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サバクトビバッタ

さばくとびばった

バッタ目バッタ科Schistocerca属に属するバッタの一種。蝗害を起こすバッタの中では大型の部類。
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概要編集

バッタ目バッタ科Schistocerca属に属するバッタの一種。一見して日本のトノサマバッタトノサマバッタ属)に似ているが別属である。

蝗害を起こすバッタの中では大型の部類。英語名は「Desert locust」で「砂漠のイナゴ」と訳されるが、「locust」は飛翔力の強い大型バッタの事でイナゴではない。アフリカ南アジア乾燥地帯に生息する。

サバクトビバッタの住む地域では昔から重要な食糧とされ、洗礼者ヨハネも「らくだの毛ごろもを着物にし、腰に皮の帯をしめ、いなごと野蜜とを食物としていた(マタイ伝)」とされる。は冬。


雨季に繁殖する。通常は体色が緑色で1匹1匹が離れて暮らしているが(孤独相)、旱魃で隠れ場所となる草地が少なくなるなどすると、翅が長くなり体色は黄色や黒に変化し(群生相)、フェロモンを発して大群となる。

飛蝗はありとあらゆる植物を食害しながら進むため、農作物が大被害を受け、飢饉の発生の原因ともなる。また、糞を撒き散らして作物をダメにしてしまう。

しかも群生相になると体質が変わり、食用にしようにも不味くて食べられない代物になってしまうので人間にとっては100%迷惑にすぎず、しかも進軍の勢いが1日に90マイル(約145km)移動と早い。おまけに毒草すらも食する為、生物濃縮で毒を体に溜め込んでいる恐れがある。餌が尽きると共食いを始める。

おまけに捕獲をしようにも網を食い破ったり、数億にも渡る群れをちまちま捕まえるのは割に合わず、飛行機を使って上空から駆除しようにもバードストライク、火炎放射器で駆除を試みようにも二次被害のおそれが、土壌汚染の観点から強い殺虫剤が使えないなど駆除に関しても問題が山積みである。


蝗害防止のための研究編集

群れフェロモンを利用して蝗害を防ぐ研究が進められている。幼虫のフェロモンは互いを引き寄せるが、成虫のフェロモンは逆に方向感覚を狂わせてしまうらしい。


聖書におけるサバクトビバッタ編集

聖書では「世界の終わりにアバドン悪魔の一種)がの群れを率いて人々を苦しめる」とされ、飛蝗の害を避ける事を願い断食聖会が行われる程だった。

他にも聖書で悪魔的存在とされる虫には「魔女の簪」や「竜虫(ドラゴンフライ)」と呼ばれるトンボ魔王ベルゼブブ眷属とされるなどがある。


2020年の飛蝗発生時のデマ編集

2020年の飛蝗発生時には、まとめサイトなどにより「サバクトビバッタの大群が中国へ!」というデマが流された。

サバクトビバッタの飛翔力は強く、1987年から1989年にかけての大発生時にはアフリカから大西洋を越えてカリブ海にまで到達している。

しかし寒さに弱い為、冬の中国には進出できない。また、到達高度は2000m程度が限界なのでアトラス山脈ヒマラヤ山脈を超えられない。


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害虫 バッタ 飛蝗 災害 旧約聖書

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