ミカエル(人造人間ハカイダー)
みかえる
CV:井上和彦
スーツアクター:菊地寿幸
「たとえ犯罪者と言えども、“命”は尊重しなければならない。」
「なぜ死ななかった? 戦って死んでこそ、私の部下の資格がある!」
「私は"正義"。“秩序”を守る者…"正義"の名の下に、お前を処刑する!」
ハカイダーの次世代機として作られた高性能人造人間。
グルジェフの命令に従うジーザスタウンの公安司令官で、正義という名の弾圧をふりかざす。
劇中では犯罪者の自殺を阻止したりグルジェフからの命の大切さや尊さを理解する、優雅で上品かつ優しげな声も相まって貴公子然とした態度を見せ、その姿は機械仕掛けの天使を思わせる。
しかし、その本性は冷酷かつ残忍で殉職しなかったという理由だけで負傷しつつも生き残っていた重武装兵を躊躇なく殺害し、ハカイダーに対して度々陰湿な攻撃(闇討ちや不意打ち、ハカイダーから銃を奪い弾丸を全て引き抜いてから殴り飛ばす)を仕掛ける等、やっていることは完全に悪役のそれ。尚、劇場公開版では生き残った部下を殺害するシーンはカットされている。
また、グルジェフから自身がハカイダーの兄弟機である事を明かされた際には「私の方が優れている…ハカイダーよりも…!」と嫉妬ともコンプレックスとも取れる暗澹とした独り言を漏らしている。
白いボディに翼状のギミックなど、敢えてヒロイックなデザインにされており、アルカイックスマイルを見せて微笑んでいるように見えるがよく見てみると目つきはかなり鋭く、嘲笑を浮かべているようにも見える怖い表情をしており、指先が爪のように尖っていたりと酷薄さが滲み出ているものとなっている。
そして、羽根の金属フレーム部の間には地獄絵図の背景を思わせるような赤黒い空と渦巻く暗雲の描かれた被膜が張られており、天使の皮を被った悪魔としての一面を持ち合わせている。
当時のホビー誌の特集で掲載されたスタチューキットの解説曰く、『白人の大人的』。
武器はレーザーメスすらも凌駕する切れ味を誇る爪「エンジェルクロウ」と先端がカッターになっている羽「エンジェルウイング」。普段はマントのように収納している。
本編後半ではカオルを手にかけ、ハカイダーと互角の戦いを繰り広げた。一時はハカイダーを追い込むも、右腕とエンジェルウイングを破壊された上に首を引っこ抜かれて一度倒されたが、ミカエル戦車として復活。顛末に関してはリンク先参照。
後日談であるゲーム『人造人間ハカイダー ラストジャッジメント』で再び登場。
同作ではギルの手先となっており、ハイパーミカエル(ミカエル戦車を人型にしたような姿)という強化形態も登場している。
漫画版ではギルによって作られたロボット、キカイダー・システムズの内の一体として登場。
ギルからハカイダー抹殺命令を受け、追跡を開始する。
キカイダーがモチーフと思われがちだが、デザイナー曰く白く洗練されたハカイダーを基にしている。
キカイダーがハカイダーの兄だったのに対し、彼はハカイダーの弟という立場である為、全く逆となっている。
ちなみに彼の声を当てていた井上和彦氏も後でキカイダー00の声を当てている。
第二形態に当たるミカエル戦車はキカイダーをモチーフとしている。キカイダーの企画段階の名称の一つが「アンドロイドエンゼルサタン」となっており、完成作品のキカイダーにて善悪に悩むキャラクターとして完成した。この天使と悪魔の側面を持つという設定がミカエルに天使のような見た目と悪魔のような醜悪な本性という皮肉な形で受け継がれてしまっている(ある意味ではこのミカエルも、後年の特撮作品に登場するであろう『ヒーローを歪めた悪役』ともいえる)。
ミカエルのキャラクター付けは『良心回路が完全になった状態のキカイダー』だと評する声もある。原作における良心回路にプログラムされた『良心』とはあくまでも光明寺博士の考える「正しさ」なのであり、それが完全になってしまうという事は単なる人間の標榜する『正義』の操り人形になってしまうことを意味するものであり、それを示唆するように小説「キカイダー00」では本当にその通りになってしまった。
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vsミカエル、グルジェフ(人造人間ハカイダー)
今回はロボット特撮ヒーローのライバル…を主役に添えたスピンオフ作品『人造人間ハカイダー』から、主要敵の二人です。どうにも数が集まらなかったので同時に投稿しました。 ジーザスタウンは表向きは「正義や平和」など綺麗な言葉を多用するも、中身は自由を奪われたディストピア…しかし、彼らに従う人々にとっては間違いなく理想郷ではあったんですよね。4,329文字pixiv小説作品