概要
撮影用レンズからの像をファインダーにも写すカメラ。写真撮影を職業や趣味とするユーザーの為に設計されることが殆どであるためレンズの交換ができ、ピント合わせや絞りの調節など撮影の自由度が高い。安価なモデルの多いコンパクトカメラに対し、一眼レフは高級機に多いが、数万円で手に入る比較的廉価なモデルもある。
特徴
ファインダーと撮影レンズが一体化しているため、二眼レフやレンジファインダーカメラと違ってファインダー像と撮影像のずれが生じない。その上、他のカメラと違ってレンズの交換や撮影対象に関する制約が少なく、1960年代から一気に普及した。
レンジファインダー式では望遠レンズは無理しても180mm程度(3~4倍程度)に制限され、近くを撮る場合も1mより近くを撮るのは非常に難しかったが、一眼レフにはこのような制約は無かった。
一方で、シャッターを切る際に、鏡を畳んで像をフィルム(センサ)に導くため、一瞬ファインダーの像が途切れるのが欠点だった。
また鏡を畳むという動作は、連写速度に制約を与え、(ごく僅かではあるものの)手ブレの原因にもなった。
このため、ミラーを半透過式(ハーフミラー)とした機種が1970年代に少数登場(ニコンF2H キヤノンペリックス)したが、ハーフミラーの透過率の関係で画像が暗めになる現象が解決できず主流にならなかった。
しかし、デジタル時代になってから復活しており、スチル写真のみならずファインダーを覗きながらの動画撮影も可能である。
銀塩一眼レフ(フィルムカメラ)、デジタル一眼(後述のミラーレス機を含む)共に、撮影機能には大抵マニュアル機能(手動設定が可能)が装備されている。
デジタルカメラの時代になってから、ミラーを備えず、デジタルコンパクトカメラと同様に撮像素子からの映像をファインダー内の超小型モニタに写すことができるレンズ交換式カメラが現われ、「ミラーレス一眼カメラ」と呼ばれる。ミラーレス機は外見は一眼レフとそっくりだがコンパクトかつ軽量なモデルが多い反面、ファインダ像が細部が光学ファインダと比べて見づらいためピントの山を掴みにくく表示タイムラグも大きかったことから一眼レフの自由度とコンパクトカメラの手軽さを併せ持つ普及機として見られることが多かった。しかし、2010年代中ごろから電子ファインダの性能が光学ファインダと遜色無いレベルまで進化したことに伴い一眼レフのハイエンド機以上に高性能かつ高価なモデルも現れ、従来型の一眼レフの座を脅かしつつある。
フィクションでは、学園もので写真部や新聞部がよく首からぶら下げている(外見上はミラーレス機と区別がつきにくい場合も多いが)。デジタル一眼レフカメラは価格の安い入門機でも6万円以上、中堅機で10万円台、高級機は20万円以上と決して安いものではなく、レンズなども揃えるとさらに高価になるのだが、中古では1~2万円台で手に入る場合もあり、中学生や高校生で(親のお下がりなどを)使っている人もいる。
近年は動画が30分以上撮影可能(EUでは、解像度が800×600ピクセル以上、フレームレートが23fps以上、動画の連続録画時間30分以上はビデオカメラと見なされ、関税が多くかけられていたが2019年に撤廃)になったこと、インターネットの発達から高画質を生かしてビデオカメラや放送用カメラの代用で静止画や動画を撮り、パソコン経由でのネットで新聞社や放送局などに写真や動画をインターネットで送信、新聞やテレビ番組の作成(例・テレビ朝日のHPより)に使用したり、YouTubeやインスタグラム等への掲載や生配信も行われるようになった。
主な一眼レフのメーカー
現在販売中のメーカー
この内、ソニーとパナソニックはデジタルカメラのみ製造、他は銀塩一眼レフを製造後デジタル一眼レフに移行。(コニカとミノルタは合併後にデジタルカメラ参入。)