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人体錬成

じんたいれんせい

人体錬成とは、『鋼の錬金術師』のタグの一つ。同作品における錬金術師にとって最大の禁忌とされる。
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概要

人間の体の一部もしくは全てを練成する事。ただし、単純に傷病を治す行為は「医療錬金術」として区別されるので、ここでは死者の蘇生や人体や人間そのものの作成を表す。

エドワード・エルリックの見解によると、人間の体は35L、炭素20㎏、アンモニア4L、石灰1.5㎏、リン800g、塩分250g、硝石100g、硫黄80g、フッ素7.5g、5g、ケイ素3g、その他少量の15の元素、及びその個人の「遺伝子の情報」によって構成されているとの事(原作第1話)。
エド曰く「子供の小遣いで買える」との弁だが、これを人間と体組成の近い豚の骨肉で補填したり、石灰・リン・硫黄は化学肥料を用いる、ケイ素はガラスに含まれる、など知識や工夫を凝らせば子供でも買い集めることは実際に可能と考えられる。

この材料を揃えれば、理論上は「等価交換の原則」に従って、失われた人体を再生させたり、死んだ「人間」すらをもを作り出して、現世に蘇らせる事ができるという理屈である。

しかし、人体錬成は危険な上に倫理にも反する行為の為に、錬金術師の間では絶対に犯してはならない最大の禁忌とされており、アメストリスでは「国家錬金法」という法律で禁じられている。
国家錬金術師の規則においても、その三大原則の一つに「人を造るべからず」と改めて明確に定められており、これに反した者はいかなる理由があろうとも重罪人として重刑に処される(ただし、実はこの「人を作るべからず」が制定された背景には、全く別の意図もあったのだが)。

基本的には、人体錬成はその程度は違えども決して人間では不可能であり、死者復活はおろか欠損した肉体を再び生やす事などもできない(錬丹術師のメイ・チャン曰く、「失われた部位からは錬成に必要な力も失われるから」との事)。肉体の再生は賢者の石を核としたホムンクルスだからできる事である。当然人体を直接錬金術で別の物に錬成する事も不可能であり、作中ではエドがグリードの硬化した肉体を脆い物質に再錬成して攻撃していたが、これも元々「最強の盾」という能力を持つホムンクルスのグリードに対してだからできた事に過ぎない。
旧アニメ版における、キンブリー人間爆弾錬成も軽度の人体錬成に当たるのだが、旧アニメ版の世界では人間の中身をある程度の別の物に変える事くらいは可能であるらしい(ただし旧アニメ版のキンブリーは、この人間爆弾錬成の件も含めてイシュヴァール戦後に逮捕された)。

ちなみに作中でマスタングが、マリア・ロス少尉を逃がす囮として人体と同じ構成物質の肉人形を作っていたが、魂も何もないただの「人形」を作るだけなら人体錬成には抵触しないので可能である(マスタングは医療系は専門外なので、内臓器官も適当な物しか作れなかったが)。後に傷の男に協力する事を決めたマルコーも、傷の男が殺したキメラの死体から自分の肉人形を錬成してそれを囮に逃走しており、マルコーは医療系の専門家なのもあってマスタングの物より精巧な人形を作っている。

人体錬成を行う結果とその対価

人体錬成を行った者は、それぞれが己の中に持つ「真理の扉旧アニメでは真理の門)」の前に連れてこられ、扉の向こうにある「真理」と呼ばれるこの世界のあらゆる情報流の中を通過しながら見せられる。並みの術者であれば真理から流れ込んでくる膨大な情報を許容も理解もしきれず、その過程で死ぬか正気を失ってしまう。そして情報を許容して帰還する事ができたとしても、「真理」を通過したその「通行料」として、身体の一部を真理に「持っていかれる」。
これによって奪われた物は、そもそも該当する物が「真理」側にある為に、また別の対価を払ってそれを取り戻さない限りは、どのような手段を使っても決して治す事はできない。

このような大きな代償を払ったとしても、死んでしまった者を人体錬成で生き返らせる事は理論上絶対に不可能である。この理由は「等価交換の原則」により、この世から失われた死者の魂や情報はそもそも「真理」の中にも存在しないからである。つまり人体錬成を行った者が「真理の扉」に飛ばされるのは、そこで術者が必要とする死者の魂の情報を手に入れる為であり、しかし死者の魂の情報など無いので結果何を代価にしたとしても、自らの一部という通行料だけ「持っていかれる」という結果のみが発生する。
誤解なきように言うが、肉体を持っていかれるのは人体錬成の対価ではなく、あくまでも扉の通行料であり、人体錬成そのものはそもそも必要な情報が無いので支払うべき対価も存在しない。その為に、真理で辿り着ける情報量は通行料として支払った肉体の量に比例する。ただし、魂の情報が無いという事は、それに紐付けされた肉体と精神の情報も当然ながら無いので、どれだけの通行料を支払っても必要な情報は得られず、人体錬成の結果生み出された「ヒト」は、肉体は人間の形をしておらず、魂はそもそも無いか真理が得た「誰か」の魂を入れられた「ナニカ」が完成する(エルリック兄弟の場合は、トリシャの身体的な特徴が全くない人間の形をしていない肉体に、真理を通過したアル自身の魂を定着させたモノを錬成した)。そして生まれたモノは、魂が無い場合は当然ながら最初から生きてはおらず、魂を入っていても他人のものなので基本的には魂と肉体の拒絶反応で直ぐに肉体が崩壊して「死ぬ」場合が多いが、崩壊せずに一先ず生きているか死んでいるかも分からない肉人形として残る事もあるらしい。ただし、肉人形として錬成物が残った場合もいずれは作中のアルのように拒絶反応を起こして崩壊すると思われる。
ちなみにこの時に拒絶反応で「死んだ」肉体から分離した魂は、そのまま精神に引かれて再び真理の中の自分の肉体の元に戻る。アルの場合はそこでエドに現実世界に引き戻され鎧に定着させられた。

そして、「真理の扉」を開けて真理をその身に許容して帰還できた者は、あらゆるものの情報を宿した言わば生きた「構築式」となる為に、錬成対象や構築式の情報を物理的に【理解】すれば、両手を合わせて「円」を作り力を循環させる事で、錬成陣無しで自在に大規模な錬成を行える能力を得られる。ただし、真理から得た情報をその身に許容して宿す事ができるのは、あくまで錬金術師だけであり、例えば錬金術の知識もなく全く使えない者が人体錬成に飛び込んで真理を通過したとしても、真理をその身に宿す事はできない。その代わりこの場合は、通行料を支払ったり失敗した場合のリバウンドを受けるのも、人体錬成を行った術者本人だけである。

ちなみにプライドは、作中で金歯医者の脳内の人体錬成の構築式の情報を使って、強制的にマスタングの真理の扉を開けたが、この場合はリバウンドは構築式を持つ金歯医者と錬金術を使えない人造人間の身で無理矢理使ったプライドに全て行っており、代わりに通行料は実際に真理を通過した錬金術師であるマスタングが「視力」で支払う事となった。このように人体錬成において基本的にリバウンドや通行料を支払うのは、人体錬成を実行した者と真理を通過した錬金術師である。

ちなみに「真理」に「持っていかれる」部位は、真理の前にいるその人物を投影した「白い影」の意思によって選ばれており、「お父様」は「人が思い上がらぬよう正しい絶望を与える」為だと主張している。

例として

  • エドワード・エルリック→家族を蘇らせようとした罪で、たった一人の家族(弟)と立ちあがる為の足を片方持っていかれた。
  • アルフォンス・エルリック→母の温もりを欲しがった罪で、身体全てを持っていかれて温もりを感じない体になる。
  • イズミ・カーティス→息子を蘇らせようとした罪で、内臓を持っていかれて子供を産めない体になる。
  • ロイ・マスタング→国の未来を見る為の視力を持っていかれた。
  • ジュドウ(短編「盲目の錬金術師」)→主君の娘を蘇らせようとした罪で、マスタング同様に失明する。仮に言い表すなら「自らの錬成理論の成否を永遠に確認できなくなった」というべきか。
  • スカーの兄(旧アニメ版)→死んだ恋人を蘇らせようとした罪で、子供を作れない体にされ、更に二次被害で心を奪われる

伝説上では、賢者の石があれば「等価交換の法則」を無視して人体錬成をも可能となると言われていたが、賢者の石の正体はあくまで人間の魂(生命)を固めたエネルギー体に過ぎない。本来対価が無ければできない術を対価無しで自在に行う事ができるのも、実際には魂のエネルギーを消費して対価にしているに過ぎない。勿論どれ程巨大な賢者の石があろうが、真理に失われた人体の情報が存在しない以上は、死んだ人間の人体錬成は絶対に不可能である。ただし、賢者の石は人間の魂の結晶である為に、賢者の石を通行料とする事で肉体を失う事なく「真理の扉」を通過したり、持っていかれた肉体を取り戻す事はできたりと「万能の対価」としては使える。

死者や失われた肉体を錬成する事はできないが、「真理」に通行料として持っていかれた肉体については、現実世界の本人との精神という繋がりを通じて真理側に存在する為に、「等価交換の原則」に従って何らかの対価を支払う事で取り戻す事ができる。事実マスタングはマルコーから与えられた賢者の石を対価とする事で、真理から視力を取り戻して回復している。そしてエドも最終的には自身が宿した「真理(錬金術の【理解】に必要な全情報)」を対価とする事で、錬金術師としての能力全てを失う事と引き換えに、真理からアルを取り戻す事に成功した。
ただし肉体を取り戻す場合は、基本的にはその肉体と精神で繋がった本人しか取り戻す事はできない。これは肉体の元には基本的に精神で繋がった本人しか行く事ができないというのもあるが、精神が混線してアルの真理の扉の肉体の元に辿り着く事ができたエドの場合でも、アルの肉体側から拒否されている。一方で魂だけを真理から取り戻す事や、魂と肉体の全てが真理にある者を取り戻す事は、そこに辿り着ける者であれば他人でも可能である。

生きた人間の人体錬成

上記した通り、死者や失われた人体を錬成する事は不可能である。
ただし、まだこの世に魂・精神・肉体が存在し、生きている人間の錬成、即ち生きた人間を材料として、その人物自身を再錬成するという形での人体錬成であれば不可能ではない(例えるなら水を水に、鉄を鉄にそのまま再錬成するといった形である)。事実作中では、エドが自分自身を分解して真理の扉を通過する事で、別の場所に再構成するという形で人体錬成を成功させている。なお、その場合でも真理の扉を通過するので、当然ながら通行料は要求される(この際には、エンヴィーから受け取った賢者の石を通行料にした)。さらにこの件で自分自身を人体錬成する構築式と、さらに後に自分の魂を一つの賢者の石として扱う方法を【理解】したエドは、後にその応用として自らの魂を賢者の石として再錬成する事で、ホムンクルス・プライドの中に潜入する事に成功している。ただし、人体錬成には変わりないので当然ながら難易度は高く、失敗すれば全てのリバウンドは術者本人に返ってくる。

実は、これこそが「お父様」の根幹にして、計画達成の為の手段に他ならず、お父様はクセルクセスにおいてクセルクセスの全国民を賢者の石に錬成し、その賢者の石を己とホーエンハイムに付加して、自分とホーエンハイムを人体錬成し直す事で、ホーエンハイムと共に真理を宿した事による膨大な構築式と賢者の石のエネルギーを得て、事実上の不老不死とノーモーションで自由自在に錬成する能力を手に入れた。
そして、本編では5人の真理の扉を開けて真理を宿した人間(人柱)のエネルギーを使って、惑星そのものの真理の扉を開けて得たその情報と、国土錬成陣を使って生み出した巨大な賢者の石を自らの身に取り込んだ上で、改めて自分自身を人体錬成する事で、神の力を手に入れようとしたのである。

クセルクセスの遺跡とグラトニーの腹の中にあった巨大な壁画は、この計画の為の人体錬成の構築式そのものを表したものであり、クセルクセス滅亡後にお父様が自身の計画とクセルクセスで自身が行った事を隠蔽する為に、グラトニーに壁画の一部を飲ませて葬ったのである。
 

余談

鋼の錬金術師の作者・荒川弘が連載中に第一子を出産した事を、俗に「人体錬成に成功した」という事がある。

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関連タグ

鋼の錬金術師 錬金術師 対価 禁忌 錬成 等価交換 真理

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人間製造機:先駆けと呼べるアイテム。こちらは錬成自体はノーリスクで可能であるが、人体錬成とは別の形で代償を払わされる事となる。

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