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「深央、俺なら君を守れる。それを今見せてやる」

演:山本匠馬

変身する仮面ライダー

仮面ライダーサガ

仮面ライダーダークキバ

概要

仮面ライダーキバ』の登場人物の一人。第32話より登場。キングバットファンガイア)と真夜パールシェルファンガイア)との間に生まれた息子で、現代編のキング。ファンガイアではあるがファンガイア態は明かされなかった。

怒ると他のファンガイア同様に口元にステンドグラス調の模様が浮かび上がり、複数の蛇のようなオーラを出す。

左手に黒い革手袋を着用しており、その下の掌と甲にそれぞれキングの紋章がある。他のファンガイアと異なり、血の色が青い。黒髪の持ち主。

生年月日は不明だが、1986年生まれであることは劇中で確認できるため、現代編では21歳22歳と思われる。

劇中の動向

1986年(過去編)

キャッスルドラン内部で執事である黒沢=ムースファンガイアチェックメイトフォービショップスワローテイルファンガイア)の教育の下育てられた。

その後、経緯は不明だが嶋護に預けられ生活していたが、モルモットを見るような目で彼を見る嶋に嫌気がさしてファンガイアの力を使い背中に傷を負わせ彼の元を去る。

幼少の頃の紅渡と会っており、彼にとっての初めての親友となった。しかし、ある日突然彼の前から姿をくらました。

2008年(現代編)

表向きでは巨大投資企業「D&P」の若き社長を務めているが、裏では人類を進化させる新たな技術を「人間の進化、すなわちファンガイアにとっての脅威の抑制」という使命の元に葬るべく、投資を求めてきた科学者などを秘密裏に抹殺していた。ただし、自分達の利益になるなら投資をすることもあるなど、ある程度柔軟。抹殺対象が人間なら配下のファンガイアに任せるが、抹殺対象がファンガイアである場合のみ自ら出向き、仮面ライダーサガに変身して処刑する。

基本的に人間は家畜・食料としか見ていないが、渡だけは上記のことがあってか、親友として温かく接していた。しかし渡が弟(異父兄弟)であることが判明して以降は彼を一族に迎え入れ、共に人間を管理しようと半ば強要するようになる。

彼自身はキングの使命感を強く持っている故、自らの行動や考えが最善である事を信じて疑わないが、親しい者への愛情とそれ以外の者への非情さの二面性は深央や渡に理解されず、更に言えば、人間の可能性を信じて『共存』という方法を提案する渡の案を聴き入れようとしないばかりか、ビショップに命じて、彼の中に眠るファンガイアの本能を目覚めさせることで親しい人間達との仲を壊そうとしたり、深央の心中にある渡への想いや葛藤を全く察することが出来ないなど、実際は親しい者への愛情表現さえも先代のキング譲りの独善的でありかなり不器用なものであり、そうしたこともあって皮肉にも太牙の思惑とは裏腹に渡や深央との間には少しずつ溝が深まっていく事になってしまう。

更に母親である真夜から中々キングとして認められない苛立ちも合わさる事で次第に孤独感や焦燥感に苛まれるようになっていった。

物語終盤、嶋を助けると騙しサンゲイザーファンガイアへと変貌させてしまった件で渡と明確に対立する事になったばかりか渡との恋を望んだ深央が暴走し、太牙を騙し結婚式を挙げるふりをして腹を突き刺し、逃走。更には戦いの中でサンゲイザーファンガイアをサガが処刑したことで渡の怒りが爆発。エンペラームーンブレイクを放つも太牙への情も捨てきる事ができなかった深央がすんでのところで太牙を庇い必殺技を受け、その身に重症を負ってしまう。

さらに一部始終を見ていたビショップが太牙を傷つけ掟に反した深央の粛清と渡の戦意喪失を目論み、深央にとどめを刺して謀殺。それを知らない太牙は、この事件で渡との仲違いが決定的になってしまうという最悪の結果に至ってしまった。

後にビショップ自身の口から深央の死の真相を聞かされた(尚、自慢するかのように得意気にベラベラと話していた)際、激昂して痛めつけた末に追放した事で逆恨みと怒りを爆発させた彼から謀反を起こされ、それをきっかけに「D&P」社員達や他の支配下だったファンガイアからも次々に反旗を翻される事になり、「D&P」社長の座を追われ、腕を骨折した状態でサガに変身するなど次から次に自身の命を狙ってくるファンガイア達に心も身体も満身創痍となっていく。

ビショップに謀反を起こされたのが切っ掛けとは言え、こうも簡単に配下だったファンガイア達に見限られて命を狙われるまでになったのも、おそらくは兼ねてから太牙の無慈悲過ぎるやり方に反感を抱かれていのがそもそもの原因だったと思われ、真夜からキングに認められなかったのも同様だったのではないかと思われる。

厳格過ぎる「掟」や寛容さや慈悲を見せない「力による恐怖」でしか従えようとしなかったそのやり方が、ここに来て大きなツケになってしまったのだろう。

次第に追い詰められていく中、追い打ちをかけるかの如く突然態度が豹変した渡が現れ、「ここに宣言する。今から僕が新しいキングだ!」と高らかに宣言。残っていたキングとしての称号すらも奪い取られてしまう。

こうして、何もかも失い、絶望の果てに実の母である真夜に手をかけ、その闇をⅡ世が面白がって気に入ったことで遂に闇のキバへの変身資格を手にする。

そして、母を手をかけたと伝えた事で重い腰を上げた渡と一対一の死闘を演じる。

実力は拮抗し、中々決着がつかなかったが、そこへビショップと市井の人々から集めたライフエナジーで蘇らせた再生ファンガイア軍団が乱入して場は乱戦となる。さらに実際はすんでの所で太牙に命を救われていた嶋が駆けつけ、全ては渡による「キングの座を欲するファンガイアから太牙を守る為の芝居」であった事を知らされる。

そこへ別の場所で名護啓介に敗北したビショップが自身のライフエナジーを使って復活させた抜け殻の先代キングことバットファンガイア・リボーン(再生)が現れ、太牙と渡は兄弟二人力を合わせて息のあった見事な連携でこれを撃破。

その後、結局非情になりきれなかった太牙により峰打ちで生きていた真夜から諭された2人は和解の意図を込めて、壮大な兄弟喧嘩で、無事絆を取り戻した。

バットファンガイア・リボーン(+ビショップwith再生ファンガイア軍団)との戦いの後、一度は失った「D&P」社長の座を取り戻し、「ファンガイアと人間の共存」に方針を変え、ライフエナジーに変わる新たなエネルギーの開発などこれを実現すべく奔走している。

後の結婚式にてネオファンガイアが襲来した際は紅正夫に「おじさん?」と呼ばれ困惑(アドリブシーンのため、山本さんご自身が実際に困惑していたよう)しながらも世界の危機にもう一度ダークキバに変身し、ネオファンガイアめがけてキック。物語は幕を閉じた。

余談

上述した第45話「ウィズユー・最後の変身」における「深央を殺した事に激昂した太牙がビショップを痛めつける」一連のシーンは台本上では【太牙がビショップを大きく殴り飛ばす】のように1行だけであった所をビショップを演じる村田充氏と「一手じゃつまらないよね」と話し合い、太牙の王としての威厳を見せたいシーンでもあったために行間を膨らませ、カメラマンのいのくままさお氏の協力もあって出来上がったシーンであることが現在YouTube上にて公開中のS.H.Figuarts真骨彫製法 仮面ライダーサガの紹介動画にて語られており、結果としてキングの為良かれと思ってとった行動が裏目に出てしまった形となったビショップの困惑、悲しみが怒りとなって溢れ出る終盤の展開に視聴者側がより没入しやすくなったと言えるだろう。

演じた山本氏は『劇場版仮面ライダーキバ 魔界城の王』では白峰天斗/仮面ライダーレイを演じているが、公式でTV版とはパラレル扱いになっているため、ただのそっくりさんという認識で良い。

ただ、撮影時期が近かったのか渡役の瀬戸康史は「太牙くん」と呼ぶシーンを「白峰さん」と間違えて呼んだとか。

後の『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』ではブラッド・バレット/仮面ライダートラストの日本語吹き替えを担当している。

また、過去に『牙狼』で山刀翼を演じていた。彼も当初は掟に対する意識が強かった。

ガンバライジング』にて、紅音也のことを呼び捨てでもなければ「義父さん」でもなく、「音也さん」と呼んでいることが明らかとなった。

テレビシリーズでライダーに変身する主要人物を演じ、劇場版では別のライダーを演じた俳優は山本氏が二人目(一人目は『仮面ライダー響鬼』でザンキ/仮面ライダー斬鬼を演じ、『劇場版仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼』でトウキ/仮面ライダー凍鬼を演じた松田賢二氏。因みに松田氏は『キバ』にも次狼/ガルル役でレギュラー出演している)。

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