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ゴ・ザザル・バ

ござざるば

ゴ・ザザル・バとは、特撮テレビドラマ『仮面ライダークウガ』に登場する敵怪人の一体。未確認生命体第43号とも。
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「なめんじゃねぇよ!」


「ガダギパ ゴ・ザザル・バ バレズドドバググ!!(アタシはゴ・ザザル・バ。舐めると溶かすぜ!!)」


データ編集

身長187.0cm
体重168.0kg
主な犯行現場千代田区神田神保町→四ツ谷→新宿、豊島区池袋他
死亡場所地下鉄大江戸線地下施設
特色/強酸性の体液、イヤリングを変化させたカギ爪状の武器
呼称未確認生命体第43号
人間態/CV朝倉ちあき
スーツアクター蜂須賀昭二
登場話数EPISODE 28「解明」~EPISODE 39「強魔」

概要編集

未確認生命体グロンギ)のうち、ゴ集団に属するサソリ種の怪人。警察からは未確認生命体第43号と呼称されている。


若者グロンギコンビ

作中に登場するグロンギの中でも数少ない女性の個体の一人でもあり、サソリの尾を思わせる辮髪が特徴の怪人態と、イングリッシュパンク系のファッションに身を固めた不良風の人間態(上記イラスト手前の女性)の、2つの姿を備えている。

気怠げかつ退廃的な雰囲気を漂わせており、他のプレイヤーのゲゲルに対してもどちらかと言えば無関心とも取れる反応を見せることが多いが、一方では短気でキレやすい毒舌家としての側面も持ち合わせており、気に入らないことがあったり他者から侮られるような態度を取られた際などに、そうした面が表出することもしばしばである。

同じゴ集団に属するガメゴジャラジとは仲が良かったようで、作中でも円形トランプポーカーに興じていたり、ガメゴのゲゲルの際にはこれをアシストするような行動を取ったこともある。また、ザザルが所持する派手な柄の扇子は、元はジャラジが所有していたものでもあり、バダーのゲゲルを巡る会話の中で彼から取り上げて以来、そのまま持ち歩くようになったという経緯がある。


裏で並行して別の一件が進展していたという事情もあるとはいえ、実に4話分をかけてゲゲルの様子が描かれており、後述するゲゲルなども含めて紛れもない強敵・難敵の一人として描かれている。


能力編集

GO・ZAZAL・BA

クウガが放った必殺技の連撃を気合のみで無効化せしめるなど、耐久性については高い方ではあるものの、それを除けば身体能力的には他のゴ集団の面々と比較しても、そこまで秀でたものがある訳ではない。

が、ザザルの本領は彼女特有の「体質」を活かした、極めて危険な戦法にこそあると言える。その体質とは、「体内に強酸性の体液が流れている」というもの。王水をも凌ぐ強い腐食性を示すこの体液は、金属や石など付着した物体をことごとく溶解するほどの危険性を備えており、人間に至っては触れたが最後体組織の殆どが、原型を留めないレベルで溶けてしまう始末である。加えて、その体液が気化した白いガスもまた、同様に人体に悪影響を及ぼす(最初の被害者のほか、駆けつけた救急隊員が犠牲になっており、このガスを吸ったが故と思われる)ことが言明されている。

ザザルはこの体液を、イヤリングをモーフィングパワーで変化させた鉤爪付きの手甲へと伝わらせ、爪全体に強酸を帯びさせることでその破壊力を大幅に増しており、単に斬りかかったり突き刺したりだけでなく、手首のスナップを効かせて体液を飛ばすことで離れたところにまでこれを撒き散らすこともできる。


このような危険極まる物質が体内に大量に流れている上、前述の通り気化したガスすら同レベルで危険であることから、下手な撃破の仕方では体液やガスが爆発とともに広範に飛散、辺り一帯に甚大な被害を引き起こしてしまう可能性があるのも、ザザルの難敵たる所以の一つと言える。



作中での動向編集

ゴ集団の他の面々とともに招集され、前述の通りジャラジやガメゴとつるむなど、長らく自らの番を待つ格好となっていたザザルであったが、一方でジャラジがゲゲルに臨む最中、格下そのものなゴオマとにわかに諍いを起こしてもおり、これが彼女のゲゲルと並行して起こったある事件へと繋がることとなる。

そのような状況下で、作中における2000年9月27日にゴ集団7番目のプレイヤーとして、ザザルもまたゲゲルに挑戦するに至った。目標人数・期間こそ不明であるが、自らの手指の爪に塗ったマニキュアの色に合わせ、それに合致するカラーリングのタクシーへと乗車、ドライバーを次々強酸の体液で殺害するという手口で犯行を重ねていった。

が、ザザルによるゲゲルは早い段階から様々な障害にぶち当たることとなる。その端緒となったのが、先に諍いを起こしていたゴオマの乱入であり、ザザルも預かり知らぬところで謎の強化を遂げていたゴオマから、バルバの居場所を教えるよう強要されたザザルは怒りも露わにこれに応戦。さらにこの両者の戦いに現着したクウガまでも割って入るという三つ巴の構図が展開されるのだが・・・ザザルはあくまでもゲゲルを優先すべく、ゴオマの矛先がクウガに向いた隙にその場を後にしたのであった。



標的そのものに留まらず、周囲にまで深刻な被害をもたらす強酸を武器とするグロンギであることから、警察も科警研に中和弾の開発を依頼するとともに、比較的安全な形で撃破可能な追い込みポイントの選定に迫られるなど、飛散する毒液による二次被害の対策に頭を悩まされる格好となった。さらに言えば、一連の犯行における被害者の共通点が「タクシーの運転手」のみで、その明確な法則性を未だ突き止めるまでには至らずにいたのも、警察にとっては悩みのタネであった。そのため警察が取れる対応も、この時点ではタクシー乗り場付近の警戒と、各タクシー会社への注意呼びかけを徹底するぐらいしかなかった。

とは言えこの呼びかけの効果もあって、タクシー会社も軒並み営業自粛に乗り出したことは、標的を見付けられなくなりつつあったザザルを大いに苛立たせることにも繋がった。ドルドからもベミウのゲゲルを引き合いに出される形で、リント(人間)の知恵を侮らぬよう忠告されるのだが、


「一緒にしないでよね。あたしには次の手があんの」


と強気に反論、まだ何らかの対策があることを匂わせていた。

果たしてその言葉通り、同日午後に入ってから練馬区内のビルのエレベーター、さらに同区内を運行中であった都バスにて、同様の犯行が立て続けに発生。法則性の解明に乗り出していた五代桜井も、タクシーから一転してのこの標的の変化には当惑を禁じ得ず、例によって被害者にも共通点が殆ど見当たらなかったことから、再び捜査も暗礁に乗り上げる・・・かに思われた。

しかしここで、直前の桜井の会話の中で彼が示した手帳の内容(※1)から、五代は一連の事件の法則性についての、ある一つの推論に辿り着くこととなる。その推論とは、「標的が「人を乗せて動く箱」であり、なおかつ「特定の色の順番(※2)」通りにそれを狙っている」というものであった。目標を単にタクシーのみに絞らず、前述した緩い括りの範疇であればエレベーターなどへも、柔軟に標的を切り替えることができるという・・・これこそがザザルが豪語していた「次の手」だったのである。

これまでに襲われたタクシーが10色で一巡していたこと、そしてこれまでの被害がタクシー18台にエレベーターとバス各1台、さらにその後にも3件の被害が報告されていたことから、五代達は次に標的にされるのがこの付近にあるオレンジ色の動く箱――即ち中央線の電車(※3)ではないかと睨み、警察もJRに働きかける形で中央線を全線ストップさせるという対応に打って出た。



その予測通り、次の標的として狙っていた中央線が軒並み運行を見合わせ、またしてもリントに先を読まれる格好となったザザルはさらに苛立ちを募らせることとなる一方、警察は既に追い込みポイントの確保と中和剤の完成に漕ぎ着けており、さらに武蔵野線や八高線など他の「オレンジ色の動く箱」の運転中止や、目撃情報からのザザルの容姿や潜伏先の割り出しなどを通して、後は彼女を捕捉し撃破するのみという段階にまで至っていた。

そして04:00p.m.頃、三鷹市内にて警官隊による捕捉を受けたザザルは、これに応戦しさらなる被害を発生させるも、程なくして五代も現着しクウガへと変身。動く箱を探していたのか操車場を舞台に両者による再戦が展開されることとなる。鉤爪を振るい体液を飛ばして攻撃してくるザザルに対し、クウガはドラゴンフォームの機動力を活かして巧みにこれを回避、隙を突いてのスプラッシュドラゴンで手甲を弾き飛ばし、さらに桜井の指揮する狙撃隊によって中和剤が撃ち込まれたことで、体液という最大の武器をほぼ無効化されてしまう。

間髪を容れずに繰り出された強化マイティキックをも気合で受け切るなど、なおも意地を示したザザルであったがそれもここまでであり、ビートゴウラムによって追い込みポイントに指定された地下施設へと移送されると、反撃の余地も与えられぬままライジングペガサスによる連射をモロに受けるだけに留まらず、あろうことか目の前でクウガが踵を返してその場から立ち去るという、ザザルにとっては酷く屈辱的な仕打ちを受けることとなった。


「ギブロンバ!・・・バレンジャベゲ!・・・ギブロンバ!」(死ぬもんか・・・舐めんじゃねぇ・・・死ぬもんか!)


走り去るクウガの背中へと、怒りの言葉を投げつけるもそれが相手に届くことはなく、先の攻撃で受けた封印エネルギーによりザザルは爆発四散。一方のクウガは辛うじて地上への脱出に成功し、地下施設内で起こった爆発の余波も何とか抑え込まれる結果となった。

ともあれザザルを撃破したクウガは、並行して発生していたゴオマによる連続殺人に対応すべく、先行していた一条と合流しゴオマの移動先である茨城方面へと急行するのだが・・・そこで待ち受けていたのは彼等の想像を絶する事態だったのである。


(※1 内容自体はこの事件とは直接関係のない、これまでのクウガの戦いの記録であるのだが、「クウガがどの色でグロンギを倒したか」を色つきシールで手帳に控えていたことが、五代にもこの事件が「色」と関係があるのではないかという着想を得るきっかけとなったのである)

(※2 より具体的に説明すると、ザザルが手の爪に塗ったマニキュアのうち、左手は親指から「白地に青いライン」・「緑地に黄色のライン」・「黄色」・「オレンジ」・「黒」、そして右手はやはり親指から「赤」・「水色」・「青」・「銀」・「黄緑」の順番で塗り分けられている。ザザルは左手の親指から小指、次いで右手の親指から小指の順に、対応する色の「動く箱」を標的としていた)

(※3 少なくとも1巡しないと法則性は発見できないが、タクシーでのゲゲルが単純すぎることから見破られることは想定済みであり、最終的に大量のリントをゲゲル対象とできる電車が本来のターゲットではないかとも思われる。なお、首都圏の電車で白地に青ラインは小田急、緑地に黄色は江ノ電、黄色は総武線か南武線、オレンジは中央線、赤は京葉線、水色は京浜東北線、青は東西線か都営三田線、銀は日比谷線、黄緑は山手線等で黒以外はターゲットにすることができた。)


備考編集

デザインは石森プロの飯田浩司が担当。衣装は「ゴ・ジイノ・ダの女性版」を意識してデザインされている。プロデューサーの髙寺成紀は、さそり男以降に登場するサソリモチーフの怪人達がいずれも尾を髷風にしているケースが多いことから、それ以外の手法を模索し尾を辮髪と装飾で表現したことを、後年明らかにしている。また頭頂部の装飾はサソリの胴体、そこから顎までの部分は鋏をそれぞれ表しており、段々になった口元は体節をイメージしているという(参考リンク1)。


前述の通り、ゲゲルが思うように進まなくなった際、ドルドからリントも無能ではない、ベミウは奴らの知恵に負けた」と忠告されたのに対し「一緒にしないでよね」と返しているが、この反応からファンの間ではベミウとの関係は険悪、もしくは何らかの対抗意識を抱いていたのではないかと見る向きも根強く残されている。もっとも、作中において彼女との直接の絡みは確認されていないことから単純にゲゲルの敗北者として扱っていただけではないかもしれない点にも留意すべき必要はある。


演者の朝倉は、本作以降もHERO730(※)ファミリーの一員として舞台を中心に活躍しており、一時的な休業を経て2021年現在では本名である「佐藤千秋」名義で、フリーでモデル・日本語教師として韓国に滞在している。


作中で被害に遭ったタクシーは、椅子などを溶かす都合上いずれも中古車が使用されており、ザザルのネイルの色もそれに合わせる形とされている。強酸性の体液で溶けた椅子の演出については穴を開けた後にシートの部分を焼き、水とローションで体液を、四塩化チタンという薬品で立ち上る煙をそれぞれ表現している(参考リンク2参考リンク3)。

また、EPISODE38にて被害にあったビルのエレベーターは、作中では練馬区内とテロップ表記がなされているが、実際にはなんと銀座にある東映本社のエレベーターが撮影に使用されている。流石にこの時乗り合わせた乗客達は東映の社員ではなく、エキストラが担当していることを、後に助監督の鈴村展弘が証言している(参考リンク4)。


(※ 2002年に、特撮ヒーロー作品をきっかけにブレイクした若手俳優達によって2年(730日)限定で結成されたユニット。本作からは朝倉以外にも、ダグバ役の浦井健治がメンバーとして参加していた)


関連イラスト編集

11/30 ワンドロ ゴ・ザザル・バセンシティブな作品


関連タグ編集

仮面ライダークウガ

特撮 怪人 女怪人 ライダー怪人

未確認生命体 グロンギ グロンギ語

ゴ集団 ゲリザギバスゲゲル サソリ 


未確認生命体第○号

ゴ・ジャラジ・ダ(42号) → ゴ・ザザル・バ(43号) → ゴ・ジャーザ・ギ(44号)


本編最後の一般怪人

ヘルガデムゴ・ザザル・バヘッジホッグロード


外部リンク編集

Web archive「仮面ライダークウガ」公式サイト kuuga dimension GURONGI


ゴ・ザザル・バ 仮面ライダー図鑑


ゴ・ザザル・バ人間体 仮面ライダー図鑑

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