メ・ガルメ・レ
めがるめれ
「次はぁ、駒沢スクエアで殺しまぁす。…ボセゼ・グシギ・ビンレザ。(これで3人目だ)」
「ラデデ・ギソ・ゴセゾリ・ダロボ・パババサズ・ボソグ!(待っていろ、俺を見た者は必ず殺す!)」
未確認生命体(グロンギ)のうち、メ集団に属するカメレオン種の怪人。警察からは未確認生命体第31号(人間体としては未確認生命体B群4号)と呼称されている。
元来はズ集団に属する個体であったが、同集団に属していた頃に挑戦したゲゲルを成功させ、それより上位のメ集団への昇格を果たした(即ち、作中における唯一のゲゲル成功者でもある)という経緯の持ち主でもある(詳細はズ・ガルメ・レの記事も参照)。
モチーフの特性を反映してか、自身の姿を周囲の風景に溶け込ませ、あたかも消えたかのように見せることができるという能力を持つ。これはガルメに備わっている、色素を変化させられる特殊な皮膚細胞の働きによるもので、後述のゲゲルを行う上でも最大の武器とも言えるものでもある。とはいえこの能力にもデメリットがあり、強い光を浴びた際はに5分間だけ色素変化が阻害され、姿を消せなくなってしまう。
もう一つの武器として、十数メートルにも及ぶ長い舌が挙げられる。普段は口の中に隠し持っているこの舌は自在に伸縮可能で、さらに先端が吸盤状になっていることを活かし、伸ばした舌で遠くの標的を吸着、自らの元へと瞬時に引き寄せた後に、その首をへし折るのを殺しの常套手段としていた。もちろん、クウガとの戦闘でもこの舌は大いに活用されている。
人間体は髪を白く染めた青年の姿を取っており、頭にかけたゴーグルと三角パターンのベストという出で立ちが特徴である。
前述の通り舌を武器にしているだけあり、グロンギの中でも舌や言語感覚が特に発達している方であるようで、ラジオ番組を聴取したり、通りすがりに話している人の真似をする(舌を激しく動かしてベロベロとやっていたシーン)などしただけで、いち早く日本語を習得。その習得レベルも、現代の日本人とほぼ遜色ないものであり、作中でも犯行予告やゲゲルの説明を出来るほどの習熟ぶりを示している他、バルバがリント語で話す際にも、その一部を理解できず困惑気味の他の面々と異なり、ガルメだけは平然とそれについて行けているような素振りを見せている。
そのため、作中でガルメの日本語での台詞から、グロンギ語による会話内容を解読もしくは類推しようとする(前後の日本語から大きく離れた内容のことは言っていないはず、という予想である)視聴者も少なからず存在したほどである。
口も達者で、自ら「ギダバサ・グラセダ(舌から産まれた)」と嘯いて憚らない。ゲゲルのプレイヤーらしく自信家で、なおかつ日本語の習得ぶりからも窺える知能の高さゆえに、他者を平然と見くびる言動が目立つ。ゲゲルの得物たるリント(人間)は言うに及ばず、ゴオマやザインのように同じ集団に属していたグロンギ相手でも、「ズからメへ、時代は移ったのだ」といった具合に、折に触れて皮肉めいた軽佻な物言いをぶつけることも少なくはない。
一方で、そのプライドの高さゆえに怒りの沸点は相当低いようで、煽り返されカチンときただけでも日本語からグロンギ語に戻ることもある。ましてや殺戮の対象に過ぎない現代のリントに一矢報いられた際には、記事冒頭にも示した台詞のように凄まじくドスの利いた捨て台詞を吐いてもいる。
前述の通り、ズ集団の一員としてEPISODE3より人間体の姿で登場しており、その頃から既に人間の唇の動きや、それによって発せられる言葉に興味を示すような様子を見せていた。
その後、ズ集団のファーストプレイヤーであるバヅーが死亡したEPISODE6から、メ集団へとゲゲルの権利が移行したEPISODE7の間(後の五代の台詞から、第10号ことズ・ガズボ・デと第11号ことズ・ダーゴ・ギの合間に当たることが示唆されている)にゲゲルを成功させ、同集団へと昇格している。
この時点では警察は言うに及ばず、クウガすらもガルメに対しての有効な対抗策を持ち得ておらず、その凶行を阻止するには至らなかったものの、「姿の見えないグロンギ」による連続殺人が行われた、という認識はその後もしばらくの間共有されていたようで、ガルメがメ集団の一員としてゲゲルに臨んだ際、杉田守道からは「"あん時"のヤツだ……!!」と、そしてクウガこと五代雄介からも「もしかして、"前に一度逃げられた、あの"……!?」といった具合に、その手口がかつての「姿の見えないグロンギ」のものであろうと即座に看破されている。
これらの経緯については作中では全く描写されず、視聴者にとっては心当たりがない出来事でため若干の混乱を招いたが、作中に登場する未確認生命体の通し番号がちょくちょく飛んでいること、それに放送期間中に発売されたガイドブックの内容などから、「本筋に絡まない設定上のみの怪人」が複数存在することが後に視聴者にも明らかにされている。
メ集団への昇格後は、自身にゲゲルの番が回るまでの間、時には先にプレイヤーとなったグロンギをからかうなどしつつも、ガリマと共にゲゲルを見届ける立場にあった。
作中ではガリマと並んで、メ集団の中でも出番が終盤に回され、また彼女ともゴ集団への昇格を巡って挑発し合っていたことなどから、昇格と同時に相当なパワーアップを遂げており、恐らくはガリマに匹敵する力を手にしたものと見る向きもある。
そして満を持して迎えた2度目のゲゲルに際しては、前述した長い舌と透明化能力を駆使し、2000年5月23日頃より目黒区内にて殺人を開始。ゲゲルの期間、ならびに目標人数は作中では言及されていないが、犯行に際して姿を消したまま、次の犯行現場を予告するという行動を取っていた。
自らの行動予定を明かすことはその分だけ警察からの「妨害」が入ることも意味しており、恐らくはこれがガルメなりのゴ集団への昇格に向けた一種の「縛り」であることが、ガリマとの会話の中でも示唆されている。またこの予告は単なる縛りにとどまらず、犯行現場に駆けつけた警察官をも殺すことで犠牲者数を稼ぐという、頭脳プレーの一環でもあった。
このゲゲルの過程では、直接の描写は無いながらも朝日奈奈々の芝居の先生も犠牲者の一人となっており、先生をとても慕っていた奈々の心に深い傷痕を残す結果ともなった。
ともあれ、その後も順調に犯行を重ねていったガルメは、ザジオより武器の大鎌を提供されたガリマに「武器を持っているだけでは、ゴとは言えないでしょう」と嘲るなど、依然として自信満々な様子であったが、一方でこの間警察も全く手をこまねいていた訳ではなく、セントラルタワーで警官隊から受けた銃撃を弾いた際、銃弾に付着した体組織から透明化能力のカラクリが解明されてもいた。
それから一夜明け、自らの予告通りに品川の中央プラザに現れたガルメは、待機していた警官の一人を血祭りに上げると、一条薫らからの問いに対して「グロンギが殺人を犯す理由がゲームである」ことを滑らかな日本語で説明してみせるなど挑発的な言行にも及んでいる。
が、遅れて桜井剛が持ってきたスタングレネードの閃光を浴びたことで、その姿が暴かれたガルメはそれまでの余裕をかなぐり捨てるほどに激昂、グロンギ語で捨て台詞を吐いて逃走を図る。しかしその途上にも五代が待ち構えており、彼が変身したクウガとの戦闘では自慢の舌での攻撃も全て避けられるなど、劣勢に近い状況に追い込まれてしまう。
幸いにしてトドメを刺される寸前で透明化能力が回復し、再び姿を隠してその場から逃走するも、かつてズ集団の頃にゲゲルを成功させた時とは異なり、この時のクウガにはペガサスフォームという有効手が備わっていたのが、ガルメにとっての最大の誤算であった。ゴウラムを召喚しての飛行と、ペガサスフォームの超感覚とを最大限に活かして繰り出されたブラストペガサスからは逃れることも叶わず、彼が「必ず殺す」と息巻いていた警官達の目前で爆死するという、皮肉そのものな最期を遂げたのであった。
「突然ですが、口喧嘩しませんか?」
「ちょいちょいちょい。逃がすかよ」
2014年より月刊ヒーローズ誌上にて連載されているリメイク漫画にも登場し、同作ではカメレオン・ゾディアーツのように、より爬虫類的なデザインへとリファインされている。
早々にメ集団に昇格、もしくは元々メ集団だった可能性もあるが、ともあれかつて同じズ集団に属していたズ・ザイン・ダをさんざんに愚弄した挙句、透明化と長い舌による攻撃で粛清を加えるなど、原典以上にウザさや残忍さも爆増している。
同作においてバルバに申告したゲゲルの内容は「3日で120人を殺害」となっており、原典での犯罪予告に加え、「最初に口喧嘩を仕掛け、相手が言い返せなかったり、相手にしなかった場合に初めて殺人(長い舌による絞殺や突き刺し等)を開始する」というルールへとアレンジされている(曰く、「言葉を使って戦う生き物はリントだけ」)。
一方で、同作では沢渡桜子ら研究チームが、ゲゲルの理由などを解明・説明する役割を担っていることから、原典とは異なりガルメ自身がゲゲルについて話すシーンはない。
作中ではみのりに標的を定めてゲゲルを行おうとするも、英語がわからなかったせいで「自分のことは気にも止めず他人のために尽くす」おバカで愛おしい兄への罵倒に混乱するというコミカルな反応を示す。
結局、口喧嘩道(とでもいうのだろうか)の誇りを汚されたと感じたのか、逆上したガルメはみのりを殺そうとするも、原典と同様に特殊照明弾を打ち込まれて透明化を邪魔され、逃げようとしたところにペガサスボウガンの一撃を受けて粉々に吹き飛んだ。
その後、戦闘シミュレーションの映像としてメ・バヂス・バ、メ・ギイガ・ギと共に登場。舌でクウガを攻撃するが、パンチの一撃で倒された。
『仮面ライダーディケイド』では、ン・ガミオ・ゼダに殺された複数の通行人がガルメに変貌を遂げている。
グロンギの中でも初期にデザインされたこともあり、メ集団にしては装飾がシンプルだったり、褌を着用していなかったりといった点で、他のメ集団のグロンギ達とは一線を画している。
また、スーツも同様に番組開始前の早期のうちに作られており、撮影会ではクウガと格闘するスチールも撮られているほか、アパレルグッズ『仮面ライダークウガ変身スーツ』のTVCMにも登場している。
もっとも、このスーツについてはイメージとは異なるという理由から、作中には登場することなくリペイントが施され、後にリペイント前がズ集団としての姿、リペイント後がメ集団としての姿として位置付けられるようになった。
スーツに関してはこれ以外にも、体格が大ぶりで頭部の角が3本ある別バーションのスーツも作られていたが、こちらも同様にNGとなった末に別の形で再利用されることとなる。
劇中「大田区セントラルタワー」として登場した現場は、実際には西東京市(当時は合併前の田無市)に存在する西東京スカイタワーがロケ地となっている。
森雅晴氏は、Blu-ray発売記念のトークショーが開催された際、仕事がバッティングしたため出演予定は無かったが、仕事が早く終わったため、急遽出演することになった。その際椅子は用意されていなかった。
また七森美江女史によると、ズ・ザイン・ダ役のAKIRAに適当なグロンギ語を教えたり、楽屋でメ・ビラン・ギ役の大橋寛展氏とグロンギ語で下ネタを言い合っていたそうである。
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関連・類似項目
- バイオグリーザ カメレオンアンデッド カメレオン・ゾディアーツ:いずれも平成期の仮面ライダーシリーズの他作品に登場する、カメレオンをモチーフとするライダー怪人達
- カメレオマン:『ロボット刑事』に登場する敵怪人の一体。「カメレオン系のネーミングと透明化能力の持ち主」であると同時に、「ヒーローとの戦闘中、警察の援護によって透明化を封じられて敗北した」という共通項を有する
- スティング・カメリーオ:『ロックマンX』に登場するボスキャラの一体。「カメレオンモチーフの敵キャラと透明化の持ち主」であると同時に、毒舌な性格及び舌で攻撃するという共通項を有する。
未確認生命体第○号
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Episode ??『連勝』
「仮面ライダークウガ」のメ・ガルメ・レものです。 メからゴに昇格するとどうなるのかをやってみたかったのでガルメにゴに昇格してもらいました。2,372文字pixiv小説作品 - 仮面ライダークウガ
Episode ??『知略』
仮面ライダークウガものです。 前回書いたガルメのゲゲルを詳しく描きました。 半分くらい一条さんが主役になってます。 あと、オリジナル設定としてメからゴへの昇格を賭けたゲゲルを作りました。 ムセ・ゲリザギバスゲゲルつまりプレ・セミファイナルゲーム。 これに挑んで成功すれば一発でゴ昇格。 これをやらずに数にこだわれば、二、三回のゲゲルないし高難易度ゲゲルに成功しなければゴにはなれないという。 ムセ・ゲリザギバスゲゲルの申請はゲゲル開始前にすること、条件は厳格化の方向であれば変更OK、達成困難と判断した場合にはメのゲゲルに変更可能、ルールはそんなところでしょうか。4,205文字pixiv小説作品