「「さぁ、お前の罪を数えろォ……!」」
「「ハーフボイルドだッ!!」」
データ
身長 | 195.0cm |
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体重 | 85.0kg |
特色/力 | ガイアメモリによるフォームチェンジを模した特殊能力の応用/ダブル・サイクロンジョーカーのマキシマムドライブを模した様な風と黒煙の操作 |
概要
『仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』に登場するアナザーライダーの1人。
変身者は不明(その為唯一アナザーウォッチが未登場)だが、決め台詞が決まらなかったジオウに対して憤慨するなど、オリジナルの変身者の性格もある程度反映されている様な描写があった。
モデルは仮面ライダーW・サイクロンジョーカー。
TV本編ではEP43でアナザージオウⅡが年号が2019に変わった別個体を召喚している。
容姿
ダブルの姿をより歪めた様な姿を持っているが、後頭部側面にはもう2つの赤い「目」が存在しており、互いにソッポを向いた2人を無理矢理くっ付けた様にも見える。この目にもアナザーライダー特有の瞳の意匠が確認出来る。
左右を繋ぐフランケンシュタインの怪物の様な継ぎ接ぎも相まって、「二人で一人の仮面ライダー」とは逆の「一人になり切れない仮面ライダー」、正に原典で鳴海亜樹子が初見でWを揶揄した言葉「はんぶんこ怪人」とも呼べるデザインとなっている。
左右の表情はそれぞれ右が笑い顔、左がへの字口となっており、ドクロ顔とオリジナルには無いクラッシャーと相まってその表情はとても恐ろしげで歪な印象を与える。
尚、左側の目元は涙を流したかの様な傷跡がある為、原典における最終決戦後のあの別れのシーンの構図(翔太郎が号泣し、フィリップが微笑む)を意識したとの説もあり、その眼の中にはよく見ると瞳の様なモノがあるのも確認出来る。
Wの主題歌の歌詞や左翔太郎の台詞によく「涙」と出てくる為、それを皮肉ったのでもあるだろう。
サイクロンサイドにあたる部分はライトグリーンだった本家とは異なり、ナスカ・ドーパントにも似たターコイズに近いカラー。
マフラーの代わりに身体から包帯のように垂れた造形はミイラ男を連想させる。風の力を司る部位なだけあり、竜巻をイメージした意匠だとも解釈出来る。
一方でジョーカーサイドにあたる部分は、ビスが打ち込まれた黒いレザー生地のような皮膚と刺々しい装飾を持ち、さながら仮面ライダー作品におけるもう1つの「ジョーカー」を思わせる。
ダブルドライバーは赤が中心だったオリジナルとは異なり、ステンドグラスで造られたかの様な平面的なデザインで、よく見るとスロット部分が鳥の様になっており、鳥モチーフであった強化アイテムエクストリームメモリを意識したデザインである事が窺える。
なお、そのデザインは古代エジプトのヒエログリフの意匠がこめられており、サイクロンサイドの腕輪や胸のラインにもヒエログリフ状の紋様がみられる。
両側面の触角は仮面ライダークウガを思わせる造形となっており、「仮面で涙を覆い隠し、みんなの笑顔を守る為に戦うクウガ」の要素を見出す事ができる。
両太腿辺りにアナザーライダー共通のライダー名と年号が刻まれており、左太腿にはDOUBLEの文字、右太腿には2009の年号が刻まれている。
また、その皮肉めいた秀逸な容姿から、アナザーライダーの中ではアナザーウィザードと並んでデザイン面で非常に高い評価を受けている。
能力
W・サイクロンジョーカーのジョーカーエクストリーム発動待機時のような竜巻を生成し、その中に入って空中を移動する事が可能。
また、劇中ではルナジョーカーに該当する姿にハーフチェンジし手足を変幻自在に伸ばして戦っており、Wと同じく9つのフォームを駆使する事も可能だと思われる。
この他にもアナザー電王とのダブルライダーキックでグリスを倒したり、歴史改変の影響から解放されたビルド・ラビットラビットフォームとクローズマグマを同時に相手取って圧倒する等戦闘力は高い(アナザーライダーの特性的に仮にW以外の力で倒しても復活する可能性が高いのもあるが)。
誕生による改変
詳細は不明な点が多いが、風麺のマスターが左翔太郎からWライドウォッチを預かっていた事から、少なからず関わりがあった事が窺える。
もっとも、特殊な状況で登場した為、詳しくは不明。
本編での活躍
- EP43『2019:ツクヨミ・コンフィデンシャル』
改変された歴史にて、加古川飛流/アナザージオウⅡの配下として登場。
スウォルツの指示を受け、用済みとなったウール・オーラを始末するべくアナザーファイズと共に追跡。海東大樹から居場所を伝えられた事で2人に襲い掛かったが、そこにジオウとゲイツが駆けつけ、ジオウ・ダブルアーマーの「マキシマムタイムブレーク」で撃破された。
その後、アナザージオウⅡが率いるアナザーライダー軍団の一員として再び出現。他のアナザーライダー達と共に一斉にジオウ達に襲い掛かる。
アナザーアギト(2019)と共にディケイドを襲撃するも「ディケイドブラスト」で瞬殺、またしても撃破された。
劇場版での活躍
ティードの命令で、アナザー電王と共に謎の少年・シンゴの行方を追っていた。
一度は2000年の時代からシンゴを誘拐する事に成功するも、アナザーデンライナーの事故が原因で取り逃がしたため改めて追跡。シンゴを守ろうとしたグリスをアナザー電王との連携で打ち倒し、シンゴの確保に成功した。
そこにアナザー電王の問題を解決して駆けつけて来たジオウが風麺のマスターから貰ったダブルライドウォッチを用いてダブルアーマーに変身し、自分と同じダブルの力を持った彼に追い詰められる。
最期はダブルアーマーの「マキシマムタイムブレーク」を喰らい、真っ二つに分かれて爆散した。
描かれなかった正体
ジオウに倒された時点で物語から完全にフェードアウトした為、結局変身者は劇中では判明しなかった。パンフレットでも「何者かが変身した姿と思われるが、詳細は不明」とされている。
これはアナザーライダーとしても異例の事であり、結果として様々な意味で掘り下げが無いただの少し強い敵として消化されてしまっている。
当時『平成ジェネレーションズ FOREVER』のプロデューサーを担当した白倉伸一郎氏によると、変身者について描かれなかった理由は「掘り下げる予定ではあったが尺が長くなる為、あえ無くカットした」とのこと。
余談
- 「アナザーダブル」でも別に誤表記では無く、公式でも両方の表記に散らばっている。
- オリジナルのWがガイアメモリ、即ち「地球上に起きた現象や事象、存在」の力を使うのに対し、その逆となるアナザーWは「仮面ライダーがフィクションの存在とされる世界」における「地球上には存在しない存在」として姿を現したと考える声がある。
- サイクロンサイドのデザインは先述の通り、ミイラやナスカ・ドーパントを思わせる外見かつ上記のようにベルト共々ヒエログリフの意匠が施されているのだが、いずれも古代に関連したモノであり、オリジナルの変身者の片割れの家族が変身したドーパントはどれも組織名に則るかのように「古代の物や昔からある概念」がモチーフになっていた。(ドーパントと登場ライダーの変身システムも全てミュージアムが開発したものである)そう考えると、サイクロンサイド(街を泣かせるミュージアム)が笑っていてジョーカーサイド(街の涙を拭う為に戦う翔太郎)が泣いているのは中々に皮肉である。
- 平成ライダーの冬映画に登場する、ダブルと共にトリプルライダーキックを放ったメモリアル作品の主人公に倒される、怪人の変身者が助かった描写が無い等、この怪人を思わせる要素も存在していた(更に言えばその怪人は原典の作品で仮面ライダーの偽物に変身していた)。
- デザイナーの篠原保氏によれば、デザイン中に同映画に登場するオリジナルイマジン・フータロスをデザインしていた時にはまったく聞こえなかった故・韮沢靖氏の声が「あしゅら男爵みたいにしようぜ~」と聞こえ始め(これを聞いた篠原氏は「おせぇよ」と思ったらしい)、緑の右側はミイラ、黒い左側はアンデッド風のレザーとビスにして、ベルトは古代エジプトの装飾風にしたとのこと。
- 声を演じた伊藤氏は仮面ライダーシリーズの出演は今作が初となる。
- 因みに伊藤氏は過去に同じ石ノ森作品のアニメ『サイボーグ009The_Cyborg_Soldier』で0013の声を担当していた。
関連タグ
仮面ライダージオウ アナザーライダー 仮面ライダーW 仮面ライダーダブル アナザー電王
スパイダー・ドーパント:アナザーサイクロンと呼べる存在。
ヒート・ドーパント、ルナ・ドーパント、メタル・ドーパント、トリガー・ドーパント、サイクロン・ドーパント、ジョーカー・ドーパント:原典によるダブルと同モチーフの怪人達。(しかも変身アイテムまでほぼ同型)
ゲルショッカー怪人、ティターン、アントホッパーイマジン、合成ヤミー、パラドックス・ロイミュード、カマキリ・カメレオンオーグ:シリーズにおける歴代のはんぶんこ怪人。
イザンギ、バリデロ:原典の変身者をモチーフとした怪人の後輩。
アナザーディケイド/アナザードライブ←アナザーW→アナザークウガ/???
もう1人のW/衝撃の真実と裏設定(初期・ボツ設定)
まず、あくまでボツ設定・初期設定である点には注意してほしい。本編のアナザーWもこの通りの設定であるかどうかは明言されていない。
本作公開から元号も変わり4年近く経った2023年元旦、本作のYouTube配信に伴い、視聴者から「結局アナザーWの正体は誰だったのか?」と言う質問に対する回答で「元ライダーファン(現アンチ)」である設定が白倉氏により明かされた。
「現実で“助けて!”と叫ぶ子供を助けられなかったライダーが、“20作記念”とか威張るのか?」と言う疑問が本企画の根本であったとしている。
実際、鳴海荘吉/仮面ライダースカル役を演じた吉川晃司氏が被災地を訪問した際に、ある子供から「(仮面ライダーは)大嫌いだ!お父さんが亡くなったのに、助けに来なかった!」と言われてしまっており、そんな「災害等の(端から見ればどうしようもないと片付けてしまいそうな)出来事が原因で“ヒーロー”に失望してしまう」人達も存在していた。
放映当時は情報がとても少なく、積極的にティードに従っている事から、単純にティードの部下で深い設定は無いのではと考えられていた。
しかし、数年を経て設定が明かされると、その見え方が大きく変わるキャラクターとなった。
この作品自体が、「フィクションの存在であるはずの仮面ライダーが、現実に溢れ出て現実を救う」物語であり、カットされたこのキャラクターのテーマは、対になる「実際に起きた現実」として重要な要素である反面、敵ながら重過ぎる為に、説明を全てカットした判断も止むを得ないと言えるだろう。
(なお、人選については「どんぴしゃはオーズだが消化済み」と白倉氏から補足されている。3.11の発生時はオーズ放映中であった)
一部ではこの情報を公式設定であるかのように広めているところがあるが、あくまで初期設定であり、本編のアナザーWもこの通りの設定であるかどうかは明言されていない。
また、「震災で家族を失ったかどうか」についても明言されていない点にも注意。
あくまで震災を意識して設定を作った、と言うだけで、別の理由で仮面ライダーに失望するような出来事が起こった、と言う設定だった可能性も十分にある。
また、今回のメインゲストキャラクターである久永アタル自体「家族を失って仮面ライダーに助けて貰えなかった存在」である。
「家族を失ってもライダーに憧れたアタルと対比される予定だった」とも、「アナザーWがボツになったため、設定が一部アタルに取り入れられた」とも取れるだろう。
総じて、上記の没設定?発覚前から見た目、モチーフも含めてファンからは「アナザーウィザードと並びアナザーライダーの中でかなり秀逸な見た目とデザイン」と高評価を得ていた他、万が一震災などの裏設定を入れた結果「重すぎて放映時間に収まりきらないorアタル達が描ききれない」「取り入れるの色々無理だろうけど見てみたかった(要約)」といった反応が見られた。
ネタバレ込みの関連タグ
哀しき悪役 (没設定から)
馬渕由衣…描かれなかった正体を加味した場合、「助けを呼んでもヒーローが助けてくれなかった」ことで仮面ライダーに失望してしまった人物として共通している。