概要
1995年に公開された映画興行『東映スーパーヒーローフェア』の上映作品の一つ。同時上映は『超力戦隊オーレンジャー』『重甲ビーファイター』。
どう考えても同時上映された作品より対象年齢が高い気がするが……。昔の東映は素晴らしい事をしてくれたものだ。
人造人間キカイダーに登場したライバルキャラクター・ハカイダーを主役にしたスピンオフ作品として制作された。
ただし、ストーリーや世界観は完全に一新されており、キャラクターだけ借りたパラレル作品と言っても良い内容となっている。
雨宮慶太監督こだわりのキャラクター造形の格好良さや、井上敏樹氏の筆によるコンパクトにまとまったストーリー、世界観の絶妙さから根強い人気を誇っている。
ストーリー
絶海の孤島にある監獄に一体の戦闘用ロボットが幽閉されていた。
彼の名は、黒き破壊者「ハカイダー」。
眠りから目覚めた彼は、圧政の下で平和を謳う"奇跡の街"「ジーザスタウン」に向かう。
やがてハカイダーは欺瞞渦巻くジーザスタウンに、破壊の嵐を巻き起こす……!!
「貴様が正義なら、俺は……悪だ!」
登場人物
- ハカイダー(リョウ)
ジーザスタウンの犯罪鎮圧用ロボットとして開発されたが、暴走したため封印されていた。
レジスタンスの少女・カオルの形見を身に着け、たった一人でジーザスタウンの全てを破壊せんと行動を起こす。
正義の味方ではなく生きたいと願う者の味方。
演:宝生舞
グルジェフが作り上げた偽りの正義に立ち向かうレジスタンスの少女。
詳細はリンク先参照。
CV:井上和彦
ハカイダーの後に作られた高性能ロボット。グルジェフの命令に従うジーザスタウンの公安司令官。
一見、ヒロイックな姿をしており、生命を尊重する優しさを持つ。だがそれは表向きの姿で、その実態はグルジェフの語る正義を振りかざす外道。
ハカイダーとの戦闘で生き残った部下を「自分の美学に背いたから」とその場で処刑し、返り血を浴びる姿はトラウマ必至。
戦闘においてもハカイダーから銃を奪って目の前で弾丸を抜き、さらにその銃で殴るなど、陰湿な本性が際立つ。
しかし、ハカイダーはミカエルが油断した隙に弾丸を拾い、右腕の隠し武器・アームショットに装填して発射。ミカエルの右腕を破壊し、翼をもぎ取り、とどめに脊椎を引き抜いて倒した。
その後、頭部のみが青と赤のツートンで塗り分けられた異形のメカと合体、ミカエル戦車となってハカイダーに襲いかかる。
演:本田恭章
ジーザスタウンの支配者。ハカイダーを作り上げた張本人で、本作の黒幕。
反乱分子に脳改造を施して廃人に変え、絶対服従を強いている。
しかし、その本性はミカエルの足下にも及ばない小物。ミカエル戦車を破壊したハカイダーに対して恐怖に怯える情けない姿を晒し、その醜態を目の当たりにしたハカイダーからは「貴様には殺す価値などない」と唾棄される有様であった。
余談
- 映画『キカイダーREBOOT』や『仮面ライダー鎧武』に登場するハカイダー(REBOOT)は本作に登場したハカイダーによく似た姿になっている。暇な人は見比べてみるのも一興であろう。
- 1996年には本編の10年後の世界を描いた続編、セガサターン用ガンシューティング『人造人間ハカイダーラストジャッジメント』が発売された。ジーザスタウンの新たな独裁者元老院首領ギルとの戦いが始まり、敵としてワルダー、ビジンダー、ダークロボットも新規でデザインされた。
関連タグ
???:『ラストジャッジメント』に登場したキーパーソン。※ネタバレ注意
夜ノヤッターマン:同じく敵側がリメイクされて主人公になった作品。独裁国家と戦うというストーリーも共通。
仮面ライダーBLACKSUN:同じく設定や世界観を一新した昭和特撮のリブート作品。ハカイダーの性格や世界観や雰囲気などが本作と類似。こちらも脊髄ぶっこ抜きをしている。また主人公の体色がどちらも黒く赤目である。
サイコ・ゴアマン:本作の影響を受けたと思われる海外のヒーロー映画。