「ジョブビダバ ゴセンゲゲルン ランババビ(よく来たな、俺のゲームの真ん中に)」
「ゴセビガダスドパ グンボパスギジャヅザ(俺に当たるとは、運の悪いヤツだ)」
「ボンバボグガスビ ボドダンリント(リントの言葉に、こんなのがある)
Que sera sera(なるようになる)」
データ
身長 | 214.0cm |
---|---|
体重 | 268.0kg |
主な犯行現場 | 墨田区亀戸(※)、新宿区他 |
死亡場所 | 東京郊外 |
特色/力 | 怪力、鎖鉄球による攻撃、高い防御力 |
呼称 | 未確認生命体第39号 |
人間態/CV | 酒井一圭 |
登場話数 | EPISODE 25「彷徨」〜EPISODE 30「運命」 |
(※ 作中のテロップより。実際の亀戸は江東区に属しており、放送当時の番組公式サイトでも後に訂正文が掲載されている(参考リンク))
概要
未確認生命体(グロンギ)のうち、ゴ集団に属するカメ種の怪人。警察からは未確認生命体第39号と呼称されている。
怪人態は他の同族と比較しても際立って大柄かつ屈強な体躯の持ち主で、襟巻きのように巻かれた首元の布や、鎖で繋がれた胸の六角形の装身具などが特徴。この鎖は背面の甲羅状の装身具とも繋がれている。
人間態は、ダブルのスーツやボルサリーノハットを着こなすギャンブラー風の男性で、怪人態の屈強さとは対照的にやや細身な印象を与える出で立ちとなっている。
そのなりに違わず、現代社会においてはギャンブルに興味を示し、アジトとしていた高層ビルのカジノでゴ集団の他のメンバー達とポーカーに興じたり、自身のゲゲルにおいてもギャンブルの要素を取り入れたりもしている。そうした気質ゆえに、記事冒頭に示した台詞などのように運やゲームにまつわる語句を会話の端々に織り交ぜることも多い。
また前述の通りゴ・ジャラジ・ダやゴ・ザザル・バとつるんでいた他、ゴ・バダー・バもガメゴのゲゲルの進行状況を気にかける様子が描かれていたりと、集団内において比較的他のメンバーとの関係性が良好であることが窺える。
能力
モチーフであるカメの特性が反映されたかのような、異常なまでの防御力を備えており、高層ビルの屋上から転落、地上に叩きつけられても傷一つつかないほどである。作中では落下後に気絶したフリをして、クウガを騙し討つ余裕すら見せている。
背中は言うに及ばず胸や腹の側の強度も相当なもので、並大抵の攻撃では弾かれるか受け止められるのが関の山である。
得物として、両手の五指にはめられている指輪を変化させた鎖付きの鉄球を用い、その体躯を活かして凄まじい勢いで敵に投げつけたり、鎖によって締め上げたりといった戦法を得意とする。
その威力たるや、ゲゲルの際には十数km先にある器物を軽々破壊せしめ、クウガとの戦闘においてもタイタンフォームの強固な生体鎧の耐久性すら無視して、多大なダメージを与えてみせてもいる。
作中での動向
バルバによってゴ集団の他のメンバー達と共に招集された後、ゴ・ベミウ・ギのゲゲルの際にはラ・ドルド・グと共にこれを遠巻きに見守り、クウガの新たな力に対しても「ザグ ゴビドデデパロンザ ギゼパバギ(だがゴにとっては問題ではない)」と、間近に迫りつつあった自らのゲゲルを前に余裕そのものな様子を見せていた。
ガメゴがゴ集団の3番目のプレイヤーとしてゲゲルに臨んだのは、作中における2000年8月21日のことである。そのルールとして提示されたのは「ルーレットで出た色と数字を元に目標の地点を指定し、そこに高層ビルの屋上から54個の鉄球を次々投擲し、標的を圧死させる」というもの。期間は72時間、目標人数は567人。
このルールに則り、ガメゴはジャラジやザザルの協力も借りつつ、「ルーレットの数字と同じ地図帳のページ」から目標の地点を割り出しつつゲゲルを進行。場所によっては範囲が狭くなるなどのハンデが生じるルールであるようだが、それでも監視役のドルドの台詞からはそこそこ高い命中率(※1)であることが示唆されており、単に力技なだけでないガメゴの技量の高さが窺える。
それゆえに当然、次々発生する被害も人的・物的問わず極めて甚大であったが、一方で特定の地点を狙うという都合上、被害状況が概ね同一直線上になるため、これと目撃者証言との合わせ技で警察にアジトを特定され、クウガの妨害を受ける結果となった。
しかしドラゴンフォームは勿論、タイタンフォーム相手にも鎖鉄球による猛烈な打撃を次々浴びせて大ダメージを負わせ、さらにライジングタイタンに変身したクウガによって、腹にライジングカラミティタイタンをモロに喰らいながらもこれを完全に耐えきった上に、刺さっていた切っ先を引き抜いてさらなる追撃を食らわせるという、規格外の耐久性をまざまざと示してみせたのであった。
もっとも流石に無傷という訳には行かず、打ちのめされたクウガ(※2)に「ヅギパゾ バンギソゼ ボギ(次は他の色で来い)」との言を残してその場から立ち去っている。その逃走の過程で、たまたま通りがかりの蝶野にぶつかって気絶させており、これが後に一悶着を引き起こすこととなるのだが・・・それはまた別の話である。
ともあれ、西新宿に場を移し傷を癒やしていたガメゴは、ジャラジやザザルとポーカーに興じるなど相変わらずの余裕ぶりを示していたが、その間警察の現場検証により、ガメゴが目標の地点の決定にルーレットを使っていたことを突き止められてしまう。
そんなことともつゆ知らず、傷の癒えたガメゴによるゲゲルが再開されると、程なくクウガからの再度の妨害を受けることとなり、マイティフォームで立ち向かう彼を鎖を使って締め上げるのだが・・・ここで一条が携えてきた「超高圧ライフル」の正確な射撃により、締め上げていた鎖を寸断された上にはめていた指輪までも全て正確に撃ち落とされ、得物を失うという想定外の事態が発生してしまう。
これで窮地を脱したクウガにより、ガメゴも屋上から叩き落された上にトライゴウラムによって、「追い込みポイント」である都内郊外の工場跡へと運ばれることとなる。それでもなお真正面からクウガに挑みかかるも、対するクウガはこれまで使用を躊躇ってきたライジングマイティを発現させ、必殺のライジングマイティキックが炸裂。その甚大なまでの封印エネルギーにより、ガメゴの命運もここに尽きることとなるが・・・一方ではその際に発生した半径3kmにも及ぶ大爆発が、クウガとグロンギとの戦いに新たな波紋を投じることともなるのであった。
(※1 1回目の投擲の時点でも、「54発中37発」とまずまずな成果を上げているが、2回目は「54発中51発」と、さらに命中精度が高まっている)
(※2 椿秀一の見立てでは「全治5か月の重傷」だったようだが、五代雄介の体内のアマダムの変質により、回復力も劇的に向上し「ほんの3時間ほどで完治」している。もっとも、これだけの回復力の向上は自然の摂理に反したものでもあるため、五代の身体にも相当な負荷と激痛が伴うことが示唆されている)
HEROES版『仮面ライダークウガ』
「俺はキングのカードが好きだ」
「スペードのKのモデルは古代イスラエル伝説の王──ダビデ 」
「敵国の巨人ゴリアテと戦った時、ダビデは礫を投げゴリアテの額を割ったという 」
「──これが俺の、王(ダビデ)の礫だ!」
同作では、TVシリーズに比べて体格がよりマッシブになり、生物感が増した形で描写されているものの、他のグロンギと比べるとそこまでデザインが変わっていない一体となっている。
人間態はがっしりした体格とギザ歯が特徴の男性で、服装自体も黒から白に変わった以外は、概ねTVシリーズでのスタイルが踏襲されている。
得物もTVシリーズと同じく指輪を変化させた鎖鉄球を武器とする他、新たに身体を丸めて突撃する技が追加された。小石を指で弾くだけで自動車を爆砕する圧倒的なパワーや、タイタンソードをも通さぬ堅牢さはもちろん、作中では亀とは思えぬほどのスピードまでも発揮し、メとゴの格の違いをわかりやすく表している。
記事冒頭に示した台詞からも容易に分かる通り、ギャンブル、特にポーカーを好むところもTVシリーズ譲りであり、駿河徹也程ではないにしろ凄まじいまでの強運の持ち主として描かれている。
さらに同作独自の人物造形として、リントの歴史を学び、ダビデ王をはじめとする英雄たちに敬意を持っている。そのため、強者との戦いを望むストイックさも持つ。
作中での動向(HEROES版)
鉄球を投げて標的を殺害するというルールこそTVシリーズと同じだが、同作ではさらに独自のルールとして、「違法カジノでのポーカーでチップを稼ぎ、最高額のチップの枚数だけ鉄球を投げる」というゲゲルに挑む。
神経断裂弾や、片桐章馬が変身したアギトの攻撃も撥ね返し、紫のクウガをも打ち負かすが、クウガのさらなる進化を予見したため見逃し、姿を消す。
その後、駿河や片桐と「ゲゲルの続行」を賭けてポーカーで勝負するも、駿河の強運の前に敗れて一旦撤退。片桐が「負けたら殺人をやめる」約束を反故にしたことに怒り、圧倒的な力で彼を叩き潰した上、霊石を抉り出して変身能力を封じる。ただしゲゲルのルールに反しないよう命は取らなかった。
後日、ゲゲルの邪魔になる駿河を自宅まで尾行し、彼との決闘に応じる。断裂弾を眼に撃ち込まれ、危うく死にかけるが、弾丸を眼ごと抉り出すことで致命傷を免れる。自分を二度も負かした駿河に英雄の素質のようなものを見出したため、その場は退散した。
二度の撤退の後、しばらくは駿河との約束(ポーカーに負けたらゲゲルをやめる)を守っていたが、津上翔一との勝負で負けを取り戻し、ゲゲルを再開。翔一が変身したアギトを叩き潰す。
しかし、駆けつけた五代が新たに変身した「金の赤のクウガ」のキックを正面から受けて立ち、そのまま身体を貫かれて爆散した。
「そ、そうだ……こんな勝負が……したかった……のだ… 」
「ただ…俺が…ダビデに倒される巨人(ゴリアテ)役とは……気にくわぬ……が…な…… 」
備考
演じた酒井は、東映特撮には本作が初出演となるが、これ以前より『星獣戦隊ギンガマン』などのオーディションを受けていたという経験を持つ。また、本作で演じたガメゴは前述の通りギャンブルに興味を示す役柄であったが、酒井も幼少期からの筋金入りの競馬好きであり、出演当時はその競馬に打ち込みすぎて借金まで作っていたという逸話も残されている。この酒井と、『クウガ』のオーディションに落ちた金子昇が揃って『百獣戦隊ガオレンジャー』に出演するのは、これより半年ほど後のことである。
デザインは青木哲也が担当。プロデューサーの髙寺成紀が後年語るところによれば、簡素ながらも強い独自性を感じさせる怪人を志向しながらも、甲羅以外に際立った特徴が見付けにくいがゆえにデザインには苦戦したようで、文芸担当の一人である村山桂からの「首の襟巻で亀の首の弛み部分を表現する」という案を取り入れることにより、さり気に「ぽい感じ」の補強が加わり完成に至ったという(参考リンク)。
デザイン画稿では、実際の造形物よりも肩幅が広くマッシブに描かれており、体色も黒っぽいものとなっている。
関連タグ
リクガメヤミー:『仮面ライダーオーズ/OOO』に登場する敵怪人の一体。ガメゴと同様に亀をモチーフとし、さらに得物として鎖付きの鉄球を振り回すという点でも共通項が見られる
左翔太郎:『仮面ライダーW』の登場人物の一人。松田優作を意識したような見た目、という点でガメゴとの近似点を有する一方、こちらはれっきとした主人公にして仮面ライダーである
未確認生命体第○号
ゴ・ベミウ・ギ(38号) → ゴ・ガメゴ・レ(39号) → ゴ・ジイノ・ダ(40号)
外部リンク
Web archive「仮面ライダークウガ」公式サイト kuuga dimension GURONGI