーニャー」といったものだが、これらも含めて12種類以上もの声色を使い分けると言われている。
動画サイトなどで確認してもらえば分かると思うが、声量が非常にやかましい。人間の子供の泣き声をさらに甲高くしたようなソレは人によっては不快感を覚える事もある。
エキゾチックアニマルとして
近年ではエキゾチックアニマルとしての需要から、カワウソのペットブームが起きているが、人工繁殖が困難な種である事もあり、その多くは野生からの密猟から販売ルートに乗せられる。
コツメカワウソのペットブームは本来の生息地における絶滅の危機をもたらしている。希少種や野生動物である事からの運輸規制から、劣悪な環境下での粗雑な手段による密輸が行われ、輸送の過程でも大きな負担を受けて死ぬ個体も多い。
生息地での採取の段階でも、邪魔な親を殺し、巣穴から幼獣を攫い、小さな檻や箱に詰め込むといった事が行われる。輸送手段にしても靴下や衣類に入れたりスーツケースに詰め込んで非生物の荷物のように預け入れの荷物として旅客機で運んだりと最早何でもありである(NHKクローズアップ現代「追跡!カワウソ密輸事件 黒幕は誰だ?」2019年1月29日(火))。
2019年11月26日、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)が改正されており、加入国である日本でも、条約対象種であるコツメカワウソの民間での新規輸入や販売、譲渡、取引は違法となった。
2021年現在でも、国内での繁殖で生まれた個体などは合法的に販売や譲渡が可能ではあるが、環境省への個体登録申請と、省からの登録票の発行が必要となる。
この申請は条約改正前から飼われているコツメカワウソにも必要である。登録票なしでの取引、販売、譲渡などを行えば重い罰が科せられる(サンシャインシティ水族館「コツメカワウソの生態と魅力がわかる『カワウソたちの水辺』へ!」)。
飼育の困難さ
比較的に頭がよく物覚えも良い、前足も器用なので簡単な鍵ならすぐに開けたり(複雑な鍵でも開ける所を見ていた場合は学習してしまう)、思いもよらぬ所に登ってしまうこともある。
カワウソ類の中ではなつきやすいほうではある。過去にマレーシアでは漁業に利用されていた事もある。トイレの場所も覚えやすいがこれは清潔好きな性格による所が大きい。
イタチの仲間であるため気性自体は荒く、噛みつく力も極めて強い。オモチャをすぐに噛み壊し、飼い主の手を流血するほどに噛んでしまう事もザラである。
本来は水辺の生物かつ綺麗好きなので、水のある環境だけでなく、大量の水浴びも必要となる。カワウソ類を診る事ができる動物病院は少なく、カワウソの病気の治療法も確立されていないため、病気になるともう手がなくなる事が多い。寿命自体は10年から15年ほどと長めだが、これが理由で飼ってすぐに死亡することもありえる(テレ東プラス「『カワウソを飼いたい』その前に。知ってもらいたい『カワウソのホント』を、大人気カワウソの飼い主さんに聞いてきた!」)。
2021年1月現在、一応のところは、合法的なルートに基づく生体入手は一般人でも不可能ではないが、動物を扱う関係者からは一般人がコツメカワウソを飼育する事については否定的。近年ではペット需要からくる密猟・密輸問題もあって、上野動物園のように明確に否定コメントが出される事例も出てきた(上野動物園[公式]のツイート)。