概要
アメストリス軍中央支部に在籍する軍人で、階級は少尉。身長172㎝ぐらい。 アレックス・ルイ・アームストロング少佐の部下であり、デニー・ブロッシュ軍曹と共に一時期エルリック兄弟の護衛を務める。
黒髪の短髪と、左目の下にある泣きぼくろが特徴の凛々しい目鼻立ちの女性。
灰汁の強いキャラクターの多い本作の中でも一般的思考を持ち合わせた人物であるが、それ故に、心身共に暑苦しい上官や天才気質の兄弟たちによる常識離れした言動に終始振り回されたり、ときには貧乏くじを引かされたりと苦労が絶えない。また、知識はあっても精神的にはまだ年相応に未成熟な兄弟を、ときには大人として叱責することができる芯の強さも持ち合わせている。
当初は少佐階級に相当する国家錬金術師であるエドワード達に対し礼節を持って接していたが、とある出来事を機に打ち解ける。
作中での活躍
セントラルへやってきたエルリック兄弟を出迎え、これまで二人の護衛を務めていたアームストロング少佐に代わり、ブロッシュ軍曹と共に二人の護衛を任される。
ティム・マルコー医師が自身の著書の中に暗号で記した「賢者の石の生成法」を調べようとする兄弟に協力し、彼らと共にセントラルを案内しつつマルコーの著書の捜索に協力する。その結果、賢者の石の材料が「複数の人間の命」であることが発覚し、更にその「真実」の鍵となる情報が閉鎖された「元第五研究所」にあると突き止める。
二人の身を案じる少尉は、自らが研究所を調査することを告げ「勝手に忍び込まないように」と釘を刺すが、兄弟は構わず深夜に研究所に侵入してしまう。ロス少尉たちは、しばらく後に二人がいないことに気付き、急ぎ研究所に向かうことになる。バリー・ザ・チョッパーに襲われるアルフォンスと、エンヴィーに背負われた満身創痍のエドワードを救出し、突如倒壊を始めた研究所から脱出する。二人が軍部からの追求を避けられるように知人の病院へと搬送した。
自分たちの制止も聞かず勝手な行動を取り、結果大怪我をこうむりながらも反省の態度をみせないエドに憤慨し強烈な平手打ちを浴びせて叱責。「大人である自分達をもっと頼りにしてほしい」となげかけた。エドもこれには堪え反省し、以降はお互いに打ち解けて信頼関係を強めることとなる。
それからしばらく後、軍部よりマース・ヒューズ中佐殺害事件の容疑者として身柄を拘束されるという不幸に見舞われてしまう。これは、不審を抱き事件を調査していたロイ・マスタング大佐の目眩ましのためにホムンクルスたちが行った策謀であり、実際、ヒューズを殺害した張本人であるエンヴィーが直前まで彼女の姿を用いていたこともあり利用されてしまった経緯がある。
しかし、本来なら軍にとっては不名誉な「同僚殺し」という公表しがたい事例をあまりにも露骨に発表していることから、マスタング大佐とその部下たちはこれに何かしらの思惑があると勘付き、表向きは「拘置所から脱走中にマスタングの手で殺された」と偽造工作し、密かにアメストリス国を脱出しクスルクセス遺跡に潜伏した。
エドも、当初は真実を告げられず大佐に対し強い怒りを覚えていたが、後に少佐やハイマンス・ブレダ少尉に連れられて遺跡に入り、そこでロス少尉と再会を果たす。同じくその場で落ち合ったシン国のフーも交えて、敵のいない好機を利用してこれまで入手したそれぞれの情報を共有し整理を行う。
「こうして考えれば考えるほど………賢者の石とか無関係よね私」
その後はフーと共にシン国へと亡命することになり、エド達との別れ際、マスタングに有事の際はかならず駆けつけると約束した。
「約束の日」では約束通りアメストリスに帰還し、レベッカ・カタリナ少尉と共にセントラルに駆けつけ、とある協力者を介して調達した武器弾薬等の補給物資をマスタング達に届けた。また、真実を告げられていなかったブロッシュ軍曹はこのとき初めて彼女の存命を知ることになった。
全てが終わった後は再びアメストリス軍に復職したものと思われる。
余談
ちなみに本作のコミックスでは、収録エピソード内で死亡した登場キャラクターが背表紙カバー下で天に召される(天使の輪・羽を生やして昇天する)イラストが掲載されるのがお約束となっていた(一部例外はあるが)。
彼女もその例に倣い、前述のマスタング大佐に焼殺された第9巻で一度昇天させられるが、生存が判明した次巻では落下する姿が描かれた。
2003年版アニメ
CV : 斎賀みつき
原作よりも出番が増えている。ヒューズ殺害の容疑者にされることはない。賢者の石の材料を知って自暴自棄になるエドワードを慰めたり、赤い水に触れて暴走したエドを抱きしめて鎮めるなど、エドに対して愛情を持って接している。
また、スロウスに殺されそうになったウィンリィとシェスカを助けたり、フランク・アーチャーとの戦いで窮地に陥ったイズミをブロッシュ軍曹と共に助けるなど、重要な場面にも度々登場する。