「人類に夢を見る未来は、永遠に来ない…」
「アークは打ち上がる…私が歴史を変えるからだ。私が飛電インテリジェンスを乗っ取り、ヒューマギアが笑える世界を作る!」
CV:和田聰宏
概要
『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』に登場したアナザーライダー。
モデルは仮面ライダーゼロワン・ライジングホッパー。
新たなタイムジャッカー・フィーニスからアナザーゼロワンウォッチを受け取った社長秘書型ヒューマギアのウィルが変身する。
容姿
従来のアナザーライダーと同じく、ゼロワンを歪ませたような容姿をしている。
機械的なデザインのゼロワンに比して、腕に生えたトゲやバッタの後ろ足を模した太腿のアーマー、4枚のバッタの羽など、かなり実物のバッタに近い意匠を持つ生物感のある外見となっており、その姿は言葉通りバッタ怪人というべきか。
腰のベルトはゼロワンドライバーに似ているが、プログライズキーの使用に必要な「オーソライザー」などがなくなっており、矢印状の「ライズリベレーター」が横向きの顔のようになっている。
複眼にはアナザーWやアナザードライブのものに似た目を瞑ったようなラインが入っており、笑っているような形状の口元は変身者であるウィルのヒューマギアを笑顔にするという夢に対する皮肉ともとれる。
ボディは人間の体にバッタが張り付いているゼロワンに対してバッタを素体に人間の顔面や骨が張り付いたような見た目になっており、特に頭部は能面のようなマスクの下に複眼のようなディテールがついている。
また、背中の羽は飛電其雄の「夢に向かって飛べ」を体現しているという意見もある。
尚、アナザーライダー共通の敵勢力の要素として、上記の顔を俯瞰するとマギア共通の「4つの目」を持つデザインになっているのも特徴。
アナザーライダー共通のライダー名と年号は両太腿のアーマーにあり、右太腿にZERO-ONEのライダー名が、左太腿に2019の年号がそれぞれ刻まれている。
総じて、人工知能をテーマとしたゼロワンとは真逆のコンセプトを備えた意匠を持っているといえよう。
スペック
身長 | 206.9cm |
---|---|
体重 | 89.2kg |
パンチ力 | 8.7t |
キック力 | 50.1t |
ジャンプ力 | 一跳び61.8m |
走力 | 100mを4.1秒 |
これまでのほとんどのアナザーライダーは元となったライダーの基本フォームと身長・体重が同じであったが、アナザーゼロワンはゼロワンライジングホッパーのそれを上回り、また走力以外のパンチ力・キック力・ジャンプ力も上となっている(もっともこれはアナザー1号にも言えることであり、他のアナザーライダーはスペックが公開されていないのだが)。
能力
羽を使った風撃やバッタを模した無数のエネルギー弾らしきものを放つ攻撃、「ライジングインパクト」に相当するキックなども使用しており、オリジナルと比べても大分生々しくなっている。
また、001との戦闘では強奪したアタッシュカリバーを使い、禍々しいエネルギー刃を形成する技も披露している。
誕生による改変
誕生した12年前にはゼロワンはまだ開発段階だったためか、「力が出ない」とのセリフこそあれどゼロワンの変身能力は奪われておらず飛電ゼロワンドライバーやプログライズキーも失われていない。
力の維持が困難だったのは、アナザーライダーの存在よりも歴史改変に伴う衛星ゼアの状況の違いによるサポート状況の違いともとれる。
その不調もあってゼロワンドライバーを奪われてしまったため、或人は別のベルトを使って立ち向かうこととなる…。
歴史改変
劇中の12年前(N.E.2007)に通信衛星アークの打ち上げを成功させ、さらに飛電是之助を殺害して飛電インテリジェンスを乗っ取った事で、以下の改変が起きた。
- デイブレイクが起きず、飛電其雄が現代まで生存している。
- 「人類滅亡」を導き出した衛星アークが全世界のヒューマギアに接続したことで、ヒューマギアが人類に反逆。全世界の89%をヒューマギアが支配し、人類の総人口は26万人にまで減少。
- 福添准などTV本編で或人と面識のあった筈の人々が全員初対面になっている。
- TV本編では一切登場しなかった子供や青少年を思わせる未成年型ヒューマギアが存在する。
- ヒューマギアの護身用として滅亡迅雷フォースライザーやゼツメライザー及びゼツメライズキーが開発生産及び一般販売され、一般人のヒューマギアにも普及している。
- アークの打ち上げ成功に伴い、通信衛星ゼアが打ち上げられていない。ただし、ゼアは歴史改変が起きた事を認識できていたため、ゼアと直接リンクしていた或人とイズだけは改変の影響を受けなかった。
- A.I.M.S.のライダー2人がわずかに生き残った人類のレジスタンスとして活動している。
- 滅亡迅雷.netのライダー達が新型にアップデートしており、ヒューマギアの治安を守り人類を抹殺する役割(この歴史の滅亡迅雷はヒューマギア社会の警察兼殺し屋)を担っている。
余談
- アナザーゼロワンは正式な意味で初の令和ライダーのアナザーライダー、及び平成ライダー以外のアナザーライダーとなる。
- バッタの大群を操る点やベルトの意匠は、後に本編に登場したメタルクラスタホッパーと類似している。「アナザーライダーは力の元である仮面ライダーの歴史を反映した外見と能力を有する」設定をある種の伏線として利用したものと思われる。
- 全体的に虫の面影が強いのは、アナザーゼロワン自体が歴史の異物のような存在に近いため、コンピューター用語の「バグ(不具合)」を意識しているのだと思われる。コンピューター用語の「バグ」は、虫(bug)からの由来な為、ある種の逆の言葉遊びと言えるだろう。
関連タグ
飛電或人:現実の仮面ライダーゼロワン。
アナザー龍騎←アナザーゼロワン/???/???→アナザーディエンド
これ以降、ネタバレ注意
仮面ライダー001と仮面ライダー1型の決戦の裏で、自身は仮面ライダーバルカン・仮面ライダーバルキリーと交戦。
両者を相手に善戦するも、「ダッシュラッシングブラスト」「バレットシューティングブラスト」を同時に受けて爆散した。
だがフィーニスの真の目的は歴史改変を起こし、それを正そうと現れるジオウ=ソウゴを誘き出して彼の有する平成ライダーの力を奪取する事。
すなわちアナザーゼロワンは歴史改変の起点として生み出されただけで、それ以降の動向はどうなろうと構わない扱いだった。
改変後の世界ではヒューマギアが支配する世界の秩序を守る存在として振る舞ったアナザーゼロワン=ウィルだったが、結局はフィーニスの手駒=道具として扱われた上本来の歴史で暴走するヒューマギアを破壊して世界を守護するA.I.M.S.のライダーに倒されるという皮肉な末路を辿る事となった。
- 補足
本来アナザーゼロワンウォッチはバルカン達の攻撃では壊せないはずだが、変身者がヒューマギアであることからウィルもろとも砕け散った、もしくはウォッチは破壊されていないが、本体が跡形もなくなったことでウォッチの回収自体が不可能になってしまったのではないかと推測されている。
だが一方で、
- 幾らヒューマギアとはいえ、ゼロワンという鎧があるのにそんなすんなりと壊されるものなのか?という疑問(しかもウィルの耳には最新型のヒューマギアモジュールが付いていたことから、間違いなく1型と闘った時よりも強度は上がっている筈)
- 少しアプローチは違うが、アナザービルドは倒されても復活していたこと、アナザー響鬼はジオウⅡ、ゲイツリバイブの攻撃を受けても変身解除されなかったというタイムジャッカー無しの前例があった点(アナザーカブトもアナザーライダーとキックホッパーで使い分けていたがこれは似たような例と言える)
と言う事から、どちらも確信が持てないと言うのが現状である。とは言え、倒される際に、変身者であるウィルのボディが砕け散る描写もあり、ジオウ本編でもあるアナザーライダーの変身者がアナザーゼロワンにかなり近いケースだった為、その可能性も完全には捨てきれないだろう。
だが、仮に『ジオウ』本編序盤同様の方法で完全にウォッチが破壊された場合は『ゼロワン』の歴史も消滅してしまい、そうでなくとも『ゼロワン』の歴史への影響は未知数である為、ウォッチが残る不完全撃破の方が良かったであろう(そもそも、アナザーゼロワンの力が何処から来たのかという事自体分かっていないのだが……)。
…あとそもそもアナザーウォッチを再起動させるフィーニスがこの後倒されてしまった為、タイムジャッカーが不在の状態では条件云々の前に再生は不可能だったことも考えられる。