「お前ら、力の使い方間違ってるだろ…!」
「この力が俺を変えてくれたんだ…。それで俺は…王になるんだ!!」
「邪魔をしないでくれぇ!!」
演/CV:多和田任益
スーツアクター:渡辺淳
データ
- 身長:186.1cm
- 体重:86.2kg
- 特色/力:シノビの忍法のような能力の操作/シノビの武器を模した刀や鉤爪を使った攻撃
概要
『仮面ライダージオウ』EP17「ハッピーニューウォズ2019」から登場するアナザーライダーの1人。
「別の時間軸の未来に存在する仮面ライダー」である仮面ライダーシノビがベースになっており、変身者は2019年の神蔵蓮太郎。彼は2022年でシノビに変身する人物である。
非力ながら正義感が強い蓮太郎が悪人と戦う力を手にした姿だが、皮肉なことに力を手に入れた途端に嫌っていたはずの「誤った力の使い方をする者」に変貌してしまい、他のアナザーライダー同様に、歪んだ願望を叶えるための暴走を始めることになる。
なお、未来の自分の力を得たのに暴走を始めた理由は、2019年の蓮太郎が『力の無い自分を認められない』側面を持つのが原因と考えられる。アナザーライダーになった蓮太郎が真っ先にした行動は自分を痛め付けたチンピラへの報復だが、裏返せばチンピラは力の無い蓮太郎を象徴する連中であるので、それを叩きのめすことで現実を無かったことにしていた側面もあったと推測ができる。
別の未来とは言え、「本来の変身者が過去でアナザーライダーになってしまった初の例」であり、また分岐した未来のどちらに帰着するか確定していない「未来が揺らいでいる」状態のために、確定した「未来」へ時間移動し「対処するためのライドウォッチを受け取ることができない初のアナザーライダー」である(なお、タイムジャッカーであるスウォルツは行き来ができる模様)。
容姿
仮面ライダーシノビを歪めた外見を持ち、他のアナザーライダー同様に瞳やクラッシャーが存在している。
基本カラーはシノビと同じ紫色だが、アナザーライダー共通の髑髏の意匠が特に強く現れており、まるで骸骨が忍者の恰好をしているかのような姿。これは変身者が同一のため、「骨子の部分は変わらない」ともとれる。
ドライバーは本体の部分が赤く、シュリケンスターターの部分は手裏剣ではなく平坦な×の字状になっている。
アナザーライダー共通のライダー名と年号は両腕に存在し、右腕にはSHINOBIと英語で、左腕には二千二十二と漢字で表記されている。
変身エフェクトは本来のシノビとは大きく異なり、紫色の大きな波紋や放電のようなものが発生する。
能力
腰の後ろに装備した忍者刀と両腕の鋭利な鉤爪を武器に戦う。
また、仮面ライダーシノビと同じく影から影へ移動する、炎や竜巻を起こす様々な忍法と忍者特有の高い身体能力とを掛け合わせた戦法を得意としている。
作中の活躍
- EP17『ハッピーニューウォズ2019』
2019年、蓮太郎はチンピラ達に絡まれていた友人を救うべく「お前ら、力の使い方間違ってるだろ!」と戦おうとするもアッサリと返り討ちに遭い、己の無力さを嘆いていた。
そこにスウォルツから「お年玉」としてアナザーシノビウォッチを受け取ったウールが現れ、蓮太郎に契約を迫る。事態が呑み込めず狼狽する蓮太郎に、ウールは無理矢理ウォッチを埋め込んでアナザーシノビが誕生。以降は「誤った力の使い方」をするチンピラ達を様々な忍法で襲っていった。
ソウゴ達から見ると未来のライダーである「仮面ライダーシノビ」は当然2019年には存在しない為、ライドウォッチも入手できずジオウやゲイツでは対処が極めて困難だった。
しかし、白ウォズが変身した仮面ライダーウォズには素の戦闘力で終始圧倒され、最後はウォズが「奮戦するアナザーシノビ。だが、ウォズのキックの前に、爆発四散するのだった」と導いた未来の通り、ウォズの必殺技・タイムエクスプロージョンを喰らいしめやかに爆発四散した。
- EP18『スゴイ!ジダイ!ミライ!2022』
EP17での爆発四散の後、スウォルツによりアナザーシノビウォッチを再起動され復活。忍術で影に消えその場は撤退した。
蓮太郎はアナザーシノビの力で弱い人たちを本当に守れるのか迷っていたが、スウォルツに半ば無理矢理諭され、アナザーシノビの力で王となることを決意する。
その後はバイクを乗り回して騒いでいた男達を襲っているところで、白ウォズが端末で誘い出したソウゴと遭遇。
ソウゴは蓮太郎の心の迷いを看破し、「未来の自分を信じられるなら、力を捨てる勇気だって持てるはず」と説得するが、逆上した蓮太郎はアナザーシノビに変身、ジオウと交戦する。
「秘技・ミカン斬り(鎧武ギリギリスラッシュ)」や「タイムブレーク」を受け何度も倒されるも、シノビのライドウォッチがないため完全撃破には至らず、その度にスウォルツにアナザーウォッチを再起動され復活し続けた。
しかしソウゴの言葉は蓮太郎の心に届いており、三度目の再起動を図ったスウォルツの手を蓮太郎の手が拒んだ。
「俺の未来は俺自身が切り開く!」「俺は未来の自分に賭ける!」
アナザーシノビが存在しない状態で蓮太郎が「正しい力で戦う覚悟」を決めたことで、蓮太郎は未来で仮面ライダーシノビとなるに相応しい素質を得た。
その覚悟を目にした白ウォズは、端末に「シノビウォッチが生まれた」と記入。シノビミライドウォッチの生成に成功し、ほくそ笑む。
蓮太郎の言葉を一蹴したスウォルツは強引にアナザーシノビウォッチを蓮太郎に戻してしまうが、そこに白ウォズが参戦。
「待っていたぞ…! この瞬間をっ!!」
手に入れたばかりのシノビミライドウォッチを使用し、同じくシノビの力を宿した形態、ウォズ・フューチャーリングシノビに変身、アナザーシノビを圧倒する。そして最後は、端末による予言と「忍法 時間縛りの術」を受けたところにジカンデスピアの必殺「一撃カマーン」を受けて崩れ去る。
自らの「誤った力の使い方」を失った蓮太郎の口元には、微かに笑みが浮かんでいた…
アナザーシノビの脅威は去ったものの、結果的に蓮太郎が覚悟を決めたことで「仮面ライダーシノビの生まれる未来」すなわち「オーマジオウの倒された未来」にソウゴ自身が導いてしまったこととなった。
ソウゴは蓮太郎がいつか自分の意志で力を手に入れるだろうと嬉しそうだったが、ウォズはソウゴの行動がオーマジオウ誕生の未来から遠ざかる結果となったことを指摘し、「私と君以外の全員が未来を変えようとしていることを忘れぬように」と警告するのだった。
余談
- これまでのアナザーライダーは契約時にアナザーウォッチの能力が発現していたが、アナザーシノビウォッチは最初から能力が発現していた状態であった。
- さらにその状態でアナザーウォッチが過去に持ち込まれてしまったため、TV本編では本物のライダーが誕生する前に生み出された初のアナザーライダーとなった。
- 後に、2022年でスウォルツが本来のシノビの近くでアナザーウォッチを起動させて力を奪い、2019年に持ち帰ったことが明かされた。
- なお、今までと違い、アナザーライダー誕生時ではなくアナザーウォッチ生成時にライダーの力が失われている。
- EP17の劇中で撃破時に「爆発四散」という単語が使われたため、とあるニンジャ作品のワードを連想した視聴者も多かったようである。
- スーツは後に『RIDER TIME SHINOBI』に登場するシノビとハッタリの宿敵・闇忍に流用・改造された。
- その為、奇しくもアナザーライダーがオリジナルライダーと戦った敵組織の意匠があるという説をより強く裏付けるようになった。そして4年後…
- 『RIDER TIME SHINOBI』内における蓮太郎は、力なき大切な人を護るために自分が力なき者を演じる=『影』となる道を選んでいた。
- なお、ジオウ本編での初登場時の口上頭でも『影となりて』と言っていることから、“力の無い自分を受け入れる”ことこそが蓮太郎を仮面ライダーに足らしめた一番の因子である事を思わせている。
関連タグ
???:正史における2024年の似たような存在。
アナザーリュウガ:同様に本来の変身者本人がアナザーライダーとなったケース。
クラッシングバッファローレイダー:次回作『仮面ライダーゼロワン』に登場する変身者の名が蓮太郎繋がりの怪人。こちらも1月の放送で登場している。
ゴーマ・ローザリア:ニンジャヘッズが反応した怪人繋がり。