「人間は強さを求め、戦いを求める!グロンギになるのも定めだ!」
データ
身長 | 220.0cm |
---|---|
体重 | 240.0kg |
特色/力 | 念動、大爆発を伴う雷撃、リント(人間)の命を奪いグロンギ化する黒煙 |
CV | 立木文彦 |
登場話 | 『仮面ライダーディケイド』第2話『クウガの世界』、第3話『超絶』 |
概要
『仮面ライダーディケイド』に登場する怪人。
グロンギ最強の存在『ン』の称号を持つオオカミ種怪人。
ただしこちらは“究極の闇をもたらす者”ではなく、単に“究極の闇”と表記される。
『仮面ライダーディケイド』の「クウガの世界」におけるグロンギの王。超古代に灯溶山に封印され、現代まで眠りについていた。
劇中では、彼を目覚めさせるために複数体のグロンギ達が協力して『ゲギバスゲゲル(聖なるゲーム)』を行っていた(ルールは「灯溶山から等距離の五ヶ所で、戦うリントの女=女性警官を一箇所につき1人だけ、一滴の血も流させずに殺す」というもの)。
原典『仮面ライダークウガ』では私欲を満たすべく単独ゲゲルに挑んでいたグロンギ達だが、こちらでは自分たちの王であるガミオを復活させるべく複数体が協力している。また、最終的に『ン』を倒してその座に成り代わるのが目的だった原典に対し、こちらは『ン』を復活させること自体が目的であるなど、ゲゲルの構造が反転している部分が見られる。
復活した直後には「バゲゴセパレザレダ(なぜ俺は目覚めた)」「俺は二度と目覚めぬはずだった」と自身の復活を戸惑い、ディケイドに「お互いこの世界にいてはならないもののようだな」と発言するなど、自身の目覚めを望んでおらず、さらに自分が世界にとって歓迎されない存在だと自覚していたような様子も見せた。
だが目覚めた以上は自身の役目を放棄するつもりもなく、自身の能力で全人類をグロンギ化させるという、“究極の闇”をもたらすための行動を開始する。
グロンギの王として威厳を持ち、常に落ち着いて威風堂々とした振る舞いを見せる。前述した通り、自分が世界に望まれぬ存在であることを自覚しながらも、復活した以上は自身の役割を果たそうとする点も含めて、ダグバとは対照的と言える。
また、長い眠りから目覚めた直後にもかかわらず、グロンギ語から(律儀に)言い直して現代日本語を話し始めるなど、高い知性と適応力を持つことも窺える。
自らの敗北を認め、自身を倒した者に対して賞賛を送る潔さや、前述の律儀な振る舞いなどからして、(グロンギにとっては)面倒見が良く案外に人望のある王であったのかもしれない。
能力
空中浮遊能力の他、手から強力な雷撃を放つという、原典のン・ダグバ・ゼバを思わせる能力も使用する。また、やはりダグバと同様に単純な腕力も強いようで、劇中ではディケイドをパンチ一発で吹っ飛ばしていた。
だが、最も恐ろしいのは「黒い煙を全身から発生させ、その煙を吸いこんだ人間を死に至らしめグロンギとして甦らせる」能力である(テレビ朝日公式サイトによれば、人間がグロンギに変化するのは「ガミオの咆哮によって原始の血が呼び覚まされるから」とのこと)。
この能力でグロンギ化した人間は知性が感じられず、動きもゾンビのような緩慢な動きとなり、ガミオは彼らを意のままに操る事ができる。
さらに配下であるグロンギを黒煙に変えて吸収し、パワーアップする事も可能。
なお、手下のグロンギを呼び寄せる際に、本物のオオカミよろしく天に向けて遠吠えをする場面もある。
自身の手で世界全ての人間をグロンギ化させ得る能力からも、まさしく「“究極の闇”そのもの」とも解釈できる恐るべきグロンギであり、そういった意味では単に快楽目的でリント、グロンギ問わず殺害するダグバよりも危険な存在とも言える。
活躍
一足先に復活したグロンギ怪人たちにより、彼を目覚めさせるための儀式『ゲギバスゲゲル』が決行されていた。しかし、門矢士によりゲゲルが失敗(その手段が八代藍の顔面をパンチして鼻血を出させるという、端から見ればヒーローとしては大問題な行為だったため、放映当時は視聴者の間で物議を醸したが)し、復活は未然に防がれた……かに思われたが、“世界の滅びの現象”の影響で復活を果たしてしまう。
ゲゲルが失敗したにもかかわらず復活できたことを疑問に思いつつも、「目覚めたからにはリント(人間)たちに“究極の闇”をもたらさなければならない」と行動を開始。手始めに灯溶山へと赴いていた警官たちを殺害、それを止めようとしたディケイドを一蹴。街へと降り、多くの人々をその能力で殺害、グロンギ怪人たちをねずみ算式に増やしていく。
再び現れたディケイドとの最終決戦においてもその圧倒的な力で追い詰め、変身が解除された士を配下のグロンギ達に襲わせて始末しようとするが、八代に諭され戦う決意を固めた小野寺ユウスケ=クウガが救援に駆けつけ、クウガ、ディケイドの両名が揃い踏みしたことで形勢が逆転。
グロンギ怪人たちを吸収しパワーアップを図るも力及ばず、最期はファイナルフォームライドでクウガが変形したクウガゴウラムで発動したディケイドの必殺技「ディケイドアサルト」を受け、「リントよ……闇が、晴れるぞ……」と言い残し爆散した。
余談
殺された人間が変化したグロンギは以下の通り。
ラ・ドルド・グ
メ・ガドラ・ダ
メ・ギャリド・ギ
ズ・グムン・バ
ゴ・ベミウ・ギ
メ・ビラン・ギ
ゴ・ジャーザ・ギ
ズ・ザイン・ダ
ズ・メビオ・ダ
メ・ガルメ・レ
人間からグロンギに変化させられた為か、彼らにはゲドルードの存在は確認できない。
演じた立木氏は原典『仮面ライダークウガ』のナレーションを担当している他、『仮面ライダー剣』のキングラウザー、次回作にて変身アイテムの音声を担当している(何の因果か、人間が怪人に変身する為のアイテムでもある)。
「仮面ライダークウガ」本編
初出は仮面ライダーディケイドであるが、元々は諸事情でお蔵入りになった劇場版に登場するはずだった怪人で、その伏線として『仮面ライダークウガ』EPISODE48「空我」において一条がラ・バルバ・デに突き付けた皮紙に、彼の存在を示す赤いオオカミの文様が描かれていた。
そのため、赤いオオカミというデザインの方向性や名前は劇場版の構想時点からあったことが明かされている(ディケイドに登場させる際、10年も経っていたにもかかわらず、デザイナーが名前と赤いオオカミというデザインのことを覚えていたため、スタッフが驚いたというエピソードがある)。
後に髙寺成紀プロデューサーは、自身のツイッターアカウントにて、
「古代に日本からロシアを経て、アラスカにまで渡ってリントを狩っていたグロンギ達がいた」
「氷壁に閉じ込められ眠りについた彼らが、現代に目覚める……というのが、劇場版のストーリー構想にあった」と語っている。
このアラスカのグロンギ達のリーダーが、ガミオと同じオオカミ型のグロンギであったとのこと。
また、彼の言った「俺は二度と目覚めぬはずだった」という台詞に関して、一部のファンからは劇場版が頓挫して登場する機会を失ったことに対する皮肉ではないかと言われている。『ディケイド』自体がメタ的な構造を強く持つ作品であることを考えると、この解釈には一定の説得力がある。
また、さらにコアなファンの間では、『仮面ライダークウガ 特別篇』に収録された楽屋ネタ満載のギャグ短編『EPISODE 50 乙彼』の予告で発せられた一条の「東京に未確認が300!?」というセリフが、ガミオの能力のことだったのかも知れないと噂されていたとか。
ン・ダグバ・ゼバとの関係
劇中でグロンギの王という扱いを受けていたことから、一部のファンの間では「ダグバより前の王だったのではないか?」と囁かれている。
また、ゲゲルの管理を行う「ラ集団」や、グロンギの頂点に立つ存在=ダグバのタトゥーが額にあるのに対し、ガミオは正面の首にある事から、「もう一人のグロンギの支配者ではなく、惜しくも『ン』になれなかったゴ集団最強クラスのプレイヤーだったのでは」とも言われているが、どちらも憶測の域を出ない話であり詳細は不明。
派生作品
『レッツゴー仮面ライダー』ではショッカーによりすべての悪の組織で同盟が組まれ、ガミオもグロンギの王として円卓会議に参列。終盤の処刑広場の決戦でも仮面ライダー達と戦った。ちなみに市民が暴動を起こした場面では、リントを襲う恰好のタイミングであるにもかかわらず、勢いに押されたのか市民を襲うことがなかった。
『スーパーヒーロー大戦GP』でもショッカーが世界を征服してしまったためショッカーの軍門に降り、幹部の座に着いた。
最後は剣崎一真/仮面ライダーブレイドと橘朔也/仮面ライダーギャレンのダブルライダーキックを受け、マシーン大元帥と共に吹き飛んだ(これは同じ狼怪人であるウルフアンデッドのオマージュ。ウルフアンデッドも『剣』本編にて、ブレイドとギャレンのダブルライダーキックで撃破されている)。
ガミオが客演した作品はどちらも「歴史改変」が起こっており、ダグバではなく彼が登場した事で、同作の「歴史改変された本来ありえなかった世界」を地味に強調する演出となっている。
また、どちらの作品でもショッカーに所属しているが、これはショッカーの初代大幹部であるゾル大佐の怪人態である黄金狼男のオマージュだと考えられる。
関連イラスト
関連タグ
仮面ライダーディケイド ライダー怪人 グロンギ グロンギ語 クウガの世界 究極の闇 狼
ン・ダグバ・ゼバ:原典におけるラスボス。
平成ライダーテレビ本編最初の怪人
ホースファンガイア → ン・ガミオ・ゼダ → マグマ・ドーパント
9つの世界のラスボス
ン・ガミオ・ゼダ → ビートルファンガイア