「イイねイイね~!その顔いただき! …ハイ仕上がり!更に~、焼き増し!」
「へへへへ! イイねイイね~!目線こっちこっち!ハイ撮りますよ!ハイもう1枚! いただきました!ハイ現像~!」
登場話数:バクアゲ37「二人のスパイ」
データ
全高/188cm(ギャーソリン大暴走体/44.5m)
重量/58kg(ギャーソリン大暴走体/611.9t)
エンジン/一眼レフカメラ
スピード/シャッター最速
カスタム/焼き増しフェイク、フォーカスフラッシュ
ナンバー/2010
ファーストラウンド(コース/倉庫~市街地)
ファイナルラウンド(コース/ビル街)
概要
ハシリヤン……ではなくブンブンジャーを危険視する政府が送り込んだスパイ・ステアが、一眼レフカメラに込められた燃えるカメラマン魂をイグニッションし、地球に納車されたパワーアップ苦魔獣。
苦魔獣の素体に、一昔前の大ぶりな黒い一眼レフインスタントカメラを被せた単純明快な外見。
一際大きい中央レンズやその上に配された覗き穴レンズ、背面に増設されたストロボレンズから多眼にも見えるが、実際は中央レンズのすぐ上にあるフラッシュレンズへ苦魔獣共通の燃える双眸の意匠がある事から、ここが両目に当たる。
腰ベルトのバックルに付いているナンバープレートのナンバーは「2010」。
元になったカメラの通り、他者を撮影して写真を即座に現像する能力を持つ。ただし、現像された写真は元の写真にへたくそな加工を施して映りを悪くした物であり、これを被写体に見せて不快な気持ちにさせギャーソリンを発生、ハイウェイ空間を介してハシリヤン本家へ直接納入する。
要するに、滅茶苦茶な加工を施した写真を見せてショックを与えるという規模の小さ過ぎる物であり、一応ギャーソリンは捻出出来ているが効率はかなり悪く、地球人に悲鳴を上げさせる観点で言えば連れて来ていたネジレッタの方が仕事をしている始末。しかしギャーソリンの収集活動は下記の目的を果たした後に始めたので、ほぼ用済みになった苦魔獣を製造者が放逐し好きにさせていたのが事実の模様。
この苦魔獣が納車された目的はギャーソリンの収集ではなく、撮影した写真を「焼き増し」する事で被写体の完全なコピーを作り出す能力『焼き増しフェイク』にある。このコピー(フェイク)は外見・物腰・能力・記憶とも全て本物と同じであるが、精神性はカメラグルマーの意のままである為、相手方にも判別がほぼ不能な手駒として敵陣営に送り込み、攪乱・妨害工作等の尖兵として動かす事が可能。また戦闘でも撮影した敵対者のコピーを作成し、自分の護衛役として相手と全く同じ力量の戦力を即時調達する芸当までも出来る。
ただし、コピーはオリジナルと全く同じスペックだが、それを動かす為の自我にカメラグルマーの干渉が入ってしまうので行動傾向に僅かだが違いが出てしまう故、それが決定的な差異となる。他にもコピーの外見や所持品はオリジナルの撮影時の状態が反映される上、致命傷を負うと塵の様になって崩れ跡形も無く消滅する。
コピー能力がメインな上、上半身の大ぶりさからあまり機敏に動けないので直接戦闘は不得手。しかし背面のストロボからフラッシュを焚いての目晦ましで瞬間加速に優れるブンバイオレットを牽制し粘る健闘を見せた他、全身のレンズより眩い光弾を連射したり、身体中央のレンズから破壊光線『フォーカスフラッシュ』を放つ事も可能。
コピーの起点になる被写体の撮影チャンスを窺う事へ余念が無い、陽気なパパラッチめいた性格の持ち主。
また一度喋ると「イイねイイね~!」を口癖に早口気味でまくし立てる傾向があり、「ハイ!」と相槌を入れながら被写体相手に指示を入れつつ自分のペースへ持って行こうとする。
本編での動向
依頼を受け、ハシリヤンイグニッションキー等を供与されたステアが拠点の倉庫で誕生させる。
納車後は、焼き増しフェイクを使ってブンブンジャーの拠点ベースにメンバーのフェイクを送り込み、システムにロジックボムを仕掛けブンブンチェンジを含む戦闘能力を全て無効化する作戦をスタート。下準備として「イイねイイね~!パパラッチ~!」と言いつつネジレッタと共に自分が囮となり、ステアが接触した射士郎の拉致をアシスト。彼を倉庫内に拘束監禁した所を撮影、コピーを作成する。
ステア「完璧。下手な変装より良く出来てる」
「イイねイイね~! 褒め言葉もっとちょ~だいっ!」
そしてオリジナルから取り上げた、ブンブンチェンジャーとスーツの上着を着用させたコピー射士郎をブンブンジャーの本部ベースへ送り出した後はステアより放逐され、苦魔獣としての本能に従うままネジレッタと共にギャーソリンを収集すべく市街地に出て暴れ始める。
通行人を撮影し滅茶苦茶な変顔の写真に改変して渡す事でギャーソリンを捻出・納入、しばらくして「苦魔獣の匂い」を嗅ぎ付けたヤルカーに導かれ現場へ現れたサンシーターに詰め寄られるも、咄嗟の早口で隙を作って三人を撮影、映りを悪くした写真を見せてショックを与える等やりたい放題。
すると、ブンピンク・ブンブラック・ブンオレンジが現れ、写りの悪い写真を見せられショックを受ける人々を避難させられ、「逃げないで!集合写真まだ〜!」と制止しようとしている間にネジレッタをも蹴散されるも、全滅させた時の残心を狙って3人を撮影。
「ハイ撮りま~す! イイねぇ~!ヒーローいただき~!」
ピンク「本人の許可なく撮影するな~!」
ブラック「盗撮は犯罪です!!」
オレンジ「ノーモア、ヒーロー泥棒。だねぇ」
「更に焼き増し〜!イイね!イイね!フェイクブンブンジャー、やれ〜っ!GO!GO!GO!」
それを元にフェイクブンブンジャー3体を作成し戦力を増強、オリジナルへと走らせて釘付けにするも、更にブンバイオレットが乱入しシャッターチャンスの隙も見せず自身とのタイマンへ持ち込まれたので状況は膠着する。
一方同時刻、ステアの作戦通りベースに潜り込んだコピー射士郎は、カメラグルマーが暴れているのを感知してブンブンジャーが出撃した隙を突き、ブンブンジャーの装備やブンブンカーの制御プログラムを改竄しようとする。
が、大也には初見で偽物である事がバレていた上、プログラムが狙われる事を想定済みなオリジナルの射士郎が予めカウンタープログラムを用意していた為、改竄もロールバックされ作戦は失敗。出撃と見せ掛けて引き返して来た大也との生身での激突に負け、コピー射士郎は消滅した。
こうしてしばらく後、拘束から難無く脱出し逆にステアを拘束して監禁から抜け出した射士郎と大也も参戦。チェンジした射士郎/チャンピオンブンブルーがフェイクブンブンジャーを一手に引き受けるも、ただ真似ただけのコピー(Copy)が仲間の動きを知り尽くしたオリジナルにしてチャンピオン(Champion)に敵う筈も無く殲滅される。
そして残るカメラグルマー自身もチャンピオンブンレッドとブルーより一方的に畳み掛けられ、「せっかく、焼き増ししたのに~!」と怒りながら放った光弾の連射もバクアゲチャンピオンドライブで迎撃された挙句、爆風に紛れて距離を詰めたCブルーのゼロ距離射撃でレンズごと身体のど真ん中をぶち抜かれて敗北した。
直後、「引き伸ばしするカー!!」と叫んでやって来たヤルカーのハイウェイ光線により、「引き伸ばし~!」と返しつつギャーソリン大暴走体となってビル街に再出現。
繰り出されたブンブンジャーロボチャンピオンへ「イイねイイね、最高の被写体だ~っ!」と言いながら先制のフォーカスフラッシュを放つも、相手は「カメラを止めるぜ!」と切り返しバクアゲハンドで光線を防御。返し刃でバクアゲドライバーからの斬撃による反撃でレンズが破壊されて攻撃手段を失い、そのままバクアゲチャンピオン・ブンブンゴールインが直撃。
「撮影終了お〜っ!!」と奇声を上げて爆散し、文字通り永遠の撮影終了になってフィニッシュした。
ブンブン「バクアゲ完了ッ!シャッターチャンスだぜ! ハイ、ポーズ☆」
戦闘後、こちらも拘束を抜け出し巨大戦の終始を見届けていたステアは、仕事に失敗した自分が依頼人=常槍鋭一郎によって用済みとして始末される未来を予期していたが、後に射士郎の付けた発信機をその場に残す事で「敵は常にブンブンジャーを見ている」「全員が監視対象である」という事実を知らせている。
果たしてこの事実はブンブンジャー6人の運命をどう左右する事となるのだろうか……。
余談
- プレートのナンバーは「フォト」の語呂合わせ(2=フ、0=ォ、10=ト)。
- カメラモチーフの戦隊怪人は同じ車スーパー戦隊枠である『魔進戦隊キラメイジャー』に登場するデジタルカメラ邪面以来3年ぶりでアナログカメラに絞れば『動物戦隊ジュウオウジャー』に登場するジャシンガー以来8年ぶり。
- マスコミや警察など一部の組織が怪人と関わっている事例は散見されるが、このカメラグルマーは「政府がスーパー戦隊を潰す為に生み出した怪人」という色々な意味で前代未聞の個体である。
- ところで作中にて苦魔獣の能力はサンシーターでも納車するまで把握できていないと思われる描写があるが、カメラグルマーが「焼き増しフェイク」の能力を持っていなかったらステアはどうするつもりだったのだろうか……?
関連タグ
カメラ仮面、ルパンカメラー、カメラモンガー、レインボーカメレオン、カメラカンス、カメラジゲン、メディア魔術師、バラプリンター、カメラトリック、FFムンチョリ、カメラオルグ、ネンドガミ、レンズバンキ、ジャシンガー、デジタルカメラ邪面:カメラモチーフの先輩戦隊怪人達。上記のデジタルカメラ邪面同様、FFムンチョリ、ネンドガミ、レンズバンキも車スーパー戦隊枠。
ライトアルマジロ、ドーラミラージュ、コピーオルグ、コピーワルド、ダイコピーワルド:戦隊の偽物や複製を生み出しオリジナルと戦わせた戦隊怪人達で特にライトアルマジロは素体を使った『獣』の名を持つという共通点も持っている。