リク(HEROSAGA)
りく
『S.I.C. HERO SAGA MASKED RIDER KUUGA EDITION -オデッセイ-』に登場する古代人。
その正体は、2000年前の日本で暴れ回っていたグロンギ族を倒す為、変身ベルト「アークル」でクウガに変身し、これを倒していた古代のクウガの変身者である。
親はおらず、目の見えない妹・ミオがいるなど、家族構成が現代のクウガの五代雄介に似ている。
ただし、本作はあくまでS.I.C.のオリジナル設定に基づいたオリジナル作品であり、特撮番組『仮面ライダークウガ』本編に登場する古代の戦士/先代クウガとは別人である。
本作では彼の一人称視点はないので、主に彼の人物像や考えは周囲の人間や妹のミオの目線で掘り下げられている。
彼自身の人物像は、本来は争いを好まない気弱な性格であるらしく、親が早くに事故で亡くなり妹は視力を失った為に、同じリント族の村人達からはごく潰しや厄介者として冷遇されていた。
その為に、同じリント族に対する仲間意識は希薄で、彼が戦う動機はあくまで妹を守る為だけであり、気弱な性格をおして戦士になったのも少しでも妹に楽な暮らしをさせる為である(本作のリント族は、戦士という存在がクウガを生み出すまで存在せず、該当する文字も無かった原典のクウガのリント族とは根本的に異なり、元々戦士という職業が普通に存在していた)。
クウガとなる以前から戦士だった事が、クウガとなった事で戦士となった原典の先代クウガや、ひいてはクウガになる以前は一般人だった五代との最大の相違点の一つだと言える。
妹のミオの方も兄に完全に依存しながらも、自分のせいで兄に迷惑をかけているという罪悪感を常に抱えており、明らかに兄に対するものを超えた感情を抱いているような描写もある。その一方で、リント族の村人に対する同族意識等はやはり希薄で、リクがクウガに選ばれた事で村長の家で丁重に扱われるようになって以降も、村長達の事を完全に信用してはおらず、兄の帰還を待ち続けていた。
このように、この兄妹の世界は2人だけで完全に完結しており、前述通り家族構成こそ似ているものの、沢山の人々から好かれていた五代兄妹、ひいてはみんなの笑顔の為に戦っていた五代とは完全に真逆である。ある意味ダグバとはまた違うベクトルで、五代と対になるようなキャラクターだと言える。
前述通り元々リントの戦士の一人だったが、争いを嫌う気が弱い性格のせいで同じ戦士の仲間達からは馬鹿にされており(原典のリントは争いを好まない種族だったのに対し、こちらは争いを好まないリクが迫害されていた点が対照的だと言える)、前述した事情もあって同じリント族の村人達からも疎まれていた。
しかし、部族の祈祷師からクウガの変身者として選ばれ、それ以降は仲間達と共に最前線でリントの土地を侵攻しようとするグロンギと戦う(ここもグロンギの目的がゲゲルではなく、単純な侵略に変わっている)。アルティメットフォームには変身できず、当然ながら電気ショック等による現代技術で強化されたライジングフォームも持たない身でありながら、仲間が次々と殺される中でゴウラムの助けも借りて、基本の4フォームだけで大量のグロンギと真っ向から戦い倒し続けた。
しかし、リクを見出した祈祷師は実はグロンギのスパイであり、リクがクウガに選ばれた理由は彼が最も戦士に相応しくないからであった。グロンギの目的はリント族の土地とそこに眠る霊石を手に入れる事であり、その為に何年もの時間をかけて侵略の下準備を進めていたのである。リクの両親が死にミオが失明した事故も、ズ・ザイン・ダが引き起こしたものだった。
それらの事実と自分の村が襲われた事を知ったリクはミオを守るべく村に戻り、そこで待っていた最強の敵・グロンギの王たるン・ダグバ・ゼバとタイタンフォームで戦い、ダグバの馬を奪って死闘の末に遂に撃破。無事だった妹のミオと再会したところで物語は幕を下ろす。
その後、本編のようにグロンギを封印する礎になったのかは不明。ただし本編の五代や先代クウガと異なり、あくまで妹を守る為だけに戦っていた彼が妹を置いて礎になるとは考え難い。
そもそも本作では殺害を嫌ってグロンギを封印している描写などなく、普通に撃破していたようなので礎になる必要もないと思われる(当然ながら九郎ヶ岳遺跡等も一切登場しない)。