常槍鋭一郎
とこやりえいいちろう
バクアゲ25で、それまで特定が困難だった、キャノンボーグの地球上におけるアジト情報を、I.S.Aの特別回線を通して調に提供。
地球滅亡の危機回避に貢献した。
バクアゲ26にて定期報告の際に彼女から、キャノンボーグのアジト情報の出処を質問されるも、「私しか知らないルートだ。君が知る必要はない」と一蹴。
その後のバクアゲ27にて、本部長室を訪れた内藤雷汰との密談で、内藤が大也に依頼して総合理化学研究所に運ばせた極秘物資を、ディスレースに情報を渡す形で横流しした張本人であり、内藤と共にハシリヤンと内通している実態が明らかになった。
バクアゲ28のラストでは鳴田射士郎と密会、「君に仕事を依頼するのは2度目だな」との弁だが……
バクアゲ29にてバクアゲ1にも登場した青里ファミリーが、キャノンボーグと契約していた経緯が判明、依頼とは組事務所から契約の証であるハシリヤンイグニッションキーの回収であった。
無事依頼を完了した射士郎からキーを受け取った際に、初めての依頼について言及するもはぐらかされた。その後内藤に「キーを全てを回収できた」 旨を電話で報告。この通話によりハシリヤンと内通したのは利権のためである、そしてキーの回収を依頼したのは利権を自分達だけで独占する(=キーを根拠に権利を主張される危惧を潰す)ためである実態が明らかとなった。
ちなみに初めての依頼とは宇宙からの飛来物について、範道邸に潜入して突き止めることであったが、彼が潜入中にブンブンジャー入りしたことによって誤魔化された。またこの依頼も細武調が関知しない指揮系統で行われていた。
バクアゲ36では、ビュンディー、先斗、玄蕃を召集、ISA取り調べ室にて調と共に相対する。
「うちの調査官が世話になっているね……君たちから、ハシリヤンの実態を聞きたくてね」
ビュンディー「内部情報なら、ブンドリオに聞くべきではないかな?」
「今回欲しい情報は、ハシリヤンの目的です。ギャーソリンを集めて何をしようとしているのか、その実態です」
先斗「へえ。安くはねえがな。このネタは」
「もちろん情報に対する報酬の用意はある」
先斗「その言葉、忘れんなよ?」
先斗とビュンディーによれば「ギャーソリンはハシリヤンボス、ワルイド・スピンドーのエネルギー源であり、悲鳴を取り込めば取り込むほど、スピンドーは強くなり永遠に生きられる」と答えた……。
「永遠とは、貪欲だな。時に再建隊長は、ブンドリオを理由にスピンドーが地球に来ると予言したそうだが……」
玄蕃「……お前さん、地球の危機と、ブンドリオとスピンドーの因縁を同軸に考えているようだが、それは誤りだねえ? 既に地球は、奴らの攻撃に晒されているんだから」
そんな会話の中、射士郎は密かに通信機をつけて盗聴していた。会話の中から彼に対しても、初めから信用できない所もあり、曲者として警戒していた。
次第に暗躍し始める裏の顔 以下ネタバレあり
バクアゲ37にて、遂にその裏の顔を見せ始めた……。
次第に「計画の邪魔になった」と感じたのか、常槍は遂にブンブンジャーが持つ変身機能やブンブンカーの合体を含む戦闘能力を全て無力化することを計画。射士郎のスパイ仲間であるステアを雇い、更に以前射士郎に依頼して奪ってきたイグニッションキーを彼女に渡し、カメラグルマーを生み出した。
そのカメラグルマーが生み出した射士郎のコピーを利用し計画は順調に進んでいたかに見えたが、彼をよく知る大也には初見で偽物であるとバレていた上、プログラムが狙われる事態を予想していた射士郎が用意したカウンタープログラムにより、改竄もロールバックされステアも拘束から脱出した射士郎との戦いで敗北、計画は失敗してしまった。
その後、密かにつけていた監視から任務失敗の報告を聞くと
「彼女には失望した。後はわかっているな?」
証拠隠滅のため彼女を抹消する指示を出した。
しかし、彼女が残したメッセージによりブンブンジャーは「敵は常にブンブンジャーを見ている」「全員が監視対象である」という事実を突きつけられた。
また、射士郎についてはまだ使い道があるとのこと。
スピンドーの地球襲来に合わせるように、常槍も狡猾かつ冷酷非情な裏の顔を顕にし始め、邪魔なブンブンジャーの妨害をするようになる。地球を守る彼等にとっては文字通り内外を囲まれた状況に陥ってしまった……。
その後、バクアゲ39にて地球に降臨したワルイド・スピンドーを"地球代表の交渉人"として歓迎し手厚くもてなしていた。
その一方で、「ハシリヤンのボスか…さすがに手強そうだな。」とも呟いており、本心からの服従ではないようである。
スピンドー自身それを承知の上でしばらくは常槍の行動を黙認、様子見する事にしていた。
バクアゲ44にて、ブンブンジャーが知らない内に地球とハシリヤンの正式な契約を結ぶべく、スピンドーと本格的な会談を実施。地球に宇宙由来の技術と資源といった「ハシリヤン利権」をもたらす代わりに、現在抱えている数々の社会問題を一切解決しないことで永久機関のギャーソリン工場にするという契約を交わしていた。また水面下で進んでいたI.S.A主導で行われているブンブンジャー無力化作戦もいよいよ最終フェーズに進んだ事で大也の資産や特許が勝手に名義変更される、未来のバイトが全てクビになるなど被害が直接的なものになった。そして極めつけには「ブンブンジャーこそが悪である」という捏造報道を流し彼らを孤立させようとした。
バクアゲ46では、量産型ブンブンキラーロボを世界中に防衛軍備として配備、さらにスピンドーに「戦争をせずとも立場を優位にしつつ和睦を進められる手段」として、ブンブンジャーとハシリヤンが和睦を結ぶため、ブンブンピンクこと未来を政略結婚させるという提案をした。
表向きは地球の敵となっていくブンブンジャーと地球の人々に受け入れられ始めてたハシリヤンが和解するためのものだったが、実質的にはブンブンジャーの全面降伏に他ならず、仮に結婚を断ったとしても結局はテロリストとして扱われ、ハシリヤンやI.S.Aが潰しに来るという圧倒的不利な状況になっていた。
こうしてブンブンジャーを無力化させ、計画は成功した………………………………………はずだった。
バクアゲ47にて、予期しないバクアゲの反撃により狂い始める野望……。
梅栖と共に未来とスピンドーの政略結婚に参列しハシリヤンの勝利を確信していたが、結婚式に届け屋が乱入したことで計画が狂い始める。未来が大也とのコンビネーションでスピンドーの腕に掴まっていたサルカーを蹴り飛ばし、すかさず射士郎がブンブンマリンを発進、サルカーを粉砕した。射士郎はブンブンジャーを裏切ったフリをしてI.S.Aが付けたブンブンカーのコントロールを密かに解除していたのだ。
スピンドーは自身のギャーソリンタンクでもあるサルカーを破壊されたことで弱体化、さらにヤルカー第二陣も玄蕃が自身の宇宙船を解体して作ったバリケードにより足止めされていたことで回復に失敗。事態を重く見た常槍は内藤にキラーロボの出動要請を出すも、全て始末屋達に破壊されていたためこれも失敗。
これにより急激に敗色が見え始めたスピンドーに見切りをつけその場から逃亡した。
しかしそれすらも見透かされており、I.S.A本部に戻った所で細武調に証拠映像(それも側近である梅栖舞美からの提供)を突きつけられ逮捕。宇宙人との癒着“ハシリヤンゲート”として報じられ、社会的なフィニッシュを辿ることとなった。
「甘んじて拘束を受けよう。君の仕事ぶりを見せてもらおうじゃないか。」
細武調「決して負けません。私もブンブンジャーも」
「フフフ……。それはどうかな。この一件、私の後ろにどれだけの力が控えているのか。君には想像もつくまい」
しかしあくまで常槍は地球でのワルイド・スピンドーとのすべての交渉を“任された”存在。
自分はあくまでもハシリヤンとの交渉役にすぎず、有事の際は真っ先に矢面に立たされる立場であると認識して居た。
単なる負け惜しみに留まらず、調達が此の先、ハシリヤン利権を得ようと考え宇宙の技術の一部も手にした地球の権力者たちの闇に立ち向かわなければならない困難な未来を予測しつつ、物語からフェードアウトした。
そして前述のように表向きは内藤と常槍がハシリヤンゲート首謀者という形で権力者たちから切り捨てられることとなった模様。