CV.堀内賢雄
概要
主人公ヤマザキの頼れる愛犬(ヤマザキ自身は第一の家来と称している)。ブロータイプの眼鏡をかけているのが特徴の茶色い犬。ヤマザキの家来である動物軍団「ワタナベ軍団」のリーダーを務めている。
ヤマザキがピンチになった時に駆けつけてくれるが、あまり役立ったことがなく逆に彼を窮地に立たせる事の方が多い。時には命に関わる洒落にならない事態になる事も。
喋れないがヤマザキと普通に会話が成立したり道具を扱えたりなど、知能や身体能力は明らかに普通の犬とは一線を画している(ただしヤマザキに扮して学校のテストを受けた際は無惨な結果になっている)。
基本ヤマザキに扱き使われたりするが、たまに反乱を起こしたり酷い目に遭わせたりしている。だがなんやかんや忠誠心は持っているようで結局はヤマザキの元に戻っている。二人は互いに互いをぞんざいにしたりする事も多かったが、その実強い絆で結ばれていた事は後述する社会人ヤマザキの話を見ても察する事が出来る。
ヤマザキが女の子になってしまった時にはプードルのような姿にされてしまったり、きさきの愛犬「エリザベス」に恋心を抱いてプロポーズをするも見事に玉砕したりと不幸も多かったが最終話直前、別の犬と夫婦になったうえ子宝に恵まれた。
出会い
まだ子犬だった頃、段ボール箱に入れられて捨てられていた。なおこの頃から眼鏡は着用している。雨が降っていたこともあり自身も段ボール箱も濡れてしまっていた時、傘を差して出かけていた幼少期のヤマザキに拾われた。
と言う話をワタナベが反乱を起こした際にヤマザキが説得の為に持ってきた(妙にドラマ仕立てに編集された)ホームビデオの映像で観られるのだがこの話には続きがあり、ヤマザキ宅に連れて帰られたワタナベは何とヤマザキによって餌を与える名目でおでんの刺さった串によるアーチェリーの的にされるという仕打ちを受けていた(アニメでは餌を食った後ヤマザキが豹変し家来になる事の誓約書に無理矢理サインさせられる)。
小さい頃から苦労していたようである。
社会人ヤマザキ
10数年の月日が流れ、会社の倉庫で段ボールの雪崩に遭ったヤマザキの呼ぶ声を聴いて、相変わらず馳せ参じる様子が描かれていた。
小話
・アニメで声を演じる堀内賢雄氏は次作『コロッケ!』でフォンドヴォーを演じている。これに関してはドリアン=おじじ様、ダイフクー=おばば様同様にコロッケ!の単行本でも触れられた(ただしピロシキ=ブタ田に関しては触れられず)。
・ワタナベのモデルとなった犬は、原作者の樫本学ヴ氏が当時飼っていた柴犬。
関連タグ
栃の嵐:『学級王ヤマザキ』の大先輩とも言えるギャグ漫画『がきデカ』に登場するキャラクター。主人公の相方的存在の犬のキャラクターで、時として主人公を馬のように乗せることがある。とこれまたワタナベの大先輩とも言えるキャラクターである。
これより先にネタバレが記載されているため閲覧に注意
「そうだ……! ワタナベはもう……この世に、いなかったのだ…!」
地下倉庫でヤマザキが見た馳せ参じるワタナベは幻であった。
数年前、ワタナベはこの世を去っていたのである。
ヤマザキの幼少期から学級王時代、そこから更に月日が経っている事を考えると、亡くなった当時のワタナベは犬としては相当な高齢になっていた筈であり、恐らく老衰か或いは高齢からくる何らかの疾患により亡くなったものと思われる。
臨終の際、泣き縋るヤマザキにワタナベは自分の眼鏡を形見として渡し、息を引き取った。
ワタナベの生前の姿を象った墓が立てられており、
そこに形見の眼鏡がかけられていた。
気落ちしたヤマザキが墓参りに来た時、突然かけてあった眼鏡が落ちた。
ヤマザキが拾いあげ汚れを拭き取りレンズの具合を見るべく自分の目にかけてみる。
そして言葉を失った。
「そうかお前…これをわがはいに伝えたくて……」
レンズに付いた傷だと思っていた物は、ワタナベからのメッセージであった。
[が ん ば れ]==[ヤ マ ザ キ]
自分を心配し今際の際に爪でメッセージを書き残していたのだと、
ヤマザキはその場に崩れ落ち涙を流した。
そして後日、いつものように会社へ向かう支度をするヤマザキ。
「人生はちびし~のだ! それでもわがはいは、」
「おっパイよー!! 今日もしぶとく生きてくのだ!!」
ワタナベの形見の眼鏡をかけ、決意も新たに颯爽とヤマザキは会社へと向かっていった。