ミラーレス一眼
みらーれすいちがん
フィルムカメラ時代の構造をそのまま用いている一眼レフカメラに比べ光学設計の制約が少ないため、小型軽量なシステムに仕上げることが可能である。マイクロフォーサーズシステムの登場直後には動画撮影ができることも強みだったが、近年の一眼レフカメラはハーフミラーを搭載し動画撮影にも対応しているためミラーレス一眼独自の特徴とは言えなくなっている。
撮影時に被写体を確認しながら撮影できる機能であるライブビューはコンパクトカメラでは早い時期から実現されていたが、レンズ交換式カメラでの実現が遅れていた。その理由として、イメージセンサーを常に動作させ続けなければならず、大型のイメージセンサーでは消費電力が大きくなることが挙げられる。また、センサーで受けた情報をモニタやファインターに表示する際にタイムラグが発生するため、コンパクトカメラならともかくリアルタイム性が重視される高級なレンズ交換機のユーザーには受け入れられにくかった。この種の発想はデジタルカメラの出現当初からあったが、実現したのはデジタルカメラの技術が成熟してからだった(一眼レフでライブビューを初めて実現したのは2006年にオリンパスが発売したEシステム搭載のE-330)。
2008年にパナソニックから登場したマイクロフォーサーズシステム準拠の「LUMIX DMC-G1」が草分けで、翌年には同システムに賛同するオリンパスが「ペン E-P1」を発売した。
2010年にはこれらに対抗してソニーもEマウントのミラーレス機「NEX-5」「NEX-3」を、2011年にはニコンが「Nikon 1」、2012年にはキヤノンが「EOS M」(EF-Mマウント)を発売し各メーカーがミラーレス一眼に参入した。
2013年11月には、ソニーがミラーレス機としては初めてフルサイズセンサーを搭載した「α7/α7R」をリリース。以降しばらくの間、フルサイズミラーレス一眼市場をほぼ独占することになる。
その一方で、ニコンやキヤノンは一眼レフの売上に悪影響を与えることを危惧してか、フルサイズミラーレス一眼の開発に消極的であった。
しかし2018年、ついにニコン、キヤノンが新マウントで追随。
現在では衰退傾向にあるデジタルカメラ市場における最激戦区となっている。