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ゴ・ブウロ・グ

ごぶうろぐ

ゴ・ブウロ・グとは、特撮テレビドラマ『仮面ライダークウガ』に登場する敵怪人の一体。未確認生命体第37号とも。
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「ギヅザジラス?パ ゲリザギバスゲゲル(ゲリザギバスゲゲルはいつ始まる?)」

「これを読み終える頃には元に戻る」

「ベルスグギギ クウガ(眠るがいい クウガ)」


データ編集

身長207.0cm
体重168.0kg
主な犯行現場足立区、荒川区、板橋区、江戸川区他
死亡場所台東区柳橋
特色/飛行能力、吹き矢による狙撃
呼称未確認生命体第37号
人間態/CV高尾晃市
登場話数EPISODE 23「不安」、EPISODE 25「彷徨」、EPISODE 26「自分」

概要編集

未確認生命体グロンギ)のうち、ゴ集団に属するフクロウ種の怪人。警察からは未確認生命体第37号と呼称されている。

メ集団の全滅と、それに伴ってゲリザギバスゲゲルが開始された際、そのファーストプレイヤーとして行動を開始した。


怪人態は嘴状の口元と、顎髭のような部位が目立つ容貌の持ち主で、その背にはモチーフの特性を反映するかのように巨大な一対の翼を生やしているのが特徴。人間態は丸型サングラスをかけた、黒尽くめの出で立ちの青年の姿を取っており、人間文学に興味を示すなどグロンギの中でも知的かつ落ち着いた性格の持ち主でもある。作中でもフランスの小説家であるアルベール・カミュの全集を、ゲゲルの合間に読み耽るという挙動に及んでもいる。

とはいえそこはやはりグロンギなだけあって、ゲゲルの際には自らが仕留めた対象が次々斃れていく様を、高所より見届けては満足気に薄笑いを浮かべるなど、やはり残虐性は他の同族達と負けず劣らずなところがある。また、相手の特性を見抜いてその先を行く形で攻撃を仕掛けてみせたり、翼に封印エネルギーを受けた際にはこれがゲドルード(バックル)にまで及ぶ前に、自ら翼をもぎ取って危険を回避するなど、その判断力や胆力の高さにも瞠目すべきものがある。放送当時刊行された『仮面ライダークウガ超全集 下巻』でも、「グロンギの中でも高い知能を誇る」(p47より)と紹介されている。


能力編集

身体に備わった翼や翅で自在に飛行するグロンギはこれまでにも複数存在したものの、ブウロの場合はこれら同族とは比較にならないレベルの飛行能力を発揮しており、昼間でも300km/hで自在に超高々度を飛行し、その動きはヘリコプターですら追尾が困難なほどである。

さらにフクロウというモチーフの特性に合わせ、その羽音も非常に小さいものであるため、過去に空を飛ぶグロンギに対して有効であった「超音波感知装置」での位置特定も不可能となっている。


この卓越した飛行能力を活かし、胸の装飾品を変化させた吹き矢筒を使った正確無比な狙撃を得意としており、その際の弾としては体内で生成されたペリット(鳥類が排出する未消化物)を針状に変化させたものが用いられる。

その射撃精度たるや、単に標的を正確に射止めるだけに留まらず、「弾を寸分の狂いもなく心臓の表面で停止させ、心筋梗塞を引き起こさせて殺す」という常軌を逸したレベルにまで達しており、さらに威力を巧みに調整することで、ゲゲルの際には標的を痛みも目立った外傷もなく殺害してみせたと思えば、クウガとの戦闘では射抜かれた際に血が飛び散るほどの凄まじい弾速を叩き出してみせてもいる。

さらには、そうした高精度・高威力の射撃をタイムラグなしに短時間に連続して行えるという点でも、より脅威の度合いが増した格好となっており、これらの特性は同様の能力を行使していたメ・バヂス・バの上位互換と言っても差し支えはない。


このようにテクニカルな側面の目立つブウロであるが、耐久性や回復力もそれまでのグロンギ達とは比較にならないレベルであり、前述の通り翼をもぎ取って自ら墜落した際にも、数百メートルもの高度から地上に叩きつけられても殆ど無傷、しかもほんの1時間あまりでもぎ取った翼さえ再生し元通り飛行できるようになるほどである。


作中での動向編集

初出であるEPISODE 23では、ゴ集団への昇格を賭けたメ・ガリマ・バのゲゲルの様子を密かに見届けており、「バババ・バグシパギギ(中々筋はいい)」とガリマを評するラ・ドルド・グに対し、それを鵜呑みにせずに見定める冷静さも窺わせていた。


そのガリマが斃れた後、ゲリザギバスゲゲルが開始されたのに伴いゴ集団のグロンギ達が結集する中、作中における2000年7月19日に開始されたブウロのゲゲルは、東京23区の上空を50音順に移動し、各地区の人間を9人ずつ殺す」というものであった。期間と目標人数にまでは言及されていないものの、後者については最終的に207人に上るものと見られている。

前述した超高々度からの精密射撃に加え、効率を重視する形で橋の上など通行人が密集した場所を狙うことで、わずか5時間で126人もの犠牲者が発生。即ちこの時点で既に23区のうち過半を超えた14の区において、ブウロのゲゲルによる被害が発生していたことになる。


警察も当初はその動きを把握しかねていたものの、同日の01:24p.m.過ぎに新宿方面に向かっているところを捕捉し、これを撃墜すべく行動を開始。前述の通りヘリコプターでは対抗が困難なため、クウガが高層ビルの上からペガサスフォームに超変身した上で上空のブウロを撃ち抜く、という作戦が展開されることとなる。

・・・のだが、ブウロの方も相手の手の内は読んでいたらしく、ヘリに乗っていた一条薫がビルの屋上へと上がってきたクウガに拳銃を投げ渡そうとしたところでこれを狙撃、ドアによって直接の被弾こそ免れたとはいえ、拳銃を取り落とさせることで受け渡しを阻むと、さらにこれを拾い上げようとするクウガに対しても、超変身の暇も与えぬ射撃を次々見舞ってみせた。

それでも何とか、隙を突いてペガサスフォームに超変身したクウガであったが、ここでさらにライジングパワーが発現したことで、一瞬生じたラグを狙ったブウロの射撃がクウガを直撃。左上腕を撃ち抜かれる格好となったクウガに多大なダメージを与えることに成功するが、対するクウガも苦し紛れに反撃のライジングブラストペガサスを放ったことで、そのうちの一発が左翼に被弾してしまう。身の危険を感じ取ったブウロは、已む無くその翼をもぎ取って難を逃れ、初戦は痛み分けという結果に終わったのである。


その後の落下地点の検証でも、落下時に押し潰されたであろう自動車こそ確認されながらも、死体はおろか体組織片すら発見されず、さらに現場からそのまま歩いて立ち去るブウロの姿を目撃したとの証言から、警察もブウロがまだ生存しているだろうと推測していたが・・・果たしてその推測通り、アジトへ戻ったブウロは傷が癒えるまでの間、痛がる素振りも見せず平然とカミュ全集の『ペスト』を読みながら傷を癒やすという、余裕そのものな様子を見せていた。

その言葉通り、『ペスト』を1時間あまりで読了し翼を再生させたブウロは、04:00p.m.頃に活動を再開。しかしその動きは程なく警察にも知れることとなり、台東区にまで進んだところでとある事情からその近辺にいた、五代=クウガとの再戦を余儀なくされてしまう。柳橋付近でクウガの姿を捉え、これを狙撃したブウロであったが今度は全弾かわされた上、即座にライジングペガサスに変身したことで初戦のように隙を突いて撃ち抜く暇も与えられぬまま、逆に必殺のライジングブラストペガサスをその身に3発も撃ち込まれ、地上への落下を待たず空中で大爆発した。


こうしてゴ集団による最初のゲゲルは失敗に終わったものの、ガリマなどこれまでのグロンギとは異なる行動の法則性を、この事件において警察は最後まで突き止めるには至らなかった。この法則の解明は、次のプレイヤーとなったベミウによる事件発生時まで、しばし持ち越されることとなる。


HEROES版『仮面ライダークウガ編集


「……僕のゲゲルは スマートに行くよ」


同作では人間態・怪人態共に、TVシリーズから大幅なアレンジがなされている。

前者はパイプを燻らせている民族衣装風の服装の青年で、その容貌も鷲鼻や十字型の瞳孔を持つ眼などが強調され、言動と併せて不気味な印象を感じさせるものとなっている。後者はマスクがフクロウの頭と頭蓋骨を合わせたようなデザインとされ、両翼は普段は体内に収納され、必要に応じて展開されるようになった。

節の冒頭に示した台詞からも窺えるように、「スマート」をモットー兼口癖としている。

戦闘スタイルも、TVシリーズと異なり近接での格闘を主体としており、またパイプから出た煙を操る能力を駆使し、これ固形化させて囲いを作ったり、人を模した分身(フェイク)を作ることができる。

TVシリーズと同様に生命力も非常に高く、身体の半分をえぐり取られようが、手足を切断されようが瞬時に再生可能という、本人曰く「全グロンギの中でもトップクラス」なすさまじい再生能力を持つ。


作中ではゴ・ジイノ・ダの次のプレイヤーとして指名されるが、その矢先に消耗していたラ・バルバ・デが行動不能となり、ゲゲルの開始が不可能になってしまう。

そのためブウロはまずドルドに会いに行き、バルバの復活に必要な「次代のバルバ」の情報を得た後、発見に成功する。そしてバルバの復活後、満を持して開始したザギバスゲゲルは、「円」及び「円周率」をモチーフにしたものであった。


第70話にて公園で子供たちを襲っていた所、実戦投入された仮面ライダーG3と遭遇、GG-02の砲撃を受けて風穴が開くも、即座に自己再生させて怪人体に変身する。とはいえ未知の敵相手で思ったように力が出せないのか、G3相手には防戦一方で、不利と見るやいなや上空に撤退した。

その後、警察とクウガの共同作戦によって誘き出され、クウガをその再生能力で圧倒するも、その場に一条薫がG3を装備した状態で乱入。二人の連携に圧され、G3の乱入によってゲゲルの条件が満たせない状態になった事もあり逃走を選ぶが、ブウロを逃がすまいとクウガがライジングドラゴンに変身。そのジャンプ力により逃走先に先回りされた後、再生能力以上の速度で正中線上にライジングスプラッシュドラゴンの連打を受け、体を両断された上で首を刎ねられるという大ダメージを負う。

それでもなお生きており、背後からクウガに奇襲を掛けようとするも、はるかが変身したアギトが乱入し奇襲を阻止、最期の足掻きも無意味なものとなった。


「……が……がが……」

「……再生が……間に合わ―」


その他編集

仮面ライダーディケイド

ン・ガミオ・ゼダが発生させた黒い霧で人間がグロンギになった姿。

同じく第3話に登場したラ・ドルド・グ同様に翼がオミットされているのが特徴。


備考編集

当初は頭に羽を生やした女性怪人が想定されていたが、プロデューサーの髙寺成紀の指示で変更となったという経緯を持つ。

また髙寺は、フクロウモチーフの怪人がペガサスフォームの対戦相手の案の一つとして挙がった際、フクロウ男(『仮面ライダー』)の頭がデカく丸々していたがために強そうに見えなかったことを思い出し、カチューシャで鋭角的な要素を作ると同時に全体を小顔に見せようとした旨を、後に述懐している。顎髭のような部位については、(フクロウが)足の指で枝を握っている感じも表現しているという(参考リンク)。

飛行時に羽ばたかせている背中の両翼については、助監督として本作に携わっていた鈴村展弘が、鳥のビデオを見て動きを研究した上で、自ら動きを付けたものであると語っている。合成部からの評判も良かったとのことで、以降のシリーズ作品でもクロウロード(『仮面ライダーアギト』)やクレインオルフェノク(『仮面ライダー555』)に、この翼の合成素材が用いられている(参考リンク)。


ブウロのゲゲルが描かれたEPISODE 25・26では、グロンギ達のアジトとして多数のライトが特徴的な空間が登場しているが、これは東映東京撮影所内に設けられたセットを使用しており、所内でもやや大きめのステージに撮影所中の照明をかき集めてセットを組むことで、シナリオにて指定されていた「アーティスティックな空間」を表現している(参考リンク)。

また、クウガとの初戦の後にブウロが落下・破壊した自動車は、シナリオの初期稿では「車の真下の路面が陥没」と表現されていたものの、制作担当の沼尾和典からのクレームを経て代案を探った末に、自動車のみが破壊されるという表現に落ち着いている(参考リンク)。この自動車は撮影所内で燃やした上で、さらに鉄球で上から凹ませた後に現場へと運んだことを、一連の作業に携わった鈴村が後に証言している(参考リンク)。


関連タグ編集

仮面ライダークウガ

怪人 ライダー怪人

未確認生命体 グロンギ グロンギ語

ゴ集団 ゲリザギバスゲゲル フクロウ

 

狙撃手 インテリ

ジュナイパー:『ポケットモンスター』シリーズに登場するポケモンの一体。ブウロと同様にフクロウをモチーフとし、射撃に長けたキャラクターという点でも共通項を有する


未確認生命体第○号

メ・ガリマ・バ(36号) → ゴ・ブウロ・グ(37号) → ゴ・ベミウ・ギ(38号)


外部リンク編集

Web archive「仮面ライダークウガ」公式サイト kuuga dimension GURONGI


ゴ・ブウロ・グ | 仮面ライダー図鑑 | 東映


ゴ・ブウロ・グ人間体 | 仮面ライダー図鑑 | 東映

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